カテゴリー別アーカイブ: タイルワンポイント

下地、接着剤、目地材。施工の基本はこの3つ!

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」も第5回目。半年をかけて全6回予定でいろいろ学んできましたが、そろそろ最終章を迎える…はずだったのですが、好評につき(?)延長回が追加。
ここからはしばらく、まったくの未知の世界…「タイルの施工」について学んでいきます。

今はほぼ接着剤で張ってます!

タイルを施工するにあたって必要となるものは3つ。「下地」「接着剤」「目地材」これらが揃ってはじめてタイルを張ることができます。
まずは内装の壁への施工から―。

内装の壁には、2つの工法
●接着剤張り
●積上げ張り

内装の壁に張る場合は大きく分けてこの2つの工法があるのですが、現在ではほぼ100%が「接着剤」で張っているのだそうです。

かつては「積上げ張り」が主流だったのですが、なにしろ難しいらしく熟練の技が必要とか…。
「積上げ張り」は「だんご張り」とも呼ばれ、モルタルを団子のようにたっぷりとタイルにのせて、施工する壁に押しつけグイグイっと押し込んで張っていく方法。張っていきながら”平面”を自分で出していかなくてはならないということで、とても難しいようです。
技能五輪で「タイル張り」の技術を競い、世界大会もあるみたいですよ。ちょっと見てみたいですね!

ちなみに積み上げ張りは150角ぐらいまでのタイルでやっていて、あまり大きいものだと、たっぷりのせた団子(モルタル)が落ちてしまってダメ、ということでした(笑)
それにくらべると接着剤は作業性がよく、いろいろな下地で使えます。


内装の壁には、2種類の下地
●ボード下地
●モルタル下地
(ブロック・コンクリート造)

大きく分けると基本的にはこの2つ。
内装壁ではほとんどの場合ボード下地のところが多いのですが、施工場所によって使われるボードの種類もいろいろ変わります。

・石膏ボード
・シージング石膏ボード
・耐水合板
・珪酸(けいさん)カルシウム板(ケイカル板)
・デラクリートセメントボード

表は代表的な事例を挙げたもので、実際の水がかりの程度を考慮してボードの選定をします。

水を使わない場所はよくある「石膏ボード」、浴室などには、耐水性・耐久性に優れたデラクリートセメントボード(外壁にも使われる)…というように、実際の水がかりの程度を考慮して、それに対応したボード下地が使われています。

シージング石膏ボードとは
石膏ボードの両面の原紙および芯のせっこうに防水処理を施したもの。 湿度、温度による伸縮、変形が少ないので、「アバレのない下地」としてタイル接着工法をはじめ、各種下地として優れている。 台所、洗面所などの室内の壁、天井の下地材として使用
耐水合板とは
耐水性を持たせた合板のこと。合板の接着強を保証するため、耐水性能によって、JASの基準が設けられている
珪酸カルシウム板とは
水酸化カルシウムと砂を使って成型した板材。主に耐火断熱材として用いられ、鉄骨の耐火被覆としても重要な材料。比重も軽く施工性も高いことから、軒天など様々なところに利用される

モルタル下地もまた、常に水がかかるような場所などに使われます。
タイルの目地から頻繁に水が入ってきてしまうようなところには、先ほどのセメントボードやモルタル下地にします。


ところでモルタルって?
「土間はモルタル仕上げで!」なんて聞くと、セメントを塗って仕上げたコンクリートみたいなあんな感じかな…?って、なんとなくイメージはわきますが、モルタルとコンクリートって、全然違うものらしいです。
ちなみにモルタルもコンクリートも、材料としてセメントを使っているのですが…

モルタル → セメント 1:砂 3
コンクリート → セメント 1:砂 3:砂利 6

が通常の割合だそう(作業内容によって調整要)。
モルタルはセメントと水と砂を混ぜたもので、このモルタルにさらに2~3cmの砂利を混ぜて強度を上げたものが、コンクリートです。
コンクリートは強度が高いので建物の構造材など向け、一方モルタルは柔軟性と装飾性が高く、建物の表面部分に使用されることが多いということでした。

下地の厚さは? タイルの厚さにも注意
施工場所による下地の選定方法をみてきましたが、ボード下地には厚さの基準があるようです。

・石膏ボード → 厚さ9.5mm以上(9.5mm、12.5mm、15mm、21mm、25mm)
・合板 → JISⅠ類以上、厚さ9.5mm以上
・珪酸カルシウム板 → 厚さ6.0mm以上、比重1.0

耐久性に優れたセメントボードに関しては特に使用基準はないのですが、タイルの厚さが15mmを超える場合、基本的に石膏ボード下地は適していません。
“石膏ボードは、23kg/㎡以下の商品を新築に施工する場合に限り可”など、厚みで言ったり重さで言ったりと、メーカーによって推奨基準は様々だったりします。
厚いタイル=重い、大判タイル=重い…というわけで、600×300のような大きくて重量のあるタイルも石膏ボード下地はおすすめできません。

石膏ボードは、石膏を芯材に使用し、両面を石膏ボード用原紙で包んで板状に成型したもので、表面は紙なのです。重たいものがくっつくとその重みで剥がれてきてしまう可能性があります。

300角以上のタイルを壁に施工するときは弾性接着剤を使い、さらに3m以上の高いところでは、金具を併用して施工します。
弾性接着剤で張ることで、構造躯体からくる変形に対する追従性が高くなり、剥離の危険性も低くなると言うことだそうです。

躯体(くたい)とは
建物の骨格部分を指す言葉で、具体的には基礎、柱、梁、壁面、床などが躯体に含まれる

いろいろと書きましたが、タイルパークでは接着剤等は残念ながら取り扱っておりません…。(さきほどの、大判タイルのときは”弾性接着剤を使う”ということや、特殊なもの(ガラスタイルなど)に関してはセメダインさんの商品を 一部 推奨してはおります…)
100角くらいまでのタイルなら、タイル張りの職人さんが自分が扱いやすい接着剤を使っていることが多いそうですよ。


内装の床には、2種類の張り付材料
●有機系接着剤
●樹脂モルタル

今では樹脂モルタル(砂・セメント+樹脂を混ぜて強く固まる)を使うことはほぼなく、接着剤がほとんど。床は踏まれる度にしなるので、しなりを吸収してくれる弾性接着剤がおすすめだそう。

内装の床の場合は、1つ床を底上げしてからその上に下地を、さらにその上にタイルを張ります。

例えば…
コンクリート造の商業施設ビル、コンクリートの上に直接タイルを張ったりはしません。入っている店舗が変わり、タイルを張り替えるときに、直接貼っていたら剥がすときに傷つけてしまい、改装のときに困ってしまいます。なので必ず1つ床を底上げしています。
住宅も、土間より上がった廊下やリビングは、基礎があってその上に根太(ねだ)があって、その上に下地、そしてタイルの順になります。

下地は合板ならば12mm以上。合板が薄いとたわんでタイルや目地が割れてしまいます。強度が確保できる合板の厚さが必要です。下地の精度が仕上がりに直結してくるので要注意。
しっかりとした下地と、接着剤も弾性接着剤が準備できると安心ですね。

そして一番の心配は、やはりタイルが割れてしまうこと…。そこの不安をなくすために準備はとても大事!
接着剤も安いやつを使ってしまうと、水がかかるとふにゃふにゃになってしまったり…。
“エポキシ樹脂系”の接着剤が、強い接着力で、耐水性や耐熱性、耐薬品性にも優れ、耐久性があっていいそうです。
地域によっても、また季節によっても使う接着剤をかえていたとか。夏用、冬用。。。寒くてもそんなに硬くならないものとか…あるみたいです。ちなみに暖炉は直火じゃなければそんなに影響はないそうですよ。


外装の壁には、3つの工法
●外装有機系接着剤(弾性接着剤)張り
●圧着張り
●モザイクタイル張り

圧倒的に多いのは下の2つ。
「圧着張り」はモルタル下地と、張り付けにもモルタルを使ってタイルを張ります。作業性も良く、そして安い!気候と(寒いと表面凍るとか…)、職人さんの腕にも左右されやすいので要注意(笑)。あとモルタルは目地詰め必須です!入れないとタイルが落ちてきてしまいます。

これよりも安全性を高めた「改良圧着張り」という工法もあります。こちらはタイルの裏面にもモルタルを塗りつけて、張り付け側とタイル側とでダブルモルタルでガッチリ張り付けます。

「モザイクタイル張り」も基本的には同じ。モルタル下地に張り付けモルタル塗って張りますが、ユニット化されているので作業効率がよいです。場合によっては直張りも可能(下地の精度が重要)。

「モザイクタイル張り」の改良版で「マスク張り」というのもあって、目地部分をマスキングしてから張り付けモルタルを塗り、マスクを外し目地部分以外にモルタルがのっている状態で張り付ける方法も。
「モザイクタイル張り」では、張り付けモルタルを塗り付けた後、タイル張りまでの塗り置き時間が長くならないよう管理が大変でしたが、「マスク張り」はその影響による接着力のバラつきを少なくし、良好な接着力が得られる利点があります。

有機系の接着剤張りですが、先述の内装の床でも少し触れましたが、固まってもある程度柔軟性のある弾性接着剤は、下地の収縮や地震の揺れにも強く、追従性に優れています。価格は高いですが、高性能で安全性が高いことから最近ではよく使われるようになりました。

他の工法では、目地を詰めることで強度を出していたのが、その強力な接着性は空目地や深目地なども可能とし、意匠性も広がります。
表面に凹凸があったりして塗り目地ができず、一本目地(絞り袋でクリームを絞るようにゆっくりと目地部分に詰めていく)で仕上げないといけなかった様なものでも、弾性接着剤を使えば「貼るだけでOK」になったのです。

全国タイル工業組合で、外装タイルと有機系接着剤の組合せ品質認定制度「Q-CAT」という仕組みもつくられました。

そんな注目の弾性接着剤ですが、あまり大きなタイルはダメで…、300角以下(JASS19)となっています。
300角より大きなタイルは、弾性接着剤と併用して金具ささえるなど対策が必要です。各メーカーさんで推奨しているものがあるようなので、調べてみてください。(再:タイルパークでは接着剤などの施工関連用品は取り扱っておりません…)


外装の床も、3つの工法
●圧着張り
●セメントペースト張り
●大型床タイル張り

広い面積への施工もしやすく、もっとも一般的なのが「圧着張り」。(先述の外装壁と同じです)

「セメントペースト張り」は敷きモルタル、通称バサバサモルタル(笑)を使います。砂に少し水分が入ったような感じのバサバサしたモルタルを、下地にも、張り付け材としても使用
バサバサモルタルが硬化する前に水分の多いしゃびしゃびのセメントペーストをかけて加工します。締まろうとするバサバサモルタルとセメントを含んだ水分が一緒になってかたまっていきます。

少々長くて疲れましたね… (しかもちょっと難しい)
あと、”目地材”についても少し教えていただいたのですが、また次回にします!


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“貼られてなんぼ” の、タイルです。

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」も第4回目となりました。
タイルの歴史から始まり、製法や材質様々な施釉方法、そして形状・面状と学んできましたが、本当に知らないことばかり…。
さて今回は「タイルの貼り方」です。貼ってなんぼ貼られてなんぼ、貼られてこそのタイル。どんな割付で、どんな目地で…それ次第で仕上がりがかなり変わってしまうことも。
タイルを貼る前にやっておかなければならない大切な”準備”を学びます。

目地割りの種類

基本的なのは、通し目地(芋目地)馬踏み目地やはず張り、のこの3つ。

●通し目地(芋目地)

水平・垂直方向の目地が一直線になるような貼り方
規則正しく伸びるとされる芋の根と似ていることから「芋目地」とも呼ばれる

●馬踏み目地(破れ目地)

横方向の目地は直線、縦方向のタイルを上下に対して互い違いのパターンで組む(半分ずつずらして貼る)貼り方
馬が踏んだ足跡のように交互になっているということが由来

●やはず張り(あじろ張り)

Vの字型に組んで貼っていく方法
「やはず」は矢の端の、弓弦(ゆづる)を掛けるところで、V字型になっていることからきている

「やはず張り」のよく聞く言い方は「ヘリンボーン」。ですが本来は、床の場合はヘリンボーンとはなぜか言わないらしいです。
タイルパークTNコーポレーション)があるこの地域(モザイクタイル発祥の地、岐阜県多治見市近辺)の多くのタイルメーカーでは、「通し目地」は「すだれ貼り(張り)」、「馬踏み目地」はレンガの積み方から「レンガ貼り」などと呼ぶことが多いそう。”芋”や”馬”より、”すだれ”や”レンガ”の方が想像がつきやすくて覚えやすいですね。

目地割りの種類や、その目地におすすめのタイルなど
こちらのブログにもまとめています。
「馬、芋…。目地のお話 」>>> こちらから
「芋目地の魅力」 >>> こちらから


ちょっとここで少しブイレク… 「貼る」と「張る」
前々から思っていたのですが、タイルを「貼る」と「張る」、両方目にするのですが、どちらが正しいのでしょうか…?私的には、接着剤でペタッと貼るイメージから、「貼る」を使っていたのですが ― 。

張る…伸ばし広げる、一面に覆う、いっぱいにする
貼る…平たいものを糊などで何かにつける

建築業界では、「張る」は”のり”を使わないで施工する場合、「貼る」は”のり”を使って施工する場合、で使い分けているという話も…やはり「貼る」、なのでしょうか。
が、タイルを壁や床にはりつける場合は、タイルを一面に広げるという意味で、「張る」を当てることもあるそうで…。
結局は正式なルールや使いわけはないようでした(笑)
ただ、「貼る」は常用漢字ではないということで、「張る」の方を目にすることが多いのかもしれませんね。


いまでは貴重な存在、タイル役物!

普通のタイルを「平物」(「ヒラ」ということが多い)、平物以外の特別な部位に使用するものを「役物」と呼びます。
出隅やタイルの側面を隠したりしてきれいに納めるための特殊な形状で、元々は外装で建物の角に使う「まがり」や「まぐさ」を指すものでした。

外装では出隅がいっぱいありますし、いろんな人の目に入る外観は、とくにキレイに見せたいですからね。内装もまた然り。よくある出隅部分には、「見切り用ボーダー」を使ったり、途中までタイルであとは壁紙とかの場合は、貼り出し部分には「面取りタイル」も。

昔はお風呂もタイル張りが多かったのですが、すっかりユニットバスにかわってしまって…お風呂でもよく使われていた役物たちは、影を潜めてしまいました。
そんないまでは貴重な存在になりつつある役物ですが、タイルパークでは「サブウェイ」タイルの役物なら、10種類以上取り扱っております。

こちらの都会的で洗練された魅力あふれるバスルーム。サブウェイを使ってこんなにも素敵に仕上げていただきました。役物を使ってすべての角を丁寧にキレイに。
お風呂以外ももちろん、キッチンやトイレ、カウンターなど。サブウェイを使うことをお考えなら、ぜひ役物も検討なさってみてください。

その他、見切り材(仕上げ材同士のつなぎ目部分や端部に設ける部材のことをいう)として「ボーダーC」もご用意しております。タイルパークで人気の高いタイル数種類のみですが、ぜひこちらも。

タイルパーク でも一部のタイルにしか役物がないのですが、おおきな物件では、「接着役物」というものを手配するようなことも多いそうですよ。
見切り材としては、樹脂製のものをはじめ、アルミ製や真鍮製、ステンレス製などの金属のものもいろいろとあるようですので、一度調べて見ると面白いかもしれませんね。


割付を考えるときは、目線を読む!

タイルを張る場合、どうしても「割付け」という作業が必要になってきます。どう「割付け」するか…、決められた面にタイルがうまくおさまるよう「タイル割付図」というものを作成するのですが。。。

タイル割付図を作成するの目的は…

・タイル工事を、建築全体を美しく仕上げるため
・施工効率の向上
・無駄な材料、工費の削減
・開口部の位置やサッシ、ドアの形状・寸法など関係する工事などを検討し、納まりをよくするため

タイルの色や模様も考えますが、中途半端にタイルを切らないで、綺麗に仕上げる工夫をしなくてはいけません。
屋内壁タイルに関しては、タイル寸法・目地幅とも規格寸法がある程度決まっており、寸法精度も高いので基本的に目地による寸法調整は行わずに割り付け、割り切れない場合は切り物(タイルを切断したもの)でおさめるそうです。
重要になってくるのは主視線、よく目線がいく位置で考えていきます。

●水平方向の割付

水平方向の割付を考えるときは、よく目線が行く方向が、正面なのか、もしくはコーナーの部分なのかで決めていきます。
正面なら、中心から左右対称に割っていく「心割り」、よく目につく片方の端から割り始める「片割り」で考えます。

●垂直方向の割付

天井まで張り上げる場合は切り物を床にのみこませて、切り口が見えないようにします。
腰張りのときは、上端に片面取りのタイルなど役物を使うようにして、こちらも床に切り物を割付けるようにします。
内幅木を使って仕上げるときには、切り物がでないようにしたいものですが、切り物が出る場合は天端で処理します。

切り物切り物と言っていますが、現場で切り物がたくさん必要なときなんかはとても大変のようで…朝から準備して午前中はずっと切っていて、午後からやっと貼る、なんてこともあると聞きました。

タイル加工屋さんもたくさんあるようですが、タイルパークでも「半マスタイル作成」や「プレカットサービス」をご用意しております。切り物を用意する予定がありましたら、ご注文と同時に受付しておりますので、ぜひご利用ください。

あとは、切り物がでないように、目地幅で少しづつ少しづつ調整してぴったりおさめることも!
縦の目地幅は1.9mm、横は2.2mmとか変えて調節したり、モザイクタイルなんかは、シートなっているものを、端に使う最後の1枚だけシートをわざわざバラして調節したり?!(大変…最終的には職人さん任せだったり?!)

割付をきちんと計画し、正確な割付図を用意、役物や切り物も準備して、効率よく、そして美しく仕上げていただけると、タイルメーカーでもあるタイルパークとしては本望でございます _( . . )_

さて、次回の勉強会は「タイルの施工」についてです。難しそう…


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その100角タイル、ホントに100mmですか?!

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」、第3回目は「形状」「面状」を中心に学びました。
(第1回「タイルの歴史」、第2回その1「タイルの種類(製法、焼成)」、その2「タイルの種類(材質、施釉)」はこちらからどうぞ)

形状は、実際の寸法に注意!

まずはよくあるサイズから。

正方形、長方形タイル(主に内装、壁面用)
100角
(例:クラフティレジーア100角ホワイトシリーズ
100角二丁
(例:睡蓮-SQ
150角
エルサ陶香オリジン
200角
ピカソハロン湾

タイルパークで取り扱っている四角形のタイルでは、100角タイルは少なく、150×150mmの150角というものが主流となっています。最近では200角も人気があり、昔と比べると大きなサイズが増えてきました。
「100角二丁」の”二丁”とは、2倍ということだそうで、だいたい192×92mmくらいのタイルのことを言うのだそう。
タイルパークでは唯一、「睡蓮-SQ」の長方形のものが197×97mmで、これに当てはまりますが、かなりレアなサイズとなっています。

もうお気付きでしょうか…。そう、タイルのサイズ、かなり曖昧(笑)
100角タイルと言っても、そのままタイルの大きさが100×100mmになっている訳ではないのです。「100角タイル」でネット検索すると、およそ100×100mm前後のいろんなサイズのタイルが出てきます。実寸法で、95×95mm~107×107mm程度のタイルを指すようです。

(…なんてわかりにくい!!(小声))

それはアイツ…そう、「目地」のせいでした。切っても切っても切り離せない関係「タイル」と「目地」…。
カタログ上でタイルの大きさを表記していく際には、目地の幅も含めたサイズで表すことが一般的なようで。「目地共寸法」や「目地込み寸法」と言います。

タイルパークの100角タイルは、実寸法で97×97mmのものがほとんど。3mm程度の目地幅をとって貼ることで、「目地共寸法」でちょうど100mmとなります。
が、しかし、150角タイルの商品はほぼ実寸法も150×150mm…。
海外のタイルは目地を含めない、ぴったりサイズが主流のようで…、タイルパークの自社工場「TNプロダクト」製のタイルは海外でも人気で、たくさん輸出しています。そのため、このようなぴったりサイズも多く存在するのです。
違うメーカーのものを混ぜて使ったりしたときに、施工場所にうまく収まらなかったり、反対に大きくあいてしまったり…知らずに貼ってしまうと後で大きな問題に。
専門の施工業者の方などはともかく、インテリアコーディネーターさんや、個人でDIYされる方などはとくに、目地をどの程度とって配置するか、しっかりと「タイルの割付」を計画・確認のうえ、ご注文・施工をお願いいたします _ (. .)_

モザイクタイル(主に内装)
10mm角
(例:リベルタ
 ※タイルパークで最小サイズ!実寸法=8mmです
15mm角
(例:ラヴェンナモザイクアリウスフェアリー
20mm角
(例:アイシクル
25mm角
(例:楽-プレーンブラックベースモザイク
50mm角
(例:ホワイトシリーズ絢爛プラチナ
  ※ 実寸50mmではなく 、45角や47角が多い
45二丁
(例:長良馬瀬ミッドセンチュリー
  ※外装にも多く使用されるサイズ
丸モザイク
(例:ブイ
六角形
(例:山水ニューヨーク-ヘキサゴンぺルラ-キャンブリック
変形
(例:カーミットアイシクル万華鏡フェザー

モザイクタイルは、タイル1枚の表面積が50平方センチメートル以下のタイルを指します。 およそ1辺のサイズが50mm以下ものが多いです。

上に挙げた中で、20mm角、25mm角、50mm角あたり、1枚1枚のサイズで分けるとかなり曖昧な感じになっておりますが…。モザイクタイルは、あらかじめユニット化したシート状になっているので、ユニット寸法を確認していただければ大丈夫ですね。
タイルパークのカタログでは、モザイクタイル程の大きさでも、「Normal」カテゴリーに載っているものもあるので、微妙なサイズ感をお求めの方は、前の方のページ「Normal」もチェックしてくださいね。もちろん、「Glass」にもガラスモザイクがたくさん載っていますので、こちらも是非。(Normal、Large、Mosaic、Glassの順でカテゴリーに分けて、掲載しております)

屋外壁タイル(主に外装。内装もアリ)
小口平  108×60mm
二丁掛け 227×60mm
三丁掛け 227×90mm
四丁掛け 227×120mm
ボーダー 227×30mm

これらの主に外装で使われるタイルのサイズは、もともとはレンガのサイズが基本になっているのだそうです。レンガ(長手面227×小口面108×厚さ60mm)をスライスしたときに出てくる面の大きさが、外装タイルのサイズになっています。

タイルパークで扱っているのは、基本的に内装タイル(屋外で使えるものもあります)なのですが、サイズ的には二丁掛け、三丁掛けに近いものも結構たくさんあります。
ボーダーは、上の図ではサイズ「227×30mm」となっていますが、40mmでも、見た目が長細い感じですと、”ボーダータイル”と呼んだりします。大き目で細めのボーダーは、スタイリッシュに仕上がるので近年人気の高い形状です。
240×60mm(こちらは海外で主流のサイズ)ですと、リネンフィンセントモット藍里…などなど。
もう少し細長い感じがお好みなら、240×40mmの、エルサプランク
広いリビングや店舗装飾におすすめの、もう少し大き目サイズ、モザリアブールバードメトロ
と、もともとは屋外で用いられていたサイズも、近年では内装用として幅広く使われるようになりました。


ツルっとした表面=タイル ではない

私がこのタイル業界に入るまでは、タイルといえば平らでツルツルとした表面を想像していたのですが…、実はとてもたくさんの面状があることを知りました。

フラット面…単味(砂、シャモットなどの添加物を加えていない)原料から成形されたフラットな面状
布面…主には、麻の布目模様を表面に施した面状
(例:リネン
柄面…柄のついた面状
(例:エルサ遊彩コーン
波面…緩やかな波のような面状
(例: モザリアブールバード
ディンプル面…波面より凹凸の激しい面状
(例:レジーア100角
ラダー面…四辺にテーパーがついている
(例:サブウェイの一部キネティック
すじ面…すじ状の柄を型で成形した面状
(例:大波ペルラキャンブリック
ラフ面…湿式押出成形時に素地の表面を一皮剥いだもの
(例:祇園ダンボ
割肌面(テッセラ面)…乾燥した素地を2つに割って焼成したもの
スクラッチ面…湿式押出成形時に素地の表面を釘状のもので引っ掻いたもの
磨き面(鏡面)…焼成後、表面を研磨して鏡面状にしたもの
(例:カラカッタラヴェンナモザイク
ハツリ面…乾燥素地の表面をノミなどで荒くはつったもの
ブラスト面…焼成後、表面に鋼球や砂などを吹き付けて荒らしたもの
石面…凸凹した石のような面状(緩やか)
岩面・ロック面…石面をさらに激しい面状したもの
砂岩面…天然の砂岩や玄昌石やスレートの面状を模して作られたもの

「スクラッチ面」なんかはとても伝統があり日本建築に馴染み深いものだそうで、「スダレ煉瓦」といわれる旧帝国ホテルで使われた”スクラッチタイル”が有名です。これは表面にスクラッチ加工を施した黄色いレンガで、煉瓦の表面を引っ掻いたスクラッチ模様のことをスダレと呼んでいます。
帝国ホテルに使われたスダレ煉瓦は人気を呼び、その後の建築でスクラッチ面のタイルが流行したそうです。
フランク・ロイド・ライトによって設計された旧帝国ホテル、この中央玄関部は現在、愛知県犬山市にある博物館明治村に移築されています(TNコーポレーションのある岐阜県可児市のお隣のまちにあります)。

↓こちらも是非どうぞ
「フランクロイドライトの帝国ホテル」NO.10 レンガの詳細


実に様々な面状がありますが、現在では模様を付けた金型プレスで成形したり、プリントでいろいろな柄や面状を表現しているものがほとんど。
TNプロダクトの工場で作るタイルは乾式製法(→乾式タイルについてはこちら)なので、上記の面状種類で挙げた例の中で、リネンの布模様などはプリントで表現しています。
金型の形状や成型後の二次的な加工で生み出される面状は様々で、デザインのバリエーションも広がり、また精度も安定しているので、全体的に均一ですっきりとした印象に仕上がります。


外装用だったら気にして欲しい「裏足」

タイルの裏面の形状で気になるのが「裏足」

タイルが接着しやすくなるように、タイルの裏側に付けた筋や凹凸のことを言います。施工後に剥がれにくくするためや、製造段階での効率面でその形状が変わってきます。
外装モルタル施工用の裏足は、独特なカタチで「あり足」と呼ばれます。

外壁で使われる場合には頑丈さが求められるので、接着面が多くなるように、溝の断面は内側に切れ込んだ形になっています。モルタルが裏足のすみずみまで行き渡るよう、しっかりと圧着、落ちないようにくっつけるためだそうです。
接着剤で貼り付ける内装用の場合は、裏足の凹凸が深いと接着剤がいっぱいいるようになってしまうので、裏足の必要性はあまりなく、浅いほうがいいそうです。


さて、次回の勉強会は「タイルの貼り方」についてです。
“目地割り”などを教えていただきます。タイルで空間を素敵に仕上げる為には不可欠な要素。タイルを生かすも殺すも目地割り次第! しっかりと学んでこなければ…(汗)

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ガラスタイル施工のコツ その3

その1ではガラスタイルの失敗あるあると、持っておきたい道具の紹介を。その2では実際のカットの流れと、道具の使い方のポイントをご紹介しました。今回は、ガラス施工で押さえてほしいポイントをご紹介します。

接着剤について

ガラスタイルは透過しているため、セラミックタイルのように接着剤や下地が完全には隠れない場合があります。下記のルールを必ず守って施工しましょう!

POINT! 白の接着剤で平滑に

グレーなどの色付きの接着剤や硬化後に色が変わる接着剤を使用すると、ガラスタイルごしに色が透け、折角のガラスタイルの色が汚く見えてしまうことがあります。色付きの接着剤は避けて、白いものを使用してください。(例:セメダイン「タイルエースPro(白)」など)

また接着剤を塗り広げる時はクシ目ごてを使って3~5mm程度クシ目を立てますが、そのままタイルを貼り付けると、クシ目の縞々がガラスの側面などから見えてしまって残念なことに・・。それを回避するため、クシ目ごてで塗り広げた後は必ず表面を均してからタイルを貼り付けてください!

破断面について

POINT! 施工前にヤスリ掛け

切りっぱなしの鋭利なまま貼ると欠ける原因になりやすく、見た目も美しく仕上がりません。もちろん取扱いも危険になるので、必ず角を面取りしましょう。
また断面をヤスリがけするとすりガラスのようになり、ガラス越しに下地やクシ目や見切り材が見えるのを防ぐこともできます。手間はかかりますが、これだけで仕上りがかなり良くなるので是非おこなってほしい工程だそうです。

POINT! 箔の剥げには修正液

タイルの裏に箔が貼ってある商品は、カットの衝撃で箔が剥げることが多く、そのまま貼ると所々下地が見えたり見えなかったりしてしまいます。文具用の修正液をちょんちょんと付けておくと、施工したあとで剥げた部分が目立たなくなります。

ちなみに「なぜ修正液が良いのか」と質問してみたところ、「施工後に最も目立ちにくい」のだそう。白のマジックでは箔との光の透過具合が違い過ぎて、逆に修正個所が目立ってしまうのだとか・・。


さて、3回に渡ってご紹介してきた「ガラスタイル施工のコツ」はお役に立てましたでしょうか。
もちろんベテラン職人さんからコツを伝授してもらえばすぐにうまく行くというものではありません。一番重要なのは施工の前にある程度練習をしてみることです(※タイルパークのスタッフがチャレンジしたその2も是非ご覧ください)。

タイルパークはタイル販売のみで施工はおこなっていないこともあり、実際のところ納材後は施工する職人の皆さんが頼りです。
住宅のお施主様から絶大な人気があり、今後ますます採用が増えるであろうガラスタイル。施工の不安を少しでも解消することができれば幸いです。


動画のご案内

ガラスカットの様子を紹介する動画です。
バナーをクリックしてご視聴ください。
(YouTubeへ移動します)

WEBブックのご案内

タイルパークで販売するガラスタイルの特集ブックです。
バナーをクリックしてご覧ください。

ガラスタイル施工のコツ その2

前回は、ガラスタイルのカット時にあると便利な道具をご紹介しました。今回は実際にカットする作業の流れと、道具の使い方のポイントをお伝えします。


ガラスタイルカットの流れ

カットする場所に養生テープを貼る

押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる

刃を引いて表面に傷をつける

1枚ずつ丁寧に割る

各所でのポイントを紹介します。

カットする場所に養生テープを貼る

シートのタイル(「フィン」や「クリッパー」等)の場合は端から端までしっかりと、バラのタイル(「アクア」など)の場合は裏までしっかりと養生テープを回り込ませます。

押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる


↑押し切りの刃の高さ調整を忘れやすいのでご注意ください!


板や定規、職人さんおすすめの角ごてなど、ある程度長さと広さのあるものを使い、面でしっかり押さえます。もし押さえる面積が少ない場合は、同じ厚みのタイルを横に並べて一緒に押さえると、ガタツキが無くなって体重をかけられるようになります。

刃を引いて表面に傷をつける

POINT!力を加え過ぎない
磁器タイルを切る時と違い、ガラスタイルは表面に少し傷をつけるだけで簡単に割ることができるので、「トマトを切る気持ちで軽く手前に引きながら傷をつける」のがポイント(職人さん談)。そのため、押し切りも手前から奥へ押すタイプではなく、奥から手前へ引くタイプのものがおススメなのだそうです。

分かりやすい例を見せてくれました。左側が力いっぱい刃を引いて切ったもの、右側が少ない力で刃を引いて切ったもの。力を加え過ぎるとチッピングの原因になるので、ここはコツを飲み込むまで何回か練習してみるのが良いですね。

1枚ずつ丁寧に割る

ガラスは表面に軽く傷がつけば押し切りを押さえて簡単に割ることができるので、ここでも不要な力を掛け過ぎないことが重要です。

ガラスカットに挑戦!

タイル施工経験のないタイルパークの女性スタッフに、上記のポイントを説明してカットにチャレンジしてもらいました。果たしてうまく切れるのか。

カットする場所に養生テープを貼る

今回はタイルパークで最高難易度と名高い(?)「フェザー」でチャレンジ。

押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる

フェザーは基準になる直線が無いので、ここで地味にもたつくスタッフ。

刃を引いて表面に傷をつける

「え!?いいの!?」と戸惑うくらい軽い力で引いただけですが、ゾリゾリという音とともにちゃんと傷が入りました。(写真ではほとんど見えませんね・・)

1枚ずつ丁寧に割る

パキッという気持ちのいい音が。果たして結果やいかに。

養生テープを剥がすと、見事に真っ二つになっていました。

どうでしょう。さすがに綺麗に真っ直ぐとまではいかないものの、未経験者としては及第点ではないでしょうか。ヤスリ掛けでも多少整えられそうな感じがしますね。
要所要所でもたつく事も多く、さすがに実際の施工現場で通用するレベルではありませんが、何度か練習すればもっと真っ直ぐカットできるようになりそうですね。

ガラスタイルのカット応用編

押し切りだと全てのガラスタイルには対応できない場合も考えられます。厚みのあるガラスタイルや、やや複雑な形状のガラスタイル、小さな寸法のカットの際のコツも教えてもらいました。

POINT!ベビーサンダーは「無段変速」を使用
ベビーサンダーで破損する原因は、刃の回転が速すぎてガラスタイルが負けてしまうからなのだそうです。そこで、職人さんがぜひ持っていてほしいと話すのが「無段変速」かつ「細かい番号の刃をつけた」ベビーサンダー。

パターンA:ベビーサンダーの回転数を落として、タイル表面に傷だけをつけて押し切りで割る
パターンB:ベビーサンダーの回転数を落としたまま、最後までゆっくり切りきる

ポイントはガラスタイルが刃の勢いに負けないよう、ギリギリまで回転数を落としてゆっくりと当てること。ちなみにベビーサンダーの刃は120番程度がおススメだそうです。
無段階変則のベビーサンダーは何かと役立つ場面もありそうなので、今後も施工をする可能性がある方は持っておくと便利かもしれませんね!
その3ではガラスタイルの施工で押さえるべきポイントをご紹介します。 その1はこちら

ガラスタイル施工のコツ その1

フィン」や「クリッパー」など、タイルパークでも非常に人気のあるガラスモザイクタイル。ところが、折角お施主様が選んできて購入しても、工事業者さんに施工を依頼すると「ガラスタイルはちょっと・・・」と言葉を濁されたり、ひどい時は断られたりするケースが少なくありません。

ガラスタイルの施工を断られやすい大きな理由のひとつが「勝手がわからない」から。というのも、昔から定番的に使われてきたセラミックのタイルと違い、ガラス製のタイルは比較的最近になって海外から輸入されるようになったのでまだまだメジャーとは言えず、実際に施工した経験がない職人さんも大勢おられるのです。

ガラスタイルの施工に自信がない」「カットを試みて破損させてしまったことがある」という方々のために、ベテラン職人さんに教えてもらった「ガラスモザイクを施工するコツ」を3回に渡って伝授いたします!


ガラスタイル施工を失敗しやすい要因

ガラスタイルを施工するとき、どんな失敗が起きやすいでしょうか。いくつかの例をご紹介します。

①ベビーサンダーで破砕

セラミックタイルを切るのと同じ要領でベビーサンダーを使用すると、刃の回転の勢いにガラスが負けて「っパーン!」と砕けてしまうことがあります。多くの職人さんが「ガラスはカットできない」を考える、最も多い理由のひとつですね。

②接着剤のクシ目が見える

タイルを施工するとき、クシ目ごてを使って接着剤を塗り広げますが、透明なガラスタイルでは側面などから接着剤のクシ目が見えてしまい不格好な仕上がりになってしまうことがあります。

③箔が取れてしまう

ガラスタイルの裏には、白や銀色の箔が貼られていることが多くあります。裏透けを防止したり紫外線の透過を防ぐ役割を持っていますが、カットの際にこの箔の端が剥げてしまい、断面がギザギザして見えるなど残念な印象に・・。

これらの「よくある失敗」は、セラミックタイルの施工と同じ感覚で作業してしまうことで発生したと考えられると講師の職人さんは語ります。タイルにはタイル、ガラスタイルにはガラスタイルに適したカットや施工の方法がある事をまずは知ってほしいとの事でした。

ガラスタイルのカットに適した道具

まずはガラスのカットにおすすめの道具をご紹介します。できればこれらの道具を揃えてから、タイルのカットに挑みましょう。インターネットでも道具の購入は可能なので、初期費用はかかりますがDIYの方もチャレンジすることができます。

①押し切り

ガラスのカットはベビーサンダーよりも押し切りが便利です。力加減が重要なので、奥から手前に向かって刃を滑らせるタイプの押し切りがおすすめです。(写真の押し切りは、リクシル(INAX)さんの「タイルカッターN TK-3」です)
ちなみに押し切りでは小さなタイルには対応できないこともあるので、その時はベビーサンダーを使う場合もあるそうですが、重要なのは「無段変速」のベビーサンダーを使う事です(「その2」で詳しく説明いたします)。

②養生テープ

ガラスはセラミックタイルに比べるとどうしても衝撃に弱く、カットの際に端っこの欠け(チッピング)が生じやすくなります。養生テープを貼った上からカットすることでチッピングを防止したり、シートの目地幅のズレを押さえて真っ直ぐカットするのに役立ちます。

③タイルを押さえるもの

カットの時に動いてしまうと必ず失敗するので、体重をかけてしっかりタイルを押さえることが重要です。(ちなみに職人さんのおすすめは、持ち手があってしっかり握れる角ごてを使うことだそう)
大事なのは「面」で押さえられること。

その他、あると便利なものとして
④灯油(押し切りの葉の滑りをよくするため)
⑤無段変速のベビーサンダー(押し切りで対応できない商品のカットのため)
⑥やすり(カット面を綺麗に整えるため)
⑦修正液(箔の剥がれをごまかすため)

タイルカットの基本は適切な工具を揃えること。
その2では、実際にカットを行う際の流れや、道具の使い方のちょっとしたコツをお伝えします!

音でわかる!舐めてもわかる(?!)タイルの材質…

若干変なタイトルですみません(笑)
TNコーポレーション社内にて先月からはじまった「タイルの基礎知識 勉強会」。第2回目「タイルの製法や材質」のお話、前回のブログでは「製法」と「焼成」のところまで書きましたが、続きの「材質」「釉薬」についてまとめました。
(前回のブログ「製法」と「焼成」のお話は… >>>こちらから)

現在はほとんどが「Ⅰ類」

まずは材質(吸水率)でのタイルの分類のお話。

「磁器質」「せっ器質」「陶器質」
2008年のJIS改正前までは、このように分けられていたのですが、今はこのような呼び方はしなくなりました。
JIS改正によって測定方法が自然吸水から強制吸水(煮沸法または真空法)へ変更されて、さらには磁器質、せっ器質などの呼び名からⅠ類~Ⅲ類という呼び名に変更されてしまったのです。私なんかは、磁器質といわれてもピンとこないのに、さらにわかりにくくなってしまいました…(; *_*)

Ⅰ類(磁器質)
吸水率:3.0%以下
1230℃以上で焼成され、緻密で強度のある材質
吸水性がほとんど無いため水に濡れる場所での使用にも適しており、
以下の2つに比べて用途も広い

Ⅱ類(せっ器質)
吸水率:10.0%以下
磁器質に比べると若干の吸水性があるため、
プールや浴槽、屋外床面での使用にはやや適していいない
磁器質に比べ暖かみのあるやわらかい発色が特長
【商品例】嵐山ダンボ睡蓮ピカソタンブルブリック
Ⅲ類(陶器質)
吸水率:50.0%以下
吸水性が高いため屋外での使用は適さない場合が多いが、
低温焼成のため鮮やかな発色を作れるのが特徴
国産タイルには少ない材質
【商品例】サブウェイメトロモザリアブールバードゼリージュ



タイルパークで取り扱っているタイルは、吸水率が3%以下と極めて低く、用途の広い「Ⅰ類」のものが多いです。
カタログで見ると「BⅠ類(磁器質)」と記載していますが、この「B」“プレス成形”(乾式製法のタイルということ。詳しくは前回のブログを見てくださいね)で作られているということを表しています。
厳密に言えば、Ⅰ類=磁器質ではないのですが(旧規格で言う、吸水率が1%から3%のせっ器質もⅠ類に入ってしまう)、わかりやすく「BⅠ類(磁器質)」「BⅡ類(せっ器質)」のように表記しています。

勉強会では実際にタイルを棒で叩いてみて、材質による音の違いを聞かせてもらいました。高温で焼かれ、かなり焼締まったⅠ類(磁器質)のタイルは「キンキンッ」というような甲高い音がしました!音の違いを聞いてみたい方は、こちらの動画へどうぞ(勉強会での一コマです)。
↓ ↓ ↓
https://youtu.be/00cDf2q1ztg
(YouTubeにジャンプします)

あと、昔はタイルを舐めて材質を確かめることもあったとか…。磁器質のタイルは舐めても舌がつかないけれど、吸水率が高い陶器質のタイルは、舌をあてるとスッと水分をもってかれるからわかるそうですよ(笑)


多種多様な釉薬、施釉方法。無釉もあります

タイル表面の釉薬(うわぐすり)の有無によって以下のように分類されます。

施釉タイル…表面に釉薬(うわぐすり)を施したタイル
色・色ムラ、模様をつけたり、ツヤや光沢をだしたり、様々な質感を表現する。
コーティングすることで表面からの吸水を防ぎ、割れにくくしたり、汚れを付きにくくするといった防汚効果もある

無釉タイル…釉薬(うわぐすり)を施さず、素地がそのまま表面となるタイル
無釉タイルの色には、粘土自体に含まれている鉄分などの呈色によるもの(土もの)と、白色の素地に顔料(酸化金属やその精製混合顔料)を添加配合して着色するもの(練り込み)がある

タイルパークで取り扱っているタイルの大半は”施釉タイル”。無釉のタイルは、杉綾と大判床タイルの一部のみです。T2 PROTO. LAB(開発チーム)のハンドクラフトタイルにも一部、土本来の素材感をいかした無釉のものがあります。

【主な釉薬の種類と特徴】─────────

● 透明釉
釉薬の基本的なもので、石灰釉、亜鉛釉などの呼び名がある。
無色透明でツヤのある仕上がりに

● マット釉
微細な結晶や気泡を生ずるようにした釉薬や、半融状になるよう調合されたツヤ消し釉薬(全くツヤがないわけではなく、半ツヤ)
【商品例】サブウェイーマットニューヨークシリーズ

WEBブック「マットタイル特集」は… >>> こちらから

● 貫入釉
釉薬と素地との焼成中の収縮率の差によって、釉薬に細かいヒビが入るようにしたもの
【商品例】エルサヘリテイジ(セミオーダーサービス)

ヘリテイジ特集」は… >>> こちらから

~貫入の美しさ ~
陶磁器における貫入とは釉薬の表面にできたヒビのことですが、焼きものの見どころの一つ。ガラス質の釉薬に入った貫入は、光を受けて様々な表情を見せ、日本や中国では昔から鑑賞上での重要な見どころとなっています。
その美しさに魅せられ、精進されている若い陶芸作家さんもたくさんいるとか…。

● 結晶釉
釉薬の一部が溶融状態から冷えていくとき、結晶を析出(せきしゅつ)するようにしたもので、鉄や亜鉛などが使われることが多い
【商品例】式部トルテローニ大観クリスタ

● なまこ釉
二重掛けの釉薬で、下釉の上に類似の釉薬を上掛けし、釉薬の流動によって斑紋や流紋があらわれたもの
【商品例】余白

~ 伝統の海鼠(なまこ)釉 ~
斑点やもわっとした模様が特徴、海鼠に似ていたことから付けられたといわれます。
中国、日本で美術陶磁に多く使われていますが、とくに信楽焼などに多くみられます。(「海鼠釉 信楽焼 火鉢」でネット検索すると、きっと見たことのあるキレイな青い火鉢がでてきます)
海鼠釉は温度に対してすごく敏感で、ある一定の温度や条件が揃わないときれいに発色しないそうですよ。

● ラスター釉
光彩を発するようにした釉薬を700℃程度でタイル表面に焼きつけたもの。他にも各種手法あり
【商品例】楽(ガク)-プレーン絢爛

~ キラキラと輝くラスター釉 ~
一度焼き上げた後、ツヤのあるラスター釉を上から掛けてもう一度焼成するという、大変手間のかかる方法で施します。水たまりの上でオイルが虹色に輝いて見えるのと同じような現象で、七色に変化してみえます。
バブル期(1980年代後半)には数多くの建物の外装にラスター釉のタイルが使われていたそうです。いまでは内装使用がほとんどのようですが、キラキラはポイント使いでも十分に目立ちそうですね。

□ 施釉方法に特徴のあるタイルを過去のブログでもご紹介しています >>> こちらから

今回の勉強会でも意外と知らないことがたくさんあり、とても勉強になりました。
さて、次回の勉強会は「タイルの種類 第2弾(形状や面状について)」です。二丁掛けとか45二丁とかときどき聞くけど、いまいちよくわからない…しっかり聞かないと (^_^;)


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そのタイル、乾式?湿式?

TNコーポレーション社内にて先月からはじまった「タイルの基礎知識 勉強会」。月1回、約半年間、講師の方をお招きしての講習会です。第2回目の今回は、タイルの製法や材質についての話をお聞きしました。

「湿式還元せっ器質施釉二丁掛ラフ面 t=13」?!
これはいったい…(笑)

今回のお話はここから始まりました。
これでどんなタイルかを表しています(タイル業界2年目の私にも一応全部わかりました(ホッ))。

●「湿式」 → 製法(乾式製法or湿式製法)
●「還元 」→ 窯での焼成方法(酸化or還元)
●「せっ器質」→ 材質(素地の吸水率)
●「施釉」→ 釉薬(ゆうやく=うわぐすり)の有無(施釉or無釉)
●「二丁掛」→ 形状(150角、45二丁、六角形、ボーダー…など)
●「ラフ面」→ 面状(フラット面、ラダー面、磨き面(鏡面)…など)
●「t=13」→ 厚さ( t は thickness の頭文字)

昔、タイルメーカーの営業をされていた講師の方、開発局に提出する見積りにタイルの名称を実際にこんな風に書いていたそうですよ。
今回は、製法、焼成、材質、施釉のところまで教えていただきました。


タイルパークのタイルは「乾式」がメイン

タイルの製造方法のお話。
製法は大きく分けて2つ、「乾式製法」と「湿式製法」があります。

● 乾式製法

素地の泥しょうを脱水・乾燥させ顆粒状にしたもの(坏土と呼びます)を、金型に充填し、高圧プレス機で押し固めて成形する方法。
プレスして成形する乾式タイルの裏足*は、スタンプ状になっています。

*裏足…タイルの接着がいいように、裏側に付けた凸凹のこと

設備さえあれば低コストで大量生産ができ、元々水分がほとんど無い原料から作られるために、焼成後の寸法精度も高く品質が安定しています。
タイルパークで取り扱っているほとんどが、「乾式」製法のタイルです。

● 湿式製法

原料に、粘土・添加物・顔料などを調合、水を加えながら均一に練り、土のかたまりをつくります。それを真空押出成形機で板状に押し出して成形する方法です。
湿式製法のタイルは、通常2枚のタイルが裏足部分でつながった状態で成形されるため、焼成後分離して1枚のタイルにします。裏足には、筋状のくぼみが見られます。

昔ながらのシンプルな製造方法である湿式製法には、土の持つ魅力が詰まっています。焼き物特有の味わいや、温かみのある表情が魅力です。

タイルパークで販売中の湿式タイル
ブログでもご紹介しています! >>> こちらから

あと、「鋳込み」という成形方法があるそうです(知らなかった…)。立体型な形状でデコボコしていたり部分的に飛び出したりしてるタイル、ときどきインスタで変わった形をしたタイルを見かけるのですが、多分あれ(どれ?!)が鋳込み成形なのかな、と。
石膏型に泥しょうを注入し焼き物を成形する、陶磁器製造の伝統的な成形方法の一つだそうです。


長~い「トンネル窯」での焼成

製造工程順ではないですが、次は「焼き」のお話。
タイルパークの工場にもある「トンネル窯」。トンネル窯での焼成は、乾燥させたタイルを台車に高く積み重ねて、ゆっくりと移動させながら20~40時間かけて焼いています。

世界的には「ローラーハースキルン」という焼成が一般的だそうで…。くるくる回るローラー(物流センターや焼き菓子工場にあるみたいな?)にのせて焼いていく、とか。昔は我がTNの工場にもあったそう。
タイルを重ねずに平置きで焼成するので、30分~2時間で焼き上がり。早い!!
でも…短時間で均一な焼成が可能となった一方で、焼き物ならではの風合いの表現が難しくなった、とも…。

トンネル窯では、台車に積まれ長くじっくりと時間をかけて焼成されたタイルは、台車に置かれた位置(上の方か下の方かとか)でも色の出具合に差が出たりするということ。でも、そこがまた魅力でもあり…。微調整による炎の焼きは、やはり焼きものらしい仕上がりで味があります。

「窯変(ようへん)」という言葉を、タイルパークで扱っているタイルの商品説明の中にも時々使っています。これは窯の中で陶磁器に生じた色の変化のこと。窯の炎による現象であることから、「火変わり」とも呼ばれます。
もともとは予期しない変化のことを言うのですが、窯変のタイルはあえて変化を求めて作為的に行っています。
その色の微妙な変化は、やきものとしてのタイルの色彩をより深く、味わいのあるものにしてくれるのです。
先ほど、”湿式タイルには焼き物特有の深い味わいがある”という話をしましたが、乾式のタイルでも、製造工程でひと手間もふた手間も加えたり、 窯変の魅力を最大限にひき出す技術があれば、焼きものらしさあふれる仕上がりが可能になるのです。

この辺の話は、「釉薬(ゆうやく)」とも深く関係しているのですが…
一旦ここまで。
続きの「釉薬」と「材質」の話は、次のブログでお伝えします。
<(_ _)>


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まだまだ知らないタイルの世界

TNコーポレーション社内にて今月から、「タイルの基礎知識 勉強会」がはじまりました。主に新人教育の一環として(かく言うワタクシもまだまだ知らないことばかりの2年目…)、タイルへの知識を深め日々の業務に役立てよう!というわけです。月1回、6ヶ月かけて、講師をお招きしての勉強会です。

初回はタイルの歴史から

現存する世界最古のタイルとされるのは、今から4600年以上も前、紀元前2700年頃のエジプト王朝時代、ピラミッドの地下通路の壁に使われた青色(ステキ!!)のタイルなのだそう(ぜひネットで検索してみてください。キレイな色のタイルです☆)。

7世紀頃にはイスラーム教が興り、タイルは寺院(モスク)の内外の装飾に多く用いられ、その勢力が拡大するとともにスペインからヨーロッパ各地に伝播。やがて中国・日本やヨーロッパ大陸内で互いに影響を及ぼしていったそうです(世界史で習った世界4大文明を思い出しました…苦手(笑))。

時系列を追って内容をお伝えしていこうとすると全然まとまらないので、ここからは気になった内容をピックアップ…(汗)。

ラスター彩

タイルパークのタイルでも使っている「ラスター釉」というものは聞いたことがあったのですが、「ラスター彩」は初耳。(ちなみにラスターは、英語で「きらめき」とか「輝き」などの意味)

「ラスター彩」はイスラームで9世紀頃に出てきた陶芸の技法の1つで、一度焼いた白釉の表面に、酸化物(銀or銅)を含んだ顔料で絵付けをし、二度目に今度は低温で還元焼成したものだそうです。酸化金属が還元されることで、金属光沢をもつ 美しい 文様の陶器がつくられていました。

マジョリカタイル

頭に浮かぶのは「レトロな可愛い絵柄のタイル!」…。なんとなくは想像できますが。
15世紀末から16世紀にかけてイタリアで発達した陶器で、錫釉(すずゆう)を施し、色釉で絵付けしたもの。このもとになる陶器がスペインのマジョルカ(マヨルカ)島を経て、19世紀半ばには広くヨーロッパに伝わりました。
はじめに「マジョリカタイル」と呼んだのは、イギリスの陶磁器メーカーだそうです。
日本でも、独自のデザインなどを加えて大正初期から昭和初期にかけて多く生産され、「和製マジョリカタイル」と呼ばれています。

ちなみにタイルパークでは”マジョリカ風”のタイル「魁」がありますので、チェックしてみてください。

日本の最初のタイルは「敷瓦」

さきほど「和製マジョリカタイル」の話をしましたが…、日本での最初のタイルは奈良時代(8世紀)。寺院建築で使われた瓦素地でつくった正方形の陶板が原型で、床や地面に敷く瓦「敷瓦」がはじまりだそうです。
江戸時代には茶の湯文化とともに施釉のものが多くつくられるようになりました。

その後、絵付けのプリント法や大量生産技術を取り入れたイギリスの「ヴィクトリアンタイル」(ヴィクトリアンタイルのなかでも装飾性の高いものが先述のマジョリカタイル)が、幕末から明治にかけて多く取り入れられ、それを模倣し国産化されたものが「和製マジョリカタイル」となります。
イギリス製タイルへの憧れから生まれた「和製マジョリカタイル」ですが、やがてはその安価でありながら高品質、独特の美しさがうけ、逆に世界各地へと輸出されたそうです。


全く知らなかったことばかりで、他にも気になったこともたくさんあったのですが(例えば…全国に先駆けて施釉モザイクタイルをつくり発展させたのは、この地方(→美濃焼の産地、わがTNコーポレーションのある地域。詳しくは岐阜県多治見市笠原)だということとか!) …
長くなりすぎたので、このあたりで失礼します…。

次回の勉強会は「タイルの種類」だそうです。どのくらい知っていることがあるかな…

参考文献:
「タイル手帖」一般社団法人 全国タイル業協会
https://www.tile-net.com/publication/notebook.html

参考:
LIXIL文化活動 – LIVING CULTURE「タイル・れんがの豆知識」
https://livingculture.lixil.com/ilm/museum/fun/ 2022.06.17

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馬、芋…。目地のお話

こんにちは!新しいデザイン室に移って早1ヶ月、最近ようやく落ち着いてきました。どうも新人”その1”です。

お引越ししてから、仕事場の人数も増え、なんだかこんな用語をよく耳にします。馬、芋、イギリス、フランス…いったい何のお話かしら…新人のワタクシにはなんのことやら…。これ、タイルの貼り方・目地の種類の名前でした(汗)
ということで、タイルを長く扱う皆様はもうとっくにご存じでしょうが、そうでない方、いろんなタイルの貼り方を共に勉強しましょう。。。


タイルを直線に並べて貼る、ずらして貼る、はたまた斜め…などなど、タイルの貼り方=目地割りには、何種類ものバリエーションがあるようです。
ポピュラーな貼り方と、おすすめタイルご紹介します!

通し目地(芋目地)

…水平・垂直方向の目地が一直線になるような貼り方。
通称:芋目地
芋目地と呼ばれる由来は、規則正しく伸びるとされる芋の根と似ているからだそうです。

均一に描かれた直線ラインが魅力。規則正しくかっちりとした印象をうけます。

長めのボーダータイルですと、より横(または縦でも)のラインが強調されて、スタイリッシュな感じ。でもこの「フィンセント」は釉薬による自然な色むらで、かっちりし過ぎず、少しやわらかなイメージもプラスされていますね。

馬踏み目地(破れ目地)

…横方向の目地は直線、縦方向のタイルを上下に対して互い違いのパターンで組んだ貼り方。
馬が踏んだ足跡のように交互になっている、ということからきているそうです。レンガの積み方から「レンガ貼り」などと呼ぶ方もおられます。

この貼り方もカフェなどでよく見ますね。少しリズム感がでます。
馬踏み目地といえば、やはりこちら、王道!サブウェイタイル。

これですよね!間違いないです。個人様邸のキッチンですが、可愛らしいカフェにきたかのような雰囲気。
もちろん、サブウェイだからといって、あえて馬貼りにしなくても、それはそれでありですよね。
奥に見えるのは、少し小さめの「ミッドセンチュリー」

こちらは初めから馬貼り状態でユニット化されている商品なので、施工もラクラクです!

四半(しはん)目地

…垂直・水平方向に対し45度斜め、対角線上に貼り付けていく方法。斜めの線により、狭いスペースを広く見せる効果もあります。

四半張りで思い浮かぶのが伝統的な『なまこ壁』。洋風だけでなく、和の雰囲気にもなじみやすい貼り方なんですね。

45度ではないのであれですが…意匠性高いひし形のこちらもお忘れなく!

正方形の四半目地に比べると、ひし形の「大観」はよりスタイリッシュな斜めのラインを感じます。

やはず張り(あじろ張り)

…Vの字型に組んで貼っていく方法。「やはず」は矢の端の、弓弦(ゆづる)を掛けるところで、V字型になっていることからきているそう。
他にもいろいろ呼び方があるようですが、私でもわかりやすかったのは「ヘリンボーン」でした。

ペルラ-リーフ(RE2RE-3

プロでも綺麗に貼るのは難しいらしいです…が、どうせヘリンボーンにするならば、長めのボーダータイルの方がV字の模様が目立っていいですね。
ヘリンボーンにユニット化されたこちらも、おすすめです!

「杉綾」とは、交互に斜め模様で縦縞を作った織り柄の呼び名だそうで。少し丸みを帯びた形がまたいいですね。1つ1つが小さめなのもかわいい。

床なら木目調の「ウッドグレイン」。テラスなど雨に濡れる箇所もOK!こちらもユニット化されているので使いやすいです。馬貼りパターンもありますよ。

代表的なものをご紹介しましたが、この他にも…


参考:タイル手帖

フランス張りやイギリス張り、これらは煉瓦の積み方の「フランス積み」「イギリス積み」からきているそうです。ちなみにフランスは長手(長いの)と小口(短いの)を交互に並べていくデザインだそうで…。
見た目のデザインにばかり注目してみていましたが、もともとは煉瓦の耐久強化のための並べ方だということもわかりました。いやはや、奥が深い…
タイルに目地を入れることにも意味があり、目地無しでタイルを突き付けて施工(ネムリ目地)すると、タイルに負荷がかかり、欠けやヒビが入ったりということも…。目地って大切!!

ここまでみてきた伝統的な貼り方も参考になりますが、独自に工夫したミックス貼りも魅力的で楽しいですよね。
お客様からいただいた施工例の中にも、すてきな貼り方をされているものがたくさんあるんです。またの機会にご紹介したいと思います!


タイル選びの参考に!
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