2023年1月『断片』発売






今年も残すところわずか半月ほどですね。
年内、T2が担当するブログの最後は冨田が担当させていただきます。 よろしくお願いいたします!

4月入社以来、企画開発担当していました『断片』がカタログより少し先行して、2023年1月にタイルパークにて販売を開始いたします。
以前、他の方の書いたブログでちらりと登場していたり、展示会でのお披露目も何度か行っていますが、年明けの発売を控え、商品になるまでの経緯と併せて、今回改めてご紹介させていただこうと思います。









『断片』はアートをタイルに落としこむ試みとしてご紹介しています。
はじまりは、もともとは私の学生時代のデザイン基礎課題のスケッチ(石膏)でした。
形を写し取ることで、モノの意外な一面だったり、造形のおもしろみなどを感じられるということで身の回りの様々なものからテクスチャーを起こしたものたちです。(課題の意図は違ったかもしれません、、、)

まずそれらをなぞるように、多くのものから形を写し取り、石膏のモデルの作成を始めました。押し花みたいに形をそのまま貼り付けるのではなく、少しだけ意図的に、でもそのものらしさを損なわないように、と心がけながらテクスチャーを起こしていきます。パスタからはじまり、文房具、ナッツ、体、カトラリー、、、身の回りの色々なものを道具として使い、多くの面状が並んでいきます。





学生時代のモデル




TNにて再製作




行き当たる壁はこれらをどのようにタイルにするかというところ。多くの面状を一つの商品とする事はあまりに現実的ではない。しかしこの中からいくつか、形を選んでしまっては魅力が損なわれてしまうのではないか。どうしたらこの魅力が伝えられるだろうか、そもそも『断片』の魅力って何だろう、、、多くの議論が交わされました。

そうして行きついたのが、過程をアートとし、それをタイルに落とし込むというかたち。これらの最も魅力的なところはタイルになるまでの過程なのではないかという結論です。
ならば、そのタイルになるまでの過程、アートの部分をまず好きになってもらうことがポイントなのではないか、ということで二次創作物の作成をしました。
まずはテクスチャーひとつひとつに名前と詩(ポエム)をつけました。これは出来上がったものをまた改めて見て、感じたこと思ったことなどを自分と重ねたりしながらひとりごとのようなものを綴ったものです。
そして、面状や素材、名前・詩を記したノートをまとめなおしたもの(わたしは早見表と呼んでいます)を作成しました。
これらは手記のような形として、イラストをつけたりしながら手書きでまとめています。









先日行われたジャパンホームショーでは1日目(2日目にも少々、、)に配布していました、リーフレットに挿まれていたクラフト紙がこのノートに当たります。
今後これらの二次創作物が表向きに出ていくかどうかはまだ曖昧ですが、一応バックグラウンドとしてはそんな感じでひとつひとつに名前と意味みたいなものがついています。

ちなみに、まだ公開されていませんが実は色にも名前がついていたりします。
テクスチャーの名前や色の名前、断片にまつわる言葉たちは、タイルの作り方と同様に身の回りのものからヒントをもらいながら、連想的につけております。





以上のような過程を経て、『断片』 は作り手の思い、過程と併せて魅せる、アートをタイルに落とし込んだ商品となりました。 半年ほどかけて外部のデザイナーさん、社長・先輩方にご助力いただきながらようやく仕上がりました。とても感謝しております。
わたし自身、かねてより、厳かで触れられないようなものよりも、触って感じられる身近なものをつくりたいという思いがあったので、私欲も満たされつつ燃え尽きたような感じが若干あります笑
リアクション次第では今後も展開を広げていけると思うので、頭の傍らで思考を遊ばせながら思案したいと思います。
ひとまずは、手元を離れて行くので、誰かの感情をくすぐるものでありますようにと願いながら送り出します。





わたしたちが目指すのは、匠と感性の力で豊かな空間づくりに貢献すること。
「誰かに話したくなるような空間、日常を非日常にしてくれる空間」をお届けすることです。
今までにないものをとは思いません。現代を生きるものとして、今の価値を、自分で感じられることを形にしていけたらと思います。

商品ページは断片発売に合わせて修正中ではありますが、もしお時間ありましたらぜひ一度覗いてみてください。
またご意見ご感想等、お聞かせいただければうれしく思います。





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『断片』 https://t2protolab.com/work/danpen/