山中ヴェルガアンナ のすべての投稿

和柄から思い出した故郷、ハンガリーの伝統柄の陶器

TNコーポレーション、東京ショールームのハンガリー出身のスタッフのアンナです。ショールームに置いてあるタイルを見ると日本の伝統や日本人の考え方をどんどんもっと分かってくる気がします。

画像には青い丸い形のタイルが写っています。中央の2枚のタイルは異なる色で、一枚は白、もう一枚はオレンジ色です。どちらにも伝統的な日本の模様が施されています。

ある日、タイルの和風の模様を見て、自分の国の伝統的な模様についてもっと知りたいと思いました。今回はこの調べの結果を紹介したいと思います。

トランシルバニアの文化

トランシルバニアは、かつてハンガリー王国の一部として栄えた歴史を持ち、現在もハンガリーの伝統が色濃く息づく地域です。その歴史は中世にまでさかのぼり、長い年月を経て今日の文化として形作られてきました。中でも、Korond村は、「すべての男が陶芸家」というユニークな伝統を持つ村。ここでは、何世代にもわたって陶芸の技術が受け継がれ、日常の器から祭事用の装飾品まで、すべてが手作りで生み出されています。この村の陶器は、ただの器ではなく、家族やコミュニティのつながりを象徴するものでもあるのです。

テーブルの上に、白地に茶色の模様が描かれた小さな壺が置かれています。壺には蓋もついており、その模様は伝統的なトランシルバニアの花模様です。

Korondの陶器とタイル—手作業のぬくもり

Korondの陶器には、「コロンド模様」と呼ばれる独特の装飾が施されています。幾何学模様や植物、鳥などの自然のモチーフが描かれ、そのデザインには家族の絆、豊かな実り、守護、再生といった意味が込められていると伝えられています。

画像には、伝統的な焼き物の皿が映っています。皿は白色で、中央には2つの青い花と葉が描かれています。皿の縁は茶色の伝統的な模様で装飾されています。

このような伝統的なデザインを見ると、私はタイルと重ねて考えてしまいます。タイルもまた、建築の中で単なる装飾ではなく、その土地や文化のストーリーを語るもの。Korondの陶芸家たちが、一つひとつ手作業で模様を施すように、タイルのデザインもまた、時間をかけて丁寧に作り上げられる芸術なのです。

画像には、茶色のホーロー製の水差しが映っています。水差しの胴部分には、白、黄色、緑、黒の色を使った伝統的な花模様が横向きに描かれています。

伝統と革新の融合—Korondの挑戦

近年、Korondの職人たちは、昔ながらの技術を大切に守りながらも、新しいアイデアを取り入れた作品作りに挑戦しています。例えば、伝統的なコロンド模様を現代のインテリアに合わせたデザインにアレンジするなど、新旧の融合が進んでいます。これは、タイル業界でも同じ。歴史あるデザインを生かしながら、モダンな空間に馴染むタイルが求められる時代です。

画像には青い丸い形のタイルが写っています。中央の2枚のタイルは異なる色で、一枚は白、もう一枚はオレンジ色です。どちらにも伝統的な日本の模様が施されています。

私は、Korondの陶器を見ながら、「伝統を継承しつつ、新しい時代に合ったタイルを生み出すこと」について考えます。古くから受け継がれてきた技術やデザインを未来へとつなげること。それは、タイルメーカーとしても大切にしたい価値観です。

和風のタイルや特徴的なタイルを見たい方が、ぜひ東京ショールームへお越しください。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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カスミ(霞)

手作業による着色を施した3形状のタイルを組み合わせることで、波のように様々に表情を変える不思議な雰囲気漂う空間を作ります。
モザイクタイルのように表側に紙を貼ってユニット化されているため、施工がしやすく美しい仕上がりになります。

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日常にアートを取り入れる:ジョルナイ・タイルの美しさ

皆さん、こんにちは。東京ショールーム営業担当のアンナです。前のメールマガジンでジョルナイという私の国の有名な磁器ブランドをご紹介いたしました。今回は同じブランドを作ったタイルを紹介します。この手作りタイルはとても綺麗で、アートに近いものです。

写真には、ブダペストのミレニアムハウスの外壁が写っています。壁はオレンジ色で、大きな窓が特徴的です。窓の周囲は緑がかったタイル装飾で飾られています。屋根の下にも花柄の緑色の装飾が見られます。
ミレニアムの家、ブダペスト
https://millenniumhaza.hu/rolunk/zsolnay

ジョルナイ・タイルの魅力 〜ハンガリーが誇る芸術的建材〜

皆さんは、ハンガリーの「ジョルナイ・タイル」をご存じでしょうか? 私の母国、ハンガリーが世界に誇る美しい建築装飾のひとつです。ブダペストの壮麗な建物を歩いていると、キラキラと輝くカラフルな屋根や壁の装飾が目に入ることがあります。それが、ジョルナイ・タイル。まるで宝石をちりばめたようなその美しさには、思わず足を止めて見入ってしまいます。残念ながら 、綺麗なものを毎日見ると、飽きて、良さにもう気づかないことが多いです。今年は、ジョルナイタイルのように美しい日常の小さな幸せや魅力を、もっと見つけられるようにしていきたいです。

ジョルナイ・タイルとは?

ジョルナイ・タイルは、19世紀にハンガリーのジョルナイ陶磁器工場で開発された特別な陶器タイルのこと。最大の特徴は、「エオシン焼成」という独自の技術によって生まれる金属のような光沢です。光の加減で青や緑、紫といった幻想的な色合いに変化するため、見る角度によって異なる表情を楽しめます。まるでオーロラのような美しさが魅力的で、一度見たら忘れられない独特の風合いを持っています。

写真には、ブダペストのゲッレールト温泉の内部が写っています。写真の両端にはプールがあり、その間にはタイルで装飾された通路が伸びています。壁や天井は、美しい緑色のジョルナイタイルで飾られています。
ゲレールト温泉、ブダペスト
https://www.termalfurdo.hu/furdo/gellert-gyogyfurdo-es-uszoda-16

どこで見ることができるの?

ハンガリー国内では、ブダペストの応用美術館、郵便貯金銀行、ゲッレールト温泉などの建築にジョルナイ・タイルが使用されています。特に、マーチャーシュ教会のカラフルな屋根は圧巻! 晴れた日には太陽の光を受けて、まるで宝石のように輝いています。ブダペストを訪れるなら、ぜひこれらの建物をチェックしてみてください。

写真には、ブダペストのゲッレールト温泉の一部が映っています。写真の左端には、タイルで作られた豪華に装飾されたベンチがあります。このベンチの色と模様は、壁の色と模様と一致しています。壁も青みがかったタイルで覆われています。プールの入り口の正面には、小さな天使の彫刻がある噴水が空間を飾っています。
ゲッレールト温泉、ブダペスト
https://www.termalfurdo.hu/furdo/gellert-gyogyfurdo-es-uszoda-16
応用美術館の内部の壁の一部が映っています。壁にあるタイルは、燃えるような赤色で、金属的な輝きを放っています。長方形のタイルの両端には、ロイヤルブルーの装飾が施されており、その美しさをさらに引き立てています。
応用美術館、ブダペスト
https://www.imm.hu/hu/news/view/599,Az+%C3%B6sszet%C3%A9veszthetetlen+Zsolnay
写真には、ブダペストのミレニアムハウスの外壁が写っています。壁はオレンジ色で、大きな窓が特徴的です。窓の周囲は緑がかったタイル装飾で飾られています。屋根の下にも花柄の緑色の装飾が見られます。
ミレニアムの家、ブダペスト
https://millenniumhaza.hu/rolunk/zsolnay

ジョルナイ・タイルはなぜ特別?

ジョルナイ・タイルは単なる建材ではなく、職人の手によって一枚一枚丁寧に作られています。現代の量産タイルとは違い、芸術性と歴史が詰まった逸品。さらに、耐久性が高く、雨や風にも強いため、100年以上経っても美しさを保ち続けています。今もなお、ヨーロッパ各地の歴史的建築に使用されているのは、その品質の証と言えるでしょう。

皆さん、いかがでしょうか?もし可能でしたら、今度ジョルナイタイルを実際に体験しにハンガリーに行ってみてください。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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ユウサイ[遊彩]

ラフな面状で空間を包むタイル。単品はもちろん、同じ色の波模様と組み合わせてご使用いただくのもおすすめです。

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ジョルナイ という磁器ブランドの紹介

あけましておめでとうございます!東京ショールームの山中でございます。12月5日の記事でホロハーザという有名なハンガリーの磁器ブランドを紹介しました。今回もハンガリーの高級磁器ブランドを紹介するシリーズとして、Zsolnay(ジョルナイ)というブランドを紹介します。

ジョルナイの歴史

ジョルナイは、ハンガリーを代表する高級磁器ブランドで、その高い技術は世界中で高い評価を受けています。創業は1853年、創立者のヴィレム・ジョルナイによって、ハンガリー南部の都市ペーチに設立されました。当初は陶器工場としてスタートしましたが、19世紀後半に磁器製造へと転換し、独自の技術と美しいデザインでその名を広めました。

2つの白地にカラフルな花柄が描かれた磁器のティーポットが棚の上に並んでいます。そのティーポットはお互いを向き合うように置かれています。
伝統的技法で作られた磁器製の白い壺。ピンクと緑をメインとしたあしらいが施されている。

ジョルナイの最大の特徴は、革新的な技術「エオシン(Eosin)」の開発です。この技法は、独特のメタリックな光沢を持つ釉薬を使用しており、深みのある緑、赤、金、青といった神秘的な色合いを作品に与えます。エオシン釉を用いた製品は、ジョルナイの代名詞ともいえる存在で、アール・ヌーヴォーの影響を受けた芸術的なデザインと相まって、世界中のコレクターに愛されています。

建築装飾を彩る芸術的タイルの魅力

また、ジョルナイは建築装飾にも進出し、装飾タイルや陶板を多く手がけています。ブダペストにある聖イシュトヴァーン大聖堂や国会議事堂の屋根や壁には、ジョルナイのタイルが使用され、その美しさと耐久性が建築物に独特の魅力を与えています。このように、ジョルナイの製品は、磁器だけでなく建築の分野でも重要な役割を果たしています。

ハンガリーのページと言う街の庁舎の紋章。2人の天使がエンブレムを抱えている。陶器できていて、ジョルナイのものが使われている。
ペーチ郵便局 (Pécsi Postapalota)(https://hu.m.wikipedia.org/wiki/F%C3%A1jl:P%C3%A9cs_Postapalota_C%C3%ADmer.jpg)
ブダペストの聖マティアス教会。2本の長い塔があり、前方の屋根にはジョルナイのタイルが使用されている。
マーチャーシュ教会(Mátyás-templom)
(https://welovebudapest.com/en/venue/matthias-church/)

ジョルナイは、その伝統を守りながらも、現代のトレンドに応じたデザインや技術革新を続けています。食器、装飾品、花瓶、人物像など、多彩な製品ラインナップを展開しており、それぞれ単なる陶磁器としてではなく、芸術品としての価値を持っています。

現在もジョルナイはペーチで職人技を活かし、製品を生み出し続けています。ジョルナイは、ハンガリーの歴史や文化を象徴するブランドとして、これからも多くの人々を魅了していくでしょう。

ジョルナイ工場制手工業の説明はいかがでしたか?2月の記事ではジョルナイのタイルについても紹介しますので、その記事もぜひ読んでみてください。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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ユニークなランタン型タイル。2色ミックスで単調さを排し、動きのある壁面を演出します。

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ハンガリーの250年の歴史のある高級な磁器ブランド

皆さま、お久しぶりです。東京ショールーム担当の山中です。今回の記事でも私の国、ハンガリーの伝統的な3大高級陶器のブランドの一つを紹介したいです:Holloházi(ホロハージ)磁器ブランドの歴史やホロハージ食器についての考え方をお伝えします。

ホロハージの歴史

ホロハージは、250年近い歴史を誇るハンガリーの名門磁器ブランドです。美しい自然に囲まれた北ハンガリーにあるホロハーザ村から生まれるその製品は、世界中の人々を魅了しています。今は磁器ブランドとして知られていますが、当初はガラス工場としてスタートしましたが、19世紀初頭には磁器製造を開始。その後、ハプスブルク家の宮廷でも愛された歴史を持ちます。

ホロハージ食器

居間で白いテーブルがあります。テーブルの右側に花瓶に白お花、前のセラミックティーセットが置いてあります。三つのカップと受け皿、隣に小皿があります。食器は白くて、端にゴルドのラインがあります。カップや皿にピンクバラの模様があります。

ホロハージの製品は、ハンガリーの民族文化を反映したデザインが特徴です。伝統的な花柄や自然のモチーフに加え、現代的なアプローチで若い世代にも支持されています。たとえば、ハンガリーのフォークアートを磁器に再現した作品は、地域文化への深い愛情を感じさせます。

居間の白いテーブルにティーカップが置いてあります。カップの上の端にゴルドのラインがあります。カップにバラの模様があります。バラはピンクで、周りにグリーン葉っぱと小さな青とオレンジお花があります。
上から撮ったカップと受け皿の
写真です。白いベースに四つの花柄があります。右と左にある花は青い、上と下にあるお花はピンクと青です。

ホロハージの磁器を手にすると、その温かみのある質感と職人技の緻密さに心を奪われます。この食器は高級で高価なものなので、特別イベントではないと使いません。

私の実家ではクリスマス、誕生日などの全家族が集まる時に使います。

居間のテーブルにセラミックの蝋燭立て,花瓶、宝石箱があります。同じセットのもの。白いベースにピンクと青花柄があります。

私の家族では、ホロハージの食器のセットを母が結婚の時に祖母からもらって、後でこれを私が継ぐことになります。そして、私の子供代も続きます。

カップ、バター入れ、様々なサイズのお皿だけではなく、ホロハージの花瓶や人形もあります。

写真に小判型の灰皿があります。黒白模様でばらを持っている笑顔している女性の絵が描いてあります。

特に祖母世代の家では今でもホロハージ製の陶器の人形がキッチンや居間に置いてあることが多いです。

一方では、若い世代の人はこのような高級さに興味を持っていないようです。個人的には、技術を持って、手で作られている文化の一部を忘れない方がいいと思います。

次の記事では、ホロハージと同じくらい有名なハンガリーの高級陶器ブランドをご紹介しようと思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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陶芸作家・齋藤まゆ氏とのコラボレーション商品で使用している白マットベースのタイルをユニット化しています。絵柄のタイルとの組み合わせにぜひご使用ください。

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美味しいご飯をいっぱい食べて、美濃焼をゲットしよう!

こんにちは、タイルパークスタッフの山中ヴァルガと申します。私の今までの記事ではいつもハンガリーについて書いてきましたが、今回はたまたま手に入れた焼き物をご紹介したいと思います。

それはファミリーレストラン「ジョナサン」でいただいた美濃焼の小皿です

グレーと黄色コスモスの花の模様がある小皿

「ジョナサン」の秋のプレゼントキャンペーン

「ジョナサン」の秋のプレゼントキャンペーンについてご紹介します。株式会社オンワードコーポレートデザインと株式会社すかいらーくレストランコラボレーションし、10月3日にスタートした「美濃焼小皿&泉州タオルハンカチプレゼント」というキャンペーンです。

キャンペーンの第1弾では、ジョナサンで店内飲食税込2,500円以上のお客様に、サイズ約12cmの美濃焼小皿をプレゼントしています。お皿は青と黄色の2色があり、どちらか1枚がもらえます。私はグレー黄色のお皿をいただきました。

左にはグレーと黄色コスモスの花の模様がある小皿があります。隣に小皿の白黄色紙ボクスがあります。

11月7日からプレゼントされる第2弾では、泉州タオルハンカチが貰えます。デザインや色は小皿と同じです。

小皿のデザインについて

ご存じの方も多いと思いますが、美濃焼は岐阜県の東濃地方で作られている伝統工芸品です。このお皿の模様はコスモスの花をイメージしたオリジナルの北欧デザインだそうで、本当に可愛く、使いやすいお小皿です。

黄色コスモス花の模様がある小皿に塩あじのおかしいが置いてあります。
ちょっとしたお菓子に使うのがちょうどいいです。
グレーと黄色コスモスの模様のある小皿は窓の前のテーブルに置いてあります。お皿にパンがあります。

弊社のタイルも美濃焼?

美濃焼は、岐阜県の東濃地方で制作された陶器の総称で、600年以上の歴史があります。 時代に合わせて新しい技法や釉薬を採用し続けてきた美濃焼は、日常使いの食器から芸術作品まで多彩なバリエーションがあります。 実は、タイルパークも美濃エリア(岐阜県可児市)に本社があり、ここで伝統的な焼き物を基にした、国内外で競争力のあるタイルの一部が作られています。美濃焼は、その独自の模様や色合いが評価され、国内外の多くのファンに愛されています。 自社商品の中には、ハンドメイドのシリーズ(例えば絵本や陰翳)や、ヘリテイジというセミオーダーシリーズがあります。

チェックのテーブルクロースにタイルに似ているグリーンお皿があります。お皿にチーズケーキとアイスのようなクリームがあります。

お皿やタイルなど、毎日の生活で使う便利なものとして何気なく使ってしまいますが、それらを作られる背景に思いを寄せて見ると、物の良さがもっと伝わると思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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絵本

美濃地方の白い土を成形した画用紙のような白い素地に、時折滲む絵の具を使って水や雨を連想させるデザインを施し、絵本のようなやさしい世界を持たせました。住宅や店舗の壁に取り入れてほしいアートタイル。

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ハンガリーの浴室タイルトレンド(2024)

東京ショールーム担当の山中です。今回は私の母国ハンガリーの浴室のタイルのトレンドについてご紹介したいと思います。

ミニマルタイル

ハンガリーではバスルームのデザイントレンドがよく変わります。

基本的にハンガリーの浴室タイルは模様なし水色や青いタイルでした。しかし、近年シンプルでミニマルなバスルームのデザインへの関心が高まっています。なぜかというと、ミニマルなデザインはリラックスできる雰囲気を演出できるからです。この理由で2024年には落ち着いた色合いのセラミックタイルが人気です。

デザインだけでなく、白い浴室のタイルは、さまざまなレイアウトの背景としても実用的で、今後トレンドが変わった時でも簡単にバスルームのデザインを変更できます。

洗面台と便器が写っている。白いタイルで壁一面が構成されている。

また、正方形、四角形 、六角形のタイルはインテリアにモダンでダイナミックな個性を与えてくれますので、浴室や他の場所にもよく使われています。

浴室タイルの模様

先に述べた、パターンタイルだけではなく木製タイルなど大型セラミックタイルも人気です。

花模様や80年代の雰囲気を醸し出すタイルもおしゃれです。 バスルームやキッチンは、家庭内で頻繁に訪れる部屋です。ホテル、レストラン、サロンでも、魅力的な花柄がお客様に新鮮な魅力とトレンディな印象を与えることができるので、タイルメーカーも今年注目しているトレンドです。

小さな便座と洗面台が写っている、壁は白いタイル。足場にはヨーロッパ風の模様が施された四角いタイルが敷き詰められている。
10枚のタイルの表面がアップで写されている。カラフルな幾何学模様がプリントされている。
写真:Terrakotta Csempecentrum Webサイト(https://lakberinfo.hu/cegkatalogus/ceg/terrakotta-csempecentrum/

ヨーロッパの浴室タイルのトレンド

模造天然石タイルと小型の床タイルはハンガリーだけではなく、全ヨーロッパで流行っています。ハンガリーと違って、他のヨーロッパ(例えばドイツ)には白やベージュのタイルだけではなく、ディープブルー、グリーン、さらにはテラコッタなどの大胆で鮮やかな色のタイルも人気があります。

浴室の壁に水色ヘキサゴンタイルが貼ってあります。床の一部にも同じタイルが貼ってあります。湯船の後ろの壁に白い正方形タイルが貼ってあります。
写真: Dune Ceramics Webサイト
https://duneceramics.com/en/blog/bathrooms-with-blue-tiles?fbclid=IwY2xjawFi1PdleHRuA2FlbQIxMAABHRZvDexaLg_khspOWcWod40c3PS1GgzmcBjO6W-Ojm581JUnWQOJAbKc7A_aem_Gk83r0YGL7dGBCmdxbSgpg

理由としてはバスルームの良いアクセントになり、フレッシュな空間を作ることが可能だからです。他の特徴としては、大型セラミックタイルや変わった形のあるタイルに関してはハンガリーと共通です。

2024年はもうすぐ終わりますが、来年の流行のタイルはどんなタイルになるのでしょうか?


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
ハンガリー出身、2022年に仏教の研究で修士号を取得。2022年秋に来日。日本の文化や日本での生活を学びながら陶器とタイルの良さを味わい中。


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ハンガリーの焼き物祭り:芸術の谷

ハンガリー人は焼き物が好きです。これをよく表しているのが、1989年から毎年8月くらいに西ハンガリーにあるカポーチ(Kapolcs)という街で行われている焼き物祭りです。この10日間にわたる祭り祭りは全国から職人さんが集まり、観光客と話したり、workshopをしたり、手工芸について教えたりします。雰囲気のよい場所です。職人さんとの交流はステージや決まった展示場ではなく、街の色々な建物や道で起きます。街の全建物や庭、道なども祭りの会場に使われているということです。

出展されるもの

食器

陶器ということで食器を作る職人さんが多いです。伝統的な形や色から、画像のような変わった形まで、様々な作品を楽しむことができます。

陶器のお花

10年前からお花を作る職人さんも増えてきました。ハンガリーだけではなく、全ヨーロッパ中で人気になったお花の特徴は、その色使いとタフさです。ハンガリー人の家庭の庭はアクセントとして陶器の花、小人、動物が置かれます。そのためタフで長持ちし、目立つ色じゃないと選ばれにくいのです。

陶器だけではなく、他の素材で作られた、例えばガラスアイテムも見ることができます。

また、冬にもクリスマスマーケットで様々な陶器のアイテムを見ることをできます。首都のブダペストのような大きな街のクリスマスマーケットは日本の冬のマーケットと同じように飲み物、食べ物、小さなお土産やプレゼントなどを販売します。

クリスマスということで陶器の中で、マグカップ、クリスマスツリーのデコレーション、白くま、トナカイの陶器の置物などがよく見られます。

ハンガリーでは冬によく雪が降る可能性があるので、冬は陶器の商品を主に部屋で楽しむのが普通です。

私の今までの経験からすると、ヨーロッパで焼き物の色使いは日本よりに賑やかで目立つ色が多いです。一方で日本では優しい目立たない色使いが多いです。このような違いはタイルのトレンドでもよくあると思います。次ブログでこれを詳しく解説したいと思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
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断片(だんぺん)

手作り感のある「断片」はどんな壁にでもご使用いたたけます。

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ハンガリー人のタイルのある暮らし 2

前回の「ハンガリー人のタイルのある暮らし」では、ハンガリーの住宅でよく見られる内装タイルのトレンドを紹介しました。今回は外装タイルのお話をします。タイルの話の前に家の外側を想像していただくため、まずハンガリーの街をご紹介します。

ハンガリーの街

ハンガリーの街と日本の街の比較は難しいです。ハンガリーは北海道を一回り大きくしたぐらいの面積(日本の25%)で人口密度は少ないため、家は日本と比べ大きいです。そのため家に大きな庭がある家庭は日本より多いです。

また建物の見た目もハンガリーでは違います。まず、高い建物はあまりないです。そしてハンガリーは地震が無いので古い建物が多いです。最近の建物はコンクリートや木で建てられるが、古い建物は石で作られ壁が厚いです。ですから、日本のように外壁全体にタイルを張る家は少ないです。屋根にはほとんどの場合、粘土タイルが使用されており、50 年くらい長持ちします。

外装壁とタイル

ハンガリーの住宅の外装壁はプラスターが多いです。アクセントとして壁の半分やガレージ、柱などにタイル貼ることもあります。

外装の壁に長方形のタイルが貼ってあります。タイルの色はグレーです。
外装の壁に長方形のタイルが貼ってあります。タイルの色は黒に近いです。アクセントとして壁の半分だけに貼ってあります。

タイルのパネル以外に窓の周りにも丸や四角くてかわいいデコレーションをタイルで作ることが伝統的です。おしゃれなタイルに番地を書くこともあります。

白い長方形のタイルに書いてあるのは住所で、大きさが30cmx60cmくらいです。角に小さな花デコレーションがあります。
白い窓の周りにも緑の丸と四角い陶器のアクセントがあります。
外の蛇口の周りに様々な模様のあるグレータイルが貼ってあります。

外装床タイル

ハンガリーでは庭でよくテラスがあります。テラスの床にはタイルを貼るのが一般的です。最近の流行は家の中でも外でも使える大きさで、厚さがない床タイルです。2024年には木目調の磁器タイルは、木の温もりと磁器の耐久性を兼ね備えるため、屋外スペースで人気があります。このトレンドはさらに進化し、さまざまな木目の、よりリアルな木の質感、複雑なパターン、より幅広い色が登場しています。

家の前のテラス。壁はライトグレーで、床タイルは茶色です。テラスに小さなテーブル、椅子と植物があります。
家の前のテラス。壁はライトグレーで、床タイルは茶色です。テラスに小さなテーブル、椅子と植物があります。白いドアも見られています。

いかがだったでしょうか?機会があれば、私のブログで読まれたことを実際にご覧になってはいかがでしょうか?ぜひハンガリーに旅行してみてください。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
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イン&アウト

一つのタイルで室内のデザインを屋外空間まで拡張できるため、テラスやアウトドアリビングで調和のとれたデザインを追求できます。

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ハンガリー人のタイルのある暮らし

3月からTNコーポレーション東京オフィスに勤務する新入社員のYamanaka-Varga Annaと申します。

ハンガリーから来た私は日本で様々な文化的な違いを経験したことがあります。タイルの使い方にまでたくさんの違いがあると思いませんでした。今回はヨーロッパ(特にハンガリー)の一般住宅でタイルがある空間を紹介します。

浴室タイル

来日するまで「タイルといえば浴室」というイメージがありました。浴室の壁や床にもタイルを貼ることが多いです。理由としてまず、衛生面(清掃しやすい、菌が繁殖しにくい、カビ予防)、そして、実用的に優れている(耐水、耐摩耗性)ため、タイルが相応しいとされています。

洗面所の写真、壁にはマーブル模様の粟生タイルが貼られています。
画像の水回りは25年前に作られた部屋なので、昔のタイルのスタイルです。最近の流行はミニマムなスタイルなので、白っぽい空間がトレンドです。浴室と別のトイレでもタイルが用いられています。
浴室の写真。壁にはワインレッドの正方形のタイルが敷き詰められています。

日本と比べてこちらでは浴室の床にもタイルを貼ることが一般的です。ハンガリー、ドイツなど、北海道のような寒い国々に床暖房がよくあるからです。浴室で床タイルを使うといくつかの気をつけなければいけないことがあります。滑りやすくなったり、暖かいお風呂から出て、冷たい床に立つとヒートショックの可能性もあります。日本でもヒートショックがないように気をつけると思いますが、ハンガリーでもお風呂上がりにタイルに素足で立つことはしません。お風呂にマットを敷いて、その上で着替えます。

先程の洗面所の床の写真。同じく青ウイマーブル柄のタイルが貼られている。

キッチンタイル

L字型のキッチンには白いタイルが貼られています。

浴室以外にタイルが使われる場所はキッチンです。日本と同じように汚れやすい場所に貼ることが多いです。たまにキッチンにもフロアタイルを貼ります。

一般的なハンガリーの住宅では浴室とキッチンでタイルがよく使われます。もちろん、それ以外にも色々な場所でタイルが使われます。

たとえば、私の実家では食糧庫やガレージの床、キッチンカウンターの横でタイルが貼ってあります。

キッチンテーブルには大きめの石の表面を思わせつタイルが貼られています。

内装だけではなく、外装タイルの使い方から見ても、日本とハンガリーの違いがありますが、これに関しては次のブログで詳しい説明をしたいと思います。


この記事の執筆者:山中(TNコーポレーション 東京ショールーム担当 )
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カーミット/ モザイクタイル(白・黒)

ポップアートのようなイメージを生み出す、カジュアルなモザイクタイル。明るく元気な空間イメージを決定づけます。磁器質のため水濡れのあるバスルームでも使用でき、またマット仕上げで光の反射が少ないため床でもおすすめです。

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