建材展からの経過 その②


こんにちは、T2冨田です!
昼間のあたたかさと朝晩の子寒さで風邪をひかぬよう体調管理に気をつけたいこの頃です。
さて、本日の建材展後の経過はエシカルな取り組みについてです。





TNではかねてより、タンブルボーダーをはじめ、インテリアパネルやテラゾーなど様々な角度から 環境を配慮した取り組み、商品開発を試みてまいりました。
そのなかで私が担当していたのが廃棄釉薬を使用した実験です。









商品の生産過程で排出された釉薬はタンクに集められ、フィルタープレスでしぼり、原料にもどして粘土として再利用していますが、これはごく一部です。
そこで残りの行き場をなくした廃棄釉をなんとか活用できないかということで、これを釉薬の下掛けとして活用する実験を行ってきました。(昨年の夏ごろのブログでも少しお見せしていたかと思います。)





廃棄釉を活用するにあたり想定される大きな問題は、
その時の工場の生産商品により廃棄釉の色調、性質が大きく変わること。
下掛けであればその差も多少の印象の変化程度に抑えられるのではないかという算段でした。





廃棄釉は見た目の印象で色ごとに分けてテストする
画像は赤、黒、グレーの三色に分けて水で溶き施釉したもの




しかし、定期的に実験していくと予想を上回る色調の幅で、浅い川のような淡い緑色の時もあれば、飴のような茶色みのときもあるというなんとも困った七変化具合。
はたまた、上掛けとの相性か、釉縮みが起きたりなんだりと課題が続出しました。







12月採取 単味






1月採取 単味






釉縮みが発生




上記課題を経て添加物による色の調整、上掛けにも糊剤の添加、施釉量の微調整などを行い、なんとか着地したのがこちら。





上が単味
下が上掛けに白マットを掛けたもの




味のある自然な表情のものができあがりました。
奥ゆかしさを感じさせるやわらかい印象のためか、建材展にて「環境配慮の取り組みとして」の枠を超えて比較的よいリアクションをいただけたのも嬉しく、ほっとしたところでした。頑張って良かった、、!





これらを踏まえて、現在は商品化へ向けて、定期的な採取で調整幅の検討をしていくことと、これらから生まれた表情の活用を考えています。
廃棄釉が生み出した表情はなかなかに魅力的だったので意図的につくることができないかという実験もしています。が、そうそう簡単には再現させてくれなさそうです。







3月採取 






再現実験






実験は上手くいかないことの方が多いですが、思わぬ寄り道を楽しみながら地道に進めていこうと思います。

エシカルな取り組みについて、いくつかウェブブックとしてまとめています。
よろしければぜひ一度ご覧ください。





エシカルジャーナル01https://tile-park.meclib.jp/TN_ethical_journal_01/book/index.html#target/page_no=1
エシカルジャーナルhttps://tile-park.meclib.jp/TN_ethical_journal_02/book/index.html#target/page_no=1