ニューヨークだより 第63回:LIFE Hotel


取材:2020年2月 写真/記事:佐京佑夏






(https://www.compass.com/neighborhood-guides/nyc/nomad/)

今回はマンハッタンのミッドタウンより少し下にある、マディソン・スクエアパークの北側に位置する“NoMadノマド地区”(North of Madison Square Parkの略)からブティックホテルをご紹介します。




(https://www.compass.com/neighborhood-guides/nyc/nomad/)








このエリアは歴史が古く、1600年代に公園ができてから、周りにはエレガントなブラウンストーンの建物が多い高級住宅街になりました。歴史的に有名な、フランクリン・ルーズベルトやグロバー・クリーブランドなどの歴代アメリカ大統領などが住んでいたことでも知られています。



最近ではイタリアンの高級グルメストアの“Eatery(イータリー)”など、沢山のレストランやブティックホテルなどが増えてきているので、密かにマンハッタンの中でも進化してきているホットなエリアです。











ランドマークとして有名なフラットアイアンビルがある23丁目から、アップタウンの方へ5番街を歩いていくとエンパイアステートビルが見えてくるのですが、その少し前の31丁目を左に曲がると、今回ご紹介する“LIFE Hotel-ライフホテル”に到着します。







LIFE Hotelのビルは、当時アメリカで有名な大衆雑誌“LIFE Magazine”の本部でした。
1936年にLIFEの本部がミッドタウンに移ってから現在のブティックホテルになるまでに、アパートや別の名前のホテルになったりしていましたが、入り口の”LIFE”と書いてあるゴールドサインはオリジナルで当時のまま今でも使われています。



(https://www.townandcountrymag.com/leisure/travel-guide/a9552085/life-hotel-new-york/)

LIFEのビルはボザール様式を使った建築で、42丁目の5番街にあるニューヨークパブリックライブラリーを手掛けた建築会社Carrere and Hastingsによってデザインされたそうです。この歴史的で美しいデザインをそのまま残したファサードは、他の現代的なホテルの外観と違い立ち止まってみたくなるような魅力を感じます。











ちょっと薄暗く重厚感のあるロビー、クラッシックなダークカラーの木素材で統一したエレベーターやテーブルが、当時の雰囲気を醸し出しています。



ロビーに使われている鋳鉄の柱、モールディングや床のマーブルタイルなど全てオリジナルのもので、今回のリノベーションで修復されそのまま使われています。







ロビーは小さくてとてもパーソナブル。前にご紹介したミレニアム系のホテルとは違って部屋数が少ないこともあり、従業員もとても親切にケアしてくれます。










1階にはバーがあり軽食が食べられるようになっています。周りにはテーブルが数個あり、チェックイン前や後にお客さんが休めるようになっているエリアです。







(https://www.luxehotels.com/hotels/life-new-york/nomad-restaurant-nyc)




バーの雰囲気も、当時のジャーナリストが集まるようなspeakeasy bar(スピークイージーバー)を思い浮かべます。

1920年から1933年ごろ、アメリカでは禁酒法が執行されていました。そのためスピークイージーとはアルコール飲料を密売する場所でした。1933年以降スピークイージーは廃止され、現在ではレトロなバーを示す意味で使われています。










テーブルの上にはさりげなくLIFE マガジンの写真集などが置かれているのもデコレーションのアクセントですね。
当時LIFEのビルだった時は、画家/イラストレーターのNorman Rockwell(ノーマン・ロックウェル)や有名TVアナウンサーのCharles Gibson(チャールズ・ギブソン)などが住んでいたそうなので、ライターやアーティストが集まる憩いの場だったそうです。











こちらのバーと同じ系列のレストラン、”Marylin(マリリン)”が同じ1階にあります。



私たちはこの日LIFEにステイケーションで宿泊したので、ここで夕食をすることにしました。







こちらはイタリアンがメインディッシュで、NYCの一流レストランやホテルレストランで働いていたシェフが料理を手掛けています。







奥にはレンガのかまどでピザと手作りのパンを焼いてくれる職人さんがカウンターに居ます。カウンタートップにはマーブルが、カウンターパネルでは黒いサブウェイタイルが使われています。











オフシーズンでその日は人が少なかった事もあり、娘にもピザ作りの体験をさせてくれました。











レストラン全体もレトロな内装の統一感があります。

インダストリアルなグースネックのランプを壁のアクセントとして合わせ、天井はロビーと同じメタル素材のシーリングライトを使っています。家具も全体的に床に合わせて木素材、椅子はブラウンカラーのレザー素材で統一しています。












娘が手伝わせてもらって作ったマルゲリータのピザもとても美味しく、パンやバターなども手作りなので、素材を生かした料理は身体に優しく感じました。



帰りにお部屋で水が飲めるように綺麗なボトルで水も頂けました!バラの花もつけてもらって可愛くてすごくサービスが行き届いています。











気になるお部屋の中。ニューヨークなので多少狭いですがとても綺麗で、ベッドや机、小さいですがクローゼットもあります。ライトやバスルームの蛇口なども、レトロでインダストリアルなホテル全体のコンセプトに合わせたものを使っています。
























バスルーム全体は白いサブウェイタイルで統一。蛇口などの固定備品などはブラスが使われていて高級感があります。









ポジティブなメッセージが書かれた絵がそれぞれの部屋にあるようです。


疲れた後に部屋に帰ってきて、このようなメッセージを見るのは旅行者には嬉しいですよね。










今回はノマド地区から歴史を感じさせるLIFE Hotelをご紹介しました。個人的には大衆化されたチェーンのホテルよりも、歴史的コンセプトがあり個人的なサービスを重視するLIFEのようなホテルに魅力を感じました。
皆さんはどのようなホテルが心地よく感じますか?
















ここが気になる!スタッフのタイルワンポイント


外観から内装にいたるまで、古き良き時代の面影が残るとても素敵なホテルです。日本では最近ちょっと失速感のあるサブウェイタイルブームですが、こうして見るとやっぱりカッコいい!ゴールドとの組み合わせがクールです。タイルそのものは非常に定番的かつ安価でありながら、使い方次第でここまで高級感を演出できるのはやはりサブウェイタイルならではの魅力と言えるかもしれません。










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サブウェイ(SUW-150)
キッチン、バスルーム、リビングなど、どんな場所にも馴染むベーシックなデザインの「サブウェイタイル」。様々な場所で見かける事ができるタイルですが、目地の色や面積など、使い方次第でとてもセンスを感じさせる仕上がりになります。



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==お店情報==



Luxe Life Hotel New York

19 W 31st Street New York NY 10001











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