取材:2018年5月 写真/記事:新居潤子
ブルックリンの閑静な住宅街Cobble Hill (コブルヒル)にある地元の人たちに愛されるスイーツカフェを2箇所ご紹介します。
マンハッタンから地下鉄でブルックリンにはいってから2つ目の駅Borough Hall(ボロー・ホール)。
100年前に建設された駅で、駅名は歴史を感じる趣あるカラフルなモザイクタイルで描かれています。
Borough Hall 駅の南に位置するCobble Hillは、オールドブルックリンの象徴である19世紀ごろに建設されたブラウンストーンの古い建物が並ぶ高級住宅街です。
若者や観光客に大人気のウィリアムズバーグやダンボなど他のブルックリンのエリアとは異なり、Cobble Hillは多くのファミリー層が住み、観光客が足を踏み入れることのない、温もりあるローカル感が漂う街。
ストリートでは子供達の笑い声が聞こえ、とても安全で、家族で住むには最適の環境です。
大通りに並ぶショップは、ヴィンテージ風のデザインの中にちゃんとトレンドをキャッチしていてお洒落。
このどこか懐かしく、それでいて洗練されているのがCobble Hillスタイル。
13年前、ブルックリンに住む夫婦がオープンした小さなカフェ
One Girl Cookies (ワン・ガール・クッキーズ)。
白を基調に、アクアブルーをアクセントにした可愛い内装の店内。
グレイ目地のホワイトサブウィエイタイルと、正方形モザイクタイルが施されたカウンターが、アットホームなお店の雰囲気にとてもマッチしています。
ショーケースにはクッキー、そしてカウンターにはカップケーキなどの可愛いスイーツが並びます。
お店人気ナンバー1スイーツのウーピーパイを注文。とっても甘くて、アメリカのママの味がしました。
次にご紹介するスイーツカフェは
Brooklyn Farmacy & Soda Fountain (ブルックリン・ファーマシー・アンド・ソーダ・ファウンテン)。
ポップな外観とは違い、オールドブルックリンを彷彿とさせる重厚な雰囲気。
レトロなティンシーリングの天井や、アンティークのインテリアを見ていると、ここが長い間地元に根差した老舗ダイナーの様にも見えますが、実は2010年のオープン。
店名に使われている”ソーダ・ファウンテン”は、日本ではあまり馴染みのない言葉。
もともとアメリカのレストランやファストフード店などのカウンターに置かれている、飲料水を供給するための装置のことです。
アメリカでは19世紀後半から20世紀中頃まで、この装置が置かれている様な小さな食堂やダイナーを「ソーダ・ファウンテン」と呼び、アメリカ人にとっては、お爺ちゃん・お婆ちゃんの時代を象徴する、昔懐かしの場所です。
100年前から薬局として長年営業していましたが廃業し、30年以上放置されていました。
そこに、古き良き時代のブルックリンを再現するというコンセプトのもと作られたのがBrooklyn Farmacy & Soda Fountain。
こちらは薬屋だった頃の店内写真。
(写真:http://www.brooklynfarmacyandsodafountain.comより)
ちなみに店名に使われているFarmacy (Farm + Pharmacyを合わせた造語)は、「食事やダイエットも薬と考える」という新しい概念的なことを指すことが多い様ですが、解釈は様々あるようです。
フロアのモザイクタイルは、100年前の薬屋時代のまま残されています。
モザイクタイルで描かれた“LONCO’S PHARMACY”とは当時の薬屋の名前。
アメリカでペニータイルと呼ばれる小さな円形モザイクと、正方形モザイクの2パターンのタイルが使われています。
カウンターには、落ち着いた印象の色むらあるモスグリーンのテーパー付きタイル。
良く見ると異なる2タイプのテーパータイルが使われていますね。
薬屋時代のまま残された棚には、ソーダ・ファウンテンが全盛期だった50〜100年ほど前の時代に活躍した黒電話やタイプライダーがディスプレイされています。
子供が乗っているこちらの器具はアンティークの体重計。
今もちゃんと動いています。
メニューには子供の頃に喜んで食べていたクリームソーダやサンデーなどが並びます。
このお店に来れば、大人だって甘いデザートを頬張って童心に帰ることができる特別な空間です。
ブルックリン発祥のドリンクとして知られるエッグクリーム。
(写真:http://www.brooklynfarmacyandsodafountain.comより)
ミルクとチョコレートシロップをソーダで割った不思議なドリンクです。
ピーナッツバターの塊がたっぷりとのったピーナッツバターカップサンデー。
日本人にとっては食べたことのない程の甘さの中に、素朴でどこか懐かしさを感じさせてくれるBrooklyn Farmacy & Soda Fountainのスイーツでした。
マンハッタンの中心地から地下鉄で揺られること、たった20分ほどでノスタルジックな世界へと誘ってくれるCobble Hill。
観光客には秘密にしておきたいとっておきのニューヨークが集まった場所です。
ここが気になる!スタッフのタイルワンポイント
新居さんから送られてきたレポを見て、「なんだか見覚えのあるペニータイル・・・」と思ったら、以前レポを担当していた玲・ジェンザーノさんの第16回記事「Once Upon a Tart」でも同じパターンのペニータイルが使われていましたね!
向こうでは人気のパターンなのでしょうか・・・?
カウンターに貼られているタイルも、重厚さを感じさせる素敵なグリーン。釉だまりのグラデーションが繊細で、日本の織部焼にもちょっと通ずるところがありますね。
この内装イメージにピッタリのタイルはこちら
★ニューヨーク-ミニヘキサゴン
形状や色に違いはありますが、ペニータイルのパターンに近い模様がニューヨーク-ミニヘキサゴンで再現できます。
スタッフもシミュレーターで少し作ってみました。
・・・なかなか根気がいるパターンです(^^;)
★自由にパターンを作成できる!デザインシミュレーター★
※スマートフォン・タブレット・携帯電話は対応しておりません。PCサイトからアクセスしてください。
====お店情報====
One Girls Cookies
68 Dean St
Brooklyn, NY 11201
– – – – – – – – – – – – – –
Brooklyn Farmacy & Soda Fountain
513 Henry St
Brooklyn, NY 11231
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