まだまだ知らないタイルの世界


TNコーポレーション社内にて今月から、「タイルの基礎知識 勉強会」がはじまりました。主に新人教育の一環として(かく言うワタクシもまだまだ知らないことばかりの2年目…)、タイルへの知識を深め日々の業務に役立てよう!というわけです。月1回、6ヶ月かけて、講師をお招きしての勉強会です。









初回はタイルの歴史から

現存する世界最古のタイルとされるのは、今から4600年以上も前、紀元前2700年頃のエジプト王朝時代、ピラミッドの地下通路の壁に使われた青色(ステキ!!)のタイルなのだそう(ぜひネットで検索してみてください。キレイな色のタイルです☆)。

7世紀頃にはイスラーム教が興り、タイルは寺院(モスク)の内外の装飾に多く用いられ、その勢力が拡大するとともにスペインからヨーロッパ各地に伝播。やがて中国・日本やヨーロッパ大陸内で互いに影響を及ぼしていったそうです(世界史で習った世界4大文明を思い出しました…苦手(笑))。

時系列を追って内容をお伝えしていこうとすると全然まとまらないので、ここからは気になった内容をピックアップ…(汗)。









ラスター彩

タイルパークのタイルでも使っている「ラスター釉」というものは聞いたことがあったのですが、「ラスター彩」は初耳。(ちなみにラスターは、英語で「きらめき」とか「輝き」などの意味)

「ラスター彩」はイスラームで9世紀頃に出てきた陶芸の技法の1つで、一度焼いた白釉の表面に、酸化物(銀or銅)を含んだ顔料で絵付けをし、二度目に今度は低温で還元焼成したものだそうです。酸化金属が還元されることで、金属光沢をもつ 美しい 文様の陶器がつくられていました。





マジョリカタイル

頭に浮かぶのは「レトロな可愛い絵柄のタイル!」…。なんとなくは想像できますが。
15世紀末から16世紀にかけてイタリアで発達した陶器で、錫釉(すずゆう)を施し、色釉で絵付けしたもの。このもとになる陶器がスペインのマジョルカ(マヨルカ)島を経て、19世紀半ばには広くヨーロッパに伝わりました。
はじめに「マジョリカタイル」と呼んだのは、イギリスの陶磁器メーカーだそうです。
日本でも、独自のデザインなどを加えて大正初期から昭和初期にかけて多く生産され、「和製マジョリカタイル」と呼ばれています。

ちなみにタイルパークでは”マジョリカ風”のタイル「魁」がありますので、チェックしてみてください。





日本の最初のタイルは「敷瓦」

さきほど「和製マジョリカタイル」の話をしましたが…、日本での最初のタイルは奈良時代(8世紀)。寺院建築で使われた瓦素地でつくった正方形の陶板が原型で、床や地面に敷く瓦「敷瓦」がはじまりだそうです。
江戸時代には茶の湯文化とともに施釉のものが多くつくられるようになりました。

その後、絵付けのプリント法や大量生産技術を取り入れたイギリスの「ヴィクトリアンタイル」(ヴィクトリアンタイルのなかでも装飾性の高いものが先述のマジョリカタイル)が、幕末から明治にかけて多く取り入れられ、それを模倣し国産化されたものが「和製マジョリカタイル」となります。
イギリス製タイルへの憧れから生まれた「和製マジョリカタイル」ですが、やがてはその安価でありながら高品質、独特の美しさがうけ、逆に世界各地へと輸出されたそうです。


全く知らなかったことばかりで、他にも気になったこともたくさんあったのですが(例えば…全国に先駆けて施釉モザイクタイルをつくり発展させたのは、この地方(→美濃焼の産地、わがTNコーポレーションのある地域。詳しくは岐阜県多治見市笠原)だということとか!) …
長くなりすぎたので、このあたりで失礼します…。

次回の勉強会は「タイルの種類」だそうです。どのくらい知っていることがあるかな…





参考文献:
「タイル手帖」一般社団法人 全国タイル業協会
https://www.tile-net.com/publication/notebook.html

参考:
LIXIL文化活動 – LIVING CULTURE「タイル・れんがの豆知識」
https://livingculture.lixil.com/ilm/museum/fun/ 2022.06.17





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