山岡キャニオン

こんにちは、T2冨田です!
現在私は美濃の白い土を活用した商品開発を行っています。
先日その参考資料作成、そして勉強のため恵那市山岡の鉱山に見学に行ってきました。
本日はその美濃の鉱山をご紹介したいと思います。

こちらは採掘場のひと区画ですが、部分的に見てもカメラに収まらないスケール、下へと続いていくであろう白土のあつみ、、。
鉱山はやはり壮大ですね。写真には写っていませんが、作業中の重機がミニチュアのように見えます。

小さい子が景色を描いた時に、地域によって地面の色が違うことがあるそうですが、このあたりの子は白やグレーを選ぶのでしょうか、、。

キャニオンに近づく途中、目に飛び込んできたのはこちらの溜め池のブルー。

HERITAGEの004と同じ色、、

この美しい色はアルミナという成分が沈殿しているためで、水に色がついているわけではないそうです。(ちなみにアルミナは焼き物の原料に含まれる成分ですが、水の外にあるときは別に青くはなく、顔料としての役割もないです。そしてHERITAGE004の着色には銅を使用しているので、似た色ですが別物です。)
こちらのお水は何かに使用しているわけではなく、採掘場に溜まった雨水などを廃棄する際に、一度成分を沈殿させてからうわ水を少しずつ捨てるそうで、そのための溜め池だそうです。

もう少し近づいてみます。

地層が分かれているのがお分かりいただけるでしょうか。
遠目で見た雰囲気で、単純に粘土の種類ごとに層が分かれているのかな、と思っていたのですが、そんなにうまい具合に分かれてはいないようです。黒っぽく見えた部分は粘土の質の境界というよりは、部分的に土に大量の亜炭が入り混ざっているためでした。

亜炭ズーム
亜炭が混ざった土の砂山

(私は県外出身なので詳しくないですが、亜炭は昔、岐阜県御嵩町に大きな炭鉱があったとか、コスパの悪い燃料として使われていたなどと聞いたことがあります、、現在は肥料として活用されているみたいです。)

この亜炭に混ざった土付近は木節粘土質のものだそうです。
木節粘土は美濃近郊を主産地で、樹木や葉などの有機物や腐食物を含んだ可塑性が大きい粘土です。このように亜炭層等にはさまれ、層状に産出する粘土です。
その生成過程から有機物を多く含むため、生の状態では黒褐色が一般的ですが焼くと白くなります。 (白い木節粘土もある)

粘土の分類については、採掘時も場所によって土の成分性質を調べておおよそ分けるそうですが、明確な仕分けと、調整、割り振りは水簸屋さんや原料屋さんが行うようです。ショートケーキのようにきれいに、種別ごとに層で分かれているもんだと思っていましたが、天然のものなのでやはり成分が均一でなく、そのまま使えるような都合がよい状態にはなっていないんですね。

鉱山は山岡の周りの地域含め、とても気持ちの良い、美しい場所でした。
見学は岐阜県恵那市山岡町にある原陶土産業株式会社さまにご協力いただきました。
自然がとてつもない時間をかけて作り出したものを見ながら、目の前のことからその先を見据えた話までしていただきました。
とても貴重な機会をありがとうございました。

これらは限りある資源であると、長らく言われ続けています。
社会のバランスによってその寿命は多少の伸び縮みがあるでしょう、でも終わりはちゃんと来ます。
この先何をしていくのかと考えた時に、終わらせてから始めたのでは遅すぎる。変わらなければいけない立場に立たされた時、あと10年と思った時に、先のことをどれだけ考えらるか。

自然の偉大さと対照的に人が持つ時間について、それから自分ができることなど、、多くを考えさせられる鉱山見学でした。