テクスチャー試作

こんにちは、試作室の冨田です。
本日は前回に引き続き、現在作成している試作とその作り方についてご紹介したいと思います。

今、行っている試作は石膏を直接加工して面状を作成しています。
こちらの手順は至ってシンプルです。

①つくりたいタイルの形を石膏でとる
②表面を加工
③硬化・離形処理後、樹脂型を作成

①石膏をフレームに流して形をとる
②面状を作成する
③硬化剤、離型剤を原型に塗布し、再びフレームにはめて樹脂を流す
完成!
樹脂型(上)と石膏原型(下)

前回のブログでは凹凸が複雑かつ検討の余地があったため、原型を粘土から作成していました。(「時代を逆行する試作」はこちら
ハンドプレスが扱えない身としては、粘土原型・石膏型の試作のほうが手軽な感じがしますが、量産用試作型にたどり着くまでの道のりは長いですね。こちらのように、ある程度イメージが決まったものであれば石膏で最初から原型をつくってしまう方が少ない工程でできるので、試作の型までの作成は早いです。

原案
木彫りはできなかったけど、自然を感じる印象をもつ面状を手跡が残るものを提案してみました。

こちらは石膏原型で作成しているものの一つで、テクスチャーを活かしたものを考えています。お題は木彫りから着想を得たもの。

試作の相談する時にイメージの共有のために参考画像を用いるのですが、サイズ、色、イメージの特徴を曖昧でも、なにかしら生の言葉として聞いていきます。微妙なニュアンス、言い回しなんかで、何に対して魅力を感じていて、どう表現したいのかを試作の方針として立て、自分の中でどう引き出していくのか思案を重ねます。また、色の印象なんかも釉薬の凹凸加減、デザインの印象に関わってくるので特に気にしています。

試し彫りと下書き
ノート走り書き

頭の中を引っ張り出しただけのものってなかなか純粋な魅力を持っているみたいで、メモのつもりだったものが意外と採用されたりします。
今回の仮採用のものも柄を考えるにあたって、一つの塊をノートとして、何個かスケッチ、試行を並べたものでした。

他にも試作の原型づくりは、シンプルな物、無機質なものであれば図面におこして、CADなどを活用することもありますが、手仕事感を残したい場合はこのように直接石膏を加工します。また、デザインを絞り切れていない検討の余地がある物も同様に一度手作業で作成します。

さて、今回の試作は今後どんなタイルになっていくのでしょうか。
次回の新商品乞うご期待ください!


この記事の執筆者:冨田(TNコーポレーション開発部)
TNコーポレーションの商品開発部としてタイルのデザインや試作を担当 。大学で陶芸を学び、食器メーカー勤務を経て入社。造形がすき。


断片(だんぺん)
石膏のスケッチから着想を得たタイル。
日常のモチーフを切り取った、物語性のある内装用装飾タイル。
パスタを使用してつくったやわらかな表情が魅力。

→「断片」を見る

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