イタリア出張番外編(帰国難民)


 今回の出張を通して、いろんなことを経験しました。特に世界と日本のコロナに対する危機管理体制をどうしても皆さんに伝えたいので、タイルパークとは関係ない無い投稿をさせていただきます。





 まずはイタリアを出国するときの出来事について報告します。帰国の際は、帰国前72時間以内のPCR検査の陰性証明書が必要です。日本からボローニア空港にある検査機関を予約しておきました。当日行ってみると、受付の担当の女性が、「えー、日本人ですか。日本は報告書の様式が違うので難しいみたいです。上司に確認します」とのこと。少し待って上司が「私では判断できないので、上司に聞いてみます。少しお待ち下さい」と言って電話をかけはじめました。そしてその後、「日本人の検査はうちではできません。以前様式が違い、出国ができず大変なことになった事があるので、検査自体を受けられません。他の検査所を探してください」との回答。そんなこと言ってもそこでも断られたらどうすればいいのか・・・。不安はかなりつのります。何度頼んでもやってくれないので、他の検査場を探して移動。次の検査場では、日本の様式があることも知らず、「ここはイタリアなのでイタリアの様式しかだせません。検査はします」とのこと。何度も日本の様式を依頼したが却下。ここで大使館に電話するも、様式について明確な回答はなし。それでも検査だけはしてもらい、厚生労働省へ確認したところ、いいとは言わないが、所定の項目が明記されていれば、だめとも言わない。こんな感じの回答が。もうどうしようもないので、必要項目の確認をして、翌日PDFで送られる検査結果の様式を待つ。帰国前日、金曜日の午後3時。届いたレポートをみるとなんと必要項目のパスポート番号が記載されていない。これはまずい。通らないと帰国できない。それからまた検査場へもどり、レポートに追記してもらうように交渉開始。しかし現場ではただ検査するだけで、結果確認とレポート作成は別の場所で行われており、ここではできない。イタリアではこれでいいといった回答で・・・ピンチ。なんとか粘り強く交渉し、備考に記載してもらったのが午後6時。後はPCR検査の様式。WEBで調べるもなんとなく曖昧。心配なので8時頃空港へ確認に行くも、明快な答えは出ず。





 その後も検査形式についてWEBで調べたが、レポートに書いてある内容に一抹の不安が。それでも当日を迎え、少し早めにボローニア空港につきチェックイン。ここでも日本のパスポートを見るや、露骨にめんどくさそうな顔をされ、それからしばらく日本の入国条件と必要書類をチェック。そしてなんとイタリアでのチェックインが完了。あーこれでに日本に帰れると思い安心して経由地のパリへ。





 パリで搭乗の案内があり、日本に帰るのに必要な書類があるので、希望する方は事前にチェックしますとのこと。早速列に並ぶと、数人目の子連れの女性が検査は受けたがレポートが印刷されていない。今からでは間に合わないので、今日の便に乗ることを諦めてくださいと言われているようでした。他にも搭乗を認められない人が数人。そしていよいよ我々の番。それは長かったのか短かったのかはっきり覚えていません。しかしその答えは、「検査方式が違います。このまま行くと日本で出国できないので、パリに滞在し、再度PCR検査を受け、日本の様式でレポートを作ってください。今日は搭乗してもらうわけには行きません。」との回答。その時は土曜日の午後11時。えーーー。これからホテルを探して、またPCR検査場の探すのー。そして飛行機代や滞在費は???もうひとりの女性に必死に訴え、日本で出国できなくても、私達の責任なので、なんとか飛行機に乗せてほしいと頼みまくる。しばらくしてその回答は、全くだめではないが曖昧なテスト方式が記載されているので、私達はこの様に解釈しましたと書類にコメントを頂くことで飛行機に乗せていただけることになりました。開き直って3日間のパリ観光と思い直していましたが、たすかったー。





 そして後は日本の手続き。到着後必要書類の確認。緊張が走ります。





書類の検査が終わり、出国が確定した風景




PCR検査で陰性の人の番号が表示されるボード




その間2〜3分。出た答えは、「検査レポートに問題は有りません。次の工程へ進んでください」との返事。助かったー。これで出国できる。PCR検査の結果は陰性。その後はアプリを登録してスマホで管理されながら自主隔離が始まっています。





 それにしても、厚生労働省に一言いわずにはいられません。どうして日本だけ専用の様式が必要なのか。それは相手国が理解していて、受けてもらえるように説明してあるのか。検査結果の証明に印鑑かサインが必要とあるが、ほとんどの検査場では検査する人しかおらず、試験体はどこかへ届けられ、結果だけが翌日PDF形式でメールで送られてくるので、誰がサインするのか。そして最も曖昧なのは、もしできなければ必要事項があればいい、とも理解できる文面。その割にその範囲が決まっていなくて、誰もやりたがらない実情。水際戦略は重要なのはわかるが、帰国する人のことを本当に考えているのでしょうか?交渉できなければ私達はイタリアから出られなかったり、パリで滞在した可能性はかなりあります。その時間や費用を考えていただいているのでしょうか。ひょっとすると多くの帰国難民がでているのではと想像します。





 今回はタイルと関係ないことを長々書きました。しかしどうしても誰かに伝えたいと思い、書かせていただきました。もしこれから海外へ出かける可能性のある人は、遠慮なくメールで聞いてください。ポイントをお伝えします。