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ボーダータイル×縦、ちょうどいい、白

シンプルな魅力で人気の、「白」のタイル。
正方形の白いタイルを以前にご紹介しましたが(ブログ記事はこちら)、それと並んで人気を二分するのが、細長いボーダータイプのもの。

白のボーダーいろいろ

ボーダータイルとは?
調べてみると、もともとは屋外壁で使われていたタイルの形、227×30mmの大きさがでてきます。そのサイズ感に、しっかりとした定義はないようで、細長い長方形のタイルを「ボーダータイル」としてタイルパークでも扱っています。

大きな白のボーダーいろいろ
手前の2つは240×40mm、中央5種が60mm、奥はもっと大きなサイズ
240mmの白のボーダー
左5種:240×60mm、右の2つは240×40mm
(左からフィンセントモット金木犀ぺルラ-リーフ21番エルサ(右上)南天(下))

なかでも240×60mmサイズ、少し大きめのものが種類豊富。白でも、真っ白、オフホワイト、温かみのあるクリーム系、少し青みがかったクールなグレー寄り、いろいろ揃っています。
白いタイルを集めたWEBブック「白タイル特集」でも、それぞれの特徴をまとめてご紹介していますので、ぜひご覧ください。

  WEBブック

上でご紹介したサイズのボーダータイル、それよりも一回り、いや二回り以上小さなボーダータイルがよく採用されています。
洗面台やニッチなどのちょっとした場所にも使いやすく、ユニットシートになっているので、施工もしやすいので、とても人気があります。

SOUVENIR-BELEM

なかでもこのスーベニアの白、発売から3年が経ちますが、今もなおすごく人気が高いタイルです。
1本の大きさは145×20mm、ちょうど手のひらサイズくらい。白といっても、真っ白ではなく、フチに濃いベージュっぽい色が出るように作られています。

SOUVENIR-BELEM 1シート
SOUVENIR-BELEM

表面が少しくぼんだカーブ状になっているので、こんな色の変化が出ます。ツヤっとよく光を反射するのも魅力です。どちらも、この形だからこそ生まれる、焼き物タイルらしい特徴です。

上の写真はCG合成画像なのですが…、
全面に張ってホテルライクな雰囲気に、またちょこっと一列使いでも素敵です。ただ、一列の場合は、上部の見切りの部分 (タイルの側面) の色が見えてしまいますのでご注意を。このタイルの場合はフチの部分もベージュなので、私としてはそこまで気にならないかなとも思うのですが(逆に焼き物らしさがあっていい!)、コーキングや見切り材を入れたり、造作棚やキャビネットでさりげなく隠すようにするものいいですね。

雰囲気に合わせて横 or 縦位置、小さめなのでアレンジしやすいですが、ここ数年は縦方向に張られている方を多く見ます。インスタグラムの投稿などでも、スーベニアを使っていただいている方をときどき見かけるのですが、なぜか実際の施工例写真をいただける機会に恵まれず。。。
完成後のお写真募集しております。ぜひご応募ください(ささやかながら謝礼もご用意しております)
「施工例のご応募」はこちらから >>> https://tile-park.com/example/apply_example


余白 YH-2

焼き物らしい白のボーダーというと、もう一つこの「余白」というタイルが浮かびます。少しみえる特徴ある釉薬の斑点模様が、和のテイスト。レトロな雰囲気があります。

YH-2 アップ

大きさは148×15mm、さきほどのスーベニアより少しほっそり、華奢な感じがします。ツヤを抑えたセミマットで、少し灰みがかった オフホワイト。

余白 横位置

こちらのタイルも白色は実際の施工例写真がなかったので、古民家風のカウンターに合成してみました。

縦配置もレトロな和の感じによく合っています。全面、2列、1列にもしてみましたが、壁の素材にもよりますが、1列の方がしっくりきました。一列だと、だいたい高さが30cm、洗面のバックスプラッシュ部分にもぴったりですね。


「余白」と同じ大きさで、もっとシンプルな白のボーダータイルが、今年2種類新しく仲間入りしました。

3つのボーダータイル
左奥:雫ボーダー SIZB-1、右奥:縄文ボーダー JOMB-1(比較で手前はスーベニア)

ツヤのある白「雫 ボーダー」、マットの白「縄文 ボーダー」です。どちらも、昨年発売のメインとなるタイル(雫はスジ面の97角縄文は長方形レリーフ)に、組み合わせて使えるようなシンプルなボーダータイルです。単品使いでも垂直のラインが美しい!ぜひチェックしてみてください。

他にも、
湿式製法でつくられた、シンプルながらひと味違う、風合い豊かなボーダータイル「北野」200×20mm

北野の白はツヤツヤとした感じはなく、手触りもツルツルというよりは、サラッとしています。

こちらは「ぺルラ-ライナー」240×20mm
もともとは、アクセント用に作られたボーダータイルですが、これを壁一面に張られるという方もいらっしゃいます。側面にも施釉されているので、貼り出し部分もきれいに仕上がるという利点も。

白ボーダーのサイズと品名

スーベニアや余白と比べると少し大きな北野やぺルラ-ライナーですが、右のタイルと違って、ユニット仕様になっておりませんのでご注意ください。
施工の難易度は高くなりますが、丁寧に仕上げていただければ、とても美しいラインがでて、上品で洗練された空間ができあがります。

たくさんの白のボーダーの中から、いくつかピックアップしてみましたが、形、色、ちょうどいいタイルは見つかりましたでしょうか。
ボーダーというと、 主に横方向に並んだ縞模様のイメージがありますが、ボーダータイルで検索すると、縦に配置したイメージがたくさん出てきます。縦に真っ直ぐに並んだ美しいラインに惹かれますが、なかには縦でもズラして張るパターンなんかも。
縦でも、もちろん横でも、その場所にあった素敵な白いボーダータイルを―。


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。


金木犀(きんもくせい)
冒頭の写真で240×60mmサイズのものをチラっとご紹介しましたが、こちらのタイルは倍の240×120mm のサイズもあります。写真のイメージはミックスして縦にズラして張ったイメージです。

→「金木犀」を見る

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立体的なタイルと、光と陰と、影?

連日の猛暑。
「日本一暑いまち」とも言われる岐阜県多治見市(かつて40.9度を観測)は、すぐお隣。この辺りはとても気温が上がりやすい地域で、タイルパークの工場も、窯の近くは50℃近くに。。。
あまりの暑さに日陰を選びながら歩く日々です。

今回は、立体的なタイルがつくりだす「光」と「陰」の部分に注目。
以前、ゆらぎのある面状のタイルをいくつかご紹介(→ブログはこちら)しました。緩やかな凹凸がある面状で、光を受けるときらきらとなるタイルです。
またそれとは違って、はっきりとしたラインで「陰」をつくるタイルをご紹介します。

立体的なタイル

タイルパークの工場でつくっている立体的なタイルといえば、真っ先に思い浮かべるのがこちら―

「ぺルラ」シリーズの2つのタイル。
六角形は「ぺルラ-クレスト」、長方形は「ぺルラ-テント」(いずれもカラー4番)。
山型の形状が、大胆なコントラストを生み出します。

クレストとテント
クレスト CRE-4と、テントのカラー(左から)TE-3、2、1番

動画のタイルも、クレストの4番カラー「CRE-4」で、渋いブラックとゴールドをランダムにミックスしています。

こちらは実際の施工例写真。周りの照明の色を拾って、虹色のように輝く部分があります。山型になっているので、立ち位置を少し移動しただけでも、見え方がすごく変わってきます。


こちらは、「断片」というシリーズの新しい面状。
フラットなものと、レリーフタイルに加えて、大きなスジと、小さなスジ、2つのスジ面が新たに加わり、5面状のラインナップになりました。

光と陰のコントラスト。キラキラとしてきれい。
立体的に大きく波打つ面状は、触った感じも、ガタガタ、ではなく、ツルツルっとしたなめらかな触り心地です。
白が、ツヤを抑えた光沢のある0番(DPS-0FDPS-0R)と、マットのWT番 (DPS-WTFDPS-WTR) の2種類あります。

大きなスジ面は、「Fluted」という呼び名がついていますが
Fluted…フルーテッド
英語で「溝のある」「ひだ飾りの付いた」という意味です。
一方の小さく細かなスジ面は「Ribbed」…リブドは、英語で「畝のある」「肋骨のような」という意味、リブ編みのセーターの「リブ」です。


タイトルに「光と陰と、影?」と書きましたが、「陰」と「影」、この違いがいまいちスッと頭に入ってこないので、ちょっと整理しました。

陰(シェード): 物体自体が光を遮り、光が届かずに暗く見える部分
影(シャドウ): 物体が光を遮ることによってできる、地面や他の物体に映る暗い部分

立体的なタイルの、光があたっていなくて暗く見える場所は「陰」の部分ということになるようです。上の写真も、「陰」の部分がはっきりと暗く出ています。立体といっても、厚さの高低差は3~5mm程度なので、「影」の方は少しだけあらわれます。(隣のタイルに映っています)

また、
「陰」は「場所」と関係が深く、「影」は「形」と関係が深い、とか。
調べているとそんな記事もありました。
(以下引用)
「陰」と「影」には、幾つかの違いがあります。「陰」の主な使い方の一つに「場所」を示すことが挙げられます。
「物にさえぎられて、光線の当たらないところや目につきにくいところ」
「目の届かないところ。その人のいないところ」

一方の「影」は主に、「場所」ではなく「形」を意味しています。
「物体が光をさえぎったとき、光と反対側にできる黒い形」
「光が反射して、水面などに映る物の形」

参考:ウェザーニュース お天気ニュース
「「陰」と「影」の違い、ご存知ですか?」
https://weathernews.jp/s/topics/202108/180125/


また、その文字のもつ雰囲気で使い分けたりもしますよね。
なんとなく「陰」はマイナスのイメージあがるので、実際には「陰」でも、「影」という文字で表現したりします。

ちょっと脱線しすぎたので、タイルの話題に戻ります…


使いやすく定番のものだったら、サブウェイのラダー面。
ツヤとマットがあります。

どちらのタイプも人気。フラットなサブウェイもいいですが、ちょっとだけ変化が欲しいときにおすすめです。自然な陰影は壁紙では表現できない、立体的なタイルならでは。

住宅のキッチンですと、カップボード壁面や、カウンター部分にもよく使っていただいています。
↓サブウェイ LAD-150の施工例一覧はこちらから
https://tile-park.com/products/search_example?mode=&disp_number=0&orderby=1&keyword=LAD&series=


立体的な形を利用して、釉薬の濃淡の変化を出した「キネティック」
厚みの高低差はおよそ3mm程とわずかですが、色の濃淡で、くっきりと立体感が強調されます。

キネティック
キネティック 左: KT-4、右: KT-5

キリっとした表情ながら、落ち着きあるニュアンスカラーで少しだけ柔らかく。

写真協力:タリーズコーヒージャパン株式会社
店舗名:タリーズコーヒー フォレストモール新前橋店

タリーズコーヒー様でご使用いただいた事例。照明で色味の印象が変わってきますが、使用されているのは、手前カウンターが4番、奥の壁面が5番の濃い方の色が使われています。下の2つのカラーです(先ほどの写真と並びが逆になってます。すみません)。

Webで立体的なタイルを検索してみると、実に様々な形の面白いタイルがたくさん出てきます。ご紹介してきたタイルパークの立体的なタイルは、住宅でも比較的使い易いタイプです。

そのカタチからうまれる「光と陰」の部分、あと少しの「影」で、とても表情豊か。
住宅なら、ぜひ光が射す場所に。
店舗なら、いろいろな照明で存分に楽しんでいただけるのでは―


最近、タイルパークのInstagramで、太陽の下でタイルをグルグル回して、きらきらさせた動画を載せています(ブログ記事途中にあった「断片」みたいな感じです) 。 気になる方はぜひ覗いてみてください。

↓タイルパーク公式Instagram  \ \ フォローお願いします / /
https://www.instagram.com/tile__park/reels/


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。


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新カタログ発刊!WEBカタログ活用術

この6月に、新しいカタログ「2025-26 TILE CATALOG」を発刊しました!
すでにお手元に届いた方もいらっしゃるかと思います。
今日は、発刊と同時に公開した、Web版のデジタルカタログを少しご紹介したいと思います。新しく動画コンテンツも加わって、機能が一層充実しました!

タイルパークの「WEBカタログ」は

★ 全商品にリンクを設置!
★ 形状別索引からすぐに探せる!
★ ユニット形状図を大きく表示!【NEW】
★ タイルの動画で質感を確認!【NEW】

2022年度版より、WEBカタログも社内で制作。作るのも今年で4回目、制作作業にも慣れ、年々新しい機能を増やしパワーアップを図っています。

商品シリーズ一覧へのリンクがついている他社さんのカタログは、ときどき見かけますが、商品1点1点にリンクがあるのはタイルパークだけでは?と、思っています。

…「冊子は使いたい商品イメージを探すとき、WEBは具体的な商品を探すとき」
… 「打合せ時に冊子を使い、プレゼン作成時にWEBを使う」
… 「見せる(選んでもらう)用と発注用」
… 「色、イメージ等を比べたり、イメージに合う物を探す時に冊子、決まった物や近い物を探す時にはWEB」
(※過去のアンケートより抜粋)

などなど、紙のカタログとWEB版をうまく分けて使っていただいているようです。
なかには、タイルパークを最近知っていただいた方もいらっしゃるかと思いますので、あらためて「タイルパーク WEBカタログ」の便利な使い方をご紹介していきます。


1.全ての商品に販売ページへのリンクを設置

紙のカタログなら、気になるタイルがあればページ右上のQRコードから、商品一覧ページにアクセスできます。
WEBカタログでは、それぞれの商品1点1点にも全て、オンラインショップの商品販売ページへのリンクが設置されています。

目的の商品が決まっているなら、断然WEBカタログが便利ですね。在庫確認やサンプル請求までもが、とても簡単にできてしまいます。


2.欲しい形状が決まっているなら、形状別索引からジャンプ

例えば150mmの正方形のタイルをお探しなら、 目次から → 形状別索引 → 【壁タイル】正方形 を選んで、クリックしてジャンプ!

付箋を付けておけば、後で一覧でまとめて見返すこともできて便利です。
色で探したい方は、全部ではないですが、カラー別でまとめたページもあります。こちらはページジャンプできるようになっています。


3.ユニット商品は、形状図をクリックして図面を拡大

ユニットシートになっている商品の形状図のところ、クリックするとポップアップで拡大図面が見られるようにしました。(※ランダムなユニットなど一部商品を除きます)

スペックにある、「目地共寸法」というのは、隣りに続くシートや壁との目地幅を含めた寸法のことをいいます。
いったいどこからどこまでの寸法なの?と、ご質問をいただくことも多かったので、外側の目地も表したCAD図面から書き出した画像を載せました。(残念ながらスマホですと小さくしか見えませんが…)

CADデータが必要なかたは、「CADデータ提供サービス」ページからDXFデータがダウンロードできます。

CAD部品データはもちろん、標準割付図、タイルの画像も無料でダウンロード!
↓「CADデータ提供サービス」はこちら
https://tile-park.com/product/tile_layout_service


4.タイルの質感が伝わる動画も観られる

新しい商品など一部のタイルのみですが、そのタイルの質感が伝わるような動画を載せました。10~15秒程度のショート動画ですが、写真だけではわかりにくい、そのタイルの魅力がみえるのでは、と思います。

このマークを見つけたら、画像部分をクリックしてみてくださいね。

ちなみに、商品の細かい部分を説明した動画も、ごく一部の商品ですがご用意していますので、是非サイトを覗いてみてください。
商品詳細ページのこちらに動画へのリンクがあります。

商品詳細ページの動画リンク

↓全部見たい方はこちらから一気にどうぞ!
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQzVWv8YGZEVIpio3w_aopD6gjrr-lvJ2

形状から探すときも、品名から探すときも、キーワード検索もできてとても便利なので、私はWEBカタログしかほぼ使っていません。しかもWEBカタログって、読み込みが早くてサクサク動いて、ストレスフリーですよね。
ぜひ、タイル選びにご活用ください。

「紙のカタログがまだないから欲しい!」
「各営業者やモデルルームにも置きたいからもう何冊か欲しい!」
最新版「2025-26 タイルパークカタログ」無料でお届けしています。

タイルパーク最新版カタログ

こちらのページからご請求ください
https://tile-park.com/product/catalog


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
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伝統釉タイル(DY-1)

伝統釉(でんとうゆう)
冒頭の動画にあった、織部色、グリーンのタイル。
日本古来のやきものの伝統釉薬を使っています。レトロモダンな空間演出にぜひ。

→「伝統釉」特集ページへ

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ゆらゆらと、ゆらぎ、きらめくタイル

大型連休も過ぎ、いつもの流れに戻った方、これからお休みの方さまざまかと思います。
お休みの間は、街中はどこもたくさんの人、人、人…。

タイル「ブールバード」

名駅(めいえき:この地域では、名古屋駅前周辺のことをこう呼びます)に出掛け、ショッピングがてら大通り沿いや、百貨店の中を歩いていると…
ハイブランドやジュエリーを扱う店舗には、「磨き」の大判
そのお店をイメージさせる、「コーポレートカラー」を使ったタイル
レストラン街ではサブウェイタイルや、それより少し大きめの長方形の、やはり「白」
と、使われているタイルにもそれぞれの傾向があったりします。
化粧室なんかは本当に様々なタイプのタイルがあって、とても面白いのですがやはり意識して見ていないと、なんとなく通りすぎてしまいます。

それでも、パッと目に入ってくるのは、特徴的な色、そして質感のあるタイル。
なかでも、ゆらぎのある面状のタイルで飾られた、あるハイブランドのお店がとても印象的でした。
調べて見ると、スペイン製のタイルで、一枚一枚手づくりのものが使われているようです。
採用されているタイルの色は店舗によってさまざまで、名古屋では愛らしいピンク、中国上海の店舗ではなんと、ゴールドのタイルで外観を全面装飾しています。お国柄、地域性が垣間見えますね。

ところで、「ゆらぎ」「揺らぎ」 とは…
AIによると―
自然のゆらぎとは、自然界に見られる、規則性と不規則性の間で微妙に変化するリズムのことです。具体的には、波の音、雨音、小川のせせらぎなどが挙げられます。このようなゆらぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれ、人はこれを心地よく感じ、リラックス効果を得るとされています。

「ゆらぎ」にもつイメージ

と、教えてくれます。
物理的・数学的な平均値からのズレ、とか、心が動揺すること、なんていうマイナスなイメージもありますが、あえてここでは、「規則」的なものと「不規則」的なものが、いい具合に調和した状態を指す、そんないい感じで「ゆらぎ」を捉えてみようと思います。

こちらのお店の「ゆらぎ」のあるタイルは、一枚一枚手づくりということで、寸法にも色にも多少「不規則」なところはありつつ、絶妙な加減に仕上げられたなかには必ず「規則」的なもの、法則性があります。人はその “ちょうどいい” 感覚に、自然と惹きつけられるのでしょうか。

わたしたちの工場でつくっている機械生産のタイルでも、わざと「ゆがみ」をもたせた形で成形、「ゆらぎ」を表現しているタイルがいくつかあります。

タイル「フィンセント」

写真は「フィンセント」。
タイルのフチに注目していただくと、わずかに波打った面状になっているのがわかります。
紫っぽい色のタイル、奥の方のボヤーっとしているあたり、ウネウネっとしているところが、よりわかりやすいかもしれません。

このタイルは、上の写真のような金型を使って成形しています。
金型の下面をみていただくと、まっすぐではなく、少しウネウネしています。
顆粒状の原料を、上からこの金型を使ってギュッとプレスして押し固め、タイルのカタチをつくります。

この面状、光をうけることで、きらきらとなります。穏やかにゆらめく水面のような感じ。
照明があたっているところと、そうでないところ。見え方が全然違いますね。

フィンセント
フィンセント( VI-3)

この「フィンセント」は、施釉方法も独特で、色幅も大きくもたせています。機械生産品とは感じさせない、とてもクラフト感のあるタイルです。

タイル「モット」

同じサイズ(240×60mm)と面状のこちらは「モット」。4色あります。

フィンセントと並べた写真と、ダークブルーの「MT-3」。このタイルも色幅があります。

モット(MT-3)
モット(MT-3)

6月に発刊予定の新カタログ用に、撮影したイメージ写真。カメラマンさんに「メンズのレザーアイテムのお店のイメージ」とリクエストして、スタイリングして撮っていただきました。
かっこいい!ヴィンテージのアイテムが置いてありそうなお店の雰囲気です。

自社でつくっているタイルで、ゆらぎのある面状は他にも「藍里」「」「ぺルラ-リーフ」などがあります。濃く深い色味や、黒やゴールド系の渋い色もあります。
自社で作っている製品ではないですが、少し大きなサイズのものもあります。

タイル「ブールバード」

ブールバード
306×76mmと、自社のタイルと比べてみるとけっこう大きい印象。

ゆらぎのある面状のタイル
ブールバードの5色

色むらのない5色。波打った面状のつやつやで、タプタプした感じがたまりません。青みがかったグリーン(BLVD312TE)、写真一番右のものですが、こちらが一番人気。

ブールバードの白

白は、カフェや、イタリアン、アパレル系ショップなら、カジュアルスタンダードやアメカジ、フレンチカジュアルなんかは、淡いグリーンなんかも合いそうです。

ブールバードとほぼ同じようなサイズで、7色ある「モザリア」。

タイル「モザリア」
モザリアの7色

自社のフィンセントやモットのような特徴的な色幅はないですが、いい具合の色むらがあって、そこがブールバードとはまた違った雰囲気があります。
大きいですが、この色味、風合い、住宅にも合わせやすそうです。 選ぶ色で、ナチュラルにもモダンにも。
モザリアをご採用いただいた個人様宅。とてもステキな感じで使っていただいています。

ゆらぎのあるタイルをご紹介してきましたが、カタログの正面からの写真では、残念ながらその特徴的な雰囲気はほとんど伝わりません。
興味があるタイルがありましたら、ぜひ無料サンプルをお取り寄せください(送料も無料!※制限あり)。手に取って、クルクルと回して、ぜひいろんな角度から眺めてみてください。


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。


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藍里

藍里(あいり)
文中でも名前だけご紹介しましたが、フィンセントやモットと同じ面状(240×60サイズ)。ちょっと個性強めですが、グリーンは深い森を思わす。別荘地にある邸宅に合いそう。
正方形や97×47のスジ面もあり、組み合わせも楽しめます。

→「藍里」を見る

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タイル、四角、白。同じようで全然違う。

タイルに全く興味も知識もなかった、タイルパークで働きはじめる数年前までの私。
タイルと言えば、四角くてツルツルしたもの、なんて漠然と思っていましたが、いまでは街を歩けばタイル、タイル、タイル…タイルばかりに目がいくようになってしまった今日この頃。

その中でも気になるのが、正方形のタイル。

テレビをつければ、歯磨き粉や日焼け止めのCM背景、あの調味料のCMのキッチンバック、ドラマでも、主人公の自宅のキッチンや、オフィスの壁や柱、銭湯を舞台にしたあのドラマ…、いろんなところにあふれる正方形のタイル。
派手な色から、くすみカラーの可愛らしいもの、渋めの深い色まで、じつにさまざま。

でも一番気になるのは、正方形の「白」!

様々な白いタイル
白いタイルのイメージ

先日、商業施設に入っているメガネ屋さんで、白の正方形のタイルを使って店内装飾をされているところを見かけました。
残念ながら写真はないのですが…、とってもオシャレ。柱や壁面に、100角か120角くらいの白い正方形タイルを、黒い目地で仕上げておられました。シンプルでかっこいいし、だからといって気取った感じでもなく。ステキでした。

そのお店のタイルは、ツヤのあるフラットな白でしたが、白の正方形でも、釉薬が違ったり、表面の形状もちょっとずつ違ったりと、いろいろなタイプがあります。

様々な白いタイルに日が射す

日が射すところでちょっと煽り気味で撮ってみると、表面の違いが見えますが

正面からみた白のタイル

真上からだと、なかなかわかりにくいのが悩みどころ。


ホワイトシリーズ(集合写真左側 2枚)

白の100角タイル(実寸法:97mm)。左がフラットなもの、右がディンプル面と言って、緩い凹凸があるものです。

ディンプル面の施工例
個人邸様のキッチンにて(RED-110 ディンプル面

こちら、ディンプル面をキッチンに使っていただいた施工例。なんと、DIYで仕上げられたそうです。ぽこぽことしたラフな面状で、かわいらしいキッチンに。
ホワイトシリーズは、小さめのモザイクタイルサイズも、47角、23角、角が滑らかになっている面取りタイルもありますよ。


組絵 平(集合写真中央 2枚)

こちらも白の100角タイル(実寸法:98mm)。左がツヤのあるもの、右がマットです。
ちょっと写真がよくなくて、伝わりにくいのですが、完全なフラットな面状ではありません。

フラットなホワイトシリーズと、 組絵の平(写真はブライト)、 素地に使っている原料と、釉薬は同じものを使っていますが、この2つを並べて比べてみると、少しだけ違うのがなんとなくわかりますでしょうか。

組絵の平(写真はマット hi1-MWです)のこのイメージ写真をみていただくと、組絵のちょっとだけ揺らいだ面状がとてもわかりやすいですね。


睡蓮-SQ(集合写真右側 2枚)

100角タイル(実寸法:97mm)。明るい白とほんの少しだけクリームがかったのが右のタイル。
並べて比べてみても、なかなか違いがわかりにくいですが、フチの部分をみると、はっきりと別のものだとわかります。

睡蓮2つのカラーのアップ

施釉方法が異なるので、右側(SU1010-20)の方がフチの部分に特徴があります。
睡蓮は、 表面に陶芸技法の「トビカンナ」と呼ばれる模様がうっすらとみられます。この模様を出すための、専用の金型があります。 釉薬の濃淡が生まれて奥行きのあるニュアンスがうまれます。

カタログの単品写真は、正面から撮っているものを載せているので、そのタイルの特徴がパッと見ではなかなかわかりません。
足りない情報を補ってくれるのが、イメージ写真や皆さまからいただいた施工例のお写真。

つい先日、いつもお世話になっている村山写真事務(https://muraya.ma/) さんに、次回のカタログ用のイメージ写真を、パネルを使って撮影していただきました。
その中の1つがさきほどご紹介した「睡蓮」。
きれいなミックスグリーンが特徴の「睡蓮」シリーズ。ロングヘキサゴンタイプの「睡蓮-LH」と正方形の「睡蓮-SQ」(スクエア)があります。タイルパークでも長年の人気シリーズですが、ミックスグリーンの鮮やかさにおされて、その存在があまり注目されていなかった、白をはじめとした他の3色。

睡蓮 カラー10,20,30番

今回は、この3色に着目し、あらためてこのタイルの魅力を伝えていこうということになりました。

それがこちら!

睡蓮-SQ(SU1010-20)のイメージ
こちらはまだアタリ画像(仕上げ前の仮で使う画像)ですが…

キレイ。。。
真っ白でない微妙な色合いと、完全なフラットではない、かすかにぷっくりとした感じにもみえる表面、たっぷりとしたツヤ感。うっとりしますね。
こちらは、睡蓮-SQ SU1010-20 のカラーです。


冒頭の写真の左上のほうに写っていた、100角より少し大きめの白い正方形も、また魅力的。「ゼリージュ」「シャトー」。ここまで紹介してきたタイルは、自社工場の製品ですが、こちらは両方ともスペイン産のタイルです。

少し大きな白のタイル
奥の左「シャトー」185角、右が「ゼリージュ」125角(手前はホワイトシリーズ)

「ゼリージュ」125角、こちらも、今回あらたにイメージを撮影していただきました。
とってもいい雰囲気なので、早くお見せしたいのですが…、今日はここまで。
実際にカタログに載って、みなさんの元へお届けできる日が楽しみです。次の新しいカタログは、2025-26年度版として、6月頃に発刊予定です。
いま、猛烈に制作作業に追われております。無事に完成しますように…。

こちらもぜひ <<< 「シンプルは最大の魅力!100角タイル」


<余談>
形と、色。ただ白の四角いタイルといっても、 千差万別 。
いま、本社に隣接した倉庫(こちらのブログで紹介した派手な倉庫です!)で、いろんな形と色のタイルを、見て選んで相談いただけるようなスペースを準備中です。詳しくは、また。。。


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
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組絵セレクト

組絵セレクト
「組絵」シリーズの便利なユニットシート。 使い易くてシンプルな「平」が、やっぱり一番人気。
でも、模様ありもやっぱい美しい!ぜひご覧ください。

→「組絵セレクト」を見る

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タイルづくりの現場から 窯の火入れ

わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。
前回お伝えした、年に一度のトンネル窯の大掃除。年末年始だけは窯も火を落とし、点検とメンテナンスをしています。
今回は、メンテナンスを終えた「トンネル窯」を再始動させる、火入れの様子をみてきました。

トンネル窯とスタッフ

70mほどもある長いトンネル状の窯、どのように火をつけていると思いますか?
正解は…

トンネル窯とガス

前回のブログの最後で、チラッとおみせしましたが…

ガスバーナーとボンベを使って、点火口ひとつひとつに、火をつけていきます。
制御盤にスイッチかなんかがあって、スイッチON!で、一気に火がつくのかな?なんて思っていましたが…大きな勘違い。そもそも電気窯ではなかったです。。。

窯への火入れは、とても慎重に行わなくてはならない大事な作業なので、しっかりと確認しながら準備をすすめていきます。

火入れ前の窯の点火口
火入れ前の窯の点火口

この点火口に、ガスバーナーの火を持っていって、窯の中のガスに引火させます。

火入れの様子、私は今回はじめて見学させてもらったのですが、火がつくときに、シュボッと音がして、ビクッとなります…。緊張の瞬間です。

点火口は、窯の下 左右に9箇所ずつ(9×2=18)、上の方にも左右3箇所ずつ (3×2=6)あります。全部で24箇所も!

火入れ直後の様子。
トンネル窯の出口から中を覗くと、奥の方、かすかに小さな小さな炎がみえました。

トンネル窯の中の様子
トンネル窯の中の様子アップ
上の写真の拡大したもの。奥の方にかすかに光が

いつもの、メラメラと真っ赤に燃えている通常運転の窯の状態、1200℃以上になるまでには、まる2日~くらいかかるそう。


トンネル窯の中には、温度計がたくさんあります。
メインで窯の中の温度をコントロールしているものが3つ、温度を計るだけのものが24箇所も。

窯の温度計
天井の白い棒のような温度計は、とても高価なものだそう…

天井から出ている白く細長いのが、焼成帯(窯の中で一番温度が高くなる場所)で温度調節をしている温度計で、制御盤で3つ大きく表示されています。
制御盤の下の方にも、その他の24箇所分の温度が小さくたくさん表示されています。

トンネル窯の制御盤
制御盤の温度計アップ

ちょうど寒波が近づいて雪の降る寒い日が続き、火をつける直前は、30~20℃前後まで窯の中の温度は下がっていました。(ちなみに弊社は岐阜県にありますが、年に1~2回しか雪が積もりませんが…)

1日、2日経ち、窯の温度は1000℃前後まで上がってきていました。

火入れ2日後の温度

上段のミドリ色の数値が、窯の中の実際の温度を示しています。
温度制御では、温度センサーで計測した「測定値=PV」と、機器で設定した目標温度「設定値=SV」を比較して、温度を制御するそう。
下段のオレンジ色の数値、設定した1216℃まで、もう少しです。


窯の横に設置された砂利

バーナーで火を付けながら窯の外をまわっていて気になったのが、これ。なんかの燃料??って思って聞いてみたら、全く違っていました…。

トンネル窯の出口

タイルをのせた台車は、レールの上を通ってトンネル窯をゆっくり進みます。レールや台車の車輪が熱で変形して脱線なんてしてしまったら一大事!全部のタイルがダメになってしまい、窯をとめて全てやり直しになってしまいます。

窯の両側から出てくる炎の熱から台車(車輪)を守るため、台車下側の両脇には鉄板がついており、その鉄板が窯の側面下の溝を通るようになっています。その溝に砂利が入れてあり、それを台車が進む際に掻き出して下に落ちるようになっています。出口にその砂利が溜まる場所があり、いっぱいになったらまた入口の方へ移動させて補充しているとのことでした。

焼成を待つタイル

無事に窯の火入れも完了し、工場もいよいよ本格的に再始動。
焼かれるのを待っていたタイルが、順番に窯へと入っていきます。


毎日毎日、タイルは焼き上がってきます。とてもたくさん。
私はほとんどパソコンの前で仕事をしていますが、ときどきこうやって工場へ行ってみると、いろいろなものが気になって、きれいなタイルが焼き上がるまでの、たくさんの工程と工夫が見えてきます。
モノが作られる裏側を知ることは、とても大事だと感じます。

窯は、工場の中枢を担う大事な存在。
タイルづくりには、炎の力が欠かせません。
今年もまた一年、無事に、良いタイルができますように。。。


▼ 「タイルづくりの現場から」
過去のブログをまとめました!タイルはどんな風に作られていくのか。
成形、施釉、焼成… それ以外も?!
ぜひご覧ください。
https://tile-park.com/index.php/blog/detail/31422


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。


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タイルづくりの現場から 窯の大掃除

わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。

タイル工場になくてはならない、窯。常に火は絶やさないよう保たれ、毎日たくさんのタイルを焼き続けています。
年に一度、年末年始だけは窯も火を落とし、点検のためお休みします。工場にあるのは70m程もある長い「トンネル窯」、そのメンテナンスの様子をのぞいてきました。

トンネル窯の掃除

いつもは1250℃!トンネル窯の中へ

工場が休みに入る12月末、窯の火を消します。
長いトンネルの真ん中あたり、一番高温になる「焼成帯」と呼ばれる場所は1200℃以上にもなるので、火を消したからといって、すぐには中へ入れません。

いつものトンネル窯の中

年が明けて新年初出勤日。窯の中の温度も50℃前後まで下がりました。
工場スタッフ総出で、窯の大掃除が始まります。

トンネル窯の中の壁を払う
壁を払うと、すごい灰が舞う…

長い休み明けの何も動いていない工場は、シーンとして空気も冷たく底冷えします。でも、窯の中に入っていくとポカポカとあたたかい。
制御盤の温度計では52.5℃となっていましたが、窯の中に入っていってもそんなに暑くは感じませんでした。

普段の窯の中は、タイルをたくさん積んだ台車が行列。約70mのトンネル内に27台ほどの台車が並んでおり、だいたい1時間おきに、焼き上がったタイルが順番に押し出されるようにして出てきます。
いつもは自動で入っていって順番に出てきますが、掃除の前に窯の中に残された台車は人力で押し出します…。

台車を押し出す
重たい台車を人力で窯の外へ押し出してから大掃除

通常はタイルをのせた台車が、窯の中にぎっしりと並んでいますが、火を消すときには、タイル無しの、タイルをのせるお皿(サヤ)だけを積んだ状態の台車です。見た目は重そうですが、タイルがのっていない分いつもよりは軽いです…。

トンネル窯の出口に並ぶ台車
トンネル窯から出された台車が、すぐ脇にズラリと並ぶ窯の出口

空っぽの、真っ暗な窯の中へ
一年ありがとう。また次の一年へ向け

年に一度のことなので、掃除も大変です。
大掃除を終えたら、次は窯の点検をしていきます。タイル工場の心臓部!今年もまた一年、がんばって働いてもらわないといけません。
おもにチェックするのは、一番温度が高くなる焼成帯のレンガの状態と火の噴き出し口の辺り。

バーナーの火の噴き出し口

いつもはこのピンク色した土管から、バーナーの火が噴き出ています。
左右の壁に9か所ずつ、必ず対で、しかし位置は少しずらして設置されているそう。
破損しているものがないかチェックします。

火の噴き出し口、窯の外側はこんな感じ。通常稼働時は、窓から赤い炎が見えます。

レンガで組まれた窯の内部、1200℃以上になる焼成帯付近の天井はアーチ型になっています。アーチ状にすることで、天井の重みを左右の壁で支えるカタチです。

天井の火の噴き出し口
天井にも火の噴き出し口がある

また、火の回りが良く熱が全体に均一に伝わるような構造になっています。
ピザ窯がドーム型なのも、同じ理由のようで。窯焼きのピザは、早く焼けて美味しい!

このトンネル窯、30年近くがんばっているそうですが、ちょっと気になる箇所もチラホラ…。

窯の天井の状態

天井部分、アーチ型が少し下がってきているところや、一部レンガがガタガタしている部分が見られました。
窯の火を落とすと、熱せられ膨張していたレンガが、温度が下がるにつれ収縮、元の大きさに戻っていきます。
いくら熱に強い耐火性のレンガでも、膨張・収縮を繰り返すと、やはり劣化してきます。

何年か前に一度、一部崩れてしまったことがあるそうですが、ちょっと崩れてしまうと、ここからここまで全部、ある程度の範囲、レンガを組み直さなくてはならない場合もあるとのこと。そうなると、結構大掛かりな修繕が必要になってきてしまいます。
今は冷えて隙間が見られた箇所も、また火を入れれば膨張してある程度戻り、アーチ状の窯が保たれると判断。

社長チェックの後は、専門の業者さんにお願いして再びチェック。気になる箇所を少し補修していただきました。


年に一度の窯の大掃除と点検が終わり、再び窯を始動させます。
その前に、まずはお酒でお清めです。

トンネル窯の周りをぐるっと一周して清め、一年の無事を祈願します —

また次回、窯の火入れの様子をお伝えします。


▼ 「タイルづくりの現場から」
過去のブログをまとめました!タイルはどんな風に作られていくのか。
成形、施釉、焼成… それ以外も?!
ぜひご覧ください。
https://tile-park.com/index.php/blog/detail/31422


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。


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タイルづくりの現場から タイルカット編

わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。
今回はタイルを「カット」する様子をみてきました。お客様のご希望のサイズに合わせ、タイルをカット加工する作業です。

この冬はじまった新サービス「割付TEプレカット」。タイルのCAD割付(どう配置したら納まりよく仕上がるか)と、割付け図通りのサイズにプレカット(施工現場でそのまま貼れる大きさにカットしてから納品)する、とっても便利なサービス!
このサービスに合わせて、新しい設備を導入しました。

タイルカットの新設備

いままでは、難しい素材や数量が多いと外注さんにお願いしたり、小さなタイルのカットはお受けできなかったのですが、このタイルカッターで自社でカット可能なものが増えました。

繊細で割れてしまいやすいガラスタイルなんかも、綺麗に切ることができます。

カットしたガラスタイル
綺麗にカットされたガラスタイルの切り口

こちらは「フィン」というガラスタイルをカットしたものです。
タイルの表側に紙を貼ってユニットシート化(表紙張りユニットといいます)した商品なので、肝心なタイルがあまり見えていませんが…。この表面の紙は、タイルを壁に接着した後に、紙を水で湿らせて剥がす仕様になっています。

カットした細かなパーツ

この機械でカットするときには水をかけながら使用するので、タイルに貼ってある紙が濡れてしまいます。紙が濡れて剥がれてしまったら、ユニット化されたタイルがバラバラに。そうならないよう、切断面を養生テープでぐるっと覆ってからカットしています。
また、養生テープを貼った上からカットすることでチッピング(欠けやひび割れ) を防止したり、ユニットシートの目地幅のズレをおさえて真っ直ぐカットするのにも役立ちます。

カット後は、濡れてしまった紙が乾くまでしばらく乾燥させます。

細かなパーツがたくさんできました。
1cmほどの細長いパーツに「下」「下」「下」…と書いてあります。カット後にどこのパーツかわからなくなってしまっては大変。
全部のパーツが揃っているかしっかりと確認し、梱包します。

カットしたタイルの梱包
割れやすいガラスタイルは梱包も丁寧に…

ここまでご紹介してきたこのカット作業の様子、じつは「割付TEプレカット」サービスを導入する前の、準備段階のときの様子です。

カットしたタイルをチェック
カット後、それぞれのパーツをしっかりチェック

たくさんのお客様に便利なサービスとして利用していただくため、何度も会議を重ね、ああでもないこうでもないと、スタッフ間で考えを巡らせ、準備してきました。

カットの前に重要な「割付け」

工場でのカットの様子をご覧いただきましたが、現場でタイルを美しく張って仕上げていただくためには、綺麗にカットするその前に、まずは綺麗に「割付け」することが必要になってきます。

CADで割付けするスタッフ

CAD技術をもった専門のスタッフが、お客様のご要望に沿って、美しく仕上がる割付けを考えます。
また、タイルの知識を持った担当スタッフが、お客様とやりとりをして、スタッフ間で協力して割付図を完成させていきます。

割付サービス担当スタッフ
偶然二人とも赤いニットですが、別々のスタッフです(笑)

つい先日、このサービスをご利用のお客様の対応にあたっているところをちょっと覗いてみると…
ご依頼いただいたのは、割付けがちょっと難しそうな、ちゃんときれいに施工できるかな?と躊躇してしまいそうなヘリンボーンユニットのタイル「テンポ」。そんな扱いが難しそうなタイルのときこそ、ぜひ利用していただきたいのがこの「割付TEプレカット」サービスです。

事前準備はしてきたものの、実際にサービスがスタートすると、様々な問題が出てきます。1つ1つ解消しながら、今後のサービスの拡充をはかっていきます。

「割付け」だけでもOK!でも…

このサービス、「割付け」の“図”だけをご依頼いただいても、もちろん大丈夫。
「施工はタイル張りも安心して頼める業者さんがいるからカットは必要ない」とか「カットして張るのは実際の現場で様子を見ながら進めたい」などなど、いろいろなケースがあるかと思います。
きちんと割付けしてタイルの必要枚数を出せば、無駄な発注も減らせますので、「割付図」だけでも是非ご依頼ください。


近年、タイル職人さんの数は激減。高齢化と職人不足は深刻なようです。
住宅内装で、タイルを少し張るためだけに左官屋さんや職人さんを手配することに苦慮されていたり、一人でいろいろやれる内装工さんでも、タイルを張るだけならできてもカットはちょっと無理だったり、そんな声がよく聞かれます。
DIYが得意な方でも、タイルのカットは少しハードルが高いのでは…。
ネットで調べると、押し切りタイプのタイルカッターを使ってタイルをカットする方法はたくさん紹介されていますが、慣れるまでには少し時間がかかるようで、簡単に綺麗に切れるようにはならなさそう。

そんなときはぜひ、プレカットもご依頼ください!
タイルがあらかじめカットされた状態なら、専門の知識や高価な道具がなくてもラクラク施工OK!
美しいタイル仕上げに、ぜひご利用ください。

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<余談>
現在、我が社のお手洗いを大規模改装中。内も外もタイル張りで仕上げるため、ちょうど左官工事屋さんがタイルをカットして施工されていたので、作業の様子を見させていただきました!

まず初めは、切り位置に軽く線をつける程度にします。2回目が本番。手間ですが、こうすることで切断したときにバリ(ガサガサ、ギザギザする箇所)が出にくいそうです。
プロの職人さんでもグラインダー(上の写真の工具)で一回で切断しようとしてしまったら、綺麗には切れないようです。グラインダーにつけるディスク(刃)もピンキリで、タイルをきれいにカットするには、それなりに高価なものが必要。
そういった素材に適した道具や、ちょっとしたコツがタイルカットには必要なんですね。あとはもちろん、経験も。

ちなみに、お手洗いの内装壁に使った 上の写真のタイルは、大判のグッディー(MN01 マットタイプのもの)。今年発売した人気の商品です。薄型で壁でも施工しやすいですよ。
グッディーの他のタイプは >>> こちら


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
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複数色を組み合わせヘリンボーンに貼り上げた、ポップでかわいいモザイクタイル。
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タイルづくりの現場から 「土練機」でつくる湿式タイル

わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。
今回工場でみてきたのは、「土練機」を使ってつくる湿式製法タイルの成形作業。
土練機=どれんき、と読みますが文字通り土を練る機械。空気を抜きながら土を練り、板状に粘土を押し出してタイルの形にする機械です。

土練機

私たちの工場でつくるタイルのほとんどは「乾式製法」なのですが、もうひとつ、この真空土練機を使った「湿式製法」のものがあります。

▼ 乾式製法での成形の様子は、こちらの第2回「成形編」をどうぞ
https://tile-park.com/blog/detail/27124

乾式製法は、水分を飛ばしてサラサラの顆粒状の原料を、プレス機でギュッと押し固める製法です。焼成後の寸法精度も高く品質も安定しており、比較的低コストで大量生産が可能となります。

一方の湿式製法は、水分を含んだ「粘土」の状態から成形をおこないます。基本的にはこの土練機を使いますが、手で粘土を捏ねたり切り出したりといった成形方法も湿式製法になります。

上の写真は、土練機からでた粘土の板を、正寸にカットする前に粗く切り分けたもの。これぞ粘土!という感じですね。

土練機では、成形するのにちょうどいい硬さになるまで、水を少しずつ加えながら練り合わせ、粘土の水分量を調整していきます。この時空気が混ざらないように真空状態で練り合わせ、練った粘土から空気をしっかり抜いて、板状に粘土を押し出します。

今回作っているのは100角タイル。
焼き上がりは97mmを目指し、素地は109.5mmにカットします。
湿式製法のタイルは含水率が高いので、焼成による収縮率が乾式製法のものより大きくなります。

土練機から出た粘土を、まずはざっと切り分けます。

粘土の切り分け

だいたいの大きさに切り分けたら、手動のタタラ成形機で整えていきます。

ならした後の粘土

2本の回転するローラーの間に、必要な厚みよりも厚い粘土を通し、表面をならしつつ厚みも均一にしていきます。

四隅をカット

この後、109.5mmの型紙を使って、四隅を切り落とします。
何枚も何枚も、手作業なので大変です。

成形完了

画像ではわかりにくいのですが、少し布目のついた素地ができました。さきほどの手動でくるくると回して使っていた、タタラ成形機でタイルに被せていた布の跡です。

この湿式タイル、まだまだこの後に表面加工の工程が続きます…。一枚一枚、非常に手間のかかるタイルです。
担当のスタッフが協力し、 試行錯誤しながらがんばっています。

わたしたちの工場をはじめ、数多くのタイルメーカーが集まるこの地域。ですが、かつてたくさんあった湿式タイルを生産する工場は減少。
そんな状況の中、この土練機、 実は今年に入ってから新たに入れた設備なのです。

粘土を成形して、焼き固める。
昔からあるシンプルな製造方法である湿式製法には、土の持つ魅力がいっぱい。
大量生産ラインでは生み出せない「人の手の温もり」と「素材そのものの美しさ」を表現することができます。

今では、3メートルも超えるようなとても大きな、しかも薄い、そんなタイルがどんどん増えています。ダイナミックで美しい見た目、それに加え耐久性やメンテナンス性にも優れ、ホテルや、商業施設、オフィスビルなど、需要も多い。

確かにかっこいい。でも…

こんな時代の風潮の中ではありますが、 一枚一枚に味のある風合い豊かなタイルが、もっと身近にあるような、そんな空間が求められてもいいのでは、と感じます。
実際にタイルが焼き上がってくる現場を見ていただけると、その魅力を見出すきっかけがたくさんあるかと思います。


▼ 「タイルづくりの現場から」
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240×60サイズの湿式製法のタイル。
白とグレーの2色。 濃淡をつけたミックスになっています。
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古くて新しい 焼き物、タイルのまち

良質な原料、陶土に恵まれ、古くから「美濃焼」の産地として栄えてきたこの地域、岐阜県の東濃地方。
なかでも多治見市は、モザイクタイル発祥の地と言われ、モザイクタイルミュージアムをはじめ、岐阜県現代陶芸美術館のあるセラミックパークMINO、美濃焼ミュージアムなど、焼き物に関する施設やギャラリー等がたくさんあります。

多治見の街なかを歩いていると、昔ながらの喫茶店や飲食店、美容院や雑貨店なんかのお店はもちろん、普通のお宅の外壁にもかわいいタイルや、かっこよくて渋い、ステキなタイルが目に入ってきます。

床屋の青い外壁タイル
2種類の緑のタイル

休日の朝にぷらっと散歩していたのですが、個人のお宅を勝手に撮影するのもあれなので…ビルや店舗のタイルを中心にご紹介します。

多治見駅すぐ南側にある「ながせ商店街」。
このながせ通りにある、商店街の新しい顔が「ヒラクビル」さん。

ヒラクビルの外壁タイル

昔は時計や宝石・メガネを扱うお店だったそう。レトロでいい雰囲気の外観。
リノベーションされ、本屋さんやカフェが入って、シェアオフィスやレンタルスペースなんかも。
建物の中、これがまたタイル好きにはたまらない仕様になっています。まだ営業時間前だったので、残念ながら中の様子は詳しくご紹介できませんが、「ひらく本屋」「喫茶わに」で調べてみてください。素敵なタイルがいっぱいでてきますよ。

画像引用元:@hiraku_bldg ヒラクビル

確か、本を喫茶スペースに持ち込みOK。タイルいっぱいの空間で、ゆったりとお茶を飲みながら読書。すてきなときが過ごせそう。

ヒラクビルのタイルシンク

ビルの片隅には、可愛らしいタイルシンクが!赤い金魚タイルを一目見て、これは…と。あとで調べてみると、やはり「作善堂」さんのタイルシンクでした。
写真のようなカラフルでポップな色使いのタイルシンクをよくみかけますが、シンプルなものもあります。ときどき、作善堂さんのタイルシンクを見つけると、タイルパークのタイルどこかに使われていないかな? と、思わず探してしまいます。

突如あらわれた、タイル張りの可愛らしい三角屋根の小屋。

タイル張りの三角小屋

小屋の中には本が少し置いてあり、「まちなかほんだな」とあります。

三角小屋「まちなかほんだな」

ここにある本は自由に持ち帰っていいそう。
読まなくなったけど、誰かに呼んで欲しい、そんな本を次の人へつなぐ、すてきな場所でした。

三角小屋のタイルアップ

様々な黄緑色、幅も2種類ミックス貼りされています。置かれていた植物と屋外の空間に、よく馴染んでいました。
写真を撮り忘れてしまったのですが、床の正方形のタイルもいい色でした。ちょっと黄色や茶色が混ざった芝生みたいな色合いの、色幅の大きなタイルが張ってありました。

通りを1本入るとレトロな小さなビル。

レトロなビルのタイル

1階は美容院。自宅兼、店舗でしょうか。
よーく見るとこのタイル、なんと虹色に光っているではないですか!

レトロなビルのタイルアップ

遠くからなんとなく見ただけだと、オフホワイトかグレーのような感じだったので、よく気にして見てないと、うっかり通り過ぎてしまうところでした。
手前ではなく、奥の柱の部分を見てもらうと、紫、ピンク、黄色、オレンジ、緑、水色…、いろんな色が入っているのがよくわかるかと。

私の実家(お隣の愛知県)も美容院なのですが、うちの外壁は45角のプレーンな白のマットなタイル…。
ここはさすが焼き物のまち、使うタイルがひと味違います。こだわりを感じますね。

一方でこちらは床屋さん。

床屋の青いタイル

青。
なかなか見ない、濃く、強い青。
藍色、縹色(はなだいろ)? なかなか見ない男前な青色が目を引きました。
面状は、ラフな面状の2種類ミックスですね。


ちょっと休憩 ―。

おりべかっぱ広場

商店街の中に突如あらわれた大きな「かっぱ」。。。
「おりべかっぱ広場」とあります。多治見市に伝わる河童伝説にちなんで、かっぱの像がお出迎えしてくれます。

おりべは、美濃焼の一つ「織部焼」の「おりべ」。
織部焼といえば、この特徴ある深い緑色。その織部色したかっぱの焼き物でした。さきほどの三角小屋のタイルも、織部の緑っぽいタイルがありましたね。

ながせ商店街の中でシンボル的な存在、Y字路に建つこの建物。

モザイクの陶壁
モザイクの陶壁アップ

カラフル!
こんな陶壁も、モザイクタイル発祥の地、多治見ならではですね。

カラフルといえば、こんな虹もありました。

モザイクタイルの虹
モザイクタイルの虹アップ

モザイクタイルでてきた、とても可愛らしい虹。
さっきの壁と違って、近寄って見ることができるので、ぜひ見つけて間近で見て欲しいです。1枚1枚に、いろんな釉薬の表現が見えて、面白いです。

古いけどなんか新しくて、新しいけどなんだか懐かしい、そんなタイルが溢れる街中。古くからある建物も、新しい大きなビルにも、いろいろな顔をしたタイルが見られます。
商店街をでて、ちょっと街中から離れたところを車で走っていても、 いろいろな タイルが目に入ってきますよ。

地域のゴミステーションまでもが、タイルアート!

ゴミステーション
ゴミステーションごとに、テーマのあるタイルアートで装飾

地元愛・タイル愛の溢れるボランティア団体の方が、地元タイルメーカーから無償で提供されたタイル(廃番品など)で、殺風景なゴミ置き場を美しく装飾されています。


「土と炎」の看板

帰り道…、いつも気になる大きな看板?
多治見市街地から少し北の方を望むと、山の上に、「土と炎」の巨大な赤い文字。(ちょっと写真がわかりにくいですが…)
岐阜県県東濃西部総合庁舎の外壁で、「国際陶磁器フェスティバル美濃」のPRのために描かれたものだそう。
「土と炎の国際交流」をイメージし、「炎」の字は縦約6メートル、横7.7メートルの大きさもあるそうです(参考:朝日新聞デジタル)。

今年もこの季節がきました。
国際陶磁器フェスティバル美濃’24

国際陶磁器フェスティバル美濃

日本を代表する陶産地である岐阜県多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市を舞台に、1986年から3年に1度開催している世界最大級の陶磁器の祭典。
メインイベントの「国際陶磁器展美濃」は、世界中の国と地域の作品が一堂に会す展覧会です。
美濃焼の歴史や魅力、地域の風土を存分に感じ、楽しむことができる、4市の陶磁器産業・地域・文化に密着した事業も多数開催!

【開催期間】
2024年 10月18日(金)~ 11月17日(日
【メイン会場】
セラミックパークMINO 展示ホール(岐阜県多治見市)


今週末開催!こちらもぜひ
たじみ陶器まつり

たじみ陶器まつり

” たじみ陶器まつり” は、多治見市内で年二回開催されるやきもののお祭りです。先人達に感謝を込め、出店者と来場者のみなさん、地域のみなさんが一緒になって盛り上げるお祭りです。

第81回 たじみ陶器まつり 秋
【開催期間】
2024年 10月13日(日)・14日(月・祝)
【メイン会場】
多治見美濃焼卸センター(岐阜県多治見市)

「春」は本町オリベストリート、「秋」は多治見美濃焼卸センターと、秋季開催の会場は少し街中から離れた陶磁器商社が集まる場所。
「本町オリベストリート」は、多治見駅から徒歩10分ほどの、レトロな町並みでおしゃれな焼き物のお店がいっぱいのスポット。
まちなかでアートを味わう「まちなか美術館」が、12~14日に同時開催されます。

先にご紹介した「ながせ商店街」と一緒に、多治見、焼き物の街めぐりを、ぜひ。


この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
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湿式タイル「北野」

北野(きたの)
焼き物らしい味わいのボーダータイル 。RCY-02あたりは、ブログ前半でご紹介した「三角小屋」にあったタイルのような雰囲気、ちょっと渋みのある黄緑色。
緑が3色ありますが、どれもオススメです!

→「北野」を見る

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