前回は、ガラスタイルのカット時にあると便利な道具をご紹介しました。今回は実際にカットする作業の流れと、道具の使い方のポイントをお伝えします。
ガラスタイルカットの流れ
カットする場所に養生テープを貼る
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押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる
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刃を引いて表面に傷をつける
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1枚ずつ丁寧に割る
各所でのポイントを紹介します。
カットする場所に養生テープを貼る
シートのタイル(「フィン」や「クリッパー」等)の場合は端から端までしっかりと、バラのタイル(「アクア」など)の場合は裏までしっかりと養生テープを回り込ませます。
押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる
↑押し切りの刃の高さ調整を忘れやすいのでご注意ください!
板や定規、職人さんおすすめの角ごてなど、ある程度長さと広さのあるものを使い、面でしっかり押さえます。もし押さえる面積が少ない場合は、同じ厚みのタイルを横に並べて一緒に押さえると、ガタツキが無くなって体重をかけられるようになります。
刃を引いて表面に傷をつける
POINT!力を加え過ぎない
磁器タイルを切る時と違い、ガラスタイルは表面に少し傷をつけるだけで簡単に割ることができるので、「トマトを切る気持ちで軽く手前に引きながら傷をつける」のがポイント(職人さん談)。そのため、押し切りも手前から奥へ押すタイプではなく、奥から手前へ引くタイプのものがおススメなのだそうです。
分かりやすい例を見せてくれました。左側が力いっぱい刃を引いて切ったもの、右側が少ない力で刃を引いて切ったもの。力を加え過ぎるとチッピングの原因になるので、ここはコツを飲み込むまで何回か練習してみるのが良いですね。
1枚ずつ丁寧に割る
ガラスは表面に軽く傷がつけば押し切りを押さえて簡単に割ることができるので、ここでも不要な力を掛け過ぎないことが重要です。
ガラスカットに挑戦!
タイル施工経験のないタイルパークの女性スタッフに、上記のポイントを説明してカットにチャレンジしてもらいました。果たしてうまく切れるのか。
カットする場所に養生テープを貼る
今回はタイルパークで最高難易度と名高い(?)「フェザー」でチャレンジ。
押し切りにタイルをセットしてしっかり押さえる
フェザーは基準になる直線が無いので、ここで地味にもたつくスタッフ。
刃を引いて表面に傷をつける
「え!?いいの!?」と戸惑うくらい軽い力で引いただけですが、ゾリゾリという音とともにちゃんと傷が入りました。(写真ではほとんど見えませんね・・)
1枚ずつ丁寧に割る
パキッという気持ちのいい音が。果たして結果やいかに。
養生テープを剥がすと、見事に真っ二つになっていました。
どうでしょう。さすがに綺麗に真っ直ぐとまではいかないものの、未経験者としては及第点ではないでしょうか。ヤスリ掛けでも多少整えられそうな感じがしますね。
要所要所でもたつく事も多く、さすがに実際の施工現場で通用するレベルではありませんが、何度か練習すればもっと真っ直ぐカットできるようになりそうですね。
ガラスタイルのカット応用編
押し切りだと全てのガラスタイルには対応できない場合も考えられます。厚みのあるガラスタイルや、やや複雑な形状のガラスタイル、小さな寸法のカットの際のコツも教えてもらいました。
POINT!ベビーサンダーは「無段変速」を使用
ベビーサンダーで破損する原因は、刃の回転が速すぎてガラスタイルが負けてしまうからなのだそうです。そこで、職人さんがぜひ持っていてほしいと話すのが「無段変速」かつ「細かい番号の刃をつけた」ベビーサンダー。
パターンA:ベビーサンダーの回転数を落として、タイル表面に傷だけをつけて押し切りで割る
パターンB:ベビーサンダーの回転数を落としたまま、最後までゆっくり切りきる
ポイントはガラスタイルが刃の勢いに負けないよう、ギリギリまで回転数を落としてゆっくりと当てること。ちなみにベビーサンダーの刃は120番程度がおススメだそうです。
無段階変則のベビーサンダーは何かと役立つ場面もありそうなので、今後も施工をする可能性がある方は持っておくと便利かもしれませんね!
その3ではガラスタイルの施工で押さえるべきポイントをご紹介します。
その1はこちら