タイル割付けは奥深い


タイルパークでは現在、住宅内で最もタイル使用率の高い「洗面台」のタイル仕上げを後押しするべく、新サービスの準備をおこなっています。


洗面台とキッチンは、住宅の中でもお施主様(とくに女性の方)がこだわりたい場所のツートップ。なかでも洗面台は、ミラー下のごく小さなスペースだからこそ「デザインにこだわりたい」「遊び心を取り入れたい」という方も多いのではないでしょうか。





とはいえ工務店の方などにお話しを伺ってみると、じつはこの僅かなスペースのタイル施工で頭を悩ませることも少なくないようです。様々なケースがあるものの、大きくは「四角形以外のタイルになると割付けが難しい」ことと、「省スペースほど施工のコストが高く感じる」ことが多いようでした。






割り出し方ひとつで変わるデザイン


事前にタイルを割付けることで、施工に必要な枚数や切り物のサイズを確認することができます。また割り出し方を先に決めておけば施工のときにも迷うことなく、仕上りも事前に想像ができるので、施工担当にも指示が出しやすくなります。


心割り(中心から割り出す割付け)の場合、タイルの中心からスタートするか、目地からスタートするかでも仕上りが変わってきますね。どちらの方がキレイに仕上がるかは、施工面・タイル寸法・目地幅の関係で変わってきますので、一概にどちらとは言えないところが難しいです。


タイル心割り
目地心割り

詳しくは下記のページもご参照ください。
「タイル割付け、キホンのキ」 >






さて今冬よりタイルパークでは、洗面台のバックスプラッシュにおける「タイルの割付け」と、その割付け内容で「プレカット」まで一緒に注文できる新サービス「割付TEプレカット」を発足予定です。


割付けや数量拾いといった部分は原則弊社ではおこなうことができませんが、少量だからこそなるべく手間を省きたい洗面台のタイル仕上げをお手伝いすることで、コーディネーター様や工務店様にとって便利なサービスとしてご提供したいと考えております。
(※新サービスの対象範囲外については、これまで通り割付けや数量拾いはお客様にておこなっていただく必要がありますので何卒御了承ください)


現在運用開始にむけて内容を詰めたり、シミュレーションをおこなっている段階ですが、実際の現場寸法にあわせてタイル割付けをするというのは、私たちが考えていた以上に気にかけなければならない点が多く、奥が深いものでした。





特殊な形状は切りものだらけ


タイルパークで販売している中でも、とくに変わった形状の「ピノグリ」や「レトロ」といったタイル。



直線の目地が通る部分が無いこれらのタイルは、基本的に収まり部分のタイルをカットする必要があります。



ピノグリの標準割付図

上記は参考割付図からの引用となりますが、場合によっては、こんなギリギリの切りもの(収まり部分に使用するカットしたパーツ)が出てきてしまったりします。
小さい切りものはカットするのがかなり難しく、破損したり斜めになってしまったり、はては折角切れても現場で迷子になってしまったり・・・。


タイルにあわせて施工場所の寸法を決められる場合は、極力半マス(真ん中でカットしたタイル)で納めるのが仕上りもよく効率的です。しかし、とくにリフォームの現場においては元々施工面が出来上がっているため、そうはいかない場合が多いかと思います。その際も、なるだけ大きめの切りもので納められるように、割出し位置を微調整するのが良いですね。



割り出し位置の調整について、以下に事例をひとつ。

以前弊社で「フィン」の割付をさせていただいた際の、初期割付図の施工面右側です。


フィンの割付け_その1

斜線の引かれた部分が切りものです。細長い三角形の、いかにも折れやすそうな切りものや、紛失しやすそうな小さな切りものがたくさん入っています。
「とくに下部に入っている細長い三角形の切りものは、カットの衝撃に耐えられないだろう」という判断となり、割り出し方を変えてみることになりました。



フィンの割付け_その2

修正案がこちら。できるだけ切りもののサイズが大きくなる場所を模索し、初案よりはだいぶ破損のリスクが低減できそうな割付になりました。






頼みの綱のコーキング


先にお見せした「フィン」の事例の修正案。よく見ると切りもののサイズ確保と引き換えに、上下のコーキング幅が非常に大きくなっていることもわかります。


施工面の寸法もタイルの寸法も変わらない以上、どこかで帳尻を合わせるしかないですが、そんな時は思い切って、周囲のコーキング幅を多めに取ってしまうのも一つの手です。


コーキングで収められたタイル

うまく割付けられないときの逃げ道として、コーキングは少し余裕を持っておくのがベターです。
これは、ギリギリの幅で割付けてしまって、いざ施工のときにタイルや現場のわずかな歪みで収まらなくなるというトラブルの回避にもつながります。
バラのタイルや表紙張りユニットなら、接着剤が硬化するまでに微調整することもできますが、ネット貼り商品はそうもいかないので、特に気を配る必要があります。






仕上りを左右するもの


とはいえ見た目の良し悪しにも影響するので、通常なら5mm程度におさえたいコーキング。上記のフィンの割付けでは「上部はタイルをカットしたくない」というお客様からのご要望もあり、試行錯誤の結果、最終的に上下とも11.6mmものコーキング幅が空いてしまいました。


最終的なフィンの割付け

何かを優先するなら、何かを諦めるしかありません。タイルの仕上がりとしては少々格好悪いですが、これはもう、コーキングでぎゅぎゅっと埋めてもらうしかないか・・・。
施工を担当する業者さんにも了承を取ってもらい、このサイズのままプレカットをおこない納品させて頂きました。さて現場での施工の結果がどうなったかというと・・・



施工完了後のフィン

こちら、施工後に送っていただいた写真です。あれ!?上下の極太コーキングが見当たらない!?


写真をギリギリまで拡大したところ、どうやら広すぎるコーキング幅を逆手にとり、見切り材を入れていただけたようです。ちょうどシルバーの見切り材が引き出しやキャビネットの取っ手とも一致して、結果的にとてもまとまりのある仕上りになっていました。



割付は、あくまでCADで引いた数値上の結果。今回の施工の際にもやはり寸法誤差などがあったそうですが、そこは施工の方がしっかり調整をおこなってくださっています。実際の仕上がりのクオリティを左右するのは、やっぱり現場にいる職人さんの知識と経験なのでした。











この記事の執筆者:金谷(タイルパークスタッフ)
タイルパークの商品情報管理やWEBサイト更新を担当。学生時代に学んだ陶芸の知識を活かし、タイル商品の魅力を発信。










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フィン
海外からやってきたユニークな形状のガラスモザイクタイル 。一定間隔でまっすぐ通る目地があるので、うまく割付ければ現場で難しいタイルカットを最小限に留めることも可能です。

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