若きデザイナー T2の苦悩

商品開発を受け持つ二人の若き開発担当者が運営するT2。T2の由来は二人の名前です。陶芸家を目指して同じ年に多治見市意匠研究所に入所した二人の名前は偶然にも徹でした。二人が展開する新しい商品プロジェクトのネーミングを検討する時、はじめは徹2(トオルツー)を二人に提案しましたが、あまりにもベタなので徹の頭文字TをとってT2とすることにしました。

二人の徹(トオル)

一年ほど前に立ち上がったT2プロトラボ。はじめは曖昧なスタートでした。 経営側の意図は試作室を公開する事が一番の目的でした。商品化されるまでには多くのボツネタがあります。そもそも魅力のない商品はしょうがないですが、魅力があってもその殆どはボツとして日の目を浴びないのです。そんな商品を紹介し、場合によっては手作りの希少性のある商品としてお客様に提供する。それと開発途中の試作室を見てもらうことでお客様との距離を近づける。それが経営側の意図でした。 その後T2のホームページやパンフレット、そして商品のタイルパークサイトでの公開、更には展示会出展を重ねるうちに制作側の二人から強く意見が出るようになりました。それは「T2らしくない、試作を販売するのは未完成品を世に出しているようで落ち着かない、T2はブランドではないですか?」そんな言葉でした。 経営側と作家、そして販売企画との見解がずれ始めたのです。何度も話あいました。答えはまだ出ていません。それでも私の頭の中にぼんやりとその構想はまとまりつつあります。 T2とはこだわりの原料と技法を活用し、手仕事にこだわったハイブランド商品。そしてプロトラボの部分はWEBや工場見学などを通じて試作室を公開し、欲しい人にはどんな少量でも作って販売する。 この2つの内容を軸に展開することにしました。 今でもすべて解決できたわけではありません。 T2の二人はアーティストなのか職人なのか。ディレクターなのかモデラーなのか。その問題は今も続いています。それでも確実に前へ進んでいます。 2022年のカタログではT2ブランドとして10ページ程度を割いて手仕事とこだわりの技法を活かしたT2商品を紹介します。 いいものを追求し意見をぶつけ合うことは重要だと思います。そしてこれからもT2の苦悩は続くと思います。しかしそれは幸せなことです。その結果多くの人に喜んでもらえる商品ができれば幸いです。

少しT2の最近の商品を紹介します。

展示会風景