カテゴリー別アーカイブ: タイルワンポイント

カタログの見方が変わる[タイルの用語]

情報を読み取るには用語の知識が必要

カタログやWEBサイトを見ていると、製品の様々な情報が掲載されています。タイルのサイズはいくつか。ユニットなのかバラなのか。実際の割付や施工の際にこれらの情報は重要となってきます。

ところが、用語の指す正しい意味を理解していないと、思わぬ間違いにつながる恐れもあります。

・実寸法と目地共寸法を間違えて割付けしてしまった
・水回りなのに吸水しやすい製品を選んでしまっていた

などなど、過去にお聞きした中でも実際にこういったトラブルは発生しています。

分かっているようでいて、意外と曖昧に覚えてしまっているかもしれない基礎用語。タイルを選ぶ全ての方に押さえておいてほしい用語をおさらいしたいと思います。

なお、こういった用語は会社ごとに少しずつ表現が異なるものもありますので、この記事では「タイルパーク」のカタログ上の用語を記載すると共に、日本産業規格「JIS A 5209(セラミックタイル)」をもとに、用語や説明を補足として加えています。またセラミックタイル以外はこれらの用語に当てはまらない場合もありますのでご注意ください。

タイルの基本情報を指す用語

平物と役物

タイルには大きく分けて「平物」と「役物」という2種類があります。
平物(ひらもの)とは、壁面や床面を構成するタイルで、ざっくり言えば「面を埋めるため」のタイルです。それに対して役物(やくもの)とは、開口部や出隅・入隅を収めるための補助目的のタイルを差します。

平物と役物のちがい

役物は原則平物を補助するためのタイルのため、一般的には役物単体で使用することはほとんどありません。タイルパークの製品だと、「サブウェイ」、「ホワイトシリーズ」に役物が存在します。また「ボーダーC」も出隅や見切り部分を収めるための役物となります。

なお、半マスタイルなど寸法調節の目的でカットしたものは、役物には含まれません。

半マスタイル
「半マス」は寸法調節のためにカットしただけなので、「役物」には含まれない

素地(きじ)

「そじ」と読みたくなるところですが、JIS規格上での正しい読み方は「きじ」とされています。素地とは、施釉箇所を除いたタイル本体(ボディ)を指しています。

素地(ボディ)

施釉タイルの場合は壁にタイルを施工した後だと、基本的に表面の施釉部分しか見えなくなるので、素地の存在はあまり意識されません。しかし、例えば出隅の部分で小端(こば=タイルの側面のこと)を露出させたまま仕上げる場合などは、素地と釉薬の色の違いに気を使わなければなりません。
メーカーや販売会社に確認をしたい時は「素地の色」という言い方をするとスムーズに伝わるかと思います。

小口と小端
レンガ等では短手の側面を「小口」と呼ぶ場合もある。

製作寸法

製作寸法とは、タイルの外観の大きさを示す寸法(長さ、幅、厚さなど)のことで、「標準寸法」という言い方をすることもあります。タイルパークの場合は、カタログに掲載している「実寸法」=製作寸法とお考えください。

製作寸法

ちなみに、カタログなどにおける平物の寸法表示では、製作寸法の大きい方を先に表示することが望ましいとされています。(例:「240 x 90 x 10mm」)

タイルはやきもののため、生産する度寸法に若干のムラが発生します。製作寸法とは、工場が生産時に目標とする寸法で、ここからのプラスマイナスの誤差範囲を定めて品質の検査をおこなっています。

品質検査

モジュールやユニットに関する用語

目地共(めじとも)寸法

タイル及びユニットタイルの製作寸法に、目地寸法を加えたものを差します。基本的には納品形態(バラまたはユニット)の寸法で記載されます。

目地共寸法

目地共寸法はタイルの割付をおこなう際に重要となる寸法で、「モジュール寸法」と呼ぶ場合もあります。基本的に割付けでは、この目地共寸法を連続して並べます。

たとえば「幅97mmの平物タイルを、3mmずつ目地をとって3列並べたユニットの目地共寸法」は、(97mm+3mm)×3個=300mmとなります。

目地共ユニット寸法のイメージ

なお、バラで納品されるタイルでも、メーカー側から目地幅の指定がある場合は、製作寸法と一緒にモジュール寸法が併記されることがありますが、タイルパークでは基本的にバラタイルの目地幅の指定はしていないため、商品によって「推奨目地幅」として記載をおこなっております。

表(おもて)紙張り

タイルをユニット化するとき、連結方法がいくつか存在します。普段あまり施工前のタイルに触れる機会が無い方だと、裏側ネット張りはイメージできても、「表(おもて)紙張り」はピンとこないかもしれません。表紙張りとは、並べたタイルの表側に紙を張り付けてユニット化する連結方法です。

表紙貼りのイメージ

表紙張りのメリットは、接着剤にタイルを張り付けたあと、紙を剥がしてタイル同士の連結を外すので、接着剤が硬化するまでの時間に微調整をおこなうことができる点です。

また裏ネット張りの場合はネットごとタイルを張り付けるため、残されたネットが劣化したり、ネットの厚み分浮いてしまい接着が甘くなる可能性がゼロではありません。その点、表紙張りはタイルのみを張り付けるため、劣化の心配もなく、接着剤とタイルを直接くっつけることができます。

デメリットとしては、表面の凹凸が激しいタイルや、接着剤が拭き取りにくいタイルには使用できません。

材質に関する用語

吸水率を指す「Ⅰ類」「Ⅱ類」「Ⅲ類」

セラミックタイルは、吸水率によってⅠ類~Ⅲ類に分類されます。

表紙貼りのイメージ

上記はJIS改定時に定められたもので、以前は「磁器質」「せっ器質」「陶器質」と分類をしていました。
また吸水率の検査はJIS改定時に「自然状態での吸水」から「強制吸水(煮沸法や真空法による)」に変更されています。

タイルの素地の吸水率が高いと、隙間などから入り込んだ水分によって膨張したり、凍害といったトラブルを引き起こすことがあります。そのため陶器質にあたるタイルなどは、水回りや屋外での使用を避けることが無難です。
もし水まわりでどうしても使用したい場合は、目地材をしっかり詰めて素地部分が露出しないよう注意しましょう。とくに寒冷地では凍害がおこる危険性が高いため注意が必要です。

成形方法を指す「A」と「B」

セラミックタイルの材質を表記する際、吸水性と一緒に「A」または「B」と書かれていることがあります。これは、タイルの成形方法をあらわしています。

A=押し出し成形
押し出し成形とは、水分を含んだ坏土(タイルの素地となる土)を真空押し出し成形機で板状に押し出したもので、「湿式製法」における成形方法です。タイルパークの商品では「北野」や「嵐山」「ダンボ」などが該当します。

B=プレス成形
プレス成形は、乾燥して顆粒状になった坏土を型に充填し、金型を取り付けた高圧プレス機で押し固めて成形する方法で、「乾式製法」における成形方法です。タイルパークの製造工場であるTNコーポレーションでは、一部のハンドメイド品を除き、この成形方法をとっています。

成形方法

押し出し成形は、タイルに土の温かみや粘土のテクスチャを表現することができますが、焼成時の収縮が大きいため、寸法の誤差や歪みがプレス成形に比べて大きくなり、厚みも出ます。
プレス成形はより均一に近いタイルを大量に生産するのが得意で、比較的安定した品質を得ることができますが、1枚1枚の個性は押し出し成形ほどにはなりません。

タイルを選ぶ時、製法も気にしてみるとこれらの長短を念頭に置くことができますね。

目地に関する用語

「目地」と「目地材」

タイルの用語の中でも誤解されやすいのが「目地」。よく「タイル同士の隙間に詰めてある目地材」のことを「目地」と呼んでいますが、実際の「目地」が指すのは、タイルとタイルの間に空けられた隙間そのものです。

成形方法

タイルパークでも「目地無しで施工できますか?」という質問をよく受けますが、これが「目地幅を取らずに仕上げて良いか(=突き付け施工OKか)」という意味で質問しているか「目地材を詰めず隙間を空けたまま仕上げて良いか」でかなり意味が変わってきます。
お施主様の要望をうまく汲み取れなくなる恐れもあるため、ここの使い分けにはご注意ください。

接着剤に関する用語

接着剤の2大カテゴリー

最後は「接着剤」に関する用語です。タイル施工用の接着剤には、代表的なものとして「アクリルエマルジョン系接着剤」と「変性シリコン樹脂系接着剤」があります。この二つの違いは、ざっくり言えば硬化の仕方の違いです。

アクリルエマルジョン系接着剤
アクリルエマルジョンは水性の接着剤のため、塗布後は接着剤が乾燥することで硬化します。引火や毒性の危険がなく、また価格も安いためタイル施工では非常によく使われます。
一方で水性であるために、水が多量にかかるとやわらかくなって接着力・耐久性が下がるので、浴室など水かかりの多い場所には適しません。

変性シリコン樹脂系接着剤
変性シリコン樹脂が主成分の接着剤は、湿気に触れることで起こる化学反応によって硬化する接着剤です。硬化後も壁の動きに追従する弾力性を持ち、アクリルエマルジョンに比べて歩行や地震によるタイルの剥離をおさえます。また湿気で硬化することから、水回りでの使用も可能です。

基本的に変性シリコン樹脂系ならほとんどの場所に使用が可能ですが、価格が高くコストがかかるため、使用場所によってどちらを使用するかご検討ください。

今回は「押さえておきたいタイル用語」をご紹介しました。またの機会には、さらに細かな用語についてもお伝えできればと思っています。


この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


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押し出し成形で作られた湿式タイル。土の中に混ざる石粒などが作った自然な表情が特徴です。

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タイル割付けは奥深い

タイルパークでは現在、住宅内で最もタイル使用率の高い「洗面台」のタイル仕上げを後押しするべく、新サービスの準備をおこなっています。

洗面台とキッチンは、住宅の中でもお施主様(とくに女性の方)がこだわりたい場所のツートップ。なかでも洗面台は、ミラー下のごく小さなスペースだからこそ「デザインにこだわりたい」「遊び心を取り入れたい」という方も多いのではないでしょうか。

とはいえ工務店の方などにお話しを伺ってみると、じつはこの僅かなスペースのタイル施工で頭を悩ませることも少なくないようです。様々なケースがあるものの、大きくは「四角形以外のタイルになると割付けが難しい」ことと、「省スペースほど施工のコストが高く感じる」ことが多いようでした。

割り出し方ひとつで変わるデザイン

事前にタイルを割付けることで、施工に必要な枚数や切り物のサイズを確認することができます。また割り出し方を先に決めておけば施工のときにも迷うことなく、仕上りも事前に想像ができるので、施工担当にも指示が出しやすくなります。

心割り(中心から割り出す割付け)の場合、タイルの中心からスタートするか、目地からスタートするかでも仕上りが変わってきますね。どちらの方がキレイに仕上がるかは、施工面・タイル寸法・目地幅の関係で変わってきますので、一概にどちらとは言えないところが難しいです。

タイル心割り
目地心割り

詳しくは下記のページもご参照ください。
「タイル割付け、キホンのキ」 >

さて今冬よりタイルパークでは、洗面台のバックスプラッシュにおける「タイルの割付け」と、その割付け内容で「プレカット」まで一緒に注文できる新サービス「割付TEプレカット」を発足予定です。

割付けや数量拾いといった部分は原則弊社ではおこなうことができませんが、少量だからこそなるべく手間を省きたい洗面台のタイル仕上げをお手伝いすることで、コーディネーター様や工務店様にとって便利なサービスとしてご提供したいと考えております。
(※新サービスの対象範囲外については、これまで通り割付けや数量拾いはお客様にておこなっていただく必要がありますので何卒御了承ください)

現在運用開始にむけて内容を詰めたり、シミュレーションをおこなっている段階ですが、実際の現場寸法にあわせてタイル割付けをするというのは、私たちが考えていた以上に気にかけなければならない点が多く、奥が深いものでした。

特殊な形状は切りものだらけ

タイルパークで販売している中でも、とくに変わった形状の「ピノグリ」や「レトロ」といったタイル。

直線の目地が通る部分が無いこれらのタイルは、基本的に収まり部分のタイルをカットする必要があります。

ピノグリの標準割付図

上記は参考割付図からの引用となりますが、場合によっては、こんなギリギリの切りもの(収まり部分に使用するカットしたパーツ)が出てきてしまったりします。
小さい切りものはカットするのがかなり難しく、破損したり斜めになってしまったり、はては折角切れても現場で迷子になってしまったり・・・。

タイルにあわせて施工場所の寸法を決められる場合は、極力半マス(真ん中でカットしたタイル)で納めるのが仕上りもよく効率的です。しかし、とくにリフォームの現場においては元々施工面が出来上がっているため、そうはいかない場合が多いかと思います。その際も、なるだけ大きめの切りもので納められるように、割出し位置を微調整するのが良いですね。

割り出し位置の調整について、以下に事例をひとつ。

以前弊社で「フィン」の割付をさせていただいた際の、初期割付図の施工面右側です。

フィンの割付け_その1

斜線の引かれた部分が切りものです。細長い三角形の、いかにも折れやすそうな切りものや、紛失しやすそうな小さな切りものがたくさん入っています。
「とくに下部に入っている細長い三角形の切りものは、カットの衝撃に耐えられないだろう」という判断となり、割り出し方を変えてみることになりました。

フィンの割付け_その2

修正案がこちら。できるだけ切りもののサイズが大きくなる場所を模索し、初案よりはだいぶ破損のリスクが低減できそうな割付になりました。

頼みの綱のコーキング

先にお見せした「フィン」の事例の修正案。よく見ると切りもののサイズ確保と引き換えに、上下のコーキング幅が非常に大きくなっていることもわかります。

施工面の寸法もタイルの寸法も変わらない以上、どこかで帳尻を合わせるしかないですが、そんな時は思い切って、周囲のコーキング幅を多めに取ってしまうのも一つの手です。

コーキングで収められたタイル

うまく割付けられないときの逃げ道として、コーキングは少し余裕を持っておくのがベターです。
これは、ギリギリの幅で割付けてしまって、いざ施工のときにタイルや現場のわずかな歪みで収まらなくなるというトラブルの回避にもつながります。
バラのタイルや表紙張りユニットなら、接着剤が硬化するまでに微調整することもできますが、ネット貼り商品はそうもいかないので、特に気を配る必要があります。

仕上りを左右するもの

とはいえ見た目の良し悪しにも影響するので、通常なら5mm程度におさえたいコーキング。上記のフィンの割付けでは「上部はタイルをカットしたくない」というお客様からのご要望もあり、試行錯誤の結果、最終的に上下とも11.6mmものコーキング幅が空いてしまいました。

最終的なフィンの割付け

何かを優先するなら、何かを諦めるしかありません。タイルの仕上がりとしては少々格好悪いですが、これはもう、コーキングでぎゅぎゅっと埋めてもらうしかないか・・・。
施工を担当する業者さんにも了承を取ってもらい、このサイズのままプレカットをおこない納品させて頂きました。さて現場での施工の結果がどうなったかというと・・・

施工完了後のフィン

こちら、施工後に送っていただいた写真です。あれ!?上下の極太コーキングが見当たらない!?

写真をギリギリまで拡大したところ、どうやら広すぎるコーキング幅を逆手にとり、見切り材を入れていただけたようです。ちょうどシルバーの見切り材が引き出しやキャビネットの取っ手とも一致して、結果的にとてもまとまりのある仕上りになっていました。

割付は、あくまでCADで引いた数値上の結果。今回の施工の際にもやはり寸法誤差などがあったそうですが、そこは施工の方がしっかり調整をおこなってくださっています。実際の仕上がりのクオリティを左右するのは、やっぱり現場にいる職人さんの知識と経験なのでした。


この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


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海外からやってきたユニークな形状のガラスモザイクタイル 。一定間隔でまっすぐ通る目地があるので、うまく割付ければ現場で難しいタイルカットを最小限に留めることも可能です。

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釉薬がもつ役割、特性

タイルデザインの幅を広げる立役者、「釉薬」

「釉薬(ゆうやく)」とは、やきものをコーティングするガラス質の膜のことで、多くのやきものタイルの表面に施されています。

元々やきものは土を成形・乾燥させた後、そのまま火にくべて焼き固められていました。ところが、土器の焼成に窯が使われ始めるようになると、舞い上がった灰が飛んで行かず焼成中の器に降りかかり、冷え固まってガラス質のようになることを発見(自然釉)。これが釉薬のはじまりで、日本では奈良時代頃から人の手によって釉薬(灰)を乗せた陶器が作られはじめ、その後様々な進化をみせることとなりました。

釉薬には様々な役割がある

土を固めて焼くだけでは満足できず、より高みを目指した人類。長い長い試行錯誤の歴史をもつ釉薬には、様々な役割が生まれます。

1.耐久性をアップさせる

ガラスの膜でコーティングすることで、施釉陶器は様々なメリットを手に入れます。釉薬面から水が内部に侵入しにくくなって耐久性があがり、お手入れもしやすくなるので長く使い続けることができます。身のまわりにあるやきものの器を見ていただくと、ほとんどは土がむき出しの状態ではなく、釉薬でコーティングされていると思います。

2.デザインを与える

釉薬に含まれる成分は、焼成による化学変化で様々な色に姿を変えます。たとえば基礎的な調合の釉薬に酸化鉄を添加すれば焼成後に黄みがかったり、銅を添加すれば織部のような緑色になるなど。時には絵の具のように顔料を混ぜて発色を生み出す場合もあります。

また調合内容によって釉薬が溶け出す温度を調節したり、炎の当て方や冷却スピードによって結晶を生じさせ模様のように見せるなど、質感や模様にも変化を与えることができるため、その可能性は無限大。陶芸家の中には釉薬沼にハマって、作陶よりも釉薬の調合試験に没頭する人もいるほど奥深い世界です。

タイルでよく使われる釉薬の種類

タイルパークで販売中の商品にもよく見られる4種類の釉薬を紹介します。

透明釉

焼成後に無色透明となるベーシックなツヤありの釉薬です。タイルの素地(きじ。土のこと)の色の影響を受け、またベーシックな調合から成分比率を変えることでほんのり色みをつけたり、調合内容によっては素地の凹部分に流れ込んで濃淡を生んだりもします。タイルの業界では「ブライト」と呼ばれることも。

透明釉
透明釉

フチなど薄づきの部分は、素地の色がかなりハッキリ見えるものもある。

マット釉

焼成中に釉薬の結晶が表面を覆ったり、半融けになるように調合された、ツヤのない不透明な釉薬です。透明釉と違って素地の色の影響を受けないため、色のブレが出にくいのが特徴です。じつは釉薬の表面には凹凸があって、これが光を乱反射させてツヤ消しに見せているのですが、この凹凸は目には見えないぐらい細かいので、ほとんどはツヤのある釉薬と同じ感覚で使用できます。

マット釉

ラスター釉

てりてりとした虹彩のような輝きが特徴の釉薬です。他の釉薬とは違い700度程度の低温で焼き付けるため、一度1200度以上でしっかり焼き固めたタイルに、上から施釉してもう一度低温焼成して作られています。独特なツヤ感がとても美しいですが、紫外線や酸で釉薬が劣化してしまうことがあるので、使用場所には注意が必要です。

ラスター釉

貫入(かんにゅう)釉

焼成前はタイル素地にも釉薬にも水分が若干含まれるため、焼成で水分を完全に失うと少し小さくなります。この時生じる素地と釉薬との収縮率の差によって焼成後に現れたヒビを貫入と呼び、これを意図的に大きく入るように調合したのが貫入釉です。器でも鑑賞対象として昔から好まれ、時間の経過でも少しずつヒビが増えることがあり、変化を楽しむこともできる釉薬です。

ただしタイル表面にまで現れているヒビなので、当然細かい粒子は隙間から入り込んでしまい、時間とともに汚れの原因にもなってしまいます。そのため、一般的には浴室などの水がかりが激しい場所ではあまり使用されません。

貫入釉

釉薬からオススメするタイル

透明釉 ー透け感によって軽やかな雰囲気に

睡蓮-SQ

睡蓮-SQ

スタンダードなサイズの2種類の四角形と、見切りやアクセントに使用できるボーダータイル。表面には水をたたえたようになめらかで透け感のある釉薬が施され、静かな安らぎを与えます。

マット釉 ーツヤ消しのスッキリとした見た目

ニューヨーク-ヘキサゴン

ニューヨーク-ヘキサゴン

思わず触れていたくなる心地よい手触りと、ツヤ消しならではのスッキリとした見た目が特徴のモダンなヘキサゴンタイル。約5cmと約10cmの2種類のサイズで、それぞれ白と黒を用意。
(※サイズごとに違うマット釉が使われています)

ラスター釉 -華やかな輝きが魅力

ガク(楽)-プレーン

ガク(楽)-プレーン

ラスター釉の輝きと、変化に富んだ表面の形状が、照明効果を最大にまで高めて豪華な空間を演出。チャペルやブティック、バーなど、きらきらと華やかな輝きを求める場所におすすめ。

貫入釉 -意匠の一部になる大胆なクラック

魁(かい)

魁(かい)

素地に彫りこまれたマジョリカ風の模様に、透明感のある繊細な釉薬の濃淡が混ざり合うデザインタイル。近づいて見ると全体に貫入のクラックが入っており、クラシカルな風合いに。

色や質感は実物でないと分からない

ここまで紹介した以外にも、タイルパークで販売しているタイルでは様々な種類の釉薬が使用されています。こまかな質感や風合いの差は写真では再現できず、手にとってみないと分からない情報がたくさんあります。

カタログやホームページの写真だけで決めてしまい、思っていた手触りやツヤの具合と違ったという失敗談も少なくありません。タイルを検討の際は必ずタイルサンプルをご確認ください。
サンプルの請求方法はこちらをチェック

タイルサンプル

また釉薬は化学変化によって色や風合いを生んでいるため、生産ロット毎に誤差が生じやすいという特性もあるので注意が必要です。生産ロットの誤差についてはこちらのコラムもぜひ併せてお読みください。


この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


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便利に活用!タイルのシームレス画像

シームレス画像

無料提供中の各種データに「シームレス画像」を新たに追加

タイルパークで販売中のタイルの割り付けに便利な「CADデータ提供サービス」。
これまでも一部商品でご提供していた「平面CADデータ(DXF)」と「標準割付図(PDF)」に、この度「シームレス画像(JPG)」が追加され、対象商品も一気に100シリーズを越えました!

「シームレス画像」とは

シームレス(seamless)とは「継ぎ目のない」という意味で、一般的にシームレス画像というと連続で並べた時に継ぎ目なく繋がる画像のことを指しています。

タイルパークでは主に、四角形かつバラ単位で販売しているタイルは単体で、それ以外の形状のバラ販売タイルや、ユニットシートで販売しているタイル場合は、複数枚を予め並べた状態の画像でご用意しています。

シームレス画像の特徴

「レトロ」というシリーズでご説明したいと思います。ユニットシートの状態で販売していて、ランタンのようなユニークな形が特徴の商品です。

RETRO-PEARL
RETRO-PEARL
※実際の画像に黒い枠線はありません

上の画像が、実際にご提供しているシームレス画像です。これを連続で並べてみると・・・

RETRO-PEARL

タイルを敷き詰めたように連続させることができます。実際のタイル施工では、1シートやバラ1枚ではなく、ある程度の面積を敷き詰めることになるため、よりイメージが湧きやすくなりました。

シームレスじゃない画像との違い

RETRO-PEARL シームレスじゃない画像

同じレトロの画像です。ユニットが画像いっぱいに配置されていますが・・・

RETRO-PEARL シームレスじゃない画像を並べた様子

画像を隙間なく並べても、タイルを敷き詰めた様子にはなりません。ユニットとユニットの間に空いた大きな隙間を埋めようと思っても・・・

RETRO-PEARL シームレスじゃない画像を並べた様子

画像が重なってしまい、繋げることはできません。
(※画像の境目が分かるよう黒い枠線を入れています)

使い方色々、シームレス画像

打ち合わせやプロジェクトのプレゼン用資料の作成に

打ち合わせの様子

シートやタイル単体の画像よりもイメージが湧きやすく、オーナー様へ選定商品の魅力を伝えやすくなります。

空間パースに貼り付けるテクスチャとして

空間パース

実際に施工した様子を思い描きやすくなります。
(※画像タイルの実寸情報をシームレス画像と一緒に提供しております)

CADデータ提供サービスについて

「CADデータ提供サービス」とは、タイルパークで販売しているタイルのCADデータ標準割付図シームレス画像が無料でダウンロードできるサービスです。

CADデータ

製品の形状や寸法がわかる平面図のDXFデータです。CAD上でタイルの割付けを行う際にご活用ください。

標準割付図

洗面台を想定した寸法内にタイル割付けをおこなった参考図のPDFデータです。切りものの入り方や割り出しの位置、目地の参考に。

シームレス画像

連続で並べることが出来る、タイルのJPEG画像です。イメージ図への落とし込みや、プレゼンのための資料作りにお役立てください。

水まわりに向かないタイル

タイルを選ぶ時、気にしておきたい事はたくさんあります。時に仕上りやその後のメンテナンスを大きく左右することもあるので、安心してタイルを選べるようにしておきたいところ。そこで今回は、住宅や店舗の中でもタイルの使用頻度が高い水まわりにはおすすめできないタイルを、その理由と一緒に紹介いたします。 衛生的な仕上げ材で水まわりでも好まれるタイルではありますが、実は洗面台やシンク、浴室には向いていないものも中にはあるので注意が必要です。

BAD! 表面がザラザラした仕上りのタイル

とくに水まわりというと、雑巾などでサッと拭き掃除をすることが多い場所。そのため表面がざらっとしたタイルを使用していると、布の繊維がタイルに引っかかったり、糸くずが表面に残ってしまうことがあります。水まわりに使用するタイルを選ぶ時は、できるだけツヤのある釉薬や、手触りの滑らかなマット釉が施されたタイルがおすすめです。

ザラザラしたタイルは水まわりに向かない

BAD! 金の釉薬が使用されたタイル

タイルの表面をコーティングする釉薬。金色の釉薬は含まれる原料の特性によって、酸に触れると黒っぽく変色するものがあります。そのため、洗剤や食品など酸性のものがとくに触れやすい洗面台やキッチンなどの水まわり、雨のかかる屋外では、金色のタイルは使用を避けるのが無難です。

金の釉薬が使用されたタイルは水まわりに向かない

BAD! 吸水性の高い材質

多くのタイルはやきもののため水に強いですが、中には低温で焼成されて吸水率が高いものや、石材など水を吸いこむ素材で作られたタイルも存在します。タイルの内部に水分が吸収されることで、カビの発生やシミ汚れに悩まされる恐れもあるため、磁器やガラス以外のタイルを使う時は注意が必要です。
(※表面に撥水加工を施すことで吸水を抑えられる場合もあります。施工やクリーニング業者へご相談ください)

吸水性の高い材質は水まわりに向かない

これなら安心!住宅水まわりの施工例

ここからは、タイルパークの商品を水まわり(キッチン、洗面台、浴室)に使用していただいた施工例をご紹介いたします。タイル選びに不安がある方は、ぜひ皆様の施工例も参考にお探しください。

フィンセント VI-6

フィンセント VI-6
マンションのフルリノベーションで、キッチンに「フィンセント」をご採用いただきました。仲間と囲んで食事が出来る様に、お料理好きなお施主様のご希望でキッチンを充実させました。藍色のタイルが和モダン空間になじんでいます。
写真協力:ホームテック株式会社 この商品を詳しく見るopen_in_new 施工例紹介ページへopen_in_new

メトロ HLCO36

メトロ HLCO36
住宅キッチンにメトロをご採用頂きました。光に照らされ、ナチュラルで暖かい空間となっています。
写真協力:アオイ建築 hands works

お客様の声:
「キッチンに施工させて頂きました。白色タイルに白目地を使い、芋目地にする事により、よりシンプルさを求めました。どこに付けても、他の物を邪魔しないメトロはとても扱いやすいです。」

この商品を詳しく見るopen_in_new 施工例紹介ページへopen_in_new

コーン COR-7C

コーン COR-7C
住宅の洗面台に「コーン」を採用いただいた施工例です。 お施主様の好みであるくすみ系グリーンを中心に、全体のテイストに合わせてタイルを選定。雰囲気もバランスも満足の造作洗面化粧台にしあがりました。
写真協力:株式会社タナカホーム 宮崎支店 この商品を詳しく見るopen_in_new 施工例紹介ページへopen_in_new

チャット Ch-472-1

チャット Ch-472-1
住宅の洗面に「チャット」をご採用いただきました。大理石の洗面台に、きりっとしたハイコントラストのモザイクタイル。まるで商業施設のパウダールームのように高級感のある仕上がりになりました。
写真協力:M様邸リノベーション
施工:株式会社セプト / タイル工事:釉.合同会社 この商品を詳しく見るopen_in_new 施工例紹介ページへopen_in_new

ブールバード BLVD312WG、他

ブールバード BLVD312WG、他
タイルを贅沢にあしらったバスルームと洗面室。壁面には大きなサイズの白の「ブールバード」。別アングルの写真では、アクセントでガラスタイルの「トーゼン-マルティーニ」を使っていただいています(※バスタブ周りは他社製品)。細かい仕上げ材にもこだわっておられ、どこに目をやっても惹きつけられてしまいます。
写真協力:あうる建築工房 有限会社

お客様の声:
「ブールバードの出隅、入隅にサブウェイの役物を入れた感じが私的には一番気に入っています。 ガラスタイル2色を場所で使い分けたのも共通の雰囲気がありながら、ちょっとイメージが変わる感じでよかったと思います。」

この商品を詳しく見るopen_in_new 施工例紹介ページへopen_in_new

衛生的なタイルは、正しく選べればまさに水まわり仕上げ材の真骨頂。ぜひタイルで素敵な空間を実現してください。
おすすめの記事 ・タイルの洗面台特集open_in_new ・タイル割付け、キホンのキopen_in_new ・目地はタイル仕上げのデメリット?open_in_new


この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


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フィンセント
凹凸感のあるナチュラルな色むらが温かみのある仕上がりを実現。表面はツヤのあるブライト釉のため、拭き掃除が多いキッチンにもおすすめ。

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よくある質問
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目地はタイル仕上げのデメリット?

目地が入ったタイルの壁

避けては通れない「目地」の悩み
水や汚れに強く美しいタイルですが、タイル同士の隙間に充填する「目地」はどうしても汚れが付着したり、カビが発生するリスクがあります。ですが、ただ目地を悪者のようににするのではなく、メリットとデメリットをよく理解して、タイルの選び方や日常生活の中でちょっと気にかけることで、美しい仕上がりをできるだけ長くキープすることが可能です。

洗面台にタイルがおすすめの理由

以前タイルパークでは、自宅の新築・リフォームで洗面台にタイルを使用したお施主様に、タイル仕上げにして良かった点をアンケートでお聞きしました。 ・見た目が美しく仕上がったこと ・耐久性があること ・豊富なデザインから選べたこと ・訪問客が褒めてくれること などのご意見が多かったです。意匠(デザイン)の面と機能面、両方で満足の得られる仕上がりにすることができたようです。また夢のマイホームを実現した皆さんにとって、「訪問客が褒めてくれること」はとても嬉しい点ですね。

タイル仕上げにして喜ぶファミリー

「目地が汚れるからタイルは使わない」という方も中にはいますが、こういったお施主様のご意見からも、目地汚れを理由にタイルを取りやめるのは非常に勿体ない!そこで、カビを抑制してうまく付き合っていく方法をいくつかご紹介します。

Point 1. 防カビ効果のある目地材を選択

最近は防カビ効果のある水まわり用の目地材が様々なメーカーから発売されています。とくに洗面台やキッチンといった水まわりは石鹸カスや水滴も残りやすく、目地部分の汚れやカビを100%防ぐことは困難のため、できるだけカビの発生しにくい目地材を選択しましょう。

防カビ効果のある目地材を選択

Point 2. しっかり換気する

カビ防止の鉄則は何といっても換気をすること。目地材自体は一度硬化すれば比較的乾きやすい性質のため、表面の水滴を拭き取って毎日換気をおこなえばカビの発生抑止に繋げることができます。

しっかり換気する

Point 3. いっそ目地を減らす

大きいタイルを選ぶことで、目地の面積自体を少なくしてしまうのも逆転の発想です。水まわり=モザイクタイルの印象をお持ちの場合は、大胆に150~300mmくらいのタイルからも探してみてはいかがでしょう。

いっそ目地を減らす

おすすめタイル例

グッディー

グッディー
600x300mmという、住宅内装としてはかなり大きめのサイズですが、厚みは多くのモザイクタイルを下回ってわずか6mm。目地が入る余地も少ない分、場合によってはモザイクタイルよりも施工重量が軽量に。清掃性とトレンドを兼ね備えた、これからの洗面台にオススメのシリーズです。 商品紹介ページへopen_in_new モザリア

モザリア
幅300mmの内装タイル。広めの面積で清掃性を持たせつつ、タイル表面がゆらゆらと波打ったデザインのため、単調さを排した視覚的な面白さも兼ね備えています。くすみ系でしっとり空間に馴染む7色展開。 商品紹介ページへopen_in_new

「目地を無くす」はおすすめしない理由

「汚れるのがいやなら、タイル同士をピタッとくっつけて目地を無くせば良いんじゃないの?」というご意見も時々聞きますが、目地幅には目に見えないようなタイルの歪みや寸法誤差を逃がしたり、地震で躯体が動いたときにタイル同士の接触による剥落や破損を防ぐという目的もあります。 また目地材が入っていないと下地の方へ水が伝わってしまうので、かえって下地でカビが発生する原因にも繋がります。永くタイルを愛していただくためにも、目地無しの突き付け施工は後々のリスクの方が大きいため避けるようにしましょう。

どんな素材にも必ずあるデメリット。過剰に避けるのではなく、付き合い方を知っておくことで仕上げの選択肢が広がります。
おすすめの記事 ・タイルの洗面台特集open_in_new ・タイル割付け、キホンのキopen_in_new 水まわりに向かないタイルopen_in_new


この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


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エルサ

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ベーシックなタイル形状に奥行き感のある釉薬の繊細な色味が映えるシリーズです。幾何学模様のレリーフも組み合わせて自分好みのデザインに。 新築住宅の女性オーナー様から高い人気を誇るタイルです。

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タイル割付け、キホンのキ

タイル割付け、キホンのキ

腕利きのタイル職人に施工をお願いすれば、ほとんどの場合は割付けから施工までお任せができると思います。
しかし、たとえば意匠性を重視してミックス張りをしたい場合や、ベテランの職人が手配できず、タイル施工が不慣れな業者等に施工を依頼することになった場合、割付けの指示が出来なければ思い描く仕上がりにならないことも。
普段タイルは選定のみで、割付けまではおこなわないというコーディネーターの方も、いざという時に自分で割付けを考えたり、割付け方の指示が出来るように、キホンを押さえておくことは重要です。

割付けをする理由

施工前にタイル割付け図を作っておくことは、タイル面の仕上りを美しくするだけでなく、施工効率アップや無駄な材料発注を削減することにも繋がります。
また割付けをきちんと決めないまま施工を始めると、見栄えが悪くなったり、時にはお施主様からのクレームに繋がることも。

中心から割った場合

例えば上の図。タイルの中心から左右対称に貼られていて、自然な仕上がりです。
しかし、もし左端からタイルを貼り出した場合…

左端から割った場合

右端に中途半端な大きさの切り物が入ってしまいアンバランスになっています。タイル施工としてはあまり美しいとは言えない仕上りですね。
こういった事態を避けるためにも、施工の前にきちんと割付けをしておくことは重要です。

どうする?タイルの割付けデザイン

タイルを美しく割付けるためには、いくつかの押さえておくべきポイントがあります。

①目地割りのデザイン

バラのタイルを1枚ずつ施工する場合、目地割りをどのようなデザインにするかで仕上りが全く異なるものになります。予め割付図を作ってイメージしておきましょう。
(※モザイクタイルなど、ユニットシートで販売しているタイルは目地割りが予め決まっています)

通し目地

目地割り例:通し目地
通称「芋目地」とも呼ばれます。タテヨコの目地をまっすぐに通した、スッキリとしたデザインの割付け。正方形のタイルはこちらを採用するケースが多いです。

馬踏み目地

目地割り例: 馬踏み目地
上下のタイルを1/2ずつずらした目地割り。レンガはほとんどがこの目地割りのため、「レンガ貼り」と呼ばれることも。

この他にも「やはず貼り(ヘリンボーン)」や「四半目地」「バスケット」など、様々なデザインがあります。

②心割りと片割り

タイルを割付けるとき、「どこから割り出すか」で納まり部分のデザインなどが変わってきます。

心割り(しんわり)
全体を見渡せる正面の壁は、原則として「心割り(左右対称)」が好ましいと言われています。「タイルの中心」を心にする場合と「目地」を心にする場合がありますが、最後の切り物が大きくなる方で割付けるのがオススメです。

タイル心割り
目地心割り
心割りの施工事例
心割りの施工事例

片割り(かたわり)
たとえば造作の手洗い場では、下の図のように2面に跨った施工になる場合があるかもしれません。この時は両端から「片割り」で割付けていき、入隅に切り物を持ってくる方が自然な仕上がりになります。入隅の勝ち負けは、主にどちらを正面にして使用するかで決めましょう。

タイル片割り
片割りの施工事例
片割りの施工事例

③半マスタイルを活用

六角形などのタイルは必ず切り物が発生するため、タイルパークで販売している「半マスタイル」もうまく活用することで実際の施工を省力化することができます。

半マスタイルの活用

たとえば、以下はタイルパークで販売している六角形のユニット。一件扱いが難しそうですが、たとえば片割りでの割付けならスタートに半マスタイルを使用し、最後のみ現場にあわせてカットすることも可能。なお、カットは常に「見えにくい側」で調整することが美しく仕上げるポイントです。
半マスタイルについて >

④外側のコーキングは5mm前後みておく

計算通りの割付けをおこなっても、実際には現場寸法のずれやタイルの寸法誤差でピッタリとは納まらないため、数ミリずつ調整が必要になることが多いです。寸法誤差を逃がせるよう、タイルと壁の間(コーキング部分)は5mm前後の余裕をもって割付けしておきましょう。

標準割付図のご紹介

ここからは、タイルパークで作成した割付の参考図をいくつかご紹介します。
施工寸法は住宅の洗面台を想定しています。割付け方によって見た目の印象や切り物の入り方がどのように変わるか、ぜひ参考にご覧ください。
なお、これらのPDFデータは後述の「CADデータ提供サービス」で実際にダウンロードいただくことも可能です。

ニューヨーク-ヘキサゴン(ROF501/502)の割付け
ニューヨーク-ヘキサゴンの標準割付

ベベルの割付け
ベベルの標準割付

CADデータ・標準割付図 提供サービスのご案内

CADデータ・標準割付図提供サービス

■自分でCADの割付けをおこなう方 ■より正確な形状を確認したい方 ■半マス・切り物の入れ方、目地の取り方の参考がほしい方

これらをサポートするため、タイルパークでは製品の「2D CADデータ(DXF)」と「標準割付図(PDF)」が無料でダウンロードいただけます。
現時点ではまだ一部の商品のみのご提供ですが、今後順次追加も予定しております。すでに提供中のタイルは下記のダウンロードページからご確認ください。
CADデータ提供サービスのページへopen_in_new

タイルの洗面台特集
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長い付き合いとなる洗面台を、コストもデザインも魅力的なタイル仕上げにすることで、”未来のあなた”にも喜んでもらえる空間にしませんか?
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この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。


■関連商品のご紹介■

ニューヨーク-ヘキサゴン
ヘキサゴン(六角形)の白マット・黒マットは様々な場所にマッチするため汎用性抜群。もちろんCADデータと標準割付図もご用意しております。

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自動見積り作成サービスのご案内

御堂見積り作成サービス

タイルパークで会員にご登録いただくと、24時間いつでもオンラインショップで見積が作成できる「自動見積り作成サービス」がご利用いただけます。
●お客様ご自身で見積りの作成(※1)・保存・PDF出力が可能
●保存した見積もりはマイページからいつでも発注可能(※2)
●現場名や見積書名も登録OK

(※1)見積作成時にショッピングカートと同機能を利用します。在庫不足の商品はカートに入れることができないため見積りが作成できない場合がございます。
(※2)発注時に在庫が不足している場合は、受注生産可能品を除きご注文いただけません。

自動見積り作成サービスは会員限定サービスです。
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自動見積り作成サービス ご利用方法

※画像はすべてPC画面から操作いただいた場合のものです。

<見積もりの作成>

1.見積りを作成したい商品のページで数量を入力し、「見積りを作成する」ボタンを押す。
(平ものは平米数を入力すると最低必要数を自動計算することが可能です) 見積り作成_1
▼ 2.見積もりカートへ進む。 見積り作成_2
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▼ 4.見積り書名を入力して「見積書作成・保存」ボタンを押す。 見積り作成_4

<保存した見積もり内容の確認・発注>

1.マイページの「見積り履歴」画面へ入り、確認や発注をしたい見積りの「詳細を見る」を押す。 見積りからの発注_1

2.この内容で発注手続きへ進む場合は「この内容で注文する」を押す。 見積りからの発注_2

3.ショッピングカートに見積りした商品と数量が自動的に入るので、レジへ進んでご注文ください。
(※在庫が不足していて、かつ受注生産がおこなえない商品は注文できません。予め在庫状況をご確認ください) 見積りからの発注_3

<ダウンロードできる見積書イメージ>

見積書にはお客様名・お届け先・商品明細・金額のほか、弊社(TNコーポレーション)の適格請求書発行事業者番号が記載されます。

見積りからの発注_4

<よくある質問>

Q.
在庫数が足りないため見積りが作成できない場合はどうすればよいですか?
A.
こちらから必要情報をお送りください。弊社で見積書を作成いたします。
 【必要情報】
①お客様情報…お名前、ご住所、連絡先
②品番、数量…ロスを含む枚数・シート数でご指示ください
③お届け先住所…現場入れの場合は送料が変わるため、その旨必ずお知らせください
※以下は任意となりますが、正確なご案内のため可能な限りご記入ください。
④物件名
⑤施工時期

Q.
商品が途中で値上げした場合、見積書の金額と値上げ後の金額どちらが適用されますか?
A.
値上げ後の金額が適用されます。ショッピングカートへ商品が入ると価格が自動で修正されるため、必ずご確認ください。 (値上げの告知は2か月程度前からオンラインショップのトップページでおこないます。「自動見積作成サービス」は作成時点の価格での見積りとなるため、購入時期が値上げよりも後になる場合はタイルパークへ見積作成をご依頼ください。(発注予定時期を必ずお知らせ願います)

Q.
見積もりの価格は「一般会員」と「プロ会員」で異なりますか?
A.
異なります。一般会員は設計上代(定価)ですが、プロ会員には業者向けの掛率が適用されます。

タイルの品質のはなし

こんにちは、タイルパークの金谷です。
タイルパークには日々お客様からタイルに関するお問い合わせが寄せられます。とくにお施主様の中には、普段馴染みのない「タイル」という建築材料に対して、疑問や不安を持っているお客様が沢山おられるのを感じます。

日常的にタイルに接している私たちでは疑問に思わないような事も、お客様からお問い合わせを受けることで「そうか、この感覚は当たり前ではないんだ!」と気付かされるケースは今でも多いです。

そこで今回は、内装タイルの品質や検査内容について少しお話しようと思います。タイルとは一体どういったもので、良品・不良品の判断はどのようになされるのかを軽くでも知ってもらうことで、安心してタイルをご検討いただく助力になれば幸いです。

なお今回はTNの製造工場(TNプロダクト)での品質検査について、一般的な「やきもの」のタイルにフォーカスを当ててお話したいと思います。他素材や他社のタイルとは合致しない部分も含まれる可能性がありますので、その点は予めご了承ください。

「やきもの」の特性について

焼成すると小さくなる、それがやきもの
やきもののタイルは、顆粒状の原料(土)を高圧プレスで圧縮して成形する「乾式製法」や、土練機と呼ばれる機械で水分を含んだ粘土を押し出して成形する「湿式製法」で作られます。成形したタイルは乾燥することで水分が減って体積が小さくなり、焼成を経ていよいよ原料中の水分が完全に無くなるとさらにキュッと縮みます。

元々の含水量が少ない乾式製法の方が収縮率は小さいですが、いずれにしても縮み方には多少のムラもあり、これがタイル1枚1枚に寸法誤差が生まれる原因となります。

炎の当たり方で変わる色
やきものは非常に繊細なものづくりです。窯の中で焼成する間にも、置き場所によって熱の巡りや炎の当たり方にムラが生じ、釉薬によってはそのムラがそのまま表情の変化として現れるものもあります(「窯変(ようへん)」と言います)。

実はこの変化は時間をかけて焼成するほど生まれやすく、効率重視でスピーディーに焼き上げる海外のメーカーでは、窯変タイルを作るのは意外と難しかったりします(それでもわざわざ窯変の模様をプリントしたタイルを作るなど、自然で独特な表情変化を持つ窯変の人気は今なお高いそうです)。

窯変の例(トルテローニ)

タイルの品質検査について

タイルはどこから見るもの?
手元にサンプルが届くとついつい間近で細かいところまで凝視しがちですが、ほとんどの方は実際に施工が完了した後に、至近距離でタイルを眺めることは無いのではないでしょうか。

窯の中でタイルを焼成していると、時々内部で不純物が舞い上がり、タイルの上に付着したまま焼き上がってしまうことがあります。もちろん先にお話しした釉薬の表情変化とともに、目視可能なものは限度見本をもとに選別作業で取り除かれますが、あまりにも小さな汚れなどは何万枚という生産数の中から目視ではねることは困難です。

タイルは手に持って扱うものではないため、目視による品質のチェックの際は「施工後の状態」を基準と考えます。TNの工場の場合だと、およそ1メートル離れて目視した際に視認できる汚れを製品不良と判断して取り除き、それ以外のタイルのみを梱包するようにしています。ただし真っ白なタイルは他と比べて汚れが気になりやすいので、白の内装タイルはとくに気を遣う製品です。

抜き取り検査でサイズをチェック
タイルは一度に何万枚も生産し、1注文に対し何千枚という単位で出荷される特殊な製品です。さすがに1枚1枚すべて検査することはできないため、生産全数の中から無作為に抜き取った複数のタイルのサイズを検査する「抜き取り検査」をおこなっています。そして、全体のうち複数個所で抜き取ったタイルが品質検査に合格すれば、そのロット全体を合格品と判断しています。

検査の基準は「JIS規格」
TNの製造部門を担うグループ会社「TNプロダクト」はJIS認定工場のため、検査の際にはJISで定められた品質基準に準拠しています。 (※JISに定められていない特殊な形状のタイルなどは自社基準を用います)

タイルに限らず多くの工業製品では、設計図と寸分違わないサイズに仕上げるのは結構難しいもの。なかでもタイルは「焼いて縮む」というやきものの性質があるため、製作寸法に対して必ず「許容値」が設けられています。この許容値は製作寸法により多少異なりますが、内装壁タイルやモザイクタイルなら最大で±2.0mmが許容値とされています。タイルとタイルの間に必ず設ける目地幅には、この許容値の誤差を逃がす役割もあります。

時々起こる「大きなロット誤差」の原因
例えば製作寸法(※標準の寸法)が600mmだった場合、「ロットA」の抜き取り検査の結果が平均602mmなら、これは品質検査の合格品です。次に「ロットB」の抜き取り検査の結果が平均598mmだった場合、これもやはり品質検査は合格ですが、ロットAとは平均して約4mmも寸法誤差が発生しています。

これは目視による色幅の確認でも同様で、限度見本の範囲内に収まっていれば品質上合格品ですが、もしも許容範囲の端と端だった場合、別々のロット品を並べて見ると結構色が違って見えることがあります。

こういった理由から、タイルは基本的に「ロットを跨いで使用しない」が大原則。大きな注文でも小さな注文でも、基本的には同一ロットだけで納め、2ロット以上は(たとえ1ロットでは在庫不足という場合でも)一緒に使用しないのがルールです。

メーカーの手を離れ、最後は施工業者の手にゆだねる
タイルはあくまで建材のため、施工されてはじめて完成する工業製品です。施工現場では綺麗に納まらないタイルを切ったり、目地幅を微調整して寸法誤差をうまく逃がしたりと、メーカーが対応しきれない品質上の問題を施工でクリアしていただく場面は相当多いです。現場でフレキシブルに対応できるよう常に余分を見た発注をしていただくなど、施工業者の方の協力があってようやく私たちの製品は完成形となります。

(余分の発注には、特殊な形状のタイルのカットミスへの備えや、割れ物であるが故どうしても起こりうる配送中の破損への備えという意味も当然あります。製造のみならず販売もおこなう事業者として、タイルの施工をしていただく方には頭が上がりません…)

タイルの「常識」は世間の「非常識」??
ここまで読んでいただいた方の中には、「品質保証に対して言い訳をしている」と感じた方もおられたかもしれません。実際、私も入社当初は様々な場面で戸惑うことがありました。

メーカーとして高品質なタイルを供給することは何より大切と考えていますが、一方でTNの工場が大切にしている「タイルらしさとは何か」「やきものらしさとは何か」を追求したとき、「製品の均質化」とそれらの間にはどうしても矛盾する部分があるのも事実です。

タイルとは実際どういうものなのか、ありのままを知ってもらうことでしっかりと納得のいくタイル選びをしていただくこともメーカーの義務だと考えています。

タイルあるところ、必ず目地あり!

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」。
「タイルの施工」に関して、施工の基本は「下地」「接着剤」「目地材」この3つ、ということを学んできました。前回は張り付けに何を使うかや下地の種類などについて勉強しましたが、今回は「目地材」についてのお話です。

目地なし?いえいえ、それは…

「目地は入れてないです」
なんて会話をたまに聞きますが、へぇー、目地ないんだー、なんて思っていたのですが…
“目地がない”なんていうことはなく、正しくは”目地詰めをしていない”ということだったらしい…。(タイル業界2年目、全然わかっていなかったワタクシ)
「目地」とは → タイルとタイルのすき間
のことを指すのですが、そのすき間がない、という話ではありませんでした。


焼き物でもあるタイルは、寸法誤差がどうしもでてしまいます(焼くと縮みます。収縮率もいろいろなんです)。なので、目地幅を確保(内装で2~3mm、外装で8~10mm程度)しないと残念ながらうまくキレイに収まりません。もちろん施工するときにも、多少なりとも誤差はでてしまいます。

目地なしで施工する「突きつけ目地」またの名を「眠り目地」は、最悪の場合、剥がれて落下する原因にも…。
目地幅をある程度とらないと、下地の膨張・収縮や地震による動きなどを吸収することができず、タイルに直接負荷がかかってしまい、欠けやヒビが入って割れやすくなってしまうのです…。

目地詰めをしない“とは
「目地は入れてないです」というのは”空目地”という方法で施工すること。目地がないわけではなく、目地材を詰めない方法なんですね。ちなみに”空目地”は高性能な弾性接着剤を使います(モルタルは不可です…。この辺のお話は前回のブログへどうぞ)。

目地詰めの際に使用するのは、ゴム鏝(コテ)。柔らかいコテで、タイルのような傷がつきやすい素材のときに使用します。
タイル貼り付け後、ゴム鏝を用いタイル面目地にしっかり目地材が入るように、詰めていきます。 目地材が乾ききらないうちに、 軽く濡らし水を絞ったスポンジなどで、タイル表面の余分な目地材を拭き取ります。その後しっかりと乾かしてから仕上げ拭きしたら完成です。
目地を詰め、しっかり押さえれば防水性があがり強度もでます。また、コテでしっかり押さえることはせずにラフな仕上げにして、全体的にやわらかな印象にすることもできます。

1本目地におすすめなのは表面がデコボコしていたり、ざらつきのあるタイル。表面に目地を残したくない場合や、目地部分を深く (深目地) したいときにも適しています。
1本目地の施工をする際には、目地材と水をよく混ぜて耳たぶ程度の硬さになるまで練り、その後、絞り袋などに練った目地材を詰め、目地の幅に合わせて絞り袋の先端をカット。クリームを絞るようにゆっくりと目地に詰めていく方法です。

▼目地の役割もおさえておきましょう
★タイル一枚一枚の寸法の誤差を調整
★施工時の誤差を調整
★下地(躯体)素材の収縮や膨張する力を吸収し、タイルの割れを防ぐ
★下地への接着力の強化
★外部からの水や埃などが入るのを防止

前置きが随分と長くなりましたが…さて、本題。”目地材”についてでしたね。

外装用
●現場調合
●既成調合

昔はほぼ100%で現場調合でやっていたそうですが、今ではほとんど見なくなったようです。
骨材は粗め、内装用に比べて色は少ないようです。昔は墨汁なんかを入れて色を調整したのだとか。

既成調合の目地モルタルは、メーカーであらかじめセメント、細骨材、保水剤を調合したもので、現場では規定量の水で混練するだけで使用できるもの。防カビ・抗菌目地材、油汚れ防止目地材、弾性目地材など高機能な目地材も開発されているそうです。

既成調合のうち「ブリックモルタル」というものは、骨材が粗めで(砂などが表面に見える感じだそう)、古びたヴィンテージ感のある仕上がりにしたい場合なんかにおすすめ。
目地幅を広くとるタイルや煉瓦などに最適で、タイルパークの商品では「上海レンガ」なんかに使うといいのではないでしょうか。
入れ方も一本目地で、わざとはみ出した状態にして無骨な感じを演出してみるのもよさそうですね!


内装用
●現場調合
●既成調合(モルタル or 樹脂系)

外装用と同じで、基本的に2つに分かれます。
内装用のモルタルは色が豊富で、細かい骨材が使われています。粉を水で溶いて練って使います。
材料のキメが細かいのは、狭い目地でも奥まで埋められるように。そのため幅が広い目地に内装用を使用すると、ヒビ割れたりするので注意が必要です。

床用には樹脂系目地材が使われます。下地の動きに対して追随性が高い目地材として樹脂系目地材が用いられ、エポキシ系、アクリル系、ポリマーセメント系などが市販されているそうです。
たわんでもある程度追随できるので、目地のひび割れ等も抑制することができます。室内の合板下地にも適用、床暖房も対応可です!


なんだか本題の目地材についての内容が薄かったですが…

タイルを語る上で、目地は絶対についてくる、決して外せない項目。例えそれが空目地でも。
意匠に反映されてくるとても重要なものです。よく調べ、考えて、目地を決めていきましょう。

▼ 目地についてのいろいろなお話はこちらのブログもどうぞ!

“貼られてなんぼ” の、タイルです。
…きれいに貼るための、目地割りや割付けなどのお話★

馬、芋…。目地のお話
…目地割りと、その目地におすすめのタイルをご紹介♪

芋目地の魅力
…まっすぐなラインが魅力の芋目地、施工例を交えて解説!

目地で変わるタイルの印象
… 目地材の色で変わってくる仕上がりの違いとは?

さて、次回の勉強会は「施工後の検査」についてです。
品質評価やメンテナンス法などについて教えていただきます。


タイル通販「タイルパーク」
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