カテゴリー別アーカイブ: タイルあれこれ

やわらかタイル(試作)

こんにちは、冨田です。

週末に、実家の畑の梅の収穫をしてきました。
我が家はほったらかし畑なんですが、今年は元気いっぱい、木が重たそうなほどなってくれておりました。
なかなかな労働でしたが、柔らかい黄緑とさわやかな香りでなんだか不思議と心地よく癒された時間でした。
今年の夏も梅の力を借りて乗り越えようと思います!

さて、本日のご紹介は試作中のノートから。
イタリア行きのメンバーに一応足をかけているものです。

with 連れ帰った梅

手描きのタイルの派生で生まれたものです。(名前はまだない。)
土の白さとやわらかな印象を活かしたくてつくってみました。

原案としてのイメージは、ベースの素地の印象から『雲』をテーマにしています。絵付けは雲にまつわる、、ということから、天気系のイメージで描いています。
ただ、白さを損ないたくなかったので、無機的に、でもやわらかく、抽象的にというようにしてみました。
自分は結構頭が固いので、基本的に連想ゲームのような感覚でつなげてつなげて頭の中をファンシーにしてつくっています。

この装飾はいっちんという技法で、化粧土をマヨネーズくらいの堅さにして、それを袋から絞りだして描いています。本当はちゃんとした道具もあるんですが、意外とこれでも全然大丈夫。お菓子作りも同じようなことしますしね、

タイルとしての使い方はやはり、アクセントとしてベーシックなタイルの中に点在させるイメージでしょうか。
未熟者故、タイルの壮大さがまだまだつかめなくて、つくっているときは、楽しさとタイルの可能性を潰していないかという不安の間を右往左往しています。もう少し大きな見え方ができるようになるといいな、、

日々悩みつつ、楽しみつつ、試作をしております。
ご意見、ご感想ありましたらぜひ、お聞かせください。

住宅洗面台についてのアンケート結果【その1】

5月末から6月上旬にかけておこなった「住宅洗面台についてのアンケート」。短い回答期間にもかかわらずたくさんのご回答をいただき誠にありがとうございました!
今回「住宅建築に携わる業者様向け」と「自宅の新築・リフォーム経験のある方」「自宅の新築・リフォームの計画のある方」の3パターンでアンケートを実施いたしましたが、業者様と施主様での考えの違いなども垣間見え、非常に興味深いアンケート結果となりました。
質問項目が大変多かったため、いくつかの項目をピックアップして集計結果や寄せられたご意見を紹介したいと思います。

Q. 洗面台について

まずは造作洗面台既製品(システム洗面台やユニット洗面台)の採用比率です。こちらはハウスメーカー、地場の工務店、お施主様に分けた集計結果をお伝えします。

洗面台の採用比率(ハウスメーカー)

ハウスメーカー様では既製品の洗面台という回答が圧倒的に多かったですが、標準仕様がしっかりと決まっているという事だと思われますので、注文をする側としてはイレギュラーが起きにくくて安心できますね。

洗面台の採用比率(地場工務店)

回答いただいた地場工務店様では、標準仕様の有無がほぼ半分ずつでした。そのため、造作と既製品の割合もあまり大きな開きはなく、物件ごとで柔軟に変えておられるようです。

洗面台の採用比率(お施主様)

その他の回答に含まれるのは「両方を組み合わせている」というケースや「2ヵ所以上洗面台があり、それぞれで異なる」といったケースのようです。
なお、業者様の中でも建築設計事務所の方などの回答では「造作洗面台」という回答が非常に多かったりと、やはり業種によって特色がでるようですね。

洗面台の採用比率(お施主様)

続いて業者の皆様にお聞きした質問です。

Q. 造作洗面台のメリットはなんだと思いますか?

1位:お客様の満足度が高いこと
2位:素材を自由に選べること
3位:他社との差別化が図れること

やはり造作はオリジナリティが出ますので、満足度アップや自社の色を出せるといったメリットがあるようです。お客様としても造作で作られた洗面台はとくに愛着のある空間になるのかもしれません。
ちなみに、デメリットとして最も多かった意見は「初期費用が嵩むこと」。工務店としてもお客様のことを思えば、初期費用をできるだけ抑える努力は惜しまないでしょうし、そんな中ではやはり既製品よりも費用がかかってしまうことをデメリットと感じる方は多いようです。
その他のデメリットでは下記を回答している方もありました。
・設計やデザインの時間がかかること
・打ち合わせの回数が増えること

Q. 既製品洗面台のメリットはなんだと思いますか?

1位:予算を抑えられること
2位:設計や施工がしやすいこと
3位:メーカーの保証があること

既製品の良い点は、やはり予算が抑えられる(事前に予算の見当がつきやすい)という点が一番のようですね。
なお「設計や施工がしやすい」というメリットについては、一方で「ちょうどいい製品を探すのが大変」というマイナス面のご意見もありました。

洗面台のタイルの割合

Q. 洗面台にタイルを使用していますか?

さて、いよいよ本題です。実際に自宅の新築やリフォームをおこなった方のうち、洗面台にタイルを使用している方はどのような割合だったのでしょうか。

洗面台のタイルの割合

既製品の洗面台の方が採用割合が多かったので、やはりタイルの有無も同じような割合となりました。
ちなみに、タイルを使用しなかった理由としてダントツで多かったのが「予算の都合で選べなかった」という回答。アンケート以外の場所でも、予算を抑えたい時にやはり率先して削減されるのがタイルなどの内装材だという話をよく聞きますので、メーカーとしては何か解決の道を模索したいところです・・・。
その2では、タイルに関する質問を中心にご紹介していきます。
その2を読む>

淡陶社のタイル

こんにちは。試作担当の吉野です。

今回は淡陶社(現在のDANTOさん)のタイルのご紹介です。

まず、タイルの前に淡陶社さんの焼き物のご紹介です。淡陶社さんの前身である珉平焼は江戸時代後期(文政年間)に淡路島で賀集珉平さんが開窯した窯です。そんなにも古く歴史のある会社なんですね。京都の尾形周平さんに師事を仰ぎ、作品は京焼の色絵技術を取り入れたお茶道具など作るところから出発しました。また、京焼の写しだけにとどまらず、中国陶器、漆器、金属器までを模したかなりバラエティーに富んだ作風です。兵庫陶芸美術館で2007年に開催された『 珉平焼 -淡路島が生んだ幻の名陶 』の展示会の図録で詳しくご紹介されていますが、廃刊になっているのでなかなか手に入れるのは難しいでしょう。私も友人にコピーさせて戴いたものを所有しているだけです。

私が骨董趣味を始めた頃には珉平焼のカラフルな器が少し流行っており、また小皿等は比較的お求めやすい価格だったこともあってそこそこの数を集めていました。

小皿類が多く、コレクションするアイテムとしては最適ですね。何年も前に珉平焼好きが高じて淡路島の窯跡にまで行ってみたこともあります。確かDANTOさんの淡路島工場の隣だったような。。。カラフルな陶片が少し落ちていました。淡路島は畑に名産の玉ねぎが干してあったり、長閑で良い場所でした。

後の明治16年に珉平焼は淡陶社に変わります。当時は輸出用のカラフルな陶磁器を中心に生産していました。タイル生産にもこの頃から着手し、初めは湿式タイルから、明治41年に日本で初めて乾式タイルの生産に成功しました。今回ご紹介するタイルはこの頃の初期の貴重な乾式タイルと思われます。裏面を見ると珉平焼の頃から使われていた千鳥の可愛いマークがありますね。

鯉のようなものは生け花で使う花留めです。色々な作品があって楽しいです。

この頃の作品はヨーロッパのタイルを模倣しながらも、独自のオリジナリティを模索しているように感じられ個人的には好きです。

そして大正初期頃から各タイルメーカーさんは和製マジョリカタイルを作り始めます。とにかくカラフルなタイルです。大量に生産されたので古くからある銭湯だったり、まだ見られる場所も少し残っているでしょう。また、輸出も多くしていたのでアジア各国やインド、アフリカ等でも未だに見られるようです。

この頃になると各社独自のオリジナリティは影を潜め、原型が同じなのでは?と思ってしまう程各社ほぼ同じ文様の製品を作っています。上部の1枚目と2枚目のタイルは色が違うだけの製品に見えますが、別々のメーカーさんのものです。時代的にまだ著作権的なものが緩かったのでしょうか。

ちなみにこれは豆知識ですが、日本で言う『和製マジョリカタイル』とは『日本の会社の商品名』であって、ヨーロッパで言う『マジョリカ焼き』とは実は似ても似つきません。 ヨーロッパで俗に言う『ヴィクトリアンタイル』の中の一部の色絵製品を、日本で模して作られた製品を『和製マジョリカタイル』と言う商品名で売り出したのです。恐らく日本で商品化される際に、何か間違いが起きこのようになってしまったのではないかと思います。

和製マジョリカタイルは現代の感覚からしてみると派手で使い方の難しいタイルですが、時代背景などを知ったうえで見てみれば面白いものです。 日本にはもっとずっと古い時代から塼や敷瓦などのタイルのようなものは存在していましたが、ここから本格的に日本のタイル大量生産の歴史が始まったのですね。

ちなみに弊社の『魅』という商品は私が和製マジョリカタイルの文様を拝借し、現代風にアレンジして開発しました。 透き通ったブルーの釉薬で爽やかなリゾート感のある仕上がりです。上部と左のものは連続性もありますので、同じ柄で構成して使って戴けると綺麗だと思います。

次回も宜しくお願い致します。

住宅洗面台についてのアンケート

※アンケートの回答受付は終了いたしました。

住宅洗面台についてのアンケート

住宅洗面台に関する
アンケートにご協力ください!

この度「タイルパーク」では、洗面台で使用できるタイルラインナップ拡充のため、自宅の新築・リフォーム経験のある方や、今後計画のある方へアンケートを実施する事となりました。
アンケート結果は後日、タイルパークのホームページやメルマガ、ニュースレター等で発表予定です。
多くの方々の思いやご意見を紹介できるよう、ぜひご協力お願い致します!


オリジナルブローチをプレゼント

アンケート回答者の中から抽選で3名様に
タイルアクセサリー「Hers」の
オリジナルブローチをプレゼント!

Hers

「Hers」とは

タイルメーカー「TNコーポレーション」で
タイル開発をおこなう女性職人の手により
ひとつずつ作られるアクセサリーブランド。
やきものの魅力を閉じ込めた美しいチャームで
ピアスやイヤリング、ブローチなどを製作しています。

※プレゼントのブローチの種類は選べません


アンケート対象者
住宅を新築・リフォーム中の方 
 過去に新築・リフォームをおこなった方
今後新築・リフォームを計画している方
回答期間:6月4日(日)まで


主なアンケート内容:
●自宅の洗面台のデザインについて
●タイルに対するイメージやデザインの好みについて
 など
必要時間:約2分程度
アンケート内容は集計後、タイルパークのホームページやメルマガ、ニュースレター等でご紹介予定です。出来るだけ多くの方々の思いやご意見を紹介に反映できるよう、ぜひご回答宜しくお願い致します。

住宅洗面台に関するアンケートのお願い

※アンケートの回答受付は終了いたしました。

住宅洗面台に関するアンケート

住宅洗面台に関する
アンケートにご協力ください!


タイルパークの内装タイルのラインナップを活かした「住宅洗面台タイル」の展開にむけ、実態調査のためのアンケートを実施する事となりました。
今後の商品開発やサービス改善のヒントを得るため、ぜひ皆様のご協力をお願いいたします。


アンケート対象者
ハウスメーカー、工務店、その他「住宅」の建築に関わる業種の方
回答期間:5月22日(月)~5月28日(日)

<アンケート回答者特典について>


主なアンケート内容:
●手掛ける洗面台について
●洗面台でのタイル使用の有無について
●タイルの好みやメリットについて
 など
必要時間:約3分程度
アンケート内容は集計後、タイルパークのホームページやメルマガ、ニュースレター等でご紹介予定です。出来るだけ多くの方々の思いやご意見を紹介に反映できるよう、ぜひご回答宜しくお願い致します。


★アンケート回答者特典★

タイルパークおススメ商品のデジタルパンフレット一覧ページへのご招待

これまでにメルマガ等で配信をおこなった「デジタルパンフレット(WEB商品リーフレット)」。
断続的に配信していたこれらのパンフレットを1ヵ所に集めた、特別なWEBページへの閲覧用URLとログイン情報がアンケート送信後画面に表示されます。
↓デジタルパンフレットを1種類だけ試し読み↓
デジタルパンフレット 「ポルケット」


Point1 タイルのディテールを動画でお伝え

動画

カタログやホームページの写真では伝えられない厚みや光沢感などを、実際に動かしてお伝えする動画をパンフレット内でご覧いただけます。手に持って動かしているため実際のサイズ感も読み取りやすく、サンプル請求前の検討材料として重宝。


Point2 スライドギャラリーで多くの写真を閲覧

ギャラリー

「View Other」を押すと写真ギャラリーをポップアップで表示。サイトには掲載していないアングルの写真などもご紹介しています。

【デジタルパンフレット ラインナップ】
ブルー&ホワイト
レギャン
モット
ポルケット
遊彩
ほか(現在13種類)
【一覧ページについて】
※アンケートの回答送信後の画面に、ページへ入室するためのIDとパスワードが表示されています。予めメモアプリ等にお控えいただいてから、一緒に表示されているURLへアクセスしてください。

建材展からの経過③

こんにちは、冨田です。
GWに入り、お休みモードでなかなかスイッチの入れ替えが難しい時期ですが、いろんなものの期日が迫ってきて、じんわりと焦っている今日この頃です。

本日は、建材展からの経過③(まだ引っ張るか、という感じですが、、このテーマはこれで最終回です)で手作りタイルについてご紹介しようと思います。
ただ前々回、社長がちょうどこのことについて書いてくださっていたので、また少し違った写真と、他の釉薬の実験と合わせてお見せすることにします!

手作りタイルは、スピードや質に関しては生産性に問題がありますが、形に関しては融通が利くとも言えます。また、コスト面の問題と、個性的である印象からアートパネルとしての活用を想定し、目地を考えない・あるいは目地に遊びを持たせる形状を考えてみました。(全貌の写真は割愛)

同じ形を4つ組み合わせて、100角をつくれる形状を考えてみました。
目地に自由を与えると並べ方のバリエーションが広がりますね。なんだか変化があっておもしろそうな気がしています。

こちらはカラバリのテストです。
信号機カラーになってしまっていますが、絵本みたいなかわいらしい印象での構想があるのでこれはこれでいいのかなとも、、
もっといろいろ遊んでいたいのですが(注:真面目に、お仕事として遊んでますよ、、!)、頭は満員、時間も追い込まれてきたのでそろそろ断捨離しないといけませんね。お披露目のイタリアに向けて頑張りましょう。

【おまけ】釉薬のテスト
メタル系のものを自社製で作ろうと試みていますが、それはそれは上手くいかない。故に、テストのまとめのシートの表情がなんとも多様!これはアイデアの枝ですね。見ているとあれもこれもと気が多くなってしまいます、、今はそっとしまっておきましょう。

手作りタイルには、これから立ちはだかる壁が諸々あると思いますが、工業的な垣根を越えて、人の手を感じられるものをつくっていけたらと思います。

T2PROTO.LAB  https://t2protolab.com/
手作りタイルの先輩『陰翳』 https://t2protolab.com/work/in_ei/

ウィリアム・ド・モーガンのラスター彩タイル

こんにちは。製品開発担当の吉野です。今回もアンティークタイルの回です。 今回はウィリアム・ド・モーガン工房作のラスター彩タイルです。 ウィリアム・ド・モーガン(1839~1917)は19世紀後半のイギリスで展開された『アーツ・アンド・クラフツ運動』の時代に活躍した人物ですね。

まず、『アーツ・アンド・クラフツ運動』とは、 ウィリアム・モリスのモリス商会が中心となり、近代化に伴い急激に加速する工業化社会を危惧し、前時代的手工芸に芸術的価値を求めた運動のことです。 モーガンはそのモリス商会にタイル、ステンドガラス、家具等のデザインを提供していたようです。

モーガンのタイルは16世紀トルコのイズニックタイルを参考に独自にアレンジしたものが多いように見受けられます。 今回のタイルは、赤絵でイズニック的草花文を描き、表面をラスター彩で仕上げた作品です 。ラスター彩もイズニック陶器で多用される技法ですね。19世紀後半には再現の難しい技術でしたが、科学にも精通していたモーガンは再現に成功。釉薬や絵の具、転写技術の開発なども得意だったようです。 では作品を見ていきましょう。

写真だとなかなか撮影が難しいのですが、ラスター彩のオパールの様な煌めきが綺麗です。額装は入手時からのものです。裏面の隙間から乾式製法で作られているのが確認出来ますね。ですが、INAXのタイルデータベースで確認すると湿式のものしか確認出来ないので本作は贋作か?と一瞬頭をよぎりましたが、それなりに古そうに見えますし、違和感も感じません。 『アーツ・アンド・クラフツ運動』 に参加した人物としては、粘土から手作りで成形している方が説得力はありますが、時代的にも乾式製法は発明されていますし、製造に転写技術なども使っている人物なのでそんなに変な事でもないのかも知れません。 このタイルは工房末期の作なのでしょうか。

気に入っておりますし、恐らく日本で ウィリアム・ド・モーガンのラスター彩タイルを持っている人なんてそうそう居ないと思います。日本ではレアタイルだと思います。

本当ならばウィリアム・ド・モーガンの工房や他作品の写真もご紹介したかったのですが、著作権的なものに引っかかる可能性もありますので今回は写真少な目です。所有しているタイルのみです 。すいません。ご興味のある方はお調べになってみて下さい。

次回も恐らくアンティークの回になるかと思います。よろしくお願い致します。

ゴールデンウィーク期間の配達について

いつもタイルパークをご利用頂き、誠にありがとうございます。

ゴールデンウィーク期間の営業について

誠に勝手ながら、下記の期間を休業とさせていただきます。
2023年5月3日(水) ~ 2023年5月7日(日)
※休業期間中、電話・メール・FAXでのお問合せのご対応、プロ会員登録の審査がおこなえませんので予めご了承ください。

ゴールデンウィーク期間中の配達について

★4月28日以降の出荷分は、すべて最短5月8日からの配達となります。
★下記の日付以降に出荷されたお荷物はゴールデンウィーク前に配達ができません。地域によっては配達が5月8日以降になる恐れもございますのでご注意ください。

27日正午12時以降のご注文分は4月28日出荷、5月8日からの配達となります。

※当日の出荷締め切りは正午12時です。銀行振込でご注文の場合は、正午12:00までにご入金が確認できた注文までが当日の出荷の対象となります。
※即日出荷に対応できない商品もございます。ゴールデンウィーク前の配達をご希望の場合は、可能な限りお早めのご注文をお願いいたします。
※連休直後はご注文が大変集中致します。やむを得ず出荷の遅延が生じる可能性がございますこと、予めご理解・ご了承下さいますようお願い申し上げます。
※5月1日~2日は縮小営業につき、ご注文内容によっては注文商品の出荷を5月8日以降とさせていただく可能性がございます。

配達休止期間について

地域によってはゴールデンウィーク期間中は配達がございません。

サンプル注文について

ゴールデンウィーク明けの営業再開直後はご注文が大変集中致します。やむを得ず出荷の遅延が生じる可能性がございますこと、予めご理解・ご了承下さいますようお願い申し上げます。
※荷物のお受け取りが難しい場合は、注文の問合せ欄に確実にお受け取りが可能な希望お届け日を明記願います。不在持ち戻り後の郵便局保管期限は1週間程度です。保管期限を過ぎたお荷物の再発送はおこなっておりません)


建材展からの経過 その②

こんにちは、T2冨田です!
昼間のあたたかさと朝晩の子寒さで風邪をひかぬよう体調管理に気をつけたいこの頃です。
さて、本日の建材展後の経過はエシカルな取り組みについてです。

TNではかねてより、タンブルボーダーをはじめ、インテリアパネルやテラゾーなど様々な角度から 環境を配慮した取り組み、商品開発を試みてまいりました。
そのなかで私が担当していたのが廃棄釉薬を使用した実験です。

商品の生産過程で排出された釉薬はタンクに集められ、フィルタープレスでしぼり、原料にもどして粘土として再利用していますが、これはごく一部です。
そこで残りの行き場をなくした廃棄釉をなんとか活用できないかということで、これを釉薬の下掛けとして活用する実験を行ってきました。(昨年の夏ごろのブログでも少しお見せしていたかと思います。)

廃棄釉を活用するにあたり想定される大きな問題は、
その時の工場の生産商品により廃棄釉の色調、性質が大きく変わること。
下掛けであればその差も多少の印象の変化程度に抑えられるのではないかという算段でした。

廃棄釉は見た目の印象で色ごとに分けてテストする
画像は赤、黒、グレーの三色に分けて水で溶き施釉したもの

しかし、定期的に実験していくと予想を上回る色調の幅で、浅い川のような淡い緑色の時もあれば、飴のような茶色みのときもあるというなんとも困った七変化具合。
はたまた、上掛けとの相性か、釉縮みが起きたりなんだりと課題が続出しました。

12月採取 単味
1月採取 単味
釉縮みが発生

上記課題を経て添加物による色の調整、上掛けにも糊剤の添加、施釉量の微調整などを行い、なんとか着地したのがこちら。

上が単味
下が上掛けに白マットを掛けたもの

味のある自然な表情のものができあがりました。
奥ゆかしさを感じさせるやわらかい印象のためか、建材展にて「環境配慮の取り組みとして」の枠を超えて比較的よいリアクションをいただけたのも嬉しく、ほっとしたところでした。頑張って良かった、、!

これらを踏まえて、現在は商品化へ向けて、定期的な採取で調整幅の検討をしていくことと、これらから生まれた表情の活用を考えています。
廃棄釉が生み出した表情はなかなかに魅力的だったので意図的につくることができないかという実験もしています。が、そうそう簡単には再現させてくれなさそうです。

3月採取 
再現実験

実験は上手くいかないことの方が多いですが、思わぬ寄り道を楽しみながら地道に進めていこうと思います。

エシカルな取り組みについて、いくつかウェブブックとしてまとめています。
よろしければぜひ一度ご覧ください。

エシカルジャーナル01https://tile-park.meclib.jp/TN_ethical_journal_01/book/index.html#target/page_no=1
エシカルジャーナルhttps://tile-park.meclib.jp/TN_ethical_journal_02/book/index.html#target/page_no=1

兎のデルフトタイル特集

こんにちは。開発担当の吉野です。

最近は海外向けのタイルを開発していまして、そちらの方はあまりお見せするものでもないので開発ブログネタが無く。。。 ですので、今回は私個人のアンティークタイルコレクションの一部をご紹介致します。

色々あるのですが、第一弾は『 兎のデルフトタイル特集 』です。お正月はとっくに過ぎてしまいましたが、兎年ですしね。 デルフト焼は、景徳鎮の染付や日本の古伊万里の模倣から始まった、オランダの焼き物です。中国染付や古伊万里とは製造方法が少し違っていますが、逆に錫釉のその柔らかさと素朴な絵付けが魅力的です。

まず一枚目は、1600年~1620年くらいに製作された初期の色絵タイルです。400年前ですね。日本で言うと関ケ原の戦いの頃です。年代を細かく判別しているポイントは、コーナーデザインがその年代に使われたものだからです。 コーナーデザインも時代によって変化していくので、時代を見分ける基準になるんです。そして兎の絵がまた抜群にかわいい。デルフトタイルと言うのは、釉薬を掛けて生の状態そのままのバサバサしてる描きにくい状態の上に絵付けをするので、基本ヘタウマと言うかそんなに絵が上手いものが少ないんですが、この兎はかなり上手く描けていますね。また色絵なのにブルーのウサギと言うのもまた珍しい表現です。通常は大体ブラウンです。

デルフトタイル 兎文 (1600~1620年代)

次の二枚目も1600年~1620年のものです。こちらはブラウンのウサちゃんです。気付かれた方もいらっしゃると思いますが、一枚目の子と描き方が似ているんです。恐らく同じ工房の作品かと思われます。ブラウンの子も抜群にかわいく、 まつ毛があるので雌?のように見えます。対してブルーの子は雄っぽいので、勝手に番いのつもりで飾っています。

デルフトタイル 兎文 (1600~1620年代)

最後はほんの少しだけ時代は下り、1600年代後半のものです。当時、多くの工房で多くの職人さんが描いているわけですから、描き方にも様々なタイプがあります。この子はディズニーアニメのような描き方で個性的ですね。何故か眉毛?があります。

デルフトタイル 兎文 (1600年代後半)

今回は 『 兎のデルフトタイル特集 』 でしたが、天使や様々な動物のデルフトタイル、他の様々な時代のヨーロッパアンティークタイルから日本のマジョリカタイルや敷瓦、現在のダントーさんの前身『 珉平焼 』の初期のタイルまで、色々とコレクションしているのでアンティークタイルのネタならば暫くは尽きません。

次回も開発ネタが苦しければアンティークのお話になるかもです。

前回の投稿で少し触れましたが、3月いっぱいでTNを離職予定でした。ですがあと半年は在籍することになりましたので、あと半年間だけですが、よろしくお願い致します。