取材:2019年6月 写真/記事:佐京佑夏
ニューヨークで最も人通りが多く、商業施設、ブロードウェイシアターや、大晦日のカウントダウンイベントなどのスポットとして人気のあるタイムズスクエア 。
タイムズスクエア駅の地下鉄(MTA)は殆どの路線が走っているのと、郊外へ行くためのバスが出ているポートオーソリティと連結している便利さがあるので、旅行者には大変人気があります。
旅行者が集まるエリアなので、ホテルとレストランも沢山あります。最近ではAirbnbなどのホテルではなく、民家の部屋をレンタルするのが主流な時代になってきている中で、今回はより旅行者のニーズを追求して、かつデザインや機能性を重視する、次世代の旅行者をターゲットにした新感覚ホテルを紹介します。
Moxy Hotel Times Square (モクシーホテル・タイムズ・スクエア、以下Moxy)は、2年前にオープンしたばかりの新しいブティックホテル。マンハッタンには他にも何軒かMoxyがありますが、今回はその中でも、デザイン性や公共部分のエンターテイメントに優れたタイムズスクエアのMoxyを体験してみました。
タイムズスクエアの中心になっている通り・42丁目から、7番街を南に少し下がって歩いて行くとMoxyにぶつかります。フロントロビーは7番街から36丁目に入ったところにあり、ピンクのネオンサインが見えてきます。
このビルは古い歴史があり、1907年に銀行員であり博愛主義者であったDarius Ogden Mills氏(ダリアス・オグデン・ミルズ)が、労働者階級の人たちにも泊まれる手頃な価格のホテルを作りたいという意向から作られたのが、New Mills Hotel(ニュー・ミルズ・ホテル)でした。そして100年以上経った2年前の10月に、同じ目的で旅行者が手頃に泊まれるホテルとして新しく登場したのがMoxy Hotel。
入ってすぐ気付くのが、従来あるような感じのホテルロビーではなく、未来的な雰囲気の空間。大きなフロントデスクはなく、チェックインカウンターは個々にキオスクステーションが設けてあり、従業員が部屋へのキーレスエントリーの方法をセットアップしてくれます。もちろん自分で先にアプリでセルフチェックインしてもオーケー。
フロアはテラゾタイルのグレーカラーで統一した色々なバリエーションでユニークです。違うスタイルですがテラゾは2階のラウンジとバーまで続きます。
感じの良いロビーの上を見上げると、ルーフトップまでの吹き抜けの空間に、選りすぐりのアーティストの作品を展示しています。黒い小さなプラスチックのようなものがワイヤーで吊り下げられているのですが、全体的によく見ると熊の形をしていて可愛い。日本人アーティストの澤田広俊さんによってこの作品は作られたそうです。さすがデザイン重視ホテルなのでオブジェにも抜かりないですね!
1階には座るスペースはないのですが、2階に行くと公共のラウンジスペースとバーがあります。
アンティークでブロンズ仕上げのエレベータードアに、広々と続く壁面や天井は落ち着いたライトカラーの木素材を使い、床は一階と同じくミディアムグレーのテラゾ大判スクエアタイルが続きます。
2階の吹き抜けにくり抜かれたスペースは、4本の銅素材の柱とフレームに囲われていて、その周りには小さいテーブルや椅子、ソファーなどがあり誰でも座れるようになっている公共スペース。バーメニューも置いてあるので、隣のバーで飲み物や簡単な軽食を頼めるようになっているのも嬉しいですね。
奥の36丁目通り側壁面は、むき出しのニューヨークらしいレンガを白くペイントしてあります。ハイテーブルとハイチェアがあり、グループでくつろぐのに良さそうな場所ですね。一つ一つの家具や照明を見ても、その場所や空間に合わせたものが置かれていて旅行客を“cozy”(コージー)心地よくさせたいというデザイナーの思いが伝わってきます。
真ん中の広いラウンジから、白いテラゾタイルに変わって明るい雰囲気になります。ゲームなどもあり家族でゆったりできるスペースです。
Moxyの1階ロビーと、2階のラウンジ「Bar Moxy」、そして客室をデザインしたのは、有名高級ホテルを沢山手がけてきたトロントベースのインテリアデザイン事務所のヤブ・プッシュバーグ。客室や公共スペースの家具は彼らがカスタムデザインしています。
Moxyのコンセプトはデザイン重視で細かいところまで遊びを取り入れること、そして本物の素材を使い、むき出しの施工テクニックを基本としています。壁のレンガもそうですが、天井のダクトなどはそのままむき出しで白くペイントしていますね。
ラウンジの隣はBar Moxy。天井は吹き抜けで、こちらのカウンタートップとパネルは銅素材が使われています。こちらのバーの天井と壁の木素材は、ライトカラーではなく濃いグレーでコントラストを出しています。チェックインした後にここにきて、ワインやカクテルなどで一息入れたら、旅の疲れも癒されそうですね!
(https://www.yelp.com/biz/bar-moxy-new-york)
Moxyが若いビジネストラベラーにも人気がある理由は、この3つのミィーティングスペース。それぞれの個室には20人入る収容スペースがあり、ビジネスコンフェランスもできるのです。それも従来のビジネスっぽい空間ではなく、こちらも次世代向けにデザインされていて、部屋も”STUDIO-スタジオ1〜3”と名前が付いています。内装も引き続き、銅素材のフレームで作られたグラススクリーンがそれぞれの部屋の仕切りになっています。大きく一つの部屋としても使えますし、区切って使うこともできるので、用途に合わせて使えるのも魅力の一つですね。
(https://www.marriott.com/hotel-meetings/nycox-moxy-nyc-times-square/modules/meetings/meeting-event-space.mi)
スタジオ1のスペースは、まだ日本ではアメリカほど馴染みがないですが、こちらでは主流になっているタトゥー(入れ墨)。セレブリティータトゥーデザイナーのJon Boy Tatoo氏がMoxyと提携して場所を設けています。Moxyの宿泊客は優先的にアポが取れるようになっているようです。
ラウンジの廊下にはスナップチャットができるスクリーンがあり、自分のメールに送ることができます。テクノロジーに精通したミレニアル世代が暇を潰すには最高のフィーチャー。
「若い世代の旅行者は、部屋の大きさよりもWi-Fiが繋がるかどうか?公共スペースでどれだけのエンターテイメントがあるかどうかを求めている」とMoxyのオーナーは言っています。
(https://ny.curbed.com/2017/4/14/15302306/moxy-times-square-interiors-opening)
客室のサイズは大体14平米から33平米くらいでコンパクト。小さなスペースの中でもデザイン性や機能性は欠けておらず、椅子はスタイリッシュな折りたたみ式を使い、部屋の壁にかけられるようになっていて、シンクもスペースを取らないレトロチックな長細いデザインにしています。壁にはカスタムデザインの留め金が沢山ついているので、洋服やバッグの収納もこれでオーケー。
(https://www.yelp.com/biz_photos/moxy-nyc-times-square-new-york-2?select=xCrlu0UKYoCtu09P2xPUQw)
白と黒のタイルを基調にしたバスルームは、公共のプールに書いてある“2.5フィートの深さ”のようなグラフィックを取り入れています。
(https://www.dezeen.com/2018/03/03/moxy-times-square-hotel-yabu-pushelberg-rockwell-group-marriott-new-york-us/ )
今回はミレニアル世代をターゲットにしたスタイリッシュなブティックホテル、MOXY Times Squareを紹介しました。次回はこのホテルの要になっている、ルーフトップバーとシーフードレストランをご紹介します。お楽しみに!
ここが気になる!スタッフのタイルワンポイント
こだわり抜いたデザインで若い人の心をつかむホテルデザイン。全体的には気取らないカジュアルな雰囲気で、だからこそよけいに旅人の心を癒すのかもしれません。
タイルの貼り合わせ方も設計士のこだわりが見られてとても興味深いですね。
この内装イメージにピッタリのタイルはこちら
★ゴア テラゾ(人工大理石)風にプリントされた、内装床用タイル。Moxyのように、あえて違う色を貼り合わせるのもオシャレ。
床使用の際、水に濡れると滑りやすくなります。予めご承知の上ご検討願います。
====お店情報====
Moxy NYC Times Square (Bar Moxy)
485 7th Avenue, New York, NY 10018
(212)967-6699
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8月から販売を開始した200角タイル「ピカソ」 。すでにご検討中のお客様もいらっしゃり、大変好評をいただいております!
そこでこの度、タイルパークでは「ピカソ」の5枚入りサンプルセット を50セット限定でご用意致しました!
なお受付は先着順となります。「具体的物件はないけど、この商品が気になっている・・・」 という設計士・デザイナーの皆様!ぜひサンプルセットをゲットして実際の商品をご覧くださいませ!
ご好評につき個数終了いたしました。たくさんのご応募誠にありがとうございました。
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先着50名様に「ピカソ」実物サンプル5枚入(模様はランダム)のサンプルセットをプレゼントいたします。
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平成30年9月10日(月)~個数終了まで
●注意
・サンプルの品番は選べません ・業者の方は1社(1営業所)につき1セットまでとさせて頂きます ・サンプル使用後のご返却は承っておりません
●お問い合わせ
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毎回濃密な内容で大好評の「
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新井さんが買い付けてくれた本をちらっとご紹介しますね♪
■DECORATE with COLOR
インテリアを色別に紹介しているインテリア雑誌です★
使われている家具などもゴージャス系で見ごたえ抜群。
フェミニンな内装が中心で、どのページもキラキラしていて眺めるだけでも楽しめます(^^)
■NEW YORK SPACES
様々なインテリアアイテムが紹介されている1冊。「ART OF LIVING」というキャッチに相応しい個性的な記事が並びます。
コーディネートよりはアイテムにこだわった内容。面白いインテリアグッズがたくさん載っています。
マンハッタンにショールームを構えるタイル会社「AKDO」の広告が載っていました。
■dwell
キッチンやバスルームなど住宅デザインを中心に紹介しています。アメリカの住宅は広々としていて素敵ですね~(^^)
和の空間も載っていますね。テラスのある瓦屋根、かなりかっこいいですね!
図面も少し載っています。「I’m home」のような感じでしょうか。
そして、こちらはマガジンではありませんがある意味当たりの品 ・・・
■NEW YORK IN COLOR
インテリア雑誌ではなく、厚みもそこそこの写真集です 。現地の新居さんが一押しとして送ってくれました!
ニューヨークの街を、「色」というキーワードで捉えた様々な写真を掲載しているスナップ集になっています。
町の中で見ることができる鮮やかなブルーたち。
趣のあるブラウン。ニューヨークという町の多様性を思いっきり伝えてくれる一冊です。
こちらの「NEW YORK IN COLOR」は先日ビッグサイトで開催された「建築建材展」でもTNコーポレーションブースに置いておいたところ、タイルと同じくらいお客様の食いつきが抜群でした(笑)
マガジンはどれが届くか、当たってからのお楽しみです。
応募期間が短いため急いでお申込み下さいね!!
●応募方法:
こちら より新規会員登録を行うと、登録(申請)完了画面に応募用のキーワードが表示されます。
お問合せフォームからカタログをご請求頂く際、問い合わせ内容入力欄に「カタログ希望」のコメントとキーワードを入力して送信してください。
●受付期間:2018年3月9日から3月20日
●注意事項:
・期間中にご応募頂いた中から抽選となります。抽選の結果外れてしまった方には、キャンペーン終了後にカタログのみご郵送をいたします。
・お一人様1冊までとなります。
まずはこちらから会員登録をどうぞ
タイル通販「タイルパーク」
https://tile-park.com
新しい年が幕を開けました。昨年末には念願のサイトのリニューアルも終了し、いよいよ2017年カタログも皆様の元へ届きます。
タイルパークの使命は、私が15年前に見たあの豊かなアメリカのタイルインテリア文化を日本に伝えることです。豊富な品揃えと手頃な価格、そして何よりも必要なだけ誰でも簡単に購入できるECシステム。これらを研ぎ澄ますことが私の仕事です。
まだまだやることがいっぱいです。年明けにいつものように鉛筆を手に取り、やるべきことやまだできていないことを整理しました。
今年はさらに皆様の身近な存在となり、日本のインテリア文化に貢献できることを祈念しています。
タイルパークでは石材もいくつか取り扱っています。
石材の魅力はなんと言っても素朴な素材感。滑らかな鏡面磨きの石材と違って、タイルパークで扱う石材はより素材としての石の魅力をもった商品がほとんど。空間に調和した石材はとても心穏やかな雰囲気を作り出してくれます。
タイルパークで人気の石材はこちら↓↓
★ブラッククロボカン
「ブラッククロボカン」はインドネシア産で、バリ島の寺院建築で使われていたものが世界各地のモダン建築でも取り入れられ人気を呼んでいます。
★ラスティグレイ
石材のモザイクタイルシリーズ「ラスティグレイ」。天然石ならではの色むらや形の歪みが優しい雰囲気を作ります。
★スプリットボーダー
柔らかいイメージの材質でありながらシャープな雰囲気を実現。住宅でもよく使っていただいております。
天然の石は鉄分によって錆が発生するので時々メンテナンスをして、長く愛してやってくださいね。
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