「カラードレンチング」とは?

タイルパークの(株)TNコーポレーション
デザイン室の渡辺です。
「houzz」というサイトご存知でしょうか?
おそらく建築に関わる方には
活用しておられる方も多いと思いますが、
海外の施工例を見られたり
トレンド情報を知ることが出来るので
私は参考にしています。

今回はこの「houzz」から
海外での大胆なトレンド、
『カラードレンチング 』 とは?
・・という記事が気になりましたので、
ご紹介いたします。

建築に関わる方の
何らかの参考になれば幸いです。

カラーコーディネート上のお約束、
ベースカラー・アソートカラー・アクセントカラーを
組み合わせる手法とは違い、

昨年頃から海外で見られるようになった、
天井や壁、床、家具やカーテン等、
部屋の全てをまるで
一色に浸したようなインテリア、
それが「カラードレンチング」
と呼ばれるスタイル。

ドレンチングとは英語で「浸す」という意味の言葉です。

部屋全体を一色に浸すとは
かなり勇気が要りますが、
与えるインパクトは抜群です。
広い空間はともかく、
トイレのような小さな空間や、
空間の一面で試してみては?

参照元:
https://www.houzz.jp/ideabooks/161992657/list?utm_source=Houzz&utm_campaign=u18963&utm_medium=email&utm_content=gallery1_1&newsletterId=18963

houzzには弊社のページもございます。

イタリア展示会CERSAIEを終えて①

9月26日から始まったCERSAIEもあっという間に終わりました。半年間、商品の剪定や展示パネルのデザイン、プロモーション用のカタログなどにかけた時間は、ほんの一瞬のきらめきのように幕を閉じました。

思い起こしてみるといろんな事件が今年も起こりました。
まず初めに、2日前に会場に確認に行くと ブースの施工はほとんど進んでおらず、やっと装飾業者に連絡が取れたものの、今日は電気の配線までなので明日完成させるとのこと。翌日会場へ行き昼まで待つも、施工業者は誰も来ない。
海外担当の山川が焦り、ドイツの業者に電話で連絡するも、着信拒否。なんとか捕まえた下請け業者も2時間だけ来て帰ってしまう始末。
最終日午後4時で、まだパネルは壁についておらず、ロゴマークや照明は全くなしの状態。

それから山川の怒涛の交渉が始まった。知り合いの香港の会社のブースの職人に交渉し、そちらが終わったら手伝ってもらう約束を取り付け、本来の業者のところへ行き、とにかく職人を回すよう交渉。しかし問題は、職人はイタリア語しか通じない。そんな時に彼は諦めず、身振り手振りの地球語で交渉。

なんとかブースまで一人引っ張ってきて、作業開始。午後8時になり、延長時間も終了。しかしまだ完成しておらず、残りは翌朝に。7時から作業をしてもらうよう頼むも、「自分の受け持ちがあるからそれが終わってからだ」・・・。それでは間に合わん。開場の9時までになんとかしないと。

また7時半に職人に頼み込んで作業スタート。とうとう時間が迫り、主催者は隣で文句を言うものの、思ったように作業は進まず。最後には私も作業に加わり、なんとか30分遅れで準備完了。私には一体何が起きたのかわかりませんでした。

それでも開場後は順調に進んだものの、最後の片づけが不安に。土曜日朝イチで会場に行き、業者がパネルを外すのを確認。そこでなんと、返送用の箱がないことが発覚。

続きはまた次回、お楽しみに。

光が木洩れ日のように差し込む家

タイルパークの(株)TNコーポレーション、デザイン室の渡辺です。
今回は格子状の壁面によって、光が木洩れ日のように差し込む家のご紹介です。
建築に関わる方の何らかの参考になれば幸いです。

光が差し込む壁面には、様々なデザインが組み合わされています。

この家、「敷地内に長さ 25 m の遊泳レーンを設ける」というのが求められる条件の1つでした。

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白い壁に、プールの淡い青色がアクセントとなって美しい。

More Than White House 1
architecture: PLAYstudio
lead architects | design: Carlos García + Iván Capdevila + Vicente Iborra
lead architects | execution: Iván Capdevila + José M. López Ujaque + Marina Bonet
location: Alicante, Spain

参照元:
https://playstudio.es/
https://www.designboom.com/architecture/playstudio-more-than-white-house-coastal-villas-spain-10-01-2022/

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GOOD DESIGN AWARD 2022

T2メンバーがブログに参戦して3度目の投稿となります。今回は千田がお届けします。商品開発に配属されて2年目、T2の中では粘土を使った試作作りや事務仕事全般を担当しております。宜しくお願いします!

今回お届けする内容は2022年グッドデザイン賞の受賞についてです。なんと今年の4月から販売しているT2が開発に関わった商品”陰翳”でグッドデザイン賞をいただくことができました! 本日10/7(金)が2022年グッドデザイン賞の受賞発表の日です。「陰翳」は日本独自の趣や重厚感を追求した点が高く評価されました。今回の受賞を契機に「陰翳」の販売拡大を図るとともに、ものづくりにおけるデザインの活用を積極的に推進し、ブランドイメージの向上に努めてまいります 。

陰翳”鱗”特別版

受賞について詳しくはグッドデザイン賞のHP GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org) からご覧になって下さい。そちらから受賞の概要や審査員からのコメントなどがご覧いただけます。

陰翳”石畳”

さて今回の受賞はTNコーポレーションとしては初めてのグッドデザイン賞の受賞となります。過去に一度エントリーした事があるらしいのですがその時は残念ながら受賞には至りませんでした。なぜ今回受賞出来たのか?審査員評価のコメントには”画一的な建材が多くなっている傾向にある”、”表情が豊かで長く楽しんでいける素材が必要である”などとありました。審査員の方々は人の暮らす空間や町並みが貧相になってしまうことを危惧しておりそこに対しての新しい提案を求めているのであろう、という事を感じました。

陰翳”格子”

T2では今後も手を動かすことでしか生まれないような試作、実験的な試作を作り続けたいと思います!今後とも宜しくお願いします!

「タイルパーク」陰翳紹介ページ

陰翳(いんえい)_T2 PROTO.LAB|タイルパーク (tile-park.com)

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陰翳(いんえい)_T2 PROTO.LAB

concept

陰翳の中に日本の美を感じる陶壁

自然から生み出された材料を使用し
伝承された陶芸の技法を用いて
ひとつひとつ丁寧に手仕事で仕上げた
空間全体を引き締め美しさを格上げし
陰翳の中に日本の美を感じる
量産のタイルとは趣を異にする陶壁。


素材へのこだわり
陰翳の魅力の根幹となる“ 影”を表現するため
地元美濃の粘土をベースに、粒度を調整して仕上げた
鈍い黒色を発色する特別な黒土を使用。



成形へのこだわり
陰翳の成形は、伝承された陶芸の技法である“ タタラ成形” 。
ひとつひとつ丁寧に粘土を板状にワイヤーカットし、
必要な形に型紙などを使って加工する手仕事での仕上げ。
様々な形を表現することができる“ タタラ成形” の利点を活かし
日本の美を感じる“ 格子” , “ 石畳” ,
“ 鱗” , “ 矢羽根” の四形状を表現。



釉薬へのこだわり
陰翳の魅力を表現するため、鈍い黒色を発色する
黒土の黒と対になる色を思案し、
神社や寺院を想起させ日本の美を感じることができる
古色を帯びた金色の釉薬を開発。
ワイヤーカット特有の凹凸のある表面により
釉層の深浅が生じ奥行きのある味わい深い色は
空間全体を引き締め美しさを格上げする。


color

黒:KESHIZUMI
金:KOGANE


shape

格子(こうし)

格子

こうし

上記パターンの参考価格
100,000円/m2程度

格子サイズ

K-1~K-3
各450円


石畳(いしだたみ)

石畳

いしだたみ

上記パターンの参考価格
69,000円/m2程度

石畳サイズ

I-1 700円
I-2 450円


矢羽根(やばね)

矢羽根

やばね

上記パターンの参考価格
102,000円/m2程度

矢羽根サイズ

Y-1~Y-2
各400円


鱗(うろこ)

うろこ

上記パターンの参考価格
100,000円/m2程度

鱗サイズ

U-1 370円


●価格は目安です。実際のご注文の際は、製作量に応じ一式価格で見積り致します。
●1平米の参考価格に施工ロスは含まれておりません。
●手作業でタイルを成形しているため、寸法誤差や歪みがございます。
●タイルの酸洗いはできません。また酸性のものに触れると変色の恐れがあります。
●割り付け・施工は承っておりません。
●割り付けによりロスが多く出ます。特注対応でタイル寸法を変更することもできますのでご相談ください。 
●推奨接着剤
セメダイン タイルエースL Pro(ブラック)
(2kgパック。タイルパークからも販売可能です。ご希望の際はお問合せください)
※3mmのクシ目ごてを使って量を整えてください。
※2kgパックで約1平米分の施工を目安としてください。



高級感溢れる仕上りが期待できる反面、壁に直接施工すると簡単に取り換えがきかないタイル。
インテリアコーディネートにもっとタイルを気軽に取り入れてもらえるよう、壁に取り付けるアートパネルでの製作・販売もおこなっております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。


WEB上でご覧いただけるパンフレットもございます。


「陰翳」をご検討の方へ

まずはメールにてお問合せください。
案件内容をヒヤリング後、お見積りいたします。

“貼られてなんぼ” の、タイルです。

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」も第4回目となりました。
タイルの歴史から始まり、製法や材質様々な施釉方法、そして形状・面状と学んできましたが、本当に知らないことばかり…。
さて今回は「タイルの貼り方」です。貼ってなんぼ貼られてなんぼ、貼られてこそのタイル。どんな割付で、どんな目地で…それ次第で仕上がりがかなり変わってしまうことも。
タイルを貼る前にやっておかなければならない大切な”準備”を学びます。

目地割りの種類

基本的なのは、通し目地(芋目地)馬踏み目地やはず張り、のこの3つ。

●通し目地(芋目地)

水平・垂直方向の目地が一直線になるような貼り方
規則正しく伸びるとされる芋の根と似ていることから「芋目地」とも呼ばれる

●馬踏み目地(破れ目地)

横方向の目地は直線、縦方向のタイルを上下に対して互い違いのパターンで組む(半分ずつずらして貼る)貼り方
馬が踏んだ足跡のように交互になっているということが由来

●やはず張り(あじろ張り)

Vの字型に組んで貼っていく方法
「やはず」は矢の端の、弓弦(ゆづる)を掛けるところで、V字型になっていることからきている

「やはず張り」のよく聞く言い方は「ヘリンボーン」。ですが本来は、床の場合はヘリンボーンとはなぜか言わないらしいです。
タイルパークTNコーポレーション)があるこの地域(モザイクタイル発祥の地、岐阜県多治見市近辺)の多くのタイルメーカーでは、「通し目地」は「すだれ貼り(張り)」、「馬踏み目地」はレンガの積み方から「レンガ貼り」などと呼ぶことが多いそう。”芋”や”馬”より、”すだれ”や”レンガ”の方が想像がつきやすくて覚えやすいですね。

目地割りの種類や、その目地におすすめのタイルなど
こちらのブログにもまとめています。
「馬、芋…。目地のお話 」>>> こちらから
「芋目地の魅力」 >>> こちらから


ちょっとここで少しブイレク… 「貼る」と「張る」
前々から思っていたのですが、タイルを「貼る」と「張る」、両方目にするのですが、どちらが正しいのでしょうか…?私的には、接着剤でペタッと貼るイメージから、「貼る」を使っていたのですが ― 。

張る…伸ばし広げる、一面に覆う、いっぱいにする
貼る…平たいものを糊などで何かにつける

建築業界では、「張る」は”のり”を使わないで施工する場合、「貼る」は”のり”を使って施工する場合、で使い分けているという話も…やはり「貼る」、なのでしょうか。
が、タイルを壁や床にはりつける場合は、タイルを一面に広げるという意味で、「張る」を当てることもあるそうで…。
結局は正式なルールや使いわけはないようでした(笑)
ただ、「貼る」は常用漢字ではないということで、「張る」の方を目にすることが多いのかもしれませんね。


いまでは貴重な存在、タイル役物!

普通のタイルを「平物」(「ヒラ」ということが多い)、平物以外の特別な部位に使用するものを「役物」と呼びます。
出隅やタイルの側面を隠したりしてきれいに納めるための特殊な形状で、元々は外装で建物の角に使う「まがり」や「まぐさ」を指すものでした。

外装では出隅がいっぱいありますし、いろんな人の目に入る外観は、とくにキレイに見せたいですからね。内装もまた然り。よくある出隅部分には、「見切り用ボーダー」を使ったり、途中までタイルであとは壁紙とかの場合は、貼り出し部分には「面取りタイル」も。

昔はお風呂もタイル張りが多かったのですが、すっかりユニットバスにかわってしまって…お風呂でもよく使われていた役物たちは、影を潜めてしまいました。
そんないまでは貴重な存在になりつつある役物ですが、タイルパークでは「サブウェイ」タイルの役物なら、10種類以上取り扱っております。

こちらの都会的で洗練された魅力あふれるバスルーム。サブウェイを使ってこんなにも素敵に仕上げていただきました。役物を使ってすべての角を丁寧にキレイに。
お風呂以外ももちろん、キッチンやトイレ、カウンターなど。サブウェイを使うことをお考えなら、ぜひ役物も検討なさってみてください。

その他、見切り材(仕上げ材同士のつなぎ目部分や端部に設ける部材のことをいう)として「ボーダーC」もご用意しております。タイルパークで人気の高いタイル数種類のみですが、ぜひこちらも。

タイルパーク でも一部のタイルにしか役物がないのですが、おおきな物件では、「接着役物」というものを手配するようなことも多いそうですよ。
見切り材としては、樹脂製のものをはじめ、アルミ製や真鍮製、ステンレス製などの金属のものもいろいろとあるようですので、一度調べて見ると面白いかもしれませんね。


割付を考えるときは、目線を読む!

タイルを張る場合、どうしても「割付け」という作業が必要になってきます。どう「割付け」するか…、決められた面にタイルがうまくおさまるよう「タイル割付図」というものを作成するのですが。。。

タイル割付図を作成するの目的は…

・タイル工事を、建築全体を美しく仕上げるため
・施工効率の向上
・無駄な材料、工費の削減
・開口部の位置やサッシ、ドアの形状・寸法など関係する工事などを検討し、納まりをよくするため

タイルの色や模様も考えますが、中途半端にタイルを切らないで、綺麗に仕上げる工夫をしなくてはいけません。
屋内壁タイルに関しては、タイル寸法・目地幅とも規格寸法がある程度決まっており、寸法精度も高いので基本的に目地による寸法調整は行わずに割り付け、割り切れない場合は切り物(タイルを切断したもの)でおさめるそうです。
重要になってくるのは主視線、よく目線がいく位置で考えていきます。

●水平方向の割付

水平方向の割付を考えるときは、よく目線が行く方向が、正面なのか、もしくはコーナーの部分なのかで決めていきます。
正面なら、中心から左右対称に割っていく「心割り」、よく目につく片方の端から割り始める「片割り」で考えます。

●垂直方向の割付

天井まで張り上げる場合は切り物を床にのみこませて、切り口が見えないようにします。
腰張りのときは、上端に片面取りのタイルなど役物を使うようにして、こちらも床に切り物を割付けるようにします。
内幅木を使って仕上げるときには、切り物がでないようにしたいものですが、切り物が出る場合は天端で処理します。

切り物切り物と言っていますが、現場で切り物がたくさん必要なときなんかはとても大変のようで…朝から準備して午前中はずっと切っていて、午後からやっと貼る、なんてこともあると聞きました。

タイル加工屋さんもたくさんあるようですが、タイルパークでも「半マスタイル作成」や「プレカットサービス」をご用意しております。切り物を用意する予定がありましたら、ご注文と同時に受付しておりますので、ぜひご利用ください。

あとは、切り物がでないように、目地幅で少しづつ少しづつ調整してぴったりおさめることも!
縦の目地幅は1.9mm、横は2.2mmとか変えて調節したり、モザイクタイルなんかは、シートなっているものを、端に使う最後の1枚だけシートをわざわざバラして調節したり?!(大変…最終的には職人さん任せだったり?!)

割付をきちんと計画し、正確な割付図を用意、役物や切り物も準備して、効率よく、そして美しく仕上げていただけると、タイルメーカーでもあるタイルパークとしては本望でございます _( . . )_

さて、次回の勉強会は「タイルの施工」についてです。難しそう…


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タイルカタログに関するアンケート

カタログのご利用状況
アンケート実施中!


回答者には、先月のキャンペーンにて大変多くの応募が寄せられたフリーペーパー「タイルイメージブック LIVING」のWEB版URLを配布いたします!
前回先着応募に漏れてしまった方、WEBでも見てみたいという方はもちろん、「タイルカタログに対する不満や要望がある!」といった皆様も、是非アンケートへご回答ください。

アンケートへは下記のボタンから
お入りください。

回答送信後の画面にWEB版URLが表示されます。
(メールでは届きませんのでご注意ください)
回答締切:10月14日(金)

タイルノオサラ ‐ 試作

はじめまして。商品開発担当の吉野です。 TNコーポレーションでは入社以来、試作を担当して今年度で10年目になります。 この度、新しい取組みとしてタイル製造の機械を使ってお皿を作ってみました。

イメージ

試作してみたところ、問題無く製作出来そうなので商品として販売するにあたってコンセプトもしっかり3つ考えてみました。

【タイルの製造技術を用いて作られるうつわ】 タイルの製造技術には大きく分けて2種類あります。 湿式製法と乾式製法。 湿式製法は陶芸のように粘土を使った製法。 乾式製法は顆粒状にした粘土を、プレス機を用いて圧力をかけて成型する製法 。 弊社では乾式製法を採用しております。 乾式製法が得意なのは綺麗なフラットな形状です。 そんな得意分野の中で、今まで積み上げてきた乾式製法のノウハウを活かし作られた『うつわ』です 。    

【タイルと暮らしのトータルコーディネート】 この『オサラ』は弊社のタイルと全く同じ釉薬と粘土を使用しています。 成型に使われるプレス機の型枠も同じものです。 ですから同じ質感、同じ大きさ。 必然的にタイル、空間とのコーディネートがしやすい『オサラ』になります。 飲食店でのトータルコーディネートなど素敵ではないでしょうか。 もちろんご家庭でも。 また、東農の小売店で販売させて戴いた場合、観光にいらした方へのタイル製造業のアピールにも繋がります。               

【見立てのうつわ】 骨董の世界では『見立て』という文化があります。 花器ではないものを花器に見立てたり、陶片を箸置きや小皿に見立てたり、、、 酒器などがもっとも分かりやすい例でしょうか。 数寄者にかかれば、小皿でも小さな壺でも盃になります。 また、17世紀や18世紀の古い真っ白なデルフトタイルを、おつまみを載せる小皿に見立てて楽しむ方もいらっしゃいます。 本来の用途とはかけ離れつつも、各々の楽しみ方で各々に楽しむ日本の文化。 タイルもうつわと同じ陶磁器で出来ています。 料理を盛って楽しんでみても面白いのではないか、という想いで作られた『オサラ』です。

以上、コンセプトです。私はあくまで『タイルメーカーが作ったお皿』というのが面白いのでは?と思うのですが、社内ではそれでは苦しいという意見も上がっています。 しかし、一枚の普通の平皿として売ってしまっては他の食器メーカーさんとの勝負は厳しいかと思います。 店頭でも他のメーカーさんの食器に紛れてしまうかもしれません。 苦肉の策かもしれませんが、一枚売り以外にもお皿三枚と木製トレイで一セットの、パーティーや食べ比べセットに使えそうなセット売りなど色々考えてはいます。元はタイルなのですから、何枚か並べられた方が魅力的に見えてくる気もします。

石のような質感のもの

悩みつつの試作の日々です。貴重なご意見、ご感想御座いましたらお気軽にコメント戴けると嬉しいです。宜しくお願い致します。

その100角タイル、ホントに100mmですか?!

TNコーポレーション社内にて毎月開催されている「タイルの基礎知識 勉強会」、第3回目は「形状」「面状」を中心に学びました。
(第1回「タイルの歴史」、第2回その1「タイルの種類(製法、焼成)」、その2「タイルの種類(材質、施釉)」はこちらからどうぞ)

形状は、実際の寸法に注意!

まずはよくあるサイズから。

正方形、長方形タイル(主に内装、壁面用)
100角
(例:クラフティレジーア100角ホワイトシリーズ
100角二丁
(例:睡蓮-SQ
150角
エルサ陶香オリジン
200角
ピカソハロン湾

タイルパークで取り扱っている四角形のタイルでは、100角タイルは少なく、150×150mmの150角というものが主流となっています。最近では200角も人気があり、昔と比べると大きなサイズが増えてきました。
「100角二丁」の”二丁”とは、2倍ということだそうで、だいたい192×92mmくらいのタイルのことを言うのだそう。
タイルパークでは唯一、「睡蓮-SQ」の長方形のものが197×97mmで、これに当てはまりますが、かなりレアなサイズとなっています。

もうお気付きでしょうか…。そう、タイルのサイズ、かなり曖昧(笑)
100角タイルと言っても、そのままタイルの大きさが100×100mmになっている訳ではないのです。「100角タイル」でネット検索すると、およそ100×100mm前後のいろんなサイズのタイルが出てきます。実寸法で、95×95mm~107×107mm程度のタイルを指すようです。

(…なんてわかりにくい!!(小声))

それはアイツ…そう、「目地」のせいでした。切っても切っても切り離せない関係「タイル」と「目地」…。
カタログ上でタイルの大きさを表記していく際には、目地の幅も含めたサイズで表すことが一般的なようで。「目地共寸法」や「目地込み寸法」と言います。

タイルパークの100角タイルは、実寸法で97×97mmのものがほとんど。3mm程度の目地幅をとって貼ることで、「目地共寸法」でちょうど100mmとなります。
が、しかし、150角タイルの商品はほぼ実寸法も150×150mm…。
海外のタイルは目地を含めない、ぴったりサイズが主流のようで…、タイルパークの自社工場「TNプロダクト」製のタイルは海外でも人気で、たくさん輸出しています。そのため、このようなぴったりサイズも多く存在するのです。
違うメーカーのものを混ぜて使ったりしたときに、施工場所にうまく収まらなかったり、反対に大きくあいてしまったり…知らずに貼ってしまうと後で大きな問題に。
専門の施工業者の方などはともかく、インテリアコーディネーターさんや、個人でDIYされる方などはとくに、目地をどの程度とって配置するか、しっかりと「タイルの割付」を計画・確認のうえ、ご注文・施工をお願いいたします _ (. .)_

モザイクタイル(主に内装)
10mm角
(例:リベルタ
 ※タイルパークで最小サイズ!実寸法=8mmです
15mm角
(例:ラヴェンナモザイクアリウスフェアリー
20mm角
(例:アイシクル
25mm角
(例:楽-プレーンブラックベースモザイク
50mm角
(例:ホワイトシリーズ絢爛プラチナ
  ※ 実寸50mmではなく 、45角や47角が多い
45二丁
(例:長良馬瀬ミッドセンチュリー
  ※外装にも多く使用されるサイズ
丸モザイク
(例:ブイ
六角形
(例:山水ニューヨーク-ヘキサゴンぺルラ-キャンブリック
変形
(例:カーミットアイシクル万華鏡フェザー

モザイクタイルは、タイル1枚の表面積が50平方センチメートル以下のタイルを指します。 およそ1辺のサイズが50mm以下ものが多いです。

上に挙げた中で、20mm角、25mm角、50mm角あたり、1枚1枚のサイズで分けるとかなり曖昧な感じになっておりますが…。モザイクタイルは、あらかじめユニット化したシート状になっているので、ユニット寸法を確認していただければ大丈夫ですね。
タイルパークのカタログでは、モザイクタイル程の大きさでも、「Normal」カテゴリーに載っているものもあるので、微妙なサイズ感をお求めの方は、前の方のページ「Normal」もチェックしてくださいね。もちろん、「Glass」にもガラスモザイクがたくさん載っていますので、こちらも是非。(Normal、Large、Mosaic、Glassの順でカテゴリーに分けて、掲載しております)

屋外壁タイル(主に外装。内装もアリ)
小口平  108×60mm
二丁掛け 227×60mm
三丁掛け 227×90mm
四丁掛け 227×120mm
ボーダー 227×30mm

これらの主に外装で使われるタイルのサイズは、もともとはレンガのサイズが基本になっているのだそうです。レンガ(長手面227×小口面108×厚さ60mm)をスライスしたときに出てくる面の大きさが、外装タイルのサイズになっています。

タイルパークで扱っているのは、基本的に内装タイル(屋外で使えるものもあります)なのですが、サイズ的には二丁掛け、三丁掛けに近いものも結構たくさんあります。
ボーダーは、上の図ではサイズ「227×30mm」となっていますが、40mmでも、見た目が長細い感じですと、”ボーダータイル”と呼んだりします。大き目で細めのボーダーは、スタイリッシュに仕上がるので近年人気の高い形状です。
240×60mm(こちらは海外で主流のサイズ)ですと、リネンフィンセントモット藍里…などなど。
もう少し細長い感じがお好みなら、240×40mmの、エルサプランク
広いリビングや店舗装飾におすすめの、もう少し大き目サイズ、モザリアブールバードメトロ
と、もともとは屋外で用いられていたサイズも、近年では内装用として幅広く使われるようになりました。


ツルっとした表面=タイル ではない

私がこのタイル業界に入るまでは、タイルといえば平らでツルツルとした表面を想像していたのですが…、実はとてもたくさんの面状があることを知りました。

フラット面…単味(砂、シャモットなどの添加物を加えていない)原料から成形されたフラットな面状
布面…主には、麻の布目模様を表面に施した面状
(例:リネン
柄面…柄のついた面状
(例:エルサ遊彩コーン
波面…緩やかな波のような面状
(例: モザリアブールバード
ディンプル面…波面より凹凸の激しい面状
(例:レジーア100角
ラダー面…四辺にテーパーがついている
(例:サブウェイの一部キネティック
すじ面…すじ状の柄を型で成形した面状
(例:大波ペルラキャンブリック
ラフ面…湿式押出成形時に素地の表面を一皮剥いだもの
(例:祇園ダンボ
割肌面(テッセラ面)…乾燥した素地を2つに割って焼成したもの
スクラッチ面…湿式押出成形時に素地の表面を釘状のもので引っ掻いたもの
磨き面(鏡面)…焼成後、表面を研磨して鏡面状にしたもの
(例:カラカッタラヴェンナモザイク
ハツリ面…乾燥素地の表面をノミなどで荒くはつったもの
ブラスト面…焼成後、表面に鋼球や砂などを吹き付けて荒らしたもの
石面…凸凹した石のような面状(緩やか)
岩面・ロック面…石面をさらに激しい面状したもの
砂岩面…天然の砂岩や玄昌石やスレートの面状を模して作られたもの

「スクラッチ面」なんかはとても伝統があり日本建築に馴染み深いものだそうで、「スダレ煉瓦」といわれる旧帝国ホテルで使われた”スクラッチタイル”が有名です。これは表面にスクラッチ加工を施した黄色いレンガで、煉瓦の表面を引っ掻いたスクラッチ模様のことをスダレと呼んでいます。
帝国ホテルに使われたスダレ煉瓦は人気を呼び、その後の建築でスクラッチ面のタイルが流行したそうです。
フランク・ロイド・ライトによって設計された旧帝国ホテル、この中央玄関部は現在、愛知県犬山市にある博物館明治村に移築されています(TNコーポレーションのある岐阜県可児市のお隣のまちにあります)。

↓こちらも是非どうぞ
「フランクロイドライトの帝国ホテル」NO.10 レンガの詳細


実に様々な面状がありますが、現在では模様を付けた金型プレスで成形したり、プリントでいろいろな柄や面状を表現しているものがほとんど。
TNプロダクトの工場で作るタイルは乾式製法(→乾式タイルについてはこちら)なので、上記の面状種類で挙げた例の中で、リネンの布模様などはプリントで表現しています。
金型の形状や成型後の二次的な加工で生み出される面状は様々で、デザインのバリエーションも広がり、また精度も安定しているので、全体的に均一ですっきりとした印象に仕上がります。


外装用だったら気にして欲しい「裏足」

タイルの裏面の形状で気になるのが「裏足」

タイルが接着しやすくなるように、タイルの裏側に付けた筋や凹凸のことを言います。施工後に剥がれにくくするためや、製造段階での効率面でその形状が変わってきます。
外装モルタル施工用の裏足は、独特なカタチで「あり足」と呼ばれます。

外壁で使われる場合には頑丈さが求められるので、接着面が多くなるように、溝の断面は内側に切れ込んだ形になっています。モルタルが裏足のすみずみまで行き渡るよう、しっかりと圧着、落ちないようにくっつけるためだそうです。
接着剤で貼り付ける内装用の場合は、裏足の凹凸が深いと接着剤がいっぱいいるようになってしまうので、裏足の必要性はあまりなく、浅いほうがいいそうです。


さて、次回の勉強会は「タイルの貼り方」についてです。
“目地割り”などを教えていただきます。タイルで空間を素敵に仕上げる為には不可欠な要素。タイルを生かすも殺すも目地割り次第! しっかりと学んでこなければ…(汗)

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T2ブログ参戦

今週から隔週でT2メンバーが交代でブログに参戦させていただくことになりました。
記念すべき第一回は4月よりT2のメンバーに加わりました、冨田が担当します。よろしくお願いします!

初参戦ということで、ご存じの方もみえると思うのですが、我が部署について少しご紹介させてください。
T2こと、T2PROTO.LABとは昨年2021年より始動した試作開発室です。
由来は初期メンバー千田徹さん、吉野徹さんのお二人の名前が同じ「徹」だったことからTOURU2→T2となったそうです。
そういうわけでT2は名前にTがないと入れない条件なのですが、私はTOMITAで2T持っていたためなんとか無事加入が認められました!(これは冗談です、、)
主な取り組みは、陶芸の技術を修得したメンバーたちが量産の技術、時には器づくりの技術を用いて試作実験開発を行うこと。
試作のアイデアはさまざまで、自然物から日常、製造技法から使用シーンなどあらゆるものから着想を得たり、角度を変えたり、他の物と置き換えてみたりと、型にとらわれずに常に挑戦的に試作開発を行っていくのがT2のもの作りです。

そんなT2がタイルのディープな面をこれから発信してまいります。知識豊富な先輩方には及びませんが、私も現場から今までとは違った角度でタイル、やきもの、ものづくりの魅力をお伝えできればと思っております!

さて、さっくりと活動内容はお話しいたしました。多角的発想と技術は不可欠でありますが、社長も綴られているように、我々の活動は基本的に日々の積み重ねです。今回は現在行っている釉薬実験についてご紹介します。
私は現在、今年力を入れているマット釉薬のカラーバリエーションをコツコツ増やしております。
下に灰みのある色が並んでおります。
実はこちらは、ベースの釉薬が違うだけでヘリテイジの調合と同じものなんです。

マット釉
貫入釉(ヘリテイジ)

我々の行う調合は

ベースの釉薬          +          色素分

(透明、乳白、マット、貫入、結晶など)      (顔料や酸化金属)

基本的にこれを合わせることでカラーバリエーションを増やしていきます。
(原料からベースの釉薬を作ることもありますが、ここでは割愛します。)

ヘリテイジのベースは貫入(ひびの入った表情)の釉薬、対してこちらマットな釉薬。色みはやや変わっていますが、ヘリテイジで既に整えられた調合なのでカラーバランスは安定したままですね。マットのグレイッシュなカラー、トーンは揃っている印象、落ち着きのあるいい色味。

比較

同じ色素分を混ぜ合わせてもベースが違うと結構違った色みになるものもありますね。釉薬は化学です。焼成前と焼成後で色は変わり、単に目で見た色から混色の割合を考えるのは困難です。思った色をぱっと作るのにはそれなりの経験を要します。

焼成前

余談ですが、これらの調合実験は100ccと少量で行っていきます。その時の原料の重さは小数点第二まで使用するわりとシビアな作業なのです、、、
やきものは焼いてみないとどうなるかわからない、それは魅力でもあり大変なところでもあり、、それらを多色多トーンで揃えたヘリテイジの作業量を思うと、、、先輩方の苦労をひしひし感じます。

マットの落ち着いた色合いも素敵ですが、ヘリテイジの発色はやはり目を引きますね。

ヘリテイジ(画像加工していません!)

ヘリテイジの魅力は個人のニーズにより応えられるシステムもさることながら、安定したトーンつくり、そしてなんと言っても美しいことですね。
ヘリテイジの目の覚めるような美しいカラー(&先輩の努力の結晶、、)ぜひともお試しください!!
サンプル、ご相談等お待ちしております。

マットに関しては、お目見えする日まで積み重ねてまいります。乞うご期待くださいませ。

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