タイルノオサラ ‐ 試作

はじめまして。商品開発担当の吉野です。 TNコーポレーションでは入社以来、試作を担当して今年度で10年目になります。 この度、新しい取組みとしてタイル製造の機械を使ってお皿を作ってみました。

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試作してみたところ、問題無く製作出来そうなので商品として販売するにあたってコンセプトもしっかり3つ考えてみました。

【タイルの製造技術を用いて作られるうつわ】 タイルの製造技術には大きく分けて2種類あります。 湿式製法と乾式製法。 湿式製法は陶芸のように粘土を使った製法。 乾式製法は顆粒状にした粘土を、プレス機を用いて圧力をかけて成型する製法 。 弊社では乾式製法を採用しております。 乾式製法が得意なのは綺麗なフラットな形状です。 そんな得意分野の中で、今まで積み上げてきた乾式製法のノウハウを活かし作られた『うつわ』です 。    

【タイルと暮らしのトータルコーディネート】 この『オサラ』は弊社のタイルと全く同じ釉薬と粘土を使用しています。 成型に使われるプレス機の型枠も同じものです。 ですから同じ質感、同じ大きさ。 必然的にタイル、空間とのコーディネートがしやすい『オサラ』になります。 飲食店でのトータルコーディネートなど素敵ではないでしょうか。 もちろんご家庭でも。 また、東農の小売店で販売させて戴いた場合、観光にいらした方へのタイル製造業のアピールにも繋がります。               

【見立てのうつわ】 骨董の世界では『見立て』という文化があります。 花器ではないものを花器に見立てたり、陶片を箸置きや小皿に見立てたり、、、 酒器などがもっとも分かりやすい例でしょうか。 数寄者にかかれば、小皿でも小さな壺でも盃になります。 また、17世紀や18世紀の古い真っ白なデルフトタイルを、おつまみを載せる小皿に見立てて楽しむ方もいらっしゃいます。 本来の用途とはかけ離れつつも、各々の楽しみ方で各々に楽しむ日本の文化。 タイルもうつわと同じ陶磁器で出来ています。 料理を盛って楽しんでみても面白いのではないか、という想いで作られた『オサラ』です。

以上、コンセプトです。私はあくまで『タイルメーカーが作ったお皿』というのが面白いのでは?と思うのですが、社内ではそれでは苦しいという意見も上がっています。 しかし、一枚の普通の平皿として売ってしまっては他の食器メーカーさんとの勝負は厳しいかと思います。 店頭でも他のメーカーさんの食器に紛れてしまうかもしれません。 苦肉の策かもしれませんが、一枚売り以外にもお皿三枚と木製トレイで一セットの、パーティーや食べ比べセットに使えそうなセット売りなど色々考えてはいます。元はタイルなのですから、何枚か並べられた方が魅力的に見えてくる気もします。

石のような質感のもの

悩みつつの試作の日々です。貴重なご意見、ご感想御座いましたらお気軽にコメント戴けると嬉しいです。宜しくお願い致します。

その100角タイル、ホントに100mmですか?!

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」、第3回目は「形状」「面状」を中心に学びました。
(第1回「タイルの歴史」、第2回その1「タイルの種類(製法、焼成)」、その2「タイルの種類(材質、施釉)」はこちらからどうぞ)

形状は、実際の寸法に注意!

まずはよくあるサイズから。

正方形、長方形タイル(主に内装、壁面用)
100角
(例:クラフティレジーア100角ホワイトシリーズ
100角二丁
(例:睡蓮-SQ
150角
エルサ陶香オリジン
200角
ピカソハロン湾

タイルパークで取り扱っている四角形のタイルでは、100角タイルは少なく、150×150mmの150角というものが主流となっています。最近では200角も人気があり、昔と比べると大きなサイズが増えてきました。
「100角二丁」の”二丁”とは、2倍ということだそうで、だいたい192×92mmくらいのタイルのことを言うのだそう。
タイルパークでは唯一、「睡蓮-SQ」の長方形のものが197×97mmで、これに当てはまりますが、かなりレアなサイズとなっています。

もうお気付きでしょうか…。そう、タイルのサイズ、かなり曖昧(笑)
100角タイルと言っても、そのままタイルの大きさが100×100mmになっている訳ではないのです。「100角タイル」でネット検索すると、およそ100×100mm前後のいろんなサイズのタイルが出てきます。実寸法で、95×95mm~107×107mm程度のタイルを指すようです。

(…なんてわかりにくい!!(小声))

それはアイツ…そう、「目地」のせいでした。切っても切っても切り離せない関係「タイル」と「目地」…。
カタログ上でタイルの大きさを表記していく際には、目地の幅も含めたサイズで表すことが一般的なようで。「目地共寸法」や「目地込み寸法」と言います。

タイルパークの100角タイルは、実寸法で97×97mmのものがほとんど。3mm程度の目地幅をとって貼ることで、「目地共寸法」でちょうど100mmとなります。
が、しかし、150角タイルの商品はほぼ実寸法も150×150mm…。
海外のタイルは目地を含めない、ぴったりサイズが主流のようで…、タイルパークの自社工場「TNプロダクト」製のタイルは海外でも人気で、たくさん輸出しています。そのため、このようなぴったりサイズも多く存在するのです。
違うメーカーのものを混ぜて使ったりしたときに、施工場所にうまく収まらなかったり、反対に大きくあいてしまったり…知らずに貼ってしまうと後で大きな問題に。
専門の施工業者の方などはともかく、インテリアコーディネーターさんや、個人でDIYされる方などはとくに、目地をどの程度とって配置するか、しっかりと「タイルの割付」を計画・確認のうえ、ご注文・施工をお願いいたします _ (. .)_

モザイクタイル(主に内装)
10mm角
(例:リベルタ
 ※タイルパークで最小サイズ!実寸法=8mmです
15mm角
(例:ラヴェンナモザイクアリウスフェアリー
20mm角
(例:アイシクル
25mm角
(例:楽-プレーンブラックベースモザイク
50mm角
(例:ホワイトシリーズ絢爛プラチナ
  ※ 実寸50mmではなく 、45角や47角が多い
45二丁
(例:長良馬瀬ミッドセンチュリー
  ※外装にも多く使用されるサイズ
丸モザイク
(例:ブイ
六角形
(例:山水ニューヨーク-ヘキサゴンぺルラ-キャンブリック
変形
(例:カーミットアイシクル万華鏡フェザー

モザイクタイルは、タイル1枚の表面積が50平方センチメートル以下のタイルを指します。 およそ1辺のサイズが50mm以下ものが多いです。

上に挙げた中で、20mm角、25mm角、50mm角あたり、1枚1枚のサイズで分けるとかなり曖昧な感じになっておりますが…。モザイクタイルは、あらかじめユニット化したシート状になっているので、ユニット寸法を確認していただければ大丈夫ですね。
タイルパークのカタログでは、モザイクタイル程の大きさでも、「Normal」カテゴリーに載っているものもあるので、微妙なサイズ感をお求めの方は、前の方のページ「Normal」もチェックしてくださいね。もちろん、「Glass」にもガラスモザイクがたくさん載っていますので、こちらも是非。(Normal、Large、Mosaic、Glassの順でカテゴリーに分けて、掲載しております)

屋外壁タイル(主に外装。内装もアリ)
小口平  108×60mm
二丁掛け 227×60mm
三丁掛け 227×90mm
四丁掛け 227×120mm
ボーダー 227×30mm

これらの主に外装で使われるタイルのサイズは、もともとはレンガのサイズが基本になっているのだそうです。レンガ(長手面227×小口面108×厚さ60mm)をスライスしたときに出てくる面の大きさが、外装タイルのサイズになっています。

タイルパークで扱っているのは、基本的に内装タイル(屋外で使えるものもあります)なのですが、サイズ的には二丁掛け、三丁掛けに近いものも結構たくさんあります。
ボーダーは、上の図ではサイズ「227×30mm」となっていますが、40mmでも、見た目が長細い感じですと、”ボーダータイル”と呼んだりします。大き目で細めのボーダーは、スタイリッシュに仕上がるので近年人気の高い形状です。
240×60mm(こちらは海外で主流のサイズ)ですと、リネンフィンセントモット藍里…などなど。
もう少し細長い感じがお好みなら、240×40mmの、エルサプランク
広いリビングや店舗装飾におすすめの、もう少し大き目サイズ、モザリアブールバードメトロ
と、もともとは屋外で用いられていたサイズも、近年では内装用として幅広く使われるようになりました。


ツルっとした表面=タイル ではない

私がこのタイル業界に入るまでは、タイルといえば平らでツルツルとした表面を想像していたのですが…、実はとてもたくさんの面状があることを知りました。

フラット面…単味(砂、シャモットなどの添加物を加えていない)原料から成形されたフラットな面状
布面…主には、麻の布目模様を表面に施した面状
(例:リネン
柄面…柄のついた面状
(例:エルサ遊彩コーン
波面…緩やかな波のような面状
(例: モザリアブールバード
ディンプル面…波面より凹凸の激しい面状
(例:レジーア100角
ラダー面…四辺にテーパーがついている
(例:サブウェイの一部キネティック
すじ面…すじ状の柄を型で成形した面状
(例:大波ペルラキャンブリック
ラフ面…湿式押出成形時に素地の表面を一皮剥いだもの
(例:祇園ダンボ
割肌面(テッセラ面)…乾燥した素地を2つに割って焼成したもの
スクラッチ面…湿式押出成形時に素地の表面を釘状のもので引っ掻いたもの
磨き面(鏡面)…焼成後、表面を研磨して鏡面状にしたもの
(例:カラカッタラヴェンナモザイク
ハツリ面…乾燥素地の表面をノミなどで荒くはつったもの
ブラスト面…焼成後、表面に鋼球や砂などを吹き付けて荒らしたもの
石面…凸凹した石のような面状(緩やか)
岩面・ロック面…石面をさらに激しい面状したもの
砂岩面…天然の砂岩や玄昌石やスレートの面状を模して作られたもの

「スクラッチ面」なんかはとても伝統があり日本建築に馴染み深いものだそうで、「スダレ煉瓦」といわれる旧帝国ホテルで使われた”スクラッチタイル”が有名です。これは表面にスクラッチ加工を施した黄色いレンガで、煉瓦の表面を引っ掻いたスクラッチ模様のことをスダレと呼んでいます。
帝国ホテルに使われたスダレ煉瓦は人気を呼び、その後の建築でスクラッチ面のタイルが流行したそうです。
フランク・ロイド・ライトによって設計された旧帝国ホテル、この中央玄関部は現在、愛知県犬山市にある博物館明治村に移築されています(TNコーポレーションのある岐阜県可児市のお隣のまちにあります)。

↓こちらも是非どうぞ
「フランクロイドライトの帝国ホテル」NO.10 レンガの詳細


実に様々な面状がありますが、現在では模様を付けた金型プレスで成形したり、プリントでいろいろな柄や面状を表現しているものがほとんど。
TNプロダクトの工場で作るタイルは乾式製法(→乾式タイルについてはこちら)なので、上記の面状種類で挙げた例の中で、リネンの布模様などはプリントで表現しています。
金型の形状や成型後の二次的な加工で生み出される面状は様々で、デザインのバリエーションも広がり、また精度も安定しているので、全体的に均一ですっきりとした印象に仕上がります。


外装用だったら気にして欲しい「裏足」

タイルの裏面の形状で気になるのが「裏足」

タイルが接着しやすくなるように、タイルの裏側に付けた筋や凹凸のことを言います。施工後に剥がれにくくするためや、製造段階での効率面でその形状が変わってきます。
外装モルタル施工用の裏足は、独特なカタチで「あり足」と呼ばれます。

外壁で使われる場合には頑丈さが求められるので、接着面が多くなるように、溝の断面は内側に切れ込んだ形になっています。モルタルが裏足のすみずみまで行き渡るよう、しっかりと圧着、落ちないようにくっつけるためだそうです。
接着剤で貼り付ける内装用の場合は、裏足の凹凸が深いと接着剤がいっぱいいるようになってしまうので、裏足の必要性はあまりなく、浅いほうがいいそうです。


さて、次回の勉強会は「タイルの貼り方」についてです。
“目地割り”などを教えていただきます。タイルで空間を素敵に仕上げる為には不可欠な要素。タイルを生かすも殺すも目地割り次第! しっかりと学んでこなければ…(汗)

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T2ブログ参戦

今週から隔週でT2メンバーが交代でブログに参戦させていただくことになりました。
記念すべき第一回は4月よりT2のメンバーに加わりました、冨田が担当します。よろしくお願いします!

初参戦ということで、ご存じの方もみえると思うのですが、我が部署について少しご紹介させてください。
T2こと、T2PROTO.LABとは昨年2021年より始動した試作開発室です。
由来は初期メンバー千田徹さん、吉野徹さんのお二人の名前が同じ「徹」だったことからTOURU2→T2となったそうです。
そういうわけでT2は名前にTがないと入れない条件なのですが、私はTOMITAで2T持っていたためなんとか無事加入が認められました!(これは冗談です、、)
主な取り組みは、陶芸の技術を修得したメンバーたちが量産の技術、時には器づくりの技術を用いて試作実験開発を行うこと。
試作のアイデアはさまざまで、自然物から日常、製造技法から使用シーンなどあらゆるものから着想を得たり、角度を変えたり、他の物と置き換えてみたりと、型にとらわれずに常に挑戦的に試作開発を行っていくのがT2のもの作りです。

そんなT2がタイルのディープな面をこれから発信してまいります。知識豊富な先輩方には及びませんが、私も現場から今までとは違った角度でタイル、やきもの、ものづくりの魅力をお伝えできればと思っております!

さて、さっくりと活動内容はお話しいたしました。多角的発想と技術は不可欠でありますが、社長も綴られているように、我々の活動は基本的に日々の積み重ねです。今回は現在行っている釉薬実験についてご紹介します。
私は現在、今年力を入れているマット釉薬のカラーバリエーションをコツコツ増やしております。
下に灰みのある色が並んでおります。
実はこちらは、ベースの釉薬が違うだけでヘリテイジの調合と同じものなんです。

マット釉
貫入釉(ヘリテイジ)

我々の行う調合は

ベースの釉薬          +          色素分

(透明、乳白、マット、貫入、結晶など)      (顔料や酸化金属)

基本的にこれを合わせることでカラーバリエーションを増やしていきます。
(原料からベースの釉薬を作ることもありますが、ここでは割愛します。)

ヘリテイジのベースは貫入(ひびの入った表情)の釉薬、対してこちらマットな釉薬。色みはやや変わっていますが、ヘリテイジで既に整えられた調合なのでカラーバランスは安定したままですね。マットのグレイッシュなカラー、トーンは揃っている印象、落ち着きのあるいい色味。

比較

同じ色素分を混ぜ合わせてもベースが違うと結構違った色みになるものもありますね。釉薬は化学です。焼成前と焼成後で色は変わり、単に目で見た色から混色の割合を考えるのは困難です。思った色をぱっと作るのにはそれなりの経験を要します。

焼成前

余談ですが、これらの調合実験は100ccと少量で行っていきます。その時の原料の重さは小数点第二まで使用するわりとシビアな作業なのです、、、
やきものは焼いてみないとどうなるかわからない、それは魅力でもあり大変なところでもあり、、それらを多色多トーンで揃えたヘリテイジの作業量を思うと、、、先輩方の苦労をひしひし感じます。

マットの落ち着いた色合いも素敵ですが、ヘリテイジの発色はやはり目を引きますね。

ヘリテイジ(画像加工していません!)

ヘリテイジの魅力は個人のニーズにより応えられるシステムもさることながら、安定したトーンつくり、そしてなんと言っても美しいことですね。
ヘリテイジの目の覚めるような美しいカラー(&先輩の努力の結晶、、)ぜひともお試しください!!
サンプル、ご相談等お待ちしております。

マットに関しては、お目見えする日まで積み重ねてまいります。乞うご期待くださいませ。

セミオーダーメイド(特注)タイル「ヘリテイジ」
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「空間の帯」タイル活用法 オンライン説明会

ベースのタイルの間に、
アクセントとして別のタイルを
ライン状に挟み込むことで、
タイル単品の個性に頼ることなく
インテリアに様々な変化を生み出すー。

タイルパークでは
このようなタイルの使い方を
「空間の帯」と呼び、提案しています。

オンラインでの説明会にて
楽しく、わかりやすく説明いたします。

【主な内容】
「空間の帯」とは?
「空間の帯」 ・・3つのメリット
こんなイメージはいかがでしょう?
え!こんな貼り方もあり??
・・更に発展させた場合・・
タイルの段差問題、解決法
お役に立つ「webブック」のご紹介


【開催日程】
2022年9月27日(火)16:00〜16:30(終了)
2022年9月29日(木)16:00〜16:30(終了)

※終了時間は
前後する場合がございます。
(Zoomを使用いたします。)



オンライン説明会に、
ぜひ!ご参加下さい。

【会場】
Zoom(オンライン会議アプリ)

【対象】
・高級ホテルや店舗の企画に関わる、設計士、デザイナー、インテリアコーディネーター、オーナー企業様
・空間価値を高めた提案をしたい⼯務店など建設業の皆様

【説明会内容】
「空間の帯」:タイル活用法のご提案

【お申し込み方法】
ご希望の方は開催日別の参加ボタンよりお申し込みください。

お申し込み後、Zoomより入場用のURLが届きますので当日までメールの保管をお願い致します。

開催当⽇は、開始5分前よりご入室いただけます。

【ご注意事項】
・「Zoom」を使⽤いたします。詳しい動作環境については Zoomヘルプセンターをご確認ください。
・視聴リンク(URL)はご本人限りのご利用にてお願い致します。
・視聴に使用される端末の回線によっては、再生遅延や途中停止が起こる場合がございますが、予めご了承ください。
・説明会の録⾳・録画はご遠慮くださいますよう、お願い致します。

担当:TNコーポレーション 渡辺

【開催日程】
2022年9月27日(火)16:00〜16:30(終了)
2022年9月29日(木)16:00〜16:30(終了)

※終了時間は
前後する場合がございます。
(Zoomを使用いたします。)

あなたのご参加、
心からお待ちしております。