物を作る時には、いろんな無駄が出ます。そしてそれは廃棄されます。
我々タイル製造も、多くの廃棄物を出しています。
タイルを生産するために釉薬を使用します。
不足が許されないものもあり、どうしても余分に発注し、余ったものを釉薬メーカーに引き取ってもらっていました。
しかし地域の処理場が環境の問題から引取できなくなり、余った釉薬は行き場をなくしました。
今までは、ブースを洗浄したものを廃棄するためにフィルタープレスで絞ってそれを原料(土)に戻し粘土の代わりとしてリサイクルしていましたが、一定量を超えるとこれも引き取り拒絶となり、余った釉薬は行き場をなくしました。
現在は福島原発のように工場の敷地内にどんどん処理されない廃棄釉薬が増えており、このままではタイル産業として継続することが困難になることも想定されます。
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そこで今回、リサイクルの枠を超えた部分について新たな用途として下サビ(釉薬の深みを出すために使われる下掛け釉薬)として活用することを検討しています。
成功すればタイルの価値を上げると同時に廃棄する量がへることになります。
このような取組をアップサイクルと位置づけ積極的に展開していきたいと考えています。
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左から黒い層、赤い層、グレーの層 上から下サビの濃いもの、中くらい、薄いもの
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1回目はボロボロな状態でしたが、2回目は少し改善されています。次は切は止まると思います。
この廃棄釉薬を活用したタイルが、商品として出せる状態になったら、アップサイクル商品として紹介したいと考えています。
生産する色により、傾向が変わる場合もあるので、調整も必要ですが、なんとか価値あるものに仕上げたいです。