大型連休も過ぎ、いつもの流れに戻った方、これからお休みの方さまざまかと思います。
お休みの間は、街中はどこもたくさんの人、人、人…。

名駅(めいえき:この地域では、名古屋駅前周辺のことをこう呼びます)に出掛け、ショッピングがてら大通り沿いや、百貨店の中を歩いていると…
ハイブランドやジュエリーを扱う店舗には、「磨き」の大判
そのお店をイメージさせる、「コーポレートカラー」を使ったタイル
レストラン街ではサブウェイタイルや、それより少し大きめの長方形の、やはり「白」
と、使われているタイルにもそれぞれの傾向があったりします。
化粧室なんかは本当に様々なタイプのタイルがあって、とても面白いのですがやはり意識して見ていないと、なんとなく通りすぎてしまいます。
それでも、パッと目に入ってくるのは、特徴的な色、そして質感のあるタイル。
なかでも、ゆらぎのある面状のタイルで飾られた、あるハイブランドのお店がとても印象的でした。
調べて見ると、スペイン製のタイルで、一枚一枚手づくりのものが使われているようです。
採用されているタイルの色は店舗によってさまざまで、名古屋では愛らしいピンク、中国上海の店舗ではなんと、ゴールドのタイルで外観を全面装飾しています。お国柄、地域性が垣間見えますね。
ところで、「ゆらぎ」「揺らぎ」 とは…
AIによると―
自然のゆらぎとは、自然界に見られる、規則性と不規則性の間で微妙に変化するリズムのことです。具体的には、波の音、雨音、小川のせせらぎなどが挙げられます。このようなゆらぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれ、人はこれを心地よく感じ、リラックス効果を得るとされています。

と、教えてくれます。
物理的・数学的な平均値からのズレ、とか、心が動揺すること、なんていうマイナスなイメージもありますが、あえてここでは、「規則」的なものと「不規則」的なものが、いい具合に調和した状態を指す、そんないい感じで「ゆらぎ」を捉えてみようと思います。
こちらのお店の「ゆらぎ」のあるタイルは、一枚一枚手づくりということで、寸法にも色にも多少「不規則」なところはありつつ、絶妙な加減に仕上げられたなかには必ず「規則」的なもの、法則性があります。人はその “ちょうどいい” 感覚に、自然と惹きつけられるのでしょうか。
わたしたちの工場でつくっている機械生産のタイルでも、わざと「ゆがみ」をもたせた形で成形、「ゆらぎ」を表現しているタイルがいくつかあります。

写真は「フィンセント」。
タイルのフチに注目していただくと、わずかに波打った面状になっているのがわかります。
紫っぽい色のタイル、奥の方のボヤーっとしているあたり、ウネウネっとしているところが、よりわかりやすいかもしれません。
このタイルは、上の写真のような金型を使って成形しています。
金型の下面をみていただくと、まっすぐではなく、少しウネウネしています。
顆粒状の原料を、上からこの金型を使ってギュッとプレスして押し固め、タイルのカタチをつくります。
この面状、光をうけることで、きらきらとなります。穏やかにゆらめく水面のような感じ。
照明があたっているところと、そうでないところ。見え方が全然違いますね。
この「フィンセント」は、施釉方法も独特で、色幅も大きくもたせています。機械生産品とは感じさせない、とてもクラフト感のあるタイルです。

同じサイズ(240×60mm)と面状のこちらは「モット」。4色あります。
左:フィンセント、右:モット モット(MT-3)の右側に光を当てた
フィンセントと並べた写真と、ダークブルーの「MT-3」。このタイルも色幅があります。


6月に発刊予定の新カタログ用に、撮影したイメージ写真。カメラマンさんに「メンズのレザーアイテムのお店のイメージ」とリクエストして、スタイリングして撮っていただきました。
かっこいい!ヴィンテージのアイテムが置いてありそうなお店の雰囲気です。
自社でつくっているタイルで、ゆらぎのある面状は他にも「藍里」「甚」「ぺルラ-リーフ」などがあります。濃く深い色味や、黒やゴールド系の渋い色もあります。
自社で作っている製品ではないですが、少し大きなサイズのものもあります。
「ブールバード」
306×76mmと、自社のタイルと比べてみるとけっこう大きい印象。


色むらのない5色。波打った面状のつやつやで、タプタプした感じがたまりません。青みがかったグリーン(BLVD312TE)、写真一番右のものですが、こちらが一番人気(申し訳ありません。ただいま在庫希少…)。
白は、カフェや、イタリアン、アパレル系ショップなら、カジュアルスタンダードやアメカジ、フレンチカジュアルなんかは、淡いグリーンなんかも合いそうです。
ブールバードとほぼ同じようなサイズで、7色ある「モザリア」。

自社のフィンセントやモットのような特徴的な色幅はないですが、いい具合の色むらがあって、そこがブールバードとはまた違った雰囲気があります。
大きいですが、この色味、風合い、住宅にも合わせやすそうです。 選ぶ色で、ナチュラルにもモダンにも。
モザリアをご採用いただいた個人様宅。とてもステキな感じで使っていただいています。
ゆらぎのあるタイルをご紹介してきましたが、カタログの正面からの写真では、残念ながらその特徴的な雰囲気はほとんど伝わりません。
興味があるタイルがありましたら、ぜひ無料サンプルをお取り寄せください(送料も無料!※制限あり)。手に取って、くるくると回して、ぜひいろんな角度から眺めてみてください。
この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。
■関連商品のご紹介■

藍里(あいり)
文中でも名前だけご紹介しましたが、フィンセントやモットと同じ面状(240×60サイズ)。ちょっと個性強めですが、グリーンは深い森を思わす。別荘地にある邸宅に合いそう。
正方形や97×47のスジ面もあり、組み合わせも楽しめる。
→「藍里」を見る
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