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タイルづくりの現場から 窯の火入れ
わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。
前回お伝えした、年に一度のトンネル窯の大掃除。年末年始だけは窯も火を落とし、点検とメンテナンスをしています。
今回は、メンテナンスを終えた「トンネル窯」を再始動させる、火入れの様子をみてきました。

70mほどもある長いトンネル状の窯、どのように火をつけていると思いますか?
正解は…

前回のブログの最後で、チラッとおみせしましたが…
ガスバーナーとボンベを使って、点火口ひとつひとつに、火をつけていきます。
制御盤にスイッチかなんかがあって、スイッチON!で、一気に火がつくのかな?なんて思っていましたが…大きな勘違い。そもそも電気窯ではなかったです。。。
窯への火入れは、とても慎重に行わなくてはならない大事な作業なので、しっかりと確認しながら準備をすすめていきます。

この点火口に、ガスバーナーの火を持っていって、窯の中のガスに引火させます。
火入れの様子、私は今回はじめて見学させてもらったのですが、火がつくときに、シュボッと音がして、ビクッとなります…。緊張の瞬間です。
点火口は、窯の下 左右に9箇所ずつ(9×2=18)、上の方にも左右3箇所ずつ (3×2=6)あります。全部で24箇所も!

火入れ直後の様子。
トンネル窯の出口から中を覗くと、奥の方、かすかに小さな小さな炎がみえました。


いつもの、メラメラと真っ赤に燃えている通常運転の窯の状態、1200℃以上になるまでには、まる2日~くらいかかるそう。
トンネル窯の中には、温度計がたくさんあります。
メインで窯の中の温度をコントロールしているものが3つ、温度を計るだけのものが24箇所も。

天井から出ている白く細長いのが、焼成帯(窯の中で一番温度が高くなる場所)で温度調節をしている温度計で、制御盤で3つ大きく表示されています。
制御盤の下の方にも、その他の24箇所分の温度が小さくたくさん表示されています。


ちょうど寒波が近づいて雪の降る寒い日が続き、火をつける直前は、30~20℃前後まで窯の中の温度は下がっていました。(ちなみに弊社は岐阜県にありますが、年に1~2回しか雪が積もりませんが…)
1日、2日経ち、窯の温度は1000℃前後まで上がってきていました。

上段のミドリ色の数値が、窯の中の実際の温度を示しています。
温度制御では、温度センサーで計測した「測定値=PV」と、機器で設定した目標温度「設定値=SV」を比較して、温度を制御するそう。
下段のオレンジ色の数値、設定した1216℃まで、もう少しです。

バーナーで火を付けながら窯の外をまわっていて気になったのが、これ。なんかの燃料??って思って聞いてみたら、全く違っていました…。

タイルをのせた台車は、レールの上を通ってトンネル窯をゆっくり進みます。レールや台車の車輪が熱で変形して脱線なんてしてしまったら一大事!全部のタイルがダメになってしまい、窯をとめて全てやり直しになってしまいます。
窯の両側から出てくる炎の熱から台車(車輪)を守るため、台車下側の両脇には鉄板がついており、その鉄板が窯の側面下の溝を通るようになっています。その溝に砂利が入れてあり、それを台車が進む際に掻き出して下に落ちるようになっています。出口にその砂利が溜まる場所があり、いっぱいになったらまた入口の方へ移動させて補充しているとのことでした。

無事に窯の火入れも完了し、工場もいよいよ本格的に再始動。
焼かれるのを待っていたタイルが、順番に窯へと入っていきます。
毎日毎日、タイルは焼き上がってきます。とてもたくさん。
私はほとんどパソコンの前で仕事をしていますが、ときどきこうやって工場へ行ってみると、いろいろなものが気になって、きれいなタイルが焼き上がるまでの、たくさんの工程と工夫が見えてきます。
モノが作られる裏側を知ることは、とても大事だと感じます。
窯は、工場の中枢を担う大事な存在。
タイルづくりには、炎の力が欠かせません。
今年もまた一年、無事に、良いタイルができますように。。。
▼ 「タイルづくりの現場から」
過去のブログをまとめました!タイルはどんな風に作られていくのか。
成形、施釉、焼成… それ以外も?!
ぜひご覧ください。
https://tile-park.com/index.php/blog/detail/31422
この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。
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展示会出展のご案内

毎年3月に東京ビッグサイトで開催される「建築・建材展」に、今年も「TNコーポレーション」で出展いたします。
今回は「すぐに採用したくなる」意匠性の高いタイルを中心に、実績ある種々製品の魅力を改めてお伝えするような展示内容となる予定です。
ぜひTNコーポレーションのブースへ足をお運びくださいませ。
第31回「建築・建材展2025」
建築設計事務所や住宅メーカー・工務店・リフォーム業などに向けて、各種建材、設備機器、ソフトウエア、工法、関連サービスをまとめて紹介する国内有数の建築総合展です。
会期
2025年3月4日(火)〜7日(金)
午前10時〜午後5時(最終日のみ午後4時30分)
会場
東京国際展示場「東京ビッグサイト」東展示棟(東京都江東区有明3-10-1)
弊社ブース番号
AC6305
入場料
無料(事前登録制)
※来場には事前登録が必要です。こちらよりご登録ください。

また建築・建材展と同時開催される「JAPAN SHOP」の企画展示「サスティナブル&ウェルビーイング」でも、現在工場で開発に取り組んでいるリサイクル原料を使った「リクレイタイル」をご紹介予定です。

「リクレイタイル」は、まもなく限界を迎えるタイル産業界の原料リサイクルの課題に対応するために生まれました。行き場を失った余剰釉薬を再びタイル生産に繋げることで、 環境負荷を軽減し、独自の美しさと質感を持つ新しいタイルづくりを実現しました。
 循環型社会の実現に貢献し、持続可能な未来へ向けたタイル産業の新たな可能性を切り開きます。
ぜひ建築・建材展と併せて、JAPAN SHOPの企画展示にも足をお運びください。
日常にアートを取り入れる:ジョルナイ・タイルの美しさ
皆さん、こんにちは。東京ショールーム営業担当のアンナです。前のメールマガジンでジョルナイという私の国の有名な磁器ブランドをご紹介いたしました。今回は同じブランドを作ったタイルを紹介します。この手作りタイルはとても綺麗で、アートに近いものです。

https://millenniumhaza.hu/rolunk/zsolnay
ジョルナイ・タイルの魅力 〜ハンガリーが誇る芸術的建材〜
皆さんは、ハンガリーの「ジョルナイ・タイル」をご存じでしょうか? 私の母国、ハンガリーが世界に誇る美しい建築装飾のひとつです。ブダペストの壮麗な建物を歩いていると、キラキラと輝くカラフルな屋根や壁の装飾が目に入ることがあります。それが、ジョルナイ・タイル。まるで宝石をちりばめたようなその美しさには、思わず足を止めて見入ってしまいます。残念ながら 、綺麗なものを毎日見ると、飽きて、良さにもう気づかないことが多いです。今年は、ジョルナイタイルのように美しい日常の小さな幸せや魅力を、もっと見つけられるようにしていきたいです。
ジョルナイ・タイルとは?
ジョルナイ・タイルは、19世紀にハンガリーのジョルナイ陶磁器工場で開発された特別な陶器タイルのこと。最大の特徴は、「エオシン焼成」という独自の技術によって生まれる金属のような光沢です。光の加減で青や緑、紫といった幻想的な色合いに変化するため、見る角度によって異なる表情を楽しめます。まるでオーロラのような美しさが魅力的で、一度見たら忘れられない独特の風合いを持っています。

https://www.termalfurdo.hu/furdo/gellert-gyogyfurdo-es-uszoda-16
どこで見ることができるの?
ハンガリー国内では、ブダペストの応用美術館、郵便貯金銀行、ゲッレールト温泉などの建築にジョルナイ・タイルが使用されています。特に、マーチャーシュ教会のカラフルな屋根は圧巻! 晴れた日には太陽の光を受けて、まるで宝石のように輝いています。ブダペストを訪れるなら、ぜひこれらの建物をチェックしてみてください。

https://www.termalfurdo.hu/furdo/gellert-gyogyfurdo-es-uszoda-16

https://www.imm.hu/hu/news/view/599,Az+%C3%B6sszet%C3%A9veszthetetlen+Zsolnay

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ジョルナイ・タイルはなぜ特別?
ジョルナイ・タイルは単なる建材ではなく、職人の手によって一枚一枚丁寧に作られています。現代の量産タイルとは違い、芸術性と歴史が詰まった逸品。さらに、耐久性が高く、雨や風にも強いため、100年以上経っても美しさを保ち続けています。今もなお、ヨーロッパ各地の歴史的建築に使用されているのは、その品質の証と言えるでしょう。
皆さん、いかがでしょうか?もし可能でしたら、今度ジョルナイタイルを実際に体験しにハンガリーに行ってみてください。
この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。
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カタログの見方が変わる[タイルの用語]

情報を読み取るには用語の知識が必要
カタログやWEBサイトを見ていると、製品の様々な情報が掲載されています。タイルのサイズはいくつか。ユニットなのかバラなのか。実際の割付や施工の際にこれらの情報は重要となってきます。

ところが、用語の指す正しい意味を理解していないと、思わぬ間違いにつながる恐れもあります。
・実寸法と目地共寸法を間違えて割付けしてしまった
・水回りなのに吸水しやすい製品を選んでしまっていた
などなど、過去にお聞きした中でも実際にこういったトラブルは発生しています。
分かっているようでいて、意外と曖昧に覚えてしまっているかもしれない基礎用語。タイルを選ぶ全ての方に押さえておいてほしい用語をおさらいしたいと思います。
なお、こういった用語は会社ごとに少しずつ表現が異なるものもありますので、この記事では「タイルパーク」のカタログ上の用語を記載すると共に、日本産業規格「JIS A 5209(セラミックタイル)」をもとに、用語や説明を補足として加えています。またセラミックタイル以外はこれらの用語に当てはまらない場合もありますのでご注意ください。
タイルの基本情報を指す用語
平物と役物
タイルには大きく分けて「平物」と「役物」という2種類があります。
平物(ひらもの)とは、壁面や床面を構成するタイルで、ざっくり言えば「面を埋めるため」のタイルです。それに対して役物(やくもの)とは、開口部や出隅・入隅を収めるための補助目的のタイルを差します。

役物は原則平物を補助するためのタイルのため、一般的には役物単体で使用することはほとんどありません。タイルパークの製品だと、「サブウェイ」、「ホワイトシリーズ」に役物が存在します。また「ボーダーC」も出隅や見切り部分を収めるための役物となります。
なお、半マスタイルなど寸法調節の目的でカットしたものは、役物には含まれません。

「半マス」は寸法調節のためにカットしただけなので、「役物」には含まれない
素地(きじ)
「そじ」と読みたくなるところですが、JIS規格上での正しい読み方は「きじ」とされています。素地とは、施釉箇所を除いたタイル本体(ボディ)を指しています。

施釉タイルの場合は壁にタイルを施工した後だと、基本的に表面の施釉部分しか見えなくなるので、素地の存在はあまり意識されません。しかし、例えば出隅の部分で小端(こば=タイルの側面のこと)を露出させたまま仕上げる場合などは、素地と釉薬の色の違いに気を使わなければなりません。
メーカーや販売会社に確認をしたい時は「素地の色」という言い方をするとスムーズに伝わるかと思います。

レンガ等では短手の側面を「小口」と呼ぶ場合もある。
製作寸法
製作寸法とは、タイルの外観の大きさを示す寸法(長さ、幅、厚さなど)のことで、「標準寸法」という言い方をすることもあります。タイルパークの場合は、カタログに掲載している「実寸法」=製作寸法とお考えください。

ちなみに、カタログなどにおける平物の寸法表示では、製作寸法の大きい方を先に表示することが望ましいとされています。(例:「240 x 90 x 10mm」)
タイルはやきもののため、生産する度寸法に若干のムラが発生します。製作寸法とは、工場が生産時に目標とする寸法で、ここからのプラスマイナスの誤差範囲を定めて品質の検査をおこなっています。

モジュールやユニットに関する用語
目地共(めじとも)寸法
タイル及びユニットタイルの製作寸法に、目地寸法を加えたものを差します。基本的には納品形態(バラまたはユニット)の寸法で記載されます。

目地共寸法はタイルの割付をおこなう際に重要となる寸法で、「モジュール寸法」と呼ぶ場合もあります。基本的に割付けでは、この目地共寸法を連続して並べます。
たとえば「幅97mmの平物タイルを、3mmずつ目地をとって3列並べたユニットの目地共寸法」は、(97mm+3mm)×3個=300mmとなります。

なお、バラで納品されるタイルでも、メーカー側から目地幅の指定がある場合は、製作寸法と一緒にモジュール寸法が併記されることがありますが、タイルパークでは基本的にバラタイルの目地幅の指定はしていないため、商品によって「推奨目地幅」として記載をおこなっております。
表(おもて)紙張り
タイルをユニット化するとき、連結方法がいくつか存在します。普段あまり施工前のタイルに触れる機会が無い方だと、裏側ネット張りはイメージできても、「表(おもて)紙張り」はピンとこないかもしれません。表紙張りとは、並べたタイルの表側に紙を張り付けてユニット化する連結方法です。

表紙張りのメリットは、接着剤にタイルを張り付けたあと、紙を剥がしてタイル同士の連結を外すので、接着剤が硬化するまでの時間に微調整をおこなうことができる点です。
また裏ネット張りの場合はネットごとタイルを張り付けるため、残されたネットが劣化したり、ネットの厚み分浮いてしまい接着が甘くなる可能性がゼロではありません。その点、表紙張りはタイルのみを張り付けるため、劣化の心配もなく、接着剤とタイルを直接くっつけることができます。
デメリットとしては、表面の凹凸が激しいタイルや、接着剤が拭き取りにくいタイルには使用できません。
材質に関する用語
吸水率を指す「Ⅰ類」「Ⅱ類」「Ⅲ類」
セラミックタイルは、吸水率によってⅠ類~Ⅲ類に分類されます。

上記はJIS改定時に定められたもので、以前は「磁器質」「せっ器質」「陶器質」と分類をしていました。
また吸水率の検査はJIS改定時に「自然状態での吸水」から「強制吸水(煮沸法や真空法による)」に変更されています。
タイルの素地の吸水率が高いと、隙間などから入り込んだ水分によって膨張したり、凍害といったトラブルを引き起こすことがあります。そのため陶器質にあたるタイルなどは、水回りや屋外での使用を避けることが無難です。
もし水まわりでどうしても使用したい場合は、目地材をしっかり詰めて素地部分が露出しないよう注意しましょう。とくに寒冷地では凍害がおこる危険性が高いため注意が必要です。
成形方法を指す「A」と「B」
セラミックタイルの材質を表記する際、吸水性と一緒に「A」または「B」と書かれていることがあります。これは、タイルの成形方法をあらわしています。
A=押し出し成形
押し出し成形とは、水分を含んだ坏土(タイルの素地となる土)を真空押し出し成形機で板状に押し出したもので、「湿式製法」における成形方法です。タイルパークの商品では「北野」や「嵐山」「ダンボ」などが該当します。
B=プレス成形
プレス成形は、乾燥して顆粒状になった坏土を型に充填し、金型を取り付けた高圧プレス機で押し固めて成形する方法で、「乾式製法」における成形方法です。タイルパークの製造工場であるTNコーポレーションでは、一部のハンドメイド品を除き、この成形方法をとっています。

押し出し成形は、タイルに土の温かみや粘土のテクスチャを表現することができますが、焼成時の収縮が大きいため、寸法の誤差や歪みがプレス成形に比べて大きくなり、厚みも出ます。
プレス成形はより均一に近いタイルを大量に生産するのが得意で、比較的安定した品質を得ることができますが、1枚1枚の個性は押し出し成形ほどにはなりません。
タイルを選ぶ時、製法も気にしてみるとこれらの長短を念頭に置くことができますね。
目地に関する用語
「目地」と「目地材」
タイルの用語の中でも誤解されやすいのが「目地」。よく「タイル同士の隙間に詰めてある目地材」のことを「目地」と呼んでいますが、実際の「目地」が指すのは、タイルとタイルの間に空けられた隙間そのものです。

タイルパークでも「目地無しで施工できますか?」という質問をよく受けますが、これが「目地幅を取らずに仕上げて良いか(=突き付け施工OKか)」という意味で質問しているか「目地材を詰めず隙間を空けたまま仕上げて良いか」でかなり意味が変わってきます。
お施主様の要望をうまく汲み取れなくなる恐れもあるため、ここの使い分けにはご注意ください。
接着剤に関する用語
接着剤の2大カテゴリー
最後は「接着剤」に関する用語です。タイル施工用の接着剤には、代表的なものとして「アクリルエマルジョン系接着剤」と「変性シリコン樹脂系接着剤」があります。この二つの違いは、ざっくり言えば硬化の仕方の違いです。
アクリルエマルジョン系接着剤
アクリルエマルジョンは水性の接着剤のため、塗布後は接着剤が乾燥することで硬化します。引火や毒性の危険がなく、また価格も安いためタイル施工では非常によく使われます。
一方で水性であるために、水が多量にかかるとやわらかくなって接着力・耐久性が下がるので、浴室など水かかりの多い場所には適しません。
変性シリコン樹脂系接着剤
変性シリコン樹脂が主成分の接着剤は、湿気に触れることで起こる化学反応によって硬化する接着剤です。硬化後も壁の動きに追従する弾力性を持ち、アクリルエマルジョンに比べて歩行や地震によるタイルの剥離をおさえます。また湿気で硬化することから、水回りでの使用も可能です。
基本的に変性シリコン樹脂系ならほとんどの場所に使用が可能ですが、価格が高くコストがかかるため、使用場所によってどちらを使用するかご検討ください。
今回は「押さえておきたいタイル用語」をご紹介しました。またの機会には、さらに細かな用語についてもお伝えできればと思っています。
この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。
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ダンボ
押し出し成形で作られた湿式タイル。土の中に混ざる石粒などが作った自然な表情が特徴です。
 →「ダンボ」を見る
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タイルづくりの現場から 窯の大掃除
わたしたちがつくるタイル、そのつくっている現場の日常を、写真、動画を交えながらご紹介しています。
タイル工場になくてはならない、窯。常に火は絶やさないよう保たれ、毎日たくさんのタイルを焼き続けています。
年に一度、年末年始だけは窯も火を落とし、点検のためお休みします。工場にあるのは70m程もある長い「トンネル窯」、そのメンテナンスの様子をのぞいてきました。

いつもは1250℃!トンネル窯の中へ
工場が休みに入る12月末、窯の火を消します。
長いトンネルの真ん中あたり、一番高温になる「焼成帯」と呼ばれる場所は1200℃以上にもなるので、火を消したからといって、すぐには中へ入れません。


いつもは1200℃以上 
だいぶ冷めて50℃前後に 
年が明けて新年初出勤日。窯の中の温度も50℃前後まで下がりました。
工場スタッフ総出で、窯の大掃除が始まります。

長い休み明けの何も動いていない工場は、シーンとして空気も冷たく底冷えします。でも、窯の中に入っていくとポカポカとあたたかい。
制御盤の温度計では52.5℃となっていましたが、窯の中に入っていってもそんなに暑くは感じませんでした。
普段の窯の中は、タイルをたくさん積んだ台車が行列。約70mのトンネル内に27台ほどの台車が並んでおり、だいたい1時間おきに、焼き上がったタイルが順番に押し出されるようにして出てきます。
いつもは自動で入っていって順番に出てきますが、掃除の前に窯の中に残された台車は人力で押し出します…。

トンネル窯の入口 
トンネル窯の出口 

通常はタイルをのせた台車が、窯の中にぎっしりと並んでいますが、火を消すときには、タイル無しの、タイルをのせるお皿(サヤ)だけを積んだ状態の台車です。見た目は重そうですが、タイルがのっていない分いつもよりは軽いです…。


年に一度なので隅々まで掃除 
暗いトンネルを照らしながら 
空っぽの、真っ暗な窯の中へ
一年ありがとう。また次の一年へ向け
年に一度のことなので、掃除も大変です。
大掃除を終えたら、次は窯の点検をしていきます。タイル工場の心臓部!今年もまた一年、がんばって働いてもらわないといけません。
おもにチェックするのは、一番温度が高くなる焼成帯のレンガの状態と火の噴き出し口の辺り。 

窯の出口から中央へ向かう 
トンネル窯の中央部分 

いつもはこのピンク色した土管から、バーナーの火が噴き出ています。
左右の壁に9か所ずつ、必ず対で、しかし位置は少しずらして設置されているそう。
破損しているものがないかチェックします。

点火口(通常稼働時) 
窓から見える炎 
火の噴き出し口、窯の外側はこんな感じ。通常稼働時は、窓から赤い炎が見えます。
レンガで組まれた窯の内部、1200℃以上になる焼成帯付近の天井はアーチ型になっています。アーチ状にすることで、天井の重みを左右の壁で支えるカタチです。

また、火の回りが良く熱が全体に均一に伝わるような構造になっています。
ピザ窯がドーム型なのも、同じ理由のようで。窯焼きのピザは、早く焼けて美味しい!
このトンネル窯、30年近くがんばっているそうですが、ちょっと気になる箇所もチラホラ…。

天井部分、アーチ型が少し下がってきているところや、一部レンガがガタガタしている部分が見られました。
窯の火を落とすと、熱せられ膨張していたレンガが、温度が下がるにつれ収縮、元の大きさに戻っていきます。
いくら熱に強い耐火性のレンガでも、膨張・収縮を繰り返すと、やはり劣化してきます。
何年か前に一度、一部崩れてしまったことがあるそうですが、ちょっと崩れてしまうと、ここからここまで全部、ある程度の範囲、レンガを組み直さなくてはならない場合もあるとのこと。そうなると、結構大掛かりな修繕が必要になってきてしまいます。
今は冷えて隙間が見られた箇所も、また火を入れれば膨張してある程度戻り、アーチ状の窯が保たれると判断。
社長チェックの後は、専門の業者さんにお願いして再びチェック。気になる箇所を少し補修していただきました。
年に一度の窯の大掃除と点検が終わり、再び窯を始動させます。
その前に、まずはお酒でお清めです。

窯をお酒で清める 
一年の無事を祈願 
窯の再始動へ…。いざ、火入れ! 
トンネル窯の周りをぐるっと一周して清め、一年の無事を祈願します —
また次回、窯の火入れの様子をお伝えします。
▼ 「タイルづくりの現場から」
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成形、施釉、焼成… それ以外も?!
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この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。
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ぺルラ-リーフ
窯の火で焼き上げるタイルの特徴が、 色濃く現れたものといえば、このぺルラシリーズの4番と5番のカラーを思い浮かべます。
窯の中で炎によって起こる色合いの変化「窯変」。それは「炎」の力による予期できない変化。一枚一枚が違う表情で、魅力たっぷり!
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天候不良による配送への影響について
 いつもタイルパークをご利用いただき誠にありがとうございます。
天候などによる交通事情により、日本海側を中心に荷物の配送遅延や見合わせが発生している地域がございます。
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ジョルナイ という磁器ブランドの紹介
あけましておめでとうございます!東京ショールームの山中でございます。12月5日の記事でホロハーザという有名なハンガリーの磁器ブランドを紹介しました。今回もハンガリーの高級磁器ブランドを紹介するシリーズとして、Zsolnay(ジョルナイ)というブランドを紹介します。
ジョルナイの歴史
ジョルナイは、ハンガリーを代表する高級磁器ブランドで、その高い技術は世界中で高い評価を受けています。創業は1853年、創立者のヴィレム・ジョルナイによって、ハンガリー南部の都市ペーチに設立されました。当初は陶器工場としてスタートしましたが、19世紀後半に磁器製造へと転換し、独自の技術と美しいデザインでその名を広めました。


ジョルナイの最大の特徴は、革新的な技術「エオシン(Eosin)」の開発です。この技法は、独特のメタリックな光沢を持つ釉薬を使用しており、深みのある緑、赤、金、青といった神秘的な色合いを作品に与えます。エオシン釉を用いた製品は、ジョルナイの代名詞ともいえる存在で、アール・ヌーヴォーの影響を受けた芸術的なデザインと相まって、世界中のコレクターに愛されています。
建築装飾を彩る芸術的タイルの魅力
また、ジョルナイは建築装飾にも進出し、装飾タイルや陶板を多く手がけています。ブダペストにある聖イシュトヴァーン大聖堂や国会議事堂の屋根や壁には、ジョルナイのタイルが使用され、その美しさと耐久性が建築物に独特の魅力を与えています。このように、ジョルナイの製品は、磁器だけでなく建築の分野でも重要な役割を果たしています。


(https://welovebudapest.com/en/venue/matthias-church/)
ジョルナイは、その伝統を守りながらも、現代のトレンドに応じたデザインや技術革新を続けています。食器、装飾品、花瓶、人物像など、多彩な製品ラインナップを展開しており、それぞれ単なる陶磁器としてではなく、芸術品としての価値を持っています。
現在もジョルナイはペーチで職人技を活かし、製品を生み出し続けています。ジョルナイは、ハンガリーの歴史や文化を象徴するブランドとして、これからも多くの人々を魅了していくでしょう。
ジョルナイ工場制手工業の説明はいかがでしたか?2月の記事ではジョルナイのタイルについても紹介しますので、その記事もぜひ読んでみてください。
この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。
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