釉薬の色の裏の話…その7 続・「白って200色… いや、もっとあります」


タイルを選ぶとき、まずは「色」、で探すという方が多いと思います。
「タイルの色」=「釉薬(ゆうやく)」
焼き物であるタイルの色は、とても細かな釉薬の調合によってうまれます。
ここでは、日々のタイル製作現場でおきている、色開発の舞台裏を、何回かにわたりご紹介しております。

今回は前回の続きで、「白」。焼き物の白の表現は、果てしない可能性を秘めている…

前編はこちら>>>釉薬の色の裏の話…その6





さまざまな白い試作タイル




陶芸における「白」を表現する釉薬は、原料の配合、焼成温度、酸化・還元といった雰囲気、さらに下地の土の色によって無限の表情を生み出します。
白のニュアンスは主に「質感(ツヤ or マット)」と「乳濁具合」によってバリエーションが生まれます。





ベースにカラー、上掛けに白




ベースにカラー、上掛けに白のアップ




ベースにカラー、上掛けに白のレリーフボーダー




前回は、下地にベースとなる色「カラー」を敷いて、上から灰釉系の白をあらわす釉薬を流したパターンを主に見てきました。
今回は、ベースに「白」を持ってきます。










200色の「白」を生み出す要素





釉薬の種類ももちろんですが、その釉薬の量、また組み合わせによってもいくつもの表現が可能です。
また素地の色、原料となる土の成分、それも色に影響を与えます。あとは焼成方法でも雰囲気がかわります。













釉掛けの厚さ
薄いと土の色が透け、厚いと真っ白に乳濁する

重ね掛け
別の釉薬と重ねることで、オリジナルの白が生まれる

素地(土)の色
通常のベージュっぽい土 以外で、白い綺麗な土を使えばより真っ白に近く、赤土や鉄分を含んだ土ならベージュやグレー寄りの白に

焼成方法
酸化焼成(酸素を多く入れて焼く)と還元焼成(酸素を減らして焼く)では、白の質感が大きく変わる

タイルパーク自社工場のトンネル窯は「酸化焼成」なので、実は、還元の炎によって引き出される「ワラ灰釉」特有の、少し青みがかった幻想的な白は苦手だったりします…。酸化焼成だと、どうしても少し黄色みがかった「クリーム色」に近い白に寄ってしまうそうです。

重ね掛けしてうまれる様々な「白」を少し見てみましょう。
タイルパークに「金木犀」という商品があります。









表面に施された麻の生地のような模様と、変化に富んだ釉薬表現が織りなす、温かみあふれる風合いが特徴です。









この商品の素地を使い、さまざまな質感の「白」を釉薬マイスターが作ってくれました。
下掛けに化粧土として灰を使った、さまざまなアレンジ。白ベースで灰の添加量を変えたり他の原料を添加したりと、何パターンも比率をかえて釉薬を施し変化をつけています。





さまざまな白い試作タイル








色、模様が濃く見えている、上の写真でいうと右側が、下掛けの化粧土を施していないものです。
より白く見えている部分が、下掛け+上掛けの2度施釉しています。









下掛けあり、と、なし、でどう違ってくるか、
また、施す釉薬、その割合、いろいろ変えて試しています。





さまざまな表面の状態




素地は全部同じ型、もちろん原料の土も同じ。
でも、触るとツルツル、まさにガラス質の釉薬でコーティングされているといったようなもの(写真下、左)もあれば、素地の布目の模様、少しだけ凹凸があるのですが、それがそのまま残っているもの (写真下、右) もあります。触るとポコポコとした感覚が手に伝わります。













正面から見ただけでは、色の差と、なんとなくツヤなのかマットっぽいのか、それくらいしかわからないですが、凹凸が残っているということは、光の影響でその部分がより際立つ瞬間があるということ。
でも、洗面やキッチンなど、水掛かりや汚れが付きやすい場所には、細かな凹凸があることで汚れが落としにくくなり、すこし厄介。だから、表面がフラットでツルツルの方がよかったりしますよね。

見た目だけではなく、細かな質感もよく考えて、使う場所や場面を考えることも、タイル作りでは重要になってきます。
タイルを選ぶのも、やはり見た目だけでなく、実物サンプルをしっかりと見て、触れて選んでいただきたいです。










釉薬マイスター曰く、ここで狙った「白」は、やわらかい白、その白がうみだす「侘び寂び」の美しさなのだとか。
どうしてもわたしは実用性でものを見てしまうことが多いのですが、せっかくならば、実用的でかつ、美しいものを選びたいものです。

灰釉は、濃さ(釉薬の厚み)によっては青白く、マットな乳濁色に。
失透釉(しっとうゆう)でガラス化を抑えてマット(ツヤ消し)な乳白色に仕上げたり。

光が表面だけでなく釉薬の層の中で散乱し、奥行きのある柔らかな質感を出したり、半透明に乳濁させて、素地の色や模様をヴェールをかけたようにほんのり隠したり、また引き立てたりも。

いろいろな表現は、釉薬を知り尽くした熟練者だから可能になります。
単に「白」を選ぶにも、無限に選択肢があるんですね。










余談:
「偶然が生んだ大発見」が藁灰釉のルーツと言われています。
太古の昔、器を焼く窯の中で起きた「アクシデント」を、昔の職人たちが知恵と観察眼で技術へと昇華させていった歴史があります。

昔話からはじめると、またちょっと長くなってしまいそうだったので、今回触れるのをやめました。
気になる方は「灰釉 起源」で調べてみてくださいね。





2回にわたって、「白」、それにプラスした焼き物ならではの釉薬表現を交えてご紹介しました。
この色が欲しい、というところから、単純に色だけでなく、ツヤなのか、マットなのか、さらには、どんな質感にして、どんなイメージの空間にしたいのか。
釉薬だけでも、多彩な表現が可能ですので、ぜひご相談ください。


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「THE ONE TILE」オーダーメイドタイル サービス
■ GLAZE LAB(釉薬開発)
■ 少ロット生産体制(1㎡から対応可能)
■ 伴走型アシスト
(タイルに詳しいスタッフによるサポート)

3つを軸に、お客さまのご希望に応じた色、形、質感のタイルを実現していきます。

THE ONE TILEパンフレット カラーバリエーションの一部

詳しくはこちら
https://www.tn-corporation.com/the-one-tile










この記事の執筆者:吉田(タイルパークスタッフ)
カタログやコンテンツ記事などの各種広報物作成を担当。出版・制作会社を経て、転居を機にタイル業界へ。タイルの魅力を模索中。










ソーヴィニヨンの白

ソーヴィニヨン
ツヤがある「トルテローニ」(ブログ記事の前半で写真載せていましたが)に対して、同じ形状のこのタイルの白は、マット仕上げで温かみのある風合いが特徴。微妙な色差の白をミックスしていて、絶妙なやさしい「白」ですよ!

→「ソーヴィニヨン」を見る











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