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ハンガリーの焼き物祭り:芸術の谷

ハンガリー人は焼き物が好きです。これをよく表しているのが、1989年から毎年8月くらいに西ハンガリーにあるカポーチ(Kapolcs)という街で行われている焼き物祭りです。この10日間にわたる祭り祭りは全国から職人さんが集まり、観光客と話したり、workshopをしたり、手工芸について教えたりします。雰囲気のよい場所です。職人さんとの交流はステージや決まった展示場ではなく、街の色々な建物や道で起きます。街の全建物や庭、道なども祭りの会場に使われているということです。

出展されるもの

食器

陶器ということで食器を作る職人さんが多いです。伝統的な形や色から、画像のような変わった形まで、様々な作品を楽しむことができます。

陶器のお花

10年前からお花を作る職人さんも増えてきました。ハンガリーだけではなく、全ヨーロッパ中で人気になったお花の特徴は、その色使いとタフさです。ハンガリー人の家庭の庭はアクセントとして陶器の花、小人、動物が置かれます。そのためタフで長持ちし、目立つ色じゃないと選ばれにくいのです。

陶器だけではなく、他の素材で作られた、例えばガラスアイテムも見ることができます。

また、冬にもクリスマスマーケットで様々な陶器のアイテムを見ることをできます。首都のブダペストのような大きな街のクリスマスマーケットは日本の冬のマーケットと同じように飲み物、食べ物、小さなお土産やプレゼントなどを販売します。

クリスマスということで陶器の中で、マグカップ、クリスマスツリーのデコレーション、白くま、トナカイの陶器の置物などがよく見られます。

ハンガリーでは冬によく雪が降る可能性があるので、冬は陶器の商品を主に部屋で楽しむのが普通です。

私の今までの経験からすると、ヨーロッパで焼き物の色使いは日本よりに賑やかで目立つ色が多いです。一方で日本では優しい目立たない色使いが多いです。このような違いはタイルのトレンドでもよくあると思います。次ブログでこれを詳しく解説したいと思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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ハンガリー人のタイルのある暮らし 2

前回の「ハンガリー人のタイルのある暮らし」では、ハンガリーの住宅でよく見られる内装タイルのトレンドを紹介しました。今回は外装タイルのお話をします。タイルの話の前に家の外側を想像していただくため、まずハンガリーの街をご紹介します。

ハンガリーの街

ハンガリーの街と日本の街の比較は難しいです。ハンガリーは北海道を一回り大きくしたぐらいの面積(日本の25%)で人口密度は少ないため、家は日本と比べ大きいです。そのため家に大きな庭がある家庭は日本より多いです。

また建物の見た目もハンガリーでは違います。まず、高い建物はあまりないです。そしてハンガリーは地震が無いので古い建物が多いです。最近の建物はコンクリートや木で建てられるが、古い建物は石で作られ壁が厚いです。ですから、日本のように外壁全体にタイルを張る家は少ないです。屋根にはほとんどの場合、粘土タイルが使用されており、50 年くらい長持ちします。

外装壁とタイル

ハンガリーの住宅の外装壁はプラスターが多いです。アクセントとして壁の半分やガレージ、柱などにタイル貼ることもあります。

外装の壁に長方形のタイルが貼ってあります。タイルの色はグレーです。
外装の壁に長方形のタイルが貼ってあります。タイルの色は黒に近いです。アクセントとして壁の半分だけに貼ってあります。

タイルのパネル以外に窓の周りにも丸や四角くてかわいいデコレーションをタイルで作ることが伝統的です。おしゃれなタイルに番地を書くこともあります。

白い長方形のタイルに書いてあるのは住所で、大きさが30cmx60cmくらいです。角に小さな花デコレーションがあります。
白い窓の周りにも緑の丸と四角い陶器のアクセントがあります。
外の蛇口の周りに様々な模様のあるグレータイルが貼ってあります。

外装床タイル

ハンガリーでは庭でよくテラスがあります。テラスの床にはタイルを貼るのが一般的です。最近の流行は家の中でも外でも使える大きさで、厚さがない床タイルです。2024年には木目調の磁器タイルは、木の温もりと磁器の耐久性を兼ね備えるため、屋外スペースで人気があります。このトレンドはさらに進化し、さまざまな木目の、よりリアルな木の質感、複雑なパターン、より幅広い色が登場しています。

家の前のテラス。壁はライトグレーで、床タイルは茶色です。テラスに小さなテーブル、椅子と植物があります。
家の前のテラス。壁はライトグレーで、床タイルは茶色です。テラスに小さなテーブル、椅子と植物があります。白いドアも見られています。

いかがだったでしょうか?機会があれば、私のブログで読まれたことを実際にご覧になってはいかがでしょうか?ぜひハンガリーに旅行してみてください。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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ハンガリー人のタイルのある暮らし

3月からTNコーポレーション東京オフィスに勤務する新入社員のYamanaka-Varga Annaと申します。

ハンガリーから来た私は日本で様々な文化的な違いを経験したことがあります。タイルの使い方にまでたくさんの違いがあると思いませんでした。今回はヨーロッパ(特にハンガリー)の一般住宅でタイルがある空間を紹介します。

浴室タイル

来日するまで「タイルといえば浴室」というイメージがありました。浴室の壁や床にもタイルを貼ることが多いです。理由としてまず、衛生面(清掃しやすい、菌が繁殖しにくい、カビ予防)、そして、実用的に優れている(耐水、耐摩耗性)ため、タイルが相応しいとされています。

洗面所の写真、壁にはマーブル模様の粟生タイルが貼られています。
画像の水回りは25年前に作られた部屋なので、昔のタイルのスタイルです。最近の流行はミニマムなスタイルなので、白っぽい空間がトレンドです。浴室と別のトイレでもタイルが用いられています。
浴室の写真。壁にはワインレッドの正方形のタイルが敷き詰められています。

日本と比べてこちらでは浴室の床にもタイルを貼ることが一般的です。ハンガリー、ドイツなど、北海道のような寒い国々に床暖房がよくあるからです。浴室で床タイルを使うといくつかの気をつけなければいけないことがあります。滑りやすくなったり、暖かいお風呂から出て、冷たい床に立つとヒートショックの可能性もあります。日本でもヒートショックがないように気をつけると思いますが、ハンガリーでもお風呂上がりにタイルに素足で立つことはしません。お風呂にマットを敷いて、その上で着替えます。

先程の洗面所の床の写真。同じく青ウイマーブル柄のタイルが貼られている。

キッチンタイル

L字型のキッチンには白いタイルが貼られています。

浴室以外にタイルが使われる場所はキッチンです。日本と同じように汚れやすい場所に貼ることが多いです。たまにキッチンにもフロアタイルを貼ります。

一般的なハンガリーの住宅では浴室とキッチンでタイルがよく使われます。もちろん、それ以外にも色々な場所でタイルが使われます。

たとえば、私の実家では食糧庫やガレージの床、キッチンカウンターの横でタイルが貼ってあります。

キッチンテーブルには大きめの石の表面を思わせつタイルが貼られています。

内装だけではなく、外装タイルの使い方から見ても、日本とハンガリーの違いがありますが、これに関しては次のブログで詳しい説明をしたいと思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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