画像生成AI ‐『生成塗りつぶし』‐

こんにちは、試作室の冨田です。
今回も引き続き、アドビの『Firefly』というソフトを使って画像生成AIについてのご紹介をしていきます。

『生成塗りつぶし』で作成
断片作成時に撮影した写真

ちょっと手はじめに、遊んでみました。
間違い探しみたいになっていますが、、上の画像は下の画像を元にFireflyの機能を使用して作成してみたものです。
使用したのはテキストからの画像の加工ができる、『生成塗りつぶし』というツール。
こちらは画像内のオブジェクトを削除したり、また新たなオブジェクトを追加してくれる、いわゆる画像の合成を簡易的に行ってくれるものになっています。

使用方法はとっても簡単。
画像をアップロードしたら、削除または変更したいオブジェクト、領域を選択します(見た目では消しゴムで消す感じです)。マウスで対象部分や位置を直接ストロークしてもよいですし、「背景」ボタンをクリックするとメインの要素を自動で読み取って残し、それ以外の要素を取り除いてくれます。
プロンプトに挿入したいオブジェクト情報を入力すると合成が出来上がります。
『テキストからの画像生成』 と同様、生成案を画面下方にいくつか並べてくれるので、そこから選択、いまいちであれば再生成を行っていきます。
最初にお見せしたものは、机、手に持っているもの、壁掛け、窓際の小物の4点を別々に削除し、新たなオブジェクトを生成、保持を繰り返して作成をしました。

さてさて、少し楽しんだところで本題にはいりましょう。
こんなに簡単に合成ができるのであればタイルの施工シーンなども作成できるのではないだろうか、という淡い期待を抱きました。
Fireflyのみを使用し、果たしてどこまで出来るのか、、やってみたいと思います。

まずは初級レベル。
チェルサイエ用で作成したパネルをアートパネルとして飾ったシーンを想定します。
(一部画像はFireflyの正式な提供がはじまる前の段階で作成したものなので左下にクレジットが付いています。現在は無料で作成してもこれらはついてきません。)

元画像
下記の合成画像はこれを白い画面に適当なサイズで配置したものを使用し、作成ました
①リビングのアートパネル
パネルに似た色味をメインとして構成してくれました

②キッチンのアクセントウォール
両サイドに微妙にタイルが足されている、、
コンロに違和感がありますが、、
天板への映り込みを表現しようとしています
③洗面
類似した構成要素(タイル)を自動で追加
これだけ右上のタオルを追加合成しました

思ったよりも軽快に進みました。
色の構成も違和感がありません。メインオブジェクトの色味を考慮して、合成してくれているように思いました。
大部分を生成した後に、部分的にオブジェクトを書き換えることもできます。
また、面積的に少し不足していると、AIが判断した場合は似たようなテクスチャーと色味を構成してパーツを補ってくれました。

ただここでネックに感じたのは、当然ですが、Firefly自体には画像の加工スキルが無い事です。
photoshopなどであれば、元の素材自体に尺度変更や傾きを入れることも可能なのでしょうが、こちらでは元の画像のスケールや位置はずらせない、という制約があります。
それゆえ広い面積を生成要素で構成しようと思うと、微妙にサイズ感がちぐはぐになってしまい、また整えることが出来ません。
今回は何度か、他のアプリで元のパネルを縮小した画像を作り直し作成しています。(これはアドビの公式ソフトを利用していれば本来いらぬ手間ですね、Fireflyのみで合成するという意地でやりました、、)

そうは言っても、行っていることは
⑴元画像のサイズ調整
⑵オブジェクトの選択
⑶オブジェクトの指示
⑷生成バリエーションからの選択
上記分けて記載するまでもない手数で30分程度、この量のものが出来ました。
これはもしかしたら、、期待が色味を増していきます。

次はレベルアップをして、60㎝角ほどの面積にタイルを張ったパネルを元として、増殖させ、一般的にタイルとして使用したシーンを想定します。
こちらは「キールを使ってみてほしい」というちょっとハードなご要望をいただきました。タイル自体が正方形であれば初級編のように多少補いながら、誤魔化しながらできるかもしれませんが、、うーん、やってみましょう。

壁一面ver.
スピード感のあるキール


キッチンver. サイズの調整をしてないので比率がおかしいですが、、

洗面ver.
籠のような網目として認識されていそう


花壇ver.

やはり、形状的に認識するのが難しいようですね。
何度か試みますがキールはモザイクのような印象が限界のようです。
ただ触るたびに、精度が上がっているように感じるのでもっといろいろ試していく価値はありそうです。
今回は時間切れなのでここまでです。
お時間あるときにぜひぜひ色々お試しください。

【おまけ】
いろんなシーンを想定して進めましたが、ふと、目が留まりました。

花壇ver.の中で生成された案
洗面鉢ver.

左の画像はおそらくロープや籠のような認識されてしまっているのでしょうが、なんだか良く分からない部分を立体的な逃げで上手に誤魔化しています。
右側は、洗面鉢が伝わらなくて若干苦戦しましたが、水面の揺らぎなどでこれも比較的上手く誤魔化しています。
立体物ならキールを整合性を保ちつつうまく使えるのかもしれない、、主旨と違うのでこれは一旦ここまでにします。