「商店建築」2025年9月号
TNコーポレーションで開発中の、リサイクル原料を使用したタイル「Re-Clay Tile(リクレイタイル)」についての記事が掲載されております。(193ページ)

「商店建築」2025年6月号
タイルパークのタイルを使用していただいた貸オフィスの記事が掲載されております。(189ページ)

TNコーポレーションで開発中の、リサイクル原料を使用したタイル「Re-Clay Tile(リクレイタイル)」についての記事が掲載されております。(193ページ)
タイルパークのタイルを使用していただいた貸オフィスの記事が掲載されております。(189ページ)
シンプルな魅力で人気の、「白」のタイル。
正方形の白いタイルを以前にご紹介しましたが(ブログ記事はこちら)、それと並んで人気を二分するのが、細長いボーダータイプのもの。
ボーダータイルとは?
調べてみると、もともとは屋外壁で使われていたタイルの形、227×30mmの大きさがでてきます。そのサイズ感に、しっかりとした定義はないようで、細長い長方形のタイルを「ボーダータイル」としてタイルパークでも扱っています。
なかでも240×60mmサイズ、少し大きめのものが種類豊富。白でも、真っ白、オフホワイト、温かみのあるクリーム系、少し青みがかったクールなグレー寄り、いろいろ揃っています。
白いタイルを集めたWEBブック「白タイル特集」でも、それぞれの特徴をまとめてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
上でご紹介したサイズのボーダータイル、それよりも一回り、いや二回り以上小さなボーダータイルがよく採用されています。
洗面台やニッチなどのちょっとした場所にも使いやすく、ユニットシートになっているので、施工もしやすいので、とても人気があります。
なかでもこのスーベニアの白、発売から3年が経ちますが、今もなおすごく人気が高いタイルです。
1本の大きさは145×20mm、ちょうど手のひらサイズくらい。白といっても、真っ白ではなく、フチに濃いベージュっぽい色が出るように作られています。
表面が少しくぼんだカーブ状になっているので、こんな色の変化が出ます。ツヤっとよく光を反射するのも魅力です。どちらも、この形だからこそ生まれる、焼き物タイルらしい特徴です。
上の写真はCG合成画像なのですが…、
全面に張ってホテルライクな雰囲気に、またちょこっと一列使いでも素敵です。ただ、一列の場合は、上部の見切りの部分 (タイルの側面) の色が見えてしまいますのでご注意を。このタイルの場合はフチの部分もベージュなので、私としてはそこまで気にならないかなとも思うのですが(逆に焼き物らしさがあっていい!)、コーキングや見切り材を入れたり、造作棚やキャビネットでさりげなく隠すようにするものいいですね。
雰囲気に合わせて横 or 縦位置、小さめなのでアレンジしやすいですが、ここ数年は縦方向に張られている方を多く見ます。インスタグラムの投稿などでも、スーベニアを使っていただいている方をときどき見かけるのですが、なぜか実際の施工例写真をいただける機会に恵まれず。。。
完成後のお写真募集しております。ぜひご応募ください(ささやかながら謝礼もご用意しております)
「施工例のご応募」はこちらから >>> https://tile-park.com/example/apply_example
焼き物らしい白のボーダーというと、もう一つこの「余白」というタイルが浮かびます。少しみえる特徴ある釉薬の斑点模様が、和のテイスト。レトロな雰囲気があります。
大きさは148×15mm、さきほどのスーベニアより少しほっそり、華奢な感じがします。ツヤを抑えたセミマットで、少し灰みがかった オフホワイト。
こちらのタイルも白色は実際の施工例写真がなかったので、古民家風のカウンターに合成してみました。
縦配置もレトロな和の感じによく合っています。全面、2列、1列にもしてみましたが、壁の素材にもよりますが、1列の方がしっくりきました。一列だと、だいたい高さが30cm、洗面のバックスプラッシュ部分にもぴったりですね。
「余白」と同じ大きさで、もっとシンプルな白のボーダータイルが、今年2種類新しく仲間入りしました。
ツヤのある白「雫 ボーダー」、マットの白「縄文 ボーダー」です。どちらも、昨年発売のメインとなるタイル(雫はスジ面の97角、縄文は長方形レリーフ)に、組み合わせて使えるようなシンプルなボーダータイルです。単品使いでも垂直のラインが美しい!ぜひチェックしてみてください。
他にも、
湿式製法でつくられた、シンプルながらひと味違う、風合い豊かなボーダータイル「北野」200×20mm
北野の白はツヤツヤとした感じはなく、手触りもツルツルというよりは、サラッとしています。
こちらは「ぺルラ-ライナー」240×20mm
もともとは、アクセント用に作られたボーダータイルですが、これを壁一面に張られるという方もいらっしゃいます。側面にも施釉されているので、貼り出し部分もきれいに仕上がるという利点も。
スーベニアや余白と比べると少し大きな北野やぺルラ-ライナーですが、右のタイルと違って、ユニット仕様になっておりませんのでご注意ください。
施工の難易度は高くなりますが、丁寧に仕上げていただければ、とても美しいラインがでて、上品で洗練された空間ができあがります。
たくさんの白のボーダーの中から、いくつかピックアップしてみましたが、形、色、ちょうどいいタイルは見つかりましたでしょうか。
ボーダーというと、 主に横方向に並んだ縞模様のイメージがありますが、ボーダータイルで検索すると、縦に配置したイメージがたくさん出てきます。縦に真っ直ぐに並んだ美しいラインに惹かれますが、なかには縦でもズラして張るパターンなんかも。
縦でも、もちろん横でも、その場所にあった素敵な白いボーダータイルを―。
この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。
金木犀(きんもくせい)
冒頭の写真で240×60mmサイズのものをチラっとご紹介しましたが、こちらのタイルは倍の240×120mm のサイズもあります。写真のイメージはミックスして縦にズラして張ったイメージです。
→「金木犀」を見る
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空間の質を高める、タイルという選択。
「部位×⾯積(範囲)×形×⾊×⽬地」。インテリアにおけるタイルのデザインバリエーションは、それ自身の見た目だけに限られず、周囲との調和や貼り合わせ方によっても変わる、無限の可能性を秘めた空間装飾です。
リフォームにタイルがおすすめの理由、実際の施工例やお客様の声、おすすめのタイルをご紹介します。
タイルは特に顧客満足度の高い内装材。内装のコーディネートにうまく取り入れることで、「ビフォー・アフター」を一層美しく、華麗に演出してくれます。
⾃慢のリビング、キッチン、⽞関を、お気に入りのタイルでさらに魅力的に飾り付け、友人や知人にも見せたくなるような、特別な空間作りにも一役買います。
住む人の思いを反映したリフォーム事例を、お客様の声とともにご紹介します。
明るさと上品さを兼ね備えたキッチンスペース
「明るく、品がありキッチンに立つのが楽しくなるよなデザインと色合いを選びました。」
続きを見る>open_in_new
やっと出会えた好みのタイル
「ずっとグリーンの正⽅形のタイルを探していて、⼀番⾃分の好みのタイルに出会えました。」
続きを見る>open_in_new
小さなガラスモザイクでお気に入りの洗面台に
「リフォームに際し水回りにタイルを取り入れたく、タイルを購入させていただきました。」
続きを見る>open_in_new
コスパ抜群のタイルで仕上げたカジュアルなキッチン
「リフォームで予算が少ない中、理想的な色とコスパのタイルに出会えました。」
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料理が楽しくなる理想のキッチン
「タイルの色に合わせて冷蔵庫も黒いものに新調しました。」
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タイルの貼り替えでキッチンをプチリフォーム
「タイルのデザインや貼り方を変えたことで雰囲気も一変することができました。 」
続きを見る>open_in_new
ここに掲載した施工例はごく一部です。
施工例一覧ページでは他にも沢山の事例がご覧いただけます。
洗面台は家族全員が毎日必ず使用するスペースのため、面積は小さくとも、こだわりのデザインで仕上げたい場所No.1。ベーシックな形状のタイルなら、貼り方を工夫してみたりするのもおすすめ。水まわりのため目地汚れが気になる方は、グレーやダークカラーの目地をチョイスすると目立ちにくくなります。
熱にも水にも強く、汚れも落ちやすいタイルは、機能面からもキッチンにぴったりです。対面キッチンに使用すれば、料理する姿がリビングからも生き生きとして映ります。ブルーやグリーンなどのカラーをチョイスして、まるで飲食店のように洒落たキッチンにするのもいかがでしょう。
手洗いスペースや背面部分など、狭いながらもタイルを取り入れる余地の多いトイレ。工夫次第でビフォーアフターの印象がガラリと変化します。美しいガラスモザイクやクラフト感のあるタイルをえらんで、居心地の良さをぜひ追求してみてください。
大事なお客様や、家族を迎え入れる玄関には、ホッとできる温かみや懐かしさを感じられるタイルがおすすめ。水がかりが少なく、キッチンや洗面ほど清掃性を気にする必要があまりない部位のため、思い切って「見た目>機能」で選んでみても。
タイルは色・形・大きさなど、多要素から成る特別な仕上げ材。大切な住宅を生まれ変わらせるリフォームの際は、タイルをぜひ取り入れてください。
様々なタイルの選び方
WEBブックで探す>>
絞り込み検索で探す>>
カタログから探す>>
施工例から探す>>
9月に東京ビッグサイトで開催される「リフォーム産業フェア」に、タイルパークとして出展することになりました。「空間を変えるタイルの魔法」をテーマに、リフォームやリノベーション物件における「タイルがもたらす付加価値」を知っていただくため、タイルパークが住宅インテリアにおすすめするタイルを沢山ご用意いたします。
また会場にて、住宅へのタイル提案に特化した特別冊子を配布予定!ぜひ会場へお越しくださいませ。
第27回「リフォーム産業フェア」
会期
2025年9月17日(水)~18日(木) 10:00~17:00
会場
東京国際展示場「東京ビッグサイト」南3・4ホール(東京都江東区有明3-10-1)
弊社ブース番号
2I-13
入場料
無料(事前登録制)
※来場には事前登録が必要です。こちらよりご登録ください。
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東奔西走~タイル旅 vol.17
タイルパークの(株)TNコーポレーション、デザイン室の渡辺です。
タイルが使用された建物をいろいろ巡る企画、
「東奔西走~タイル旅」です。
建築に関わる方の何らかの参考になれば幸いです。
以前にお伝えしたこともある、
地元近くにある「モザイクタイルミュージアム」には
タイルの使い方の展示がいくつかあり、
定期的に改装をしています。
普段お世話になっているデザイナーの方が
担当なさった展示が最近完成したとのことでしたので、
見てきました。
おお・・凄いですね。
タイムトンネルのような異空間!
デザインを担当なされたのは、
乃村工藝社 小関伸吾氏。
テーブル中央のパネルを操作することで、
照明の色などをコントロール。
選んだ音楽に合わせて動き、変わるライト。
ライトの色がさまざま変化していく様子が面白く、
来場の当日、小さな子供達がいたのですが、
「何これ!」と言いながら駆け寄っていく姿が見られました。
もう1点、同じデザイナーの方が担当をなされたのが、
下記の「瞑想ルーム」
上記の刺激的な空間とは対照的な
静かに一人で瞑想に耽るための部屋
・・・たぶん、私は瞑想をはじめても
寝ちゃうんですけどね・・
モザイクタイルミュージアムには
この他にも第一線にて活躍をしておられる
デザイナーの方々による
タイル活用例の展示があります。
タイルの原料の展示もあります。
さまざまな原料の中で気になったのは
この「ウクライナ・クレイ」・・
私も勉強不足でしたが、
ウクライナはヨーロッパにおける
焼き物の原料の
重要な産地のようです。
タイルメーカー各社の最新カタログもズラリと並びます。
もちろん、弊社「タイルパーク」のカタログ
「 TILE PARK 2025-26 TILE CATALOG」
もあります。
TILE PARK 2025-26 TILE CATALOG」
6月発刊の「タイルパーク」新カタログ
まだお持ちでない方は下記からご請求下さい。
→カタログをもらう
掲載協力:多治見市モザイクタイルミュージアム
〒507-0901 岐阜県多治見市笠原町2082−5
https://www.mosaictile-museum.jp/
この記事の執筆者:渡辺(タイルパークスタッフ)
タイルパークでお客様からの問合せ対応やコンテンツ作成を担当 。妻、娘、ペットのインコと仲良く暮らす50代。綺麗なものと動物が好き。
■関連商品のご紹介■
錆[さび] SB-1 /モザイクタイル
上記の異空間っぽい展示には残念ながら他社さんの特注タイルが使われていました。
近いイメージのタイルをタイルパークで探すなら、このタイルがオススメ。
金属系の質感とデコボコした岩のような面状により、光が乱反射してキラキラします。
→詳細を見る
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「組絵」 参考パターンのCADデータを配布開始
組み合わせ次第で様々なデザインバリエーションを生み出す「組絵」シリーズ。
「個性的なデザインに仕上げたいけれど、イチからパターンを考えて割り付けるのは難しい・・・」という方のために、いくつかの参考パターンのCADデータ(DXFファイル)と参照用PDFファイルの無料ダウンロード提供を開始いたしました。
各面状の「ファイルダウンロード」ボタンを押して、zipファイルをダウンロードしてください。
zipファイルを展開すると、DXFファイルとPDFファイルが入っています。DXFファイルはAuto-CAD等でのタイル割付けに、PDFデータはパターンの確認にご利用ください。
「風紋」参考パターン
「水紋」参考パターン
「薄氷」参考パターン
「鱗片」参考パターン
「葉脈」参考パターン
「層紋」参考パターン
・CAD部品の寸法(商品、目地)についてはタイルの製造上の許容範囲があり、データと実物のサイズは必ずしも一致しません。実際の施工においては現地の条件に合わせて確認、微調整を行なってください。
・提供データの利用によって生じた直接的、間接的、特別、または結果的な損害について、弊社は一切の責任を負いません。
・素材はパターンの検討にのみご利用頂くことが可能です。素材の二次転載や素材自体をコンテンツ・商品として再配布・販売することは禁止しております。
・パターン貼りのデザインや施工・割付のご相談は承っておりません。
自然の中にある、自然が作り出す形をモチーフとした幾何学的でシンプルなパターンのタイル「組絵」。
取扱中の色・面状のご紹介のほか、すべての面状の1枚ずつのデータをダウンロードいただけます。
特集ページへ >
タイルパークの内装壁タイルの単品CADデータ・シームレス画像・標準割付図を無料でダウンロードいただけるサービスです。
詳しくはこちら >
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タイルを手に取ったとき、その表情を決める大きな要素が「色」だと感じるデザイナーの方は多いと思います。その「色」を作り出しているのが、私たち窯業技術者が日々試行錯誤している「釉薬(ゆうやく)」です。
やきものに詳しい方ならよくご存知とは思いますが、釉薬はただの絵の具ではありません。高温で焼かれることでタイルの表面にガラス質の膜を作り、美しさと機能性(耐久性や防汚性など)を同時に与えてくれる、いわばタイルの“化粧”。今回は、その釉薬づくりの舞台裏を少しだけご紹介します。
釉薬のベースは「基礎釉」と呼ばれる、焼成すると無色透明もしくは淡い色となる基本調合です。ここに他の添加物を加えて透明度を調整したり、色味を加えることでさまざまなカラーが生まれます。
主な原料としては、長石、珪石(シリカ)、粘土などの鉱物があります。これらを混ぜ合わせることで、溶融温度や透明度、光沢感などの基礎性能を決めていきます。
タイルには少ないですが、お皿や壺などのやきものでは、青や茶色で絵付けが施されているのを見たことはないでしょうか。釉薬の下に絵を施す「下絵付け」と呼ばれるこれらの絵付けは、呉須や鉄で絵を描き、その上から透明な釉薬を掛けて焼き上げています(※デザインによっては、上に掛ける釉薬にも若干着色してある場合もあります)。土の温かみと絵の魅力を引き立てる、シンプルで魅力的な技法です。
ただし、これらの原料は天然の鉱物。採掘された場所や時期によって微妙に組成が異なり、それが色や質感のズレとして現れることがあります。こうした“自然素材ならではのブレ”もまた、焼き物の味わいとも言えるのですが、工業製品としてはやはり一定の安定性が求められます。
そのため、釉薬に色味を加えるときには、あらかじめ色が安定するように加工された「顔料」もよく使われます。
タイルの色を生み出す過程は、まさに“実験”です。調合室では数十種類の原料を細かく分類した容器が並び、それぞれがラベルで管理されています。
タイル産業は従来分業制で、釉薬づくりは釉薬屋さんが専門でおこないますが、TNの工場では自社調合の釉薬も多く使用するため、工場の片隅では日々釉薬の調合実験もおこなっています。
様々な配分で調合された顆粒状の原料は、陶磁器用のボールミルを使って、細かく粉砕・撹拌されます。粒子の細かさも仕上りを左右する要素のため、バランス感覚が試されます。
こうして調合された釉薬は、テストピースに施釉(せゆう)し、実際に焼いてみて色あいや質感を検証します。時には一つの色を生み出すために、数十種類ものパターンを試すこともあります。
話が飛びますが、伝統産業というのはほとんどの場合、まず道具や材料から無くなります。
産業というのは様々な人やモノに支えられて成り立っていますが、産業全体の出荷量が下がって景況が悪くなると、まず立ち行かなくなるのが、それらを生産するのに欠かせない「道具」や「材料」「外注加工」を担っている関連会社です。
タイル業界も例外ではなく、たとえばタイルの「シート加工」を専門としてきた業者など、タイル産業界の一端を担ってきた会社の廃業をここ数年で何度も見てきましたし、自分たちの力不足に歯がゆい思いをしたこともありました。時にこうした会社から専用の道具類をありがたく譲り受け、これまで外注任せだったシート加工をすべて自社の工場内でおこなう体制をつくるなど、業界の変化に合わせて自社も変化することで、TNの工場は今でも操業をおこなうことができています。
また原料自体も市場から姿を消すことがあります。昔から陶磁器によく使われてきた「釜戸長石」や「福島長石」といった長石類は、原料の枯渇や鉱山の閉山によって現在では採掘されておらず、全国様々な場所で採掘される長石をブレンドした類似品が使われています。
おそらくどんな産業にも言えることですが、昔からこの先もずっと安定した産業というものはありません。新しい価値が次々と世に産み落とされる中で、今まで通りのことを続けていればやがて取り残され、消えてしまうかもしれません。タイル業界も多くの変化が求められている今、つねに考え対応していかなければならないと感じています。
TNで釉薬開発を担当するベテラン技術者に、日々の仕事のモチベーションを聞いてみたところ、「お客様の希望どおりの調合結果が生まれると、お客様が喜んでくれる。単純だが、それが一番うれしい」と話していました。
「このタイル、いい色してるね」と言ってもらえる瞬間の裏には、何十回もの実験による苦労の数々や、多くの人々が繋いできた技術力があります。
次にタイルを選ぶとき、もしその表情に惹かれるものがあったら、ぜひその裏側にある釉薬の世界にも思いを馳せていただけたら嬉しく思います。
この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。
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ホワイトシリーズ
最もシンプルな白のツヤありタイルシリーズ。
様々な着色を施した意匠性豊かなタイルとはまた異なる、基本に忠実な美しさもぜひご検討ください。
→「ホワイトシリーズ」を見る
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東奔西走~タイル旅 vol.16
タイルパークの(株)TNコーポレーション、デザイン室の渡辺です。
タイルが使用された建物をいろいろ巡る企画、
「東奔西走~タイル旅」です。
建築に関わる方の何らかの参考になれば幸いです。
今回は・・旅とは言えない場所からのご紹介。
ちょっと番外編として、
岐阜県にある、当社の特注タイル相談スペースの様子です。
まるで絵の具のパレットのように
様々な色のタイルが並びます。
当社はタイル工場としても、60年以上の歴史がありますが、
前身は釉薬製造で、こちらは70年以上前からとなります。
「美濃焼」として焼き物の産地である当社周辺は
タイルメーカーも多いのですが、
かなり分業化が進んでいて
釉薬メーカーは釉薬を作るのみ。
原料(坏土)メーカーは土を加工するのみ。
タイルメーカー(工場)は
原料を窯で焼いてタイルにするのみ。
・・と言う場合が多いです。
当社の場合は釉薬を作る技術もあるため、
色づくりの段階から自社で試作・開発が可能です。
このため、他社様のタイルにはない発色の
タイルも多いです。
さらに色の段階から自社で作れることを生かし、
最近、ご対応をはじめましたのが、
少量からの特注タイルです。
なんと、1㎡からご対応!
特注タイル参考価格:2~3万円/m2 程度
試作(調色)技術料:5万円~
ご希望の内容によって変わります。
当社のカタログやwebサイトに掲載の
既存のタイルをベースに色の変更等ですと
上記の価格程度となりますが、
当社の既存のタイルには無い形状・・
例えばハート型のタイルですと、
成型のための金型費用等の
追加料金がかかります。
1㎡からの特注タイル
ご興味のある方は
お問い合わせフォームからご連絡下さい!
→問い合わせフォーム
この記事の執筆者:渡辺(タイルパークスタッフ)
タイルパークでお客様からの問合せ対応やコンテンツ作成を担当 。妻、娘、ペットのインコと仲良く暮らす50代。綺麗なものと動物が好き。
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セミオーダーメイド タイル「ヘリテイジ」
予めご用意した色(73色)と形状(20種類)から選ぶセミオーダーのタイル
上記の特注タイルに比べて早いご対応が出来ます
色見本(47角)も迅速に発送
※1㎡からご対応
→詳細を見る
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いつもタイルパークをご利用頂き、誠にありがとうございます。
お盆期間の営業についてご案内いたします。
誠に勝手ながら、下記の期間は休業致します。
休業日:2025年8月9日(土)~ 2025年8月17日(日)
※上記期間中はご注文商品やサンプルの出荷、電話・メール・FAXでのお問合せのご対応、プロ会員登録の審査・承認がおこなえません。
休業前出荷の締め切り:8月7日(木)正午12:00のご注文分まで
夏季休業前の出荷は8月7日(木)正午12:00までにご注文を確認できたものまでで締切となります。以降のご注文分は最短で8月18日からの出荷となりますのでご了承ください。
※銀行振込でご注文の場合は、7日12:00までにご入金が確認できた注文までが出荷の対象となります。
※上記は最短の場合であり、中には出荷までにお時間がかかるなど、対応できない商品もございます。夏季休業前に出荷希望の方は可能な限りお早めのご注文をお願いいたします。
※お届け先地域によっては、8日までに出荷したお荷物も8月18日以降の配達となる可能性がございます。
配達休止期間
8月10日~8月17日は運送会社での配達・再配達が原則休止となります。お盆明けすぐに工事をご予定のお客様はご注意願います。
お盆前の配達について
8月1日頃より順に、お盆前に配達が完了できない地域が発生します。出荷後の配送状況は、発送完了メールに記載のお問合せ番号より運送会社へご確認ください。
「物流の2024年問題」の影響から、従来通りの納期でのお届けをお約束することが難しくなっております。詳しくはこちら
8月4日~8月18日の間は、注文手続き画面から到着日指定をお選びいただく事ができません。受取日のご希望がございます場合はお問い合わせ欄へご記載ください。なおご希望に沿えない場合は受取日調整のご連絡をさせていただきます。
※遅延が発生しやすい時期のため、お急ぎの方は可能な限り前倒しでのご注文・お受け取りにご協力ください。
※時間指定はおつけできませんのでご了承ください。
サンプルのご注文は、8月8日(金)正午12時までの受付については、可能な限り当日中に出荷を行います。
※入れ違いでサンプルが欠品中の場合や、発送点数が多いご注文については、休業明けの出荷とさせて頂く可能性がございます。
※「ゆうパック」または「ゆうパケット」で出荷となります。お盆期間中に荷物のお受け取りが難しい場合は、注文の問合せ欄に希望お届け日を必ず明記願います。
(※不在持ち戻り後の郵便局保管期限は1週間程度です。保管期限を過ぎたお荷物はキャンセル扱いとなり、再度ご注文手続きが必要となります)
※休業期間中のご依頼分は8月18日より順次出荷となりますが、到着日指定のご希望には添えない可能性がありますので予めご了承ください。
※お盆明けの営業再開直後はご注文が大変集中致しますので、やむを得ず出荷遅延が生じる可能性がございますことを、予めご了承ください。
連日の猛暑。
「日本一暑いまち」とも言われる岐阜県多治見市(かつて40.9度を観測)は、すぐお隣。この辺りはとても気温が上がりやすい地域で、タイルパークの工場も、窯の近くは50℃近くに。。。
あまりの暑さに日陰を選びながら歩く日々です。
今回は、立体的なタイルがつくりだす「光」と「陰」の部分に注目。
以前、ゆらぎのある面状のタイルをいくつかご紹介(→ブログはこちら)しました。緩やかな凹凸がある面状で、光を受けるときらきらとなるタイルです。
またそれとは違って、はっきりとしたラインで「陰」をつくるタイルをご紹介します。
タイルパークの工場でつくっている立体的なタイルといえば、真っ先に思い浮かべるのがこちら―
「ぺルラ」シリーズの2つのタイル。
六角形は「ぺルラ-クレスト」、長方形は「ぺルラ-テント」(いずれもカラー4番)。
山型の形状が、大胆なコントラストを生み出します。
動画のタイルも、クレストの4番カラー「CRE-4」で、渋いブラックとゴールドをランダムにミックスしています。
こちらは実際の施工例写真。周りの照明の色を拾って、虹色のように輝く部分があります。山型になっているので、立ち位置を少し移動しただけでも、見え方がすごく変わってきます。
こちらは、「断片」というシリーズの新しい面状。
フラットなものと、レリーフタイルに加えて、大きなスジと、小さなスジ、2つのスジ面が新たに加わり、5面状のラインナップになりました。
光と陰のコントラスト。キラキラとしてきれい。
立体的に大きく波打つ面状は、触った感じも、ガタガタ、ではなく、ツルツルっとしたなめらかな触り心地です。
白が、ツヤを抑えた光沢のある0番(DPS-0F、DPS-0R)と、マットのWT番 (DPS-WTF、DPS-WTR) の2種類あります。
大きなスジ面は、「Fluted」という呼び名がついていますが
Fluted…フルーテッド
英語で「溝のある」「ひだ飾りの付いた」という意味です。
一方の小さく細かなスジ面は「Ribbed」…リブドは、英語で「畝のある」「肋骨のような」という意味、リブ編みのセーターの「リブ」です。
タイトルに「光と陰と、影?」と書きましたが、「陰」と「影」、この違いがいまいちスッと頭に入ってこないので、ちょっと整理しました。
陰(シェード): 物体自体が光を遮り、光が届かずに暗く見える部分
影(シャドウ): 物体が光を遮ることによってできる、地面や他の物体に映る暗い部分
立体的なタイルの、光があたっていなくて暗く見える場所は「陰」の部分ということになるようです。上の写真も、「陰」の部分がはっきりと暗く出ています。立体といっても、厚さの高低差は3~5mm程度なので、「影」の方は少しだけあらわれます。(隣のタイルに映っています)
また、
「陰」は「場所」と関係が深く、「影」は「形」と関係が深い、とか。
調べているとそんな記事もありました。
(以下引用)
「陰」と「影」には、幾つかの違いがあります。「陰」の主な使い方の一つに「場所」を示すことが挙げられます。
「物にさえぎられて、光線の当たらないところや目につきにくいところ」
「目の届かないところ。その人のいないところ」
一方の「影」は主に、「場所」ではなく「形」を意味しています。
「物体が光をさえぎったとき、光と反対側にできる黒い形」
「光が反射して、水面などに映る物の形」
参考:ウェザーニュース お天気ニュース
「「陰」と「影」の違い、ご存知ですか?」
https://weathernews.jp/s/topics/202108/180125/
また、その文字のもつ雰囲気で使い分けたりもしますよね。
なんとなく「陰」はマイナスのイメージあがるので、実際には「陰」でも、「影」という文字で表現したりします。
ちょっと脱線しすぎたので、タイルの話題に戻ります…
使いやすく定番のものだったら、サブウェイのラダー面。
ツヤとマットがあります。
どちらのタイプも人気。フラットなサブウェイもいいですが、ちょっとだけ変化が欲しいときにおすすめです。自然な陰影は壁紙では表現できない、立体的なタイルならでは。
住宅のキッチンですと、カップボード壁面や、カウンター部分にもよく使っていただいています。
↓サブウェイ LAD-150の施工例一覧はこちらから
https://tile-park.com/products/search_example?mode=&disp_number=0&orderby=1&keyword=LAD&series=
立体的な形を利用して、釉薬の濃淡の変化を出した「キネティック」。
厚みの高低差はおよそ3mm程とわずかですが、色の濃淡で、くっきりと立体感が強調されます。
キリっとした表情ながら、落ち着きあるニュアンスカラーで少しだけ柔らかく。
タリーズコーヒー様でご使用いただいた事例。照明で色味の印象が変わってきますが、使用されているのは、手前カウンターが4番、奥の壁面が5番の濃い方の色が使われています。下の2つのカラーです(先ほどの写真と並びが逆になってます。すみません)。
Webで立体的なタイルを検索してみると、実に様々な形の面白いタイルがたくさん出てきます。ご紹介してきたタイルパークの立体的なタイルは、住宅でも比較的使い易いタイプです。
そのカタチからうまれる「光と陰」の部分、あと少しの「影」で、とても表情豊か。
住宅なら、ぜひ光が射す場所に。
店舗なら、いろいろな照明で存分に楽しんでいただけるのでは―
最近、タイルパークのInstagramで、太陽の下でタイルをグルグル回して、きらきらさせた動画を載せています(ブログ記事途中にあった「断片」みたいな感じです) 。 気になる方はぜひ覗いてみてください。
↓タイルパーク公式Instagram \ \ フォローお願いします / /
https://www.instagram.com/tile__park/reels/
この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。
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タイルパークの新シリーズ「伝統釉(でんとうゆう)」では、長い歴史をもつ4つの伝統的釉薬、もしくはそれにインスパイアされたオリジナル釉薬が使用されています。
織部、飴釉、粉引、青磁・・・東アジアで花開いたこれらの釉薬がもつ魅力や歴史をご紹介します。
やきものの表面に見られる、ツヤや色のあるガラス質の層。それが「釉薬(ゆうやく)」です。
長石(ちょうせき)などの鉱物を細かく調合し、素地(=土の本体)の表面にかけて高温で焼くと、釉薬が溶けてガラスのように固まります。
さらに、釉薬に鉄や銅などの金属成分を加えると、焼成中に化学反応を起こして、さまざまな色を生み出すこともできます。
やきものの作り方が「野焼き(窯を用いず、薪をくべて直接粘土を焼く焼成方法)」から「穴窯(トンネルのような穴を掘って、その中で焼成する方法)」へと進化すると、窯の中で舞い上がった木の灰が器にかぶさり、熱で溶けてガラス化するのを発見。これが釉薬のはじまりと言われています。
その後、時代とともに人の手で調合された釉薬が発展し、やきものの表現はぐんと広がっていきました。
織部(おりべ)焼は、深い緑と大胆な文様が目を引く、美濃焼を代表するやきもののひとつです。安土桃山時代、茶の湯を大成した千利休の弟子であった戦国武将・古田織部が生み出したスタイルで、酸化銅によって発色させた緑の釉薬が特徴です。
静寂さを表した千利休に対し、派手で遊び心のある意匠が特徴的な織部のやきものですが、吸い込まれるような深みのある緑からは、どこか「侘び(質素な中に見いだされるシンプルで自然な美しさ)」を感じ取ることができます。
「伝統釉」シリーズのメインビジュアルを背負う「DY-1」。ひとくちに「緑」と言っても、その表情は様々です。
とくにこのシリーズでは土の風合いを表現するため、通常の内装タイルではあまり使われない粗目の原料を使用しています。そのため、表面に露出した大きな原料の粒も、深みのある表情づくりに一役買っています。
飴釉(あめゆう)は鉄の成分によって発色をする「鉄釉」の一種で、酸化焼成(酸素をたっぷり供給して焼き上げる焼成方法)で艶やかな飴色を表現した釉薬です。鉄釉自体は中国を起源に、朝鮮半島などでも焼かれていたものが、鎌倉時代あたりで日本に伝わったとされています。
飴釉を代表するのが、石川県の伝統工芸「大樋焼(おおひやき)」。京都の楽焼に端を発しつつも独自の進化をみせ、抹茶の緑がよく良く映える色は、加賀の茶道文化と深く結びつきました。
明るいオレンジから力強い褐色までバリエーション豊富な「飴釉」。DY-2では、レンガのように濃いめの茶色を意識した色になっています。粗い原料が生み出す表情ともマッチしていて、レトロな雰囲気を求める店舗の内装などに重宝します。数種類の釉薬で仕上げたタイルをミックスしていますが、それぞれの中にも色幅があり、ゆたかな表情を生み出します。
粉引(こひき)は厳密には釉薬ではなく、陶芸で使用される表現技法のひとつです。素地の上に白い泥(※「化粧土」と呼ばれます)を被せ、その上に透明な釉薬をかけて焼いたもので、白色でありながら土のぬくもりも感じられる、素朴な風合いが魅力のやきものです。
15世紀頃から朝鮮半島で作られ始めた粉引は、16世紀には日本にも伝わり、茶の湯の器などに用いられました。現代でも「しのぎ」という粗い筋模様と組み合わせたデザインが人気で、陶器屋さんでよく目にする事ができます。器における粉引は使い込むたびに風合いが増し、成長をみせるという点でも好まれています。
粉引の風合いを釉薬で再現した、ぬくもりを感じる乳白色のDY-3。原料に含まれる粒や凹凸が自然な表情を表現することで、インテリアに穏やかな空気感を生み出します。伝統釉の他のカラーに比べて控えめな印象のため、住宅インテリアでも悪目立ちすることなく取り入れることができます。植物などを一緒に飾ってみたくなりますね。
青磁(せいじ)は水色~緑みがかった青色の発色が特徴のやきものです。飴釉と同じく酸化鉄によって発色させていますが、青磁の場合は「還元焼成(窯の中を酸欠状態にしながら焼き上げる焼成方法)によってその美しい発色を得ています。中国ではかなり古くから作られ始めていましたが、唐の頃に一気に進化を遂げ、美術品として愛されました。
日本には平安時代に伝来しました。凛とした品のある佇まいは現在でも非常に人気があり、食器やタイルだけでなく、オブジェを製作する現代陶芸作家の中にも青磁の作品を手がける方がおられます。
DY-4も実際には青磁ではなく、青磁の色あいを目指したオリジナル釉薬+他の伝統釉シリーズと同じ粗目の原料で作られています。当社の窯では還元焼成ができないため、青磁の釉薬を掛けて焼いてもそのまま再現することはできず、目指す風合いを実現するために最も工夫を重ねたのがこのDY-4でした。土の色見が溶け込んだようにも見える淡い青は、和モダンなインテリアにもおすすめのカラーです。
釉薬の魅力は、単なる色や質感だけではありません。そこには、時代を超えて受け継がれてきた文化や美意識が宿っています。「伝統釉」は、そんな物語を現代の空間にそっと取り込めるタイルシリーズです。
建材を選ぶときのひとつの視点として、やきものの文化や歴史背景にも目を向けていただければと思います。
この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。
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日本古来の伝統釉薬で表現する、新しいインテリアデザイン。粗目の原料にレトロな釉薬を掛け合わせ、あたたかく表情豊かに空間を演出。
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【伝統釉】受注後の納期について
本記事公開日(7月4日)時点では、在庫入荷待ちとなっております。少量の場合は受注後3日程度で出荷できる状態ではございますので、タイルパークへお問い合わせください。
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