目地で変わるタイルの印象


タイルを検討する上で、目地材の色というのは非常に仕上がりを左右するポイントです。



サブウェイタイルに白目地

こちらはタイルパークでも人気の高い「サブウェイ/SUW-150」の使用事例。白い目地がタイルと馴染み、清潔感と広々した印象を与えてくれています。



サブウェイタイルにダーク目地

かわってこちらは同じキッチンでも、ダークグレーの目地を使用した事例です。タイル1枚1枚がキリっと引き締まって見えて、全体的にカジュアルな印象に。



比較してみると木基調のカウンターにシルバーのレンジフード、照明はペンダントライトと、近いアイテムを使用しているにも関わらず仕上がりの印象が大きく違って見えますね。



「そうは言っても、実際に入れて見ないとどうなるか想像できない!」というお声はごもっとも。長年タイルを見ているプロでさえ、目地を入れた途端「うーんこうなったか」と唸ることは案外多いそうです(良い方にも悪い方にも・・)。



他にも「タイルが美しいから目地は入れたくない・・・」というご意見(目地が邪魔したり汚れたりするのが嫌)や、「タイル同士が離れると間が抜けて見えてしまう」など様々な声が聞かれ、ちょっと忌避されがちな目地。今回は、そんな奥深い嫌われ者(?)の目地について色々考えてみたいと思います。







色味の有無と明度


ためしに、SUW-150を並べた背景に、市販の目地に多い色みのカラーボードを置いてみました。

SUW-150の背景に目地の色

※実際の市販目地の色ではありません。

こうして見ると、目地の色によってかなりの差が生じることがわかります。
下段のグレー系3色が分かりやすいですが、タイルと目地の明度差が近づくほどぼや~っと間延びしたような印象になっています。左上の白目地の場合は(今は写真の写り具合に寄る部分も大きいですが)場所によってはタイルより目地の方が明るく見えていますが、印象としては一番馴染んで見えます。細い目地ならほとんど意識することは無さそうですね。


上段の右2点はカラー目地。目地部分が結構目に飛び込んできて面白い反面、「タイルと目地のどちらを目立たせたいか」がよく分からないかなという気もしますね。



PLK-02NLの背景に目地の色

ちなみにこちらは黒いタイルの「プランク/PLK-02NL」の写真の背景に同じカラーボードを置いてみたもの。タイル自体の明度が低い場合は、意外と明度差に関係無く無彩色の目地なら馴染んでくれますね。


やはり、無彩色のタイルには無彩色の目地が鉄板ということですね。ただし、タイル自体の明度が高い場合は中間的な明度の目地だとぼやけてしまうようです。



では次に、色味のあるタイルを見てみましょう。



こちらは「睡蓮-LH/SULH-50」のイメージ写真。白っぽく見えますが、ほんのりグレーな目地色が使用されています。



真っ白な目地でも快活な感じがして良いですが、面積が大きいと目地が悪目立ちするかもしれませんね。逆にダークグレイの目地だと沈み過ぎてタイルの瑞々しい印象が損なわれてしまいました。左下はほんの少し色味をプラスしたものですが、案外これくらいの方が自然に馴染むのかもしれませんね。

(ちなみに右下は、「もしタイルと同じ色の目地を入れたらどうなるのか・・・」と思い試してみたもの。一見すると全体的にぼやけた感じもしますが、壁全体の色合いのイメージを守りたい場合は案外悪くないかもしれません)







タイルと目地の色を似せるのもオススメ


インテリアにタイルが沢山使われるアメリカ。弊社と取引のあるアメリカのタイル商社の方に「内装で目地を選ぶ時のポイントは?」と聞いたところ、「タイルの雰囲気に寄せること」と言われたことがありました。


こちらはアメリカから輸入・販売している「フェザー/Feather-Mineral-Pearl」というガラスモザイクタイル。目地の色を見ると、タイルに寄せてほんの少し青みがついています。決して目立たずタイルの良さを引き立てる目地の色を選び取れると、とても洗練されて見えますね。

アメリカではタイルのイメージに合わせて目地の色を調整することもよくあるそうです。(そもそも目地の種類が日本と比べてものすごく多いのも理由ですね)







目地が太って見える理由


こちらの写真をご覧ください。


左は目地を入れていない状態、右は白目地を入れた状態。目地幅はどちらも同じ2mmですが、なんだか右の方が目地が太って見えませんか?

やきものの表面を覆う釉薬の中には、このように縁へいくにつれて色が消えていくものも多いです。内装タイルは一般的に細目地の方が仕上りが綺麗と言われていますが、目地の色によってはタイルの縁が目地に繋がってしまい、太い目地が入っているように見えてしまうので注意が必要です。







目地も含めて「デザイン」


ここまでの内容で「難しい・・・わからない・・・やっぱり目地は無いことがベストなのか・・」と思った方も多いかもしれません(汗)では最後に、現在コロナウイルスの影響で連載を休止している「ニューヨークだより」から、アメリカの店舗で使用されているタイルをいくつか見てみましょう。















結局のところ「このタイルにはこの目地」という組み合わせのセオリーだけでなく「いかにそのインテリアのコンセプトに合っているか」が一番大切ということが伝わってきます。さすがタイル大国ですね。





★ガラスタイルの目地色の違いについて解説した動画もありますので、ぜひご覧ください。
















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