取材:2018年12月 写真/記事:新居潤子
ここ10年程で新たなNYトレンドスポットなったノマド地区。
今回は、このノマド地区が注目を浴びるきっかけとなった、デザイナーズホテルAce Hotel(エースホテル)をご紹介します。
降り立った地下鉄の駅は、4ヶ月間も完全閉鎖し行われた改装工事の末、今年11月に再オープンしたばかりのF/Mライン23丁目駅。
歴史が古く老朽化している多くのNY地下鉄の駅とは異なり、新しいベンチや改札、高画質モニターが設置され、今の時代に相応しい近代的な駅へと生まれ変わりました。
この改装工事で、23丁目駅のアイコンとして新たに登場した11箇所の犬のモザイク画。
愛犬家の間では良く知られるNYベースの写真家ウィリアム・ウェグマンの作品がモザイクタイルで表現されて居ます。
ウェグマン氏は70年代から続く長いキャリアの中で、ひたすら自身の愛犬を被写体に、犬を人間の様な装いにさせ、ユーモア満載のポートレイト写真を発表し続けて居ます。
https://www.facebook.com/WilliamWegman/
モデルを務めるウェグマン氏の愛犬は、過去40年以上変わることなく常にワイマラナー犬。
今回のモザイク画は、ウェグマン氏の愛犬9代目、10代目にレインコートやフランネルシャツを着せ、“地下鉄を待っている通勤客”に見立ててデザインされて居ます。
グレイのワンカラーであるワイマラナー犬の美しさを、様々な灰色の石を巧妙に使い分けることで表現している技法はお見事。
普段から遅延運休が多発する悪評高いNYの地下鉄を利用し、ストレスの溜まっている通勤客を、
一瞬でも明るい気持ちにしてくれる楽しいモザイク画です。
23丁目駅を出て徒歩10分。
マディソンスクエアパークの北側=
North of
Madison Square Parkを略して「
NoMad(ノマド)」を呼ばれる地区にやって来ました。
つい最近までこの界隈はこれといった特徴もなく、卸売店が軒を並べる程度の商業地区でしたが、ここ10年足らずでお洒落なレストランやバー、セレクトショップ、ホテルが続々とオープンし、NY最先端スポットへと変貌を遂げました。
そんなノマド地区が大きく変わるきっかけとなったのが、10年前、古くすすけた長期滞在型ホテルだった建物を改築しオープンしたこちらのエースホテル。
高い天井と巨大な柱が印象的な広々としたロビー。
ビンテージの家具やユニークなアートで溢れています。
天井を覆う格間の向こうに見えるステンドグラスから微かな自然光が差し込んで来るものの、何故か違和感を感じるほど薄暗い空間。
そんな暗闇の中でも、ラップトップを持ち込んで仕事をする人々で全ての席が埋まって居ます。
ノマド地区はテックやメディア、クリエイティブ系のスタートアップのオフィスが集中するエリア。
いつからかこのエースホテルのロビーが、流行に敏感で、意識の高いヒップスターや、中国・韓国系のリッチな若者たちなど、今ニューヨークの経済を動かす野心に満ち溢れた起業家たちのハブとなりました。
床のギリシャ伝統の幾何学模様が描かれたモザイクタイルは、昔のホテルの頃のまま残されて居ます。
築100年を超える建物のモザイクタイルを、メンテナンスせずにあえて剥き出しの状態にする所に、エースホテルらしいデザインの面白みが感じられます。
ロビーを抜けて小さな扉で繋がって居るのが、今回ご紹介するレストラン「
The John Dory Oyster Bar (ザ・ジョン・ドーリー・オイスター・バー)」。
天井から壁まで塗られたクリーム色をベースカラーに、天井に張られたトラスのグリーン…
スツールの鮮やかなグリーンとブルーがアクセントとなってポップな空間に。
フロアには、ロビーから連なるモザイクタイルが施されて居ます。
壁から柱、バーカウンターのフロントパメルまで使われている、黒々と美しい輝きを放つ大判のサブウェイタイルは存在感抜群。
モールティングのディテールも手が込んで居て見逃せないポイントです。
バー周辺も、スツールのファブリック柄が1つひとつ異なって居たり、頭上に設置されたグローブ型の水槽など、楽しい仕掛けが一杯!
今回は、クラムチャウダーとロブスターロールを注文しました。
貝の出汁の味がしっかり付いたクラムチャウダーと、ロブスターが贅沢に入ったロブスターロール。いずれもとっても美味でした。
ご紹介したエースホテルですが、アジア初となるエースホテル京都を2019年にオープンすることを発表して居ます。
斬新なデザイン・コンセプトで高い評価を得て居るエースホテルだけに、京都という地域性を活かして、どの様なホテルをオープンさせるのか、今から期待されます。
ここが気になる!スタッフのタイルワンポイント
ホテルを起爆剤に周辺地域の様相を刷新することの多いニューヨーク。日本でもいま東京オリンピックに向けたホテル建設ラッシュのピークを迎えており、今後町の様子がどのように変化するのか非常に楽しみでなりませんね。
エースホテルの内装でとくに印象的なのが、フロア一面に敷かれたモザイク。汚れ、欠け、ひび割れもなんのその、長年大切にされてきたアンティークの価値を、生まれ変わったホテルでもしっかりと引き継いでいます。
タイルは何百年先にも残せるもの。だからこそ時にはこんな場所に降り立って、古き良き時代のタイルデザインに思いを馳せるのも良いですね。
ちなみに、このAceHotel内には第47回で紹介した「Stumptown Coffee Roasters」も入っているそうです(^^)
この内装イメージにピッタリのタイルはこちら
★ニューヨーク-ミニヘキサゴン
クラシカルな空間デザインならこちら!どんなに時代を経ても廃れることのない、王道中の王道です!
★サブウェイ / 07-DH1
黒のサブウェイタイルもクラシックデザインにはうってつけ。その他使用場所によって、重厚感からカジュアル感まで幅広く対応できます。
====お店情報====
Ace Hotel New York
20 W 29th St
New York, NY 10001
b/t Broadway & 5th Ave
Flatiron, Midtown West
The John Dory Oyster Bar
1196 Broadway
New York, NY 10001
b/t 28th St & 29th St
Flatiron, Midtown West
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