陰翳セレクト

T2の千田です。今日は現在力を入れて取り組んでいる陰翳セレクトの取り組みについて紹介したいと思います。まず「 陰翳セレクトとは? 」ですが、陰翳の4つある形状の中で“格子”と“石畳”をセレクトし、この2形状に関して施工性を高めるの為にユニット化したもののことです。また作業効率を上げるため作業の一部に機械を導入することもしております。このユニット化にいたるまでの取り組みを今回は紹介したいと思います。

陰翳セレクト“格子”と“石畳”

ユニット化するためにまず取り組んだのが目地板の手配です。陰翳セレクトは機械でユニットにしていくのではなく、職人さんに手作業でユニットにしてもらうので写真の様な手貼り用の板を特注で作ってもらいました。この板にバラタイルをはめ込んでいきネットとタイルを特殊なボンドで接着し、シート状します。シートサイズを決め(石畳についてはけっこう悩みました)目地は2mmになるように貼板を作ってもらいました。しかし、ここで問題発生です。陰翳はほとんどの工程が手作業のためピースによっては大き過ぎてはまらないものが出てきてしまい、この問題を解決しなければいけなくなりました。

陰翳セレクト用の貼板

ピース誤差がでる最大の原因は小刀を使いひとつひとつ手で切り出している事です。そこで工場の片隅にあるタイル生地をカットする時に使っている丸のこに目を付け、陰翳の生地のカットを試みました。試行錯誤の結果、陰翳の雰囲気を損なう事なく仕上げる事が出来、この技術を採用。手作業ではできないような0.5mm単位でのカットも出来るようになりました。

ユニット化するための最大の難所は機械を使うことで乗り越え現在ユニット化の取り組みは順調に進んでおります。今後としては土を練るための土練機を新たに配備する予定です。 土練機 を上手く使いこなせば質と量の更なる向上が見込めることと、端材の再利用がより容易になります。陰翳の生産に伴う原料ロスはもともとゼロですがより回転させやすくなるので、 大口注文が来たとしても持続可能な生産の体制は維持することが出来ます。配備されるのはまだしばらく先になると思いますが納品された時にはまたブログで紹介したいと思います。お楽しみに。

現在は手練りで作っております

アークマテリアに陰翳について紹介いただいております。下記URLからアクセスして記事をご覧下さい!

日本の伝統美で空間を美しく演出。手仕事仕上げの陶壁タイル「陰翳(いんえい)」 (arch-materia.com)